標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第77回]

●ついに!8080の詳細な技術資料をいただいてしまいました

この「つくるCPU」を読んでくださった方からメールをいただきました。
なんと!8080の詳細なドキュメントを添付していただきました。

ドキュメントのタイトルは
”8080 Microcomputer Systems User’s Manual September 1975”
となっています。
このマニュアルは「1975年9月」になっていますが、序文を読むと、「8080が最初に出荷されたのは、1973年12月」と書いてあります。
うわあ。35年前だったんだ。
130ページもあります。

これです。これ!
こういうものを捜していました。
もう、ほとんど諦めていたのですけれど…。

貴重な資料をお送り下さったminagawa様、本当に有難うございました。

ほんとうは、さっそく全部をuploadしてみなさまにもお見せしたいところなのですが、それをやってしまうと、著作権の問題にひっかかってしまう可能性があって、できません。
残念なのですが、必要なときだけ、部分的に引用させていただくことにいたします。

●INR、DCR命令でもP(パリティフラグ)が変化することがはっきりしました

このことについては、さんざ迷ったすえに、本箱の隅から出てきた「マイコンゲーム21」の巻末資料によって、多分、そうらしい、という結論はほぼ得ていました([第31回])。
しかし、確証を得るというところまではまだ至っていませんでした。
今回いただいた資料によって、INR、DCR命令だけではなく、8080のハード、ソフトの全てが明らかになりました。
これは本当に有りがたいことです。

さっそく8080Manualの該当ページを見てみました。


出典:Intel社「8080 Microcomputer Systems User’s Manual September 1975」

P(パリティフラグ)が変化することは間違いありません。これで、はっきりわかりました。

ああ。やっぱりH(ハーフキャリー)ではなくて、ACになっていますね。
そこで、フラグについても該当するページを見てみました。


出典:Intel社「8080 Microcomputer Systems User’s Manual September 1975」

やっぱりAuxiliary Carryだったんですね。
このことについても[第32回]で、多分そうだろうと推測してそのように書きましたが、これも推測の域を出ていませんでした。
それが今回はっきりと確認できたわけです。

いやあ、本当に有りがたいことです。
もう一度、minagawa様に感謝!です。

●INR、DCR命令はすでに説明済みでした

[第72回]で、クロック毎の命令動作の説明の途中で、「INR、DCR命令については、まだ説明していません」と書きましたが、とんでもない大ミスで、すでに[第58回]で説明済みでした。
なんでしょうか。やっぱりトシなのでしょうかねぇ。最近一段と物忘れが激しくなってきました。
このシリーズも、脳細胞が全部だめになってしまわないうちに、はやく書き終えないと…。

送っていただいた8080の資料をあらためて読んでみて、間違い無く、INR、DCR命令でもP(パリティフラグ)がON/OFFされることがはっきりしました。
しかし、いろいろ考えた末にINR、DCRではP(パリティフラグ)は必要なし、と結論づけて、INR、DCR命令の回路から、パリティフラグの回路を削除してしまったものを、またもとにもどすのも難儀なことですし…。

ここはやっぱり、独断と偏見で、INR、DCR命令ではP(パリティフラグ)は変化しないことに決定…。

と、ここまで、考えてきて、
あれ?デジャブ?
前に、どこかで、同じことを書いたような…。

で、ひょっとしたら、と思って、もう一度、よーく見直してみたところ、上に書きましたように、INR命令、DCR命令について、すでに説明済みであることがわかった次第です。

そうすると、[第72回]で、「INR、DCR命令のクロック動作の説明をするつもりだったけれど、まだINR、DCRの回路やタイミングチャートの説明が済んでいないので、後回しにします」と書いて、後回しになってしまった、INR、DCR命令のクロック毎の動作の説明をしなければいけませんね。
2008.9.24upload

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