MYCPU80でCP/Mを!
超巨大基板の8080互換HCMOS・CPUでCP/Mを走らせてしまおうという、なんとも狂気なプロジェクトです!
[第12回]
●MYCPU80の修理(!)
ちょうど1年ほど前にMYCPU80組立キットをご購入いただいたお客様から、先日、MYCPU80が動かないというメールをいただきました。
実はこのお客様のMYCPU80は一度修理をしています。
完成後しばらくは動いていたのですが、突然暴走するようになってしまったとのことで、修理依頼をいただきました。
送っていただいたMYCPU80を調べましたところ、何かの液がこぼれたようなあとがあって、その部分のスルーホールが腐食して断線していることがわかりました。
最初これを見たときは何かの薬品でもこぼれたのかと思いました。
かなりひどい状態です。
これじゃあ間違いなく暴走してしまいます。
何かがこぼれているようですが心当たりはありませんか?とお尋ねしましたところ、薬品などは使った覚えはない、夏のことで暑かったので多分汗がこぼれたのだろうと思う、とのご返事でした。
なんと、汗!でしたか。
うーん。
しかし…(しばし、絶句)。
ま。しかし。個人差があるかもしれませんが、確かに汗にはかなりの塩分が含まれます。
このような状態の基板を見るのははじめてでしたが。
汗の力恐るべしです。
ああ。皆様。
熱中症対策ということでもありますので、皆様方もどうかほどよくクーラーの利いた部屋でハンダ付け作業をなさってくださいませ。
このときは水を含ませた筆でよく洗浄して、その後ティッシュできれいにふき取ってから断線した部分を補修しましたところ、無事動作するようになりました。
以上が昨年のちょうど今頃の出来事でした。
今回の記事の冒頭に書きましたように、そのお客様から、つい先日になりまして、また暴走するようになって手が付けられないのでもう一度修理してほしいというというご依頼をいただきました。
2箇所ほどICの端子が錆びているところがみつかったとも書いてありました。
どうやら昨年修理したところ以外にも汗が原因で腐食が進んだところがあるようです。
直るかどうかはわかりませんが、とにかく送っていただくことにいたしました。
到着したMYCPU80をざっと見ましたところ確かにICの端子が錆びているところがあります。
そのICの下が怪しい、ということでICを取り外してみましたところ。
悲惨な状況でありました。
IC端子のランド穴のハンダを抜いて清掃しました。
スルーホールが錆びて断線寸前のところが何箇所かあります。
今この写真をあらためて見ていて気が付きました。
IC229のところを中心に洗浄したのですが、右上の抵抗の周りとかそのほかのところもかなり汚れています。
そのあたりもきれいにしておいたほうがよさそうです。
こちらもきれいになりました。
こちらはスルーホールが完全に抜けてしまっているところがあります。
これはかなり重症です。
こんなにあちこち腐食しているとなると、これはちょいと完全に直すのはむつかしそうです。
まだほかにも同じようなところがあるのでは?
嫌な予感が的中してしまいました。
上の写真の断線箇所は全部補修したのですが、それでも異常動作は直りませんでした。
TK−80回路の7セグメントLEDがオール8を表示したまま全く動きません。
時にはそのほかの表示になることもありますが、文字にならない表示だったりして、とにかくキー入力も全く受け付けません。
さて困った。
どうしよう。
なにしろICだけでも200個以上もあります。
どこから調べていいものやら、さすがに設計した張本人の私としましても、途方に暮れてしまいます。
MYCPU80でCP/Mを![第12回]
2014.8.9upload
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