2021.4.13
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第341回]



●TR126のE入力回路

前回TR04を使って行なったトランジスタロジック回路の入出力特性のテストで良好な結果が得られたことを受けて、最終的にTR126のE入力回路を決めました。
下は最終的に決定したTR126の回路図です(4回路のうちの1回路です)。

E入力がLのときにはトランジスタT3とT4がONになることで出力がハイインピーダンスになります。
E入力がHのときにはT3とT4はOFFになるためT5、T6、T1、T2によるバッファ出力が行なわれます。
今回の変更を行なう前の回路ではT3のベース電圧がVcc電圧から0.6Vほど低下するとE入力がHレベルなのにT3がONとなって出力がハイインピーダンスになってしまう欠点がありました。
その欠点をなくすためトランジスタT3の前にT9、T10のインバータ回路を置きました。
T9、T10はその前段のT7、T8の出力を受けてE入力がVccから1/2Vcc近くまでの広い電圧範囲でVcc電圧に近い電圧を出力維持してT3をOFFに保ちます。
T7、T8、T9、T10によるインバータ回路の入出力特性については前回を参照してください。

前回の動作テストで確認しましたから、上の回路でよいはずですが念のため回路を変更する前の基板を使って動作テストをしました。
変更前のTR86+126+04基板にはTR04が1回路ありますからそれを利用してE入力回路にインバータを追加しました。
こちらがテストに利用した基板です。


基板裏側の写真です。

TR126のT3の前にTR04回路を挿入しました。

そのように改造した基板で動作確認のテストを行ないました。
入力になにもつながない状態で電源(4.6V)を入れてそのときの出力Xの電圧を測定しました。

プルアップ抵抗は4.7KΩです。
プルアップ抵抗がありますからE=1、A=1なので出力Xは1になるはずなのですが、E入力回路のT3の前にインバータ回路を追加する前にはプルアップ抵抗が4.7KΩでは出力がハイインピーダンスになってしまいました([第338回]参照)。
今回はちゃんと出力Xが1(約4.6V)になりました。

念のためにE=1、A=0にして出力Xの電圧を測りました。

出力Xは0Vになりました。

次はE=0にしてテストをしました。
E=0、A=0にして出力Xの電圧を測りました。

E=0なので出力Xはハイインピーダンスになります。
テスターの表示はノイズのせいでちらついて定まった値になりません。

E=0、A=1にして出力Xの電圧を測りました。

E=0なので出力Xはハイインピーダンスになります。
テスターの表示はノイズのせいでちらついて定まった値になりません。

上のテストでは出力電圧の表示が不安定で測定できません。
ハイインピーダンスだとは思いますが確定的ではありません。
そこで上と同じE=0、A=1の状態で出力XとGNDをショートして、そこに電流が流れるかどうかを調べました。

出力XとGND間には電流が流れていないことが確認できました。

今度は上と同じE=0、A=1の状態でVccと出力Xをショートして、そこに電流が流れるかどうかを調べました。

0.12mA流れています。
Vccと出力Xをショートしたために出力回路の22KΩ+赤色LEDに電流が流れて赤色LEDが点灯しました。
0.12mAは22KΩ+赤色LEDに流れた電流です。
その値から考えて出力Xには電流は流れていないと考えられます。
上記によってE=0のときには出力Xがハイインピーダンスになることが確認できたと思います(E=1のときにはX=Aになります)。

ということで。
またしてもTR126はプリント基板の作り直しです。
本当にやれやれ、です。

トランジスタでCPUをつくろう![第341回]
2021.4.13upload

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