トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第3回]
●ユニポーラトランジスタ
バイポーラトランジスタがダメということになりますと、残るはユニポーラトランジスタしかありませぬ。
ユニポーラトランジスタではピンときませんが、FET(Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)と言い直せば、どなたも名前ぐらいはご存知かと。
FETはジャンクション型(JFET)とMOS型(MOSFET)に大別されます。
トランジスタ単体としてはJFETのほうが割りとポピュラーのようで、もっぱらアナログ回路で使われているようです。
左様。
これ(JFET)は全然デジタル回路(ロジック回路)向きではありません。
その昔にまだまだ未熟で知識も経験も乏しかった頃に、2SK16か2SK19というような型番だったと思うのですが、ふつうのトランジスタとは違って電圧動作をするらしい、ということで、興味をもって手に入れたことがありました。
でも結局、なんだこいつは、全然使えんではないか、ということで放り投げてしまいました。
以来ディスクリートのFETとは全く無縁で今日まできてしまいました。
使い方がわかっていなかったのです。
バイポーラトランジスタと同じような使い方ができるものとばかり早合点してしまったようです。
JFETはゲート(バイポーラトランジスタのベースに相当)に電圧がかかっていないとき(つまり端子オープンのとき)にドレイン、ソース間(バイポーラトランジスタのコレクタ、エミッタ間に相当)に最大電流が流れます。
これをデプレション型(depletion type)というのだそうです。
なんじゃこりゃあ?
しかもゲート、ソース間電圧が0のときでもドレイン、ソース間の電流は0にはなりません。
うう。それでは制御できないではないか?
ゲートに負電圧(ドレイン、ソースよりも低い電圧)を加えることで、やっとドレイン、ソース間を遮断することができます。
負電圧!
そうなのですよねえ。
JFETを制御するには普通の+電圧だけではなくて、−電圧も必要ということのようなのです。
だめではないか。そんなんでは?
ええ。
ですからロジック回路には向きません。
ということで、これも当然、却下です。
●MOSFET
残るは、これ。
MOSFETです。
う?
MOS?
それってもしや?
そう。その、もしや、でありました。
あの74HCXXのHCはHi−speed C−MOSから来た型名(らしい)です。
[出典:Philips Semiconductors社74HCU04 Product specification]
GENERAL DESCRIPTIONにhigh−speed Si−gate CMOSとあります。
ちなみにCMOSはComplementary MOSFETの略です。
下の図をご覧ください。
[出典:PHILIPS Semiconductors社 74HCU04 Product specification]
ちょっと小さくて見にくいですけれど。
74HCU04の1つのゲートの模式図です。
下の図は回路図で使うMOSFETの記号です。
左がPチャネルMOSFETで右がNチャネルMOSFETです。
PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETとを組み合わせて使うのがCMOS(Complementary MOSFET)です。
おお。
74HCU04のゲート模式図はまさにそのCMOS回路そのものではありませんか!
ということになりますと、もうこのMOSFETを使うしかない、ということになります。
ここまでの考察からすれば、トランジスタ版MYCPU80に使うトランジスタとしては、MOSFET以外の選択肢など考えられませんでしょう。
これで決まりであります。
が…。
本日は時間がなくなってしまいました。
次回に続きます。
トランジスタでCPUをつくろう![第3回]
2015.3.6upload
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