2021.3.9
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第316回]



●100KΩは駄目でした

前回までのところでテストと計算で確かめた結果をもとに、TR00とTR86のプルアップ抵抗と青色LEDの抵抗を交換しました。
その2枚の基板のいずれも抵抗を交換したあとでテストを行い十分な結果が得られました。
そこでそのほかの基板もプルアップ抵抗は10KΩから4.7KΩに交換して、青色LEDの抵抗は22KΩを100KΩに交換しました。
結構手間がかかりましたが仕方がありません。
全部の交換作業が終ったので、順番にテストを開始しましたところ。
青色LEDのうちで点灯しないものが出てきました。
最初の3個ほどは初期不良かと思いつつ新しいものと交換したのですが…。
またもや点灯しないLEDがみつかりました。
なんと4個目です。
さすがにこれはいくらなんでもおかしいぞ、と思いました。

そもそもこれらの基板は抵抗を交換する前にもとの10KΩ、22KΩの状態で正常動作を確認済みでした。
小さい抵抗に交換して過電流が流れたりしたのならともかく、大きい抵抗に交換してこわれてしまうなんていくらなんでもおかしいではないか。
ひょっとして、ということでその点灯しないLEDの抵抗を100KΩからもとの22KΩに戻してみたところ、ちゃんと点灯するではありませんか。
うーん。
100KΩでもほとんどの青色LEDは点灯するのですが、なにしろ超微弱な電流です。
よくよく考えてみれば、素子のばらつきということもあって中には点灯しないものが出てきたとしても不思議ではありません。
100KΩで点灯しないLEDは51KΩでもちょっと怪しい感じです。

ということになると、もう一度考え直しです。
先に2SC1815のベース抵抗は51KΩのまま変更しないことにしましたが、青色LEDのほうも22KΩでなければ駄目ということになってしまいました。
結局のところ2SA1015のショート電流対策としては、プルアップ抵抗のみを小さくするしかないことになってしまいました。
その場合、プルアップ抵抗は4.7KΩ(TR86は3KΩ)のままでよいのか、それとももっと小さくしなければならないのか、そのあたりを確認してみなければなりません。

まずはいままでと同じように計算で確かめてみることにします。
[第313回]で行なったA点の電圧を求める計算で第2式の分母を100KΩから22KΩに変更します。
そのほかは変わりません。
i1+i2=(4.69−A)/4.7
i1=(A−2.52)/22  …100を22に変更
i2=(A−0.69)/51
上の式から
(A−2.52)/22+(A−0.69)/51=(4.69−A)/4.7
が得られます。
通分すると
239.7A−604.044+103.4A−71.346=5239.74−1122A
これを整理して
1465.1A=5915.13
A=4.037(V)

100KΩのときはA=4.277Vでしたから0.24V低くなってしまいました。
Vccとの差は4.69−4.037=0.653Vです。
これが2SA1015のエミッタベース間電圧になりますから、この値では少しはコレクタ電流が流れてしまうかもしれません。
これはやっぱり実際にテストをして確かめてみるしかありません。

[第310回]のテスト回路を使ってテストをしました。

左端の回路のプルアップ抵抗を4.7KΩに、青色LEDの抵抗を22KΩにしてA点の電圧を測りました。
4.03Vです。
計算結果とほぼ一致しています。

そのときの2SA1015のコレクタと出力Xとの間の電流です。

0.16mAです。
これが出力ショート電流に相当します。
心配したほどは流れていません。
これならこのままいけそうです。

ということでもう一度出直しです。
プルアップ抵抗は4.7KΩ(TR86は3KΩ)ですが青色LEDの抵抗は22KΩに戻します。
やれやれ。
です。

トランジスタでCPUをつくろう![第316回]
2021.3.9upload

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