2019.9.14
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第154回]


●3年8ヶ月ぶりの再開です

当連載を最後に書きましたのは2016年1月19日ですから、およそ3年8ヶ月ぶりの連載再開です。
決して忘れていたわけではありません。
時々は思い出してなんとかしなければなあ、と思っておりました。
当連載を開始しましたのはさらに遡ること10ヶ月の2015年3月でしたから、それから4年半が経ってしまったことになります。
いくらなんでももうこのままにはしておけませんでしょう。
この夏に入る前あたりから日々やらねばならぬことをこなしながら、少しずつ連載再開に向けて準備を進めてきました。
遅々とではありますが、なんとか形も整ってきたように思います。
CPLDの連載もやっと一区切りつきましたので、久方ぶりの連載開始と相成りました。

その間に過去記事も最初から読み直しつつ、これからどのように進めていくかという構想も練りました。
最後のあたりの記事では[HC139]と[HC373]の回路を仕上げたところで終っています。
最初の記事からその辺りのところまでを通して読んでみて、このままでは進めんなあ、と残念ながら考えざるを得ませんでした。
さすがに3年、4年という歳月に伴うさまざまな変化は世の中についても私自身についても相当に大きなものであるなと思います。
最初のスタートからおよそ10ヶ月をかけて積み上げてきた土台をひっくり返してしまうことになってしまいます。
当初はBS250とN7000を使うということでスタートしたものの、BS250の入手条件のあまりの悪さにさすがにこのままでは無理と判断し、ストレージ回路などにわずかにBS250を使うことにした以外の回路はBS250の代わりにA1015を使うという案を考えました。
結局そこから先はA1015とN7000をペアで使うという回路にほぼ落ち着いたところで超長期の連載休止となったのでした。

上で書きましたように、それから3年以上経った今、あらためて今まで組み上げてきた回路を再検証するとともに、本気でこれを完成させるためには一体どれほどのパーツが必要か、それをどのように確保するのか、ということと、そもそも一体コストはどれほどになるのか、そしてもしそれを組立キットとして販売するとしたら、幾らぐらいになるだろうか、ということであるとか、全体をどれくらいのサイズの基板に分割して、それはそも何枚ぐらいになるだろうか、というようなことなどをざっと検証することから再検討にかかりました。

いうならばそれまでの連載は基礎研究のようなもので、これからはいよいよ本気でプロトタイプの製作に臨むことになります。
再検討の過程で、それまでとは方針を変えなければならないと考えたのは、まず第一にはBS250をどうするか、ということでした。
BS250はせっかく思いついた小容量コンデンサを使うストレージ回路には必須です。
その他の回路は多分A1015で置き換えられるでしょう。
しかし現実問題としてBS250はこれから作ろうとしているオールトランジスタCPU回路には使えそうにない、というのが再検討の結果行き着いた結論です。
あらためて確認してみたところBS250(セカンドソース?)は現在でも生産されていて、たとえばDigi−keyなどで標準在庫品として今でも入手可能です。
しかし、高い。

まあ皆様が5個10個ほどを自作キット用に調達するということでしたら、トランジスタが1個100円でもそれほど高いものとは思いませんでしょう。
しかし、トランジスタ版8080キットの場合、私自身の試作用としてだけでも、1ロット1000個は必要と考えています。
もちろん組立キットとして販売することとなりましたら、それはもう1000個単位の仕入れは当たり前ということになります。
そういう点から考えますと、これは使えんなあ、という結論になってしまいます。
つまりはBS250を使うことは断念して全面的にA1015に置き換えざるを得ない、ということになります。
かくしてせっかく考え出したHC373回路は、「ボツ」であります。
3年前にそのあたりについてもっとよく考えてみるべきでありました。

ま。
その時点では、まだ大量仕入れについては、本気で考えていなかったのかも知れません。
ということになりますと、レジスタストレージ回路は最初からやり直しです。
ええ。
最初からやり直しをいたしました。
その結果。
やっぱりA1015ではコンデンサを使ったストレージ回路はムリでした。
ということで、レジスタ回路については結局基本的なRSフリップフロップから組み上げ直すことになりました。

一方、N7000についてもBS250ほどではないというものの仕入れコストがかなりの負担になるという点ではやはり同じです。
こちらのほうは全部の回路に使うつもりでしたから、たとえば総トランジスタ数が6000個(!)になったとすると、その半数3000個のN7000が必要ということになります。
ここをC1815に置き換えることができれば。
仕入れコストがおよそ1桁違ってきます。
これはもう、そうするしかありませんでしょう。
かくして初期の段階では、使いません、できません、と書いていましたA1015とC1815のバイポーラトランジスタのみのCPUキットに落ち着くことになりました。

当然、それで本当にできるのかというあたりについて、インバータ回路からNAND回路、フリップフロップ、バイナリカウンタ回路までを試作して確認をいたしました。
この夏は全国的に猛暑でしたが、私自身も実に熱い夏でありました。
その検討の過程については、これから少しずつ整理しながら書いていくことにいたします。

なおA1015とC1815は数年前に東芝が生産を終了してしまいました。
しかし海外のメーカーではセカンドソースではないらしいのですが互換品を今でも生産していて、今のところ入手については大丈夫のようです。
このままではニッポンはアカンのではありますまいか?

A1015とC1815についてネットでサーチしていて、たまたま以前使った記憶のあるトランジスタナンバーに行き当たりました。
A733とC945のペアも多分使えると思います。
というより私自身は先にA733とC945のペアを使っていて、その後にそれと互換性があるということで、A1015とC1815を使い出した、というように記憶しています。
こちらもA1015/C1815と同様にまだ調達可能なようです。
やっぱりバイポーラトランジスタで行くというのは、正解のようです。

トランジスタでCPUをつくろう![第154回]
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