2024.2.25
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第423回]



●「1/2TR373」プリント基板の製作

74LS373は8bitのD型FF(フリップフロップ)です。
TTLで作るマイコンCPUボードではCMOSタイプの74HC373をレジスタとして使っています。
トランジスタロジック回路としては以前にCMOS版の「74HC373組立キット」を作りました([第141回])。
でもはっきり言ってこれは失敗作でした。
回路が複雑すぎたことと1枚の小さい基板に8ビット全部の回路を載せようとして無理をしたことがその一番の原因です。
この当時はCMOS版のトランジスタロジック回路を作るつもりで作業を進めていたのですがトランジスタ(FET)が入手しにくいことがだんだんとわかってきました。
特にPチャンネル型の入手がより困難で当初考えていたBS250は入手コストを考えると諦めざるを得ない状況でした。
それでBS250の代わりにバイポーラトランジスタの2SA1015を使ったキットを作ったのですが、「74HC373組立キット」は回路の一部にBS250を使うところがどうしても残ってしまうという問題点もありました。
結局その後にMOSFET版のトランジスタロジック回路の代わりにバイポーラトランジスタ版のトランジスタロジック回路キットを製作することになりました。
トランジスタ版4ビットCPU組立キットではレジスタ回路に2SA1015と2SC1815を使った「74LS373回路」を使いました。
しかしトランジスタロジック回路組立キットとしては「74LS373回路キット」は作らないままで来ました。
74LS373もフリップフロップなのですが74LS74とは異なりクロックがアクティブの期間中データが筒抜けになります。
構造としては74LS75を2回路合わせた形です。
トランジスタロジック回路として考えたときには74LS75の動作は前回紹介しましたTR74とほぼ同じ回路でできます。
実際にトランジスタ版4ビットCPU組立キットではそのように考えたレジスタ回路になっています。
そのような経緯もあって今回は「1/2TR373」回路基板も製作することにしました。
「74HC373組立キット」では無理をして8ビット分の回路を詰め込んで失敗してしまいましたので今回は無理をせずに74LS373の半分の4ビット分の回路にしました。
また74LS373では出力を3ステートにできますがこれもトランジスタ数が増えてしまいますので1/2TR373ではその機能は省きました。

下は1/2TR373の回路図です。



1/2TR373のビットごとのデータラッチ回路はTR74のRSフリップフロップ回路と同じです。
74LS74はエッジトリガです。
クロックの立ち上がりエッジでデータをラッチします。
それに対して74LS373はGがHの期間中データが筒抜けになります。
GがHからLになるときにDの値がラッチされます。
エッジトリガではないためTR74のようなデータをラッチするためのエッジパルスの発生回路が不要です。
そのため1/2TR373の回路は図のようにシンプルなものになりました。

下は1/2TR373基板のアートワーク図です。



1ビットあたり8トランジスタです。
それが4回路ですから32トランジスタです。
それにG入力回路の2トランジスタを加えると34トランジスタになります。
前回のTR74と同じトランジスタ数です。
TR74は2ビット分のデータラッチ回路ですが1/2TR373はそれと同じトランジスタ数で倍の4ビット分のデータをラッチすることができます。

トランジスタでCPUをつくろう![第423回]
2024.2.25upload

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