2020.3.25
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第203回]



●DATA GATE回路にもダイオードが必要

今回は前回の続きでOPコードフェッチ回路の試作基板の動作テストについて書くつもりでしたが、たまたま過去記事を確認していて、DATA GATE回路にもダイオードが必要であるということに気が付きましたので、予定を変更してそのことについて書くことにします。

DATA GATE回路については[第187回][第189回]に書きました。
動作テストも済ませて、特に問題なしということで終ったのでしたが。
今から考えてみると、そもそもこの回路が「問題なし」で終ってしまったために、トランジスタの逆接続について無視してもよいと誤解してしまうことになってしまったのではないかと思います。
DATA GATEの回路図は[第187回]にありますが戻って見るのも面倒なことですから下に再掲します。

データの向きを変えるためにトランジスタのエミッタに与えるVcc(INV、OUTV)、GND(ING、OUTG)を向きによってON、OFFしています。
エミッタのラインは8ビットの回路が全部つながっていますから、[第201回]の説明と同じ状態になる場合があるということに気が付きました。
[第201回]の説明で用いた図を再掲します。

図をそのまま引用しましたのでDATA GATE回路そのままではありませんが、回路の動作としては同じと考えることができます。
回路の向きで考えるとトランジスタの左側でinnerbusと書いているところが外部バス(D0−D7)からインバータを通したところになります。
トランジスタの右側がinnerbusになります。
説明図ではそれと逆向きの回路は省略されていると考えてください。
説明図の状態はトランジスタのエミッタのラインがOFFになっているときですから、トランジスタの右側(コレクタ側)がアクティブ(ロウインピーダンス)になっている可能性があります(勿論そうではない場合も考えられますが、その場合については今回の対象とはなりません)。
その状態では説明図のように右側のビット回路から左側のビット回路の向きにエミッタを介して逆電流が流れる場合が出てきます。
これがDATA GATE回路では「問題なし」であったのは、このときトランジスタの右側(コレクタ側)がロウインピーダンスであったからだと思います。
逆接続時のトランジスタのhFEが10倍程度だったとすると、このときのトランジスタの出力インピーダンスは5KΩ程度で、それよりもはるかにローインピーダンスであると考えられるコレクタ側のラインには特に影響は与えないはずと考えられるからです。
ここのところがOPコードフェッチなどのデータラッチ回路と大きく異なっているところです。
データラッチ回路のコレクタ側のインピーダンスは10KΩ(その後の回路変更によって今は4.7KΩ)と比較的大きいため、逆接続状態になるとその影響が無視できなくなります。
そのように考えられるため、現時点では今すぐにDATA GATE回路にもダイオードを入れなければならないというほどではありませんが、本来ならばバスラインに対してハイインピーダンスであるべきところが5KΩ程度になってしまうことが考えられますから、余り良い回路とはいえません。
試作基板を見るとダイオードを追加する程度の余地はありそうなので、いずれ適当なときにDATA GATE回路についても試作基板を作り直すことにしたいと考えています。

ああそうでした。
ここまで書いていて、あらためてDATA GATEの回路図を見ていて気が付きました。
現行の回路ではINV、OUTVのラインはOFFにはならなくて、そのとき逆電圧がエミッタにかかります。
やっぱりどこかの時点で基板を作り直すべきでしょうね。

トランジスタでCPUをつくろう![第203回]
2020.3.25upload

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