トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第428回]
●オープンコレクタ(3)
前回説明しましたオープンコレクタ回路はLSTTLでは74LS05に相当します。
74LS04のオープンコレクタ版です。
74LS05のHCMOS版の74HC05はMYCPU80(MYCPU80B)で大量に使っています。
なんと32個も使っています。
ちなみに74HC04の使用個数は20個です。
MYCPU80(MYCPU80B)では74HC05よりもさらに沢山使っているオープンコレクタICがあります。
74HC00(2入力NAND)のオープンコレクタ版74HC03です。
こちらは46個も使っています。
74HC00の使用個数はわずか8個です。
74HC03と74HC05の使用個数を合わせると78個になります。
MYCPU80(MYCPU80B)で使用しているHCMOSICは254個ですからそのうちで74HC03と74HC05が占める割合はなんと3割にもなります。
さらにゲートICだけに限って計算してみるとそのうちの5割を74HC03と74HC05が占めています。
そのあたりのことについては[第24回]で書いています。
この時点でオープンコレクタゲート回路は避けて通れないと認識していたはずなのにいつしかその重要性をすっかり忘れてしまっていました。
今更ながらですがなんとかしてオープンコレクタ回路を使うように工夫する必要がある、ということを再認識いたしました。
さてそういうことになりますと。
前回のオープンコレクタインバータゲート(74LS05相当)だけではなくて、さらに74HC03(LSTTLでは74LS03)のトランジスタ版についても考えなければなりません。
2入力NANDゲートのオープンコレクタ版です。
こういう回路になります。
むむ。
こんな回路でよいのか?
簡単すぎて心配になってしまいます。
トランジスタロジック回路組立キットの基板を使ってテスト回路を試作しました。
TR00の1ゲート分の回路を利用しました。
LED表示回路などを省略すると、ほとんど実装するパーツがなくて「がら空き」です。
下はテストを行なったときの出力波形の画像です。
NANDゲートは2入力ですが2現象オシロでは同時には2つの信号しか見ることができません。
下側(CH2)は出力波形です。
2入力には2MHzと1MHzのクロックを使いましたが上側(CH1)はそのうちの2MHzの波形です。
出力がLの期間は2入力が共にH(1,1)のときです。
そこを起点と考えて、入力が(0,0)、(0,1)、(1,0)と続き(その間は出力はいずれもH)、再び入力が(1,1)になって出力がLになります。
入力が(0,1)から(1,0)になる境目のところで出力に深い「切れ込み」があります。
「なんだ、これは?」
入力クロックも確認してみました。
上側(CH1)が2MHzで下側(CH2)が1MHzです。
入力が(0,1)から(1,0)に変わるときというのは上の画像では丁度センターの目盛線のところです。
このとき短い時間2つの入力が同時にHになっていると考えられるのですが…。
それはちょいとおかしいのですよね。
この波形は「クロック発生回路ボード」の出力波形です。
すると。
写真でははっきりわかりませんがCH2(下側、1MHz)はCH1(上側、2MHz)よりはわずかだとしても必ず遅れるはずです。
つまり、目盛線のところでは2つの入力が同時にHになることはありえないということです。
うむむむむ。
ノイズにしてはあまりにはっきりとした切れ込みです。
「一体こいつは何なのだ?」
最初は訳がわからなくてしばし首をひねって考えておりましたが。
「そうか。そういうことか」
理由と言うか原因がわかったように思えましたが、その考えを確かめるためにはもう少しデータが必要です。
今回は時間がありません。
次回で検証することにいたします。
トランジスタでCPUをつくろう![第428回]
2024.3.10upload
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