トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第24回]
●オープンドレイン
BS250の代わりに2SA1015を使うという案を思いついて、それがどうやら使えそうということになりましたので、トランジスタ版MYCPU80製作の第一の関門はなんとか乗り越えることが出来そうです。
しかし実はもうひとつ、なんとか解決したい問題がありました。
それが今回の見出しにあります、オープンドレインです。
下の図がオープンドレインです。
バイポーラトランジスタではオープンコレクタといいます。
出力がHのときにハイインピーダンスになるのがこの回路の特徴でドレイン端子がオープンであることからこの名前で呼ばれます。
この回路はHCMOS版MYCPU80では随分沢山使われています。
ICbナいいますと74HC03(オープンドレインNAND)と74HC05(オープンドレインNOT)です。
ちなみにMYCPU80組立てキットでは74HC03は46個、74HC05は32個も使われています。
トータル270個のうち1/3近くがこの2つのICなのですから、文字通り多用していることになります。
どうしてそんなに沢山使っているかと言いますと、ワイヤードオア(Wired Or)回路のためには、オープンドレイン(オープンコレクタ)が欠かせないからです。
下はMYCPU80回路図の一部です。
ここに描かれているNANDゲートとNOTゲートは全て74HC03と74HC05です。
上の回路図では作画上の都合で出力ラインが別々に描かれていますが、実際の配線では同じライン名は下図のMclr、regWR、regRDのように全部つながっています。
このように出力同士をつないでしまうことができるのがオープンドレインゲートの利点です。
普通のロジック回路では出力同士をつなぐことはできません。
ですから普通なら同じ信号出力が複数ある場合にはORゲートで受けることになります。
しかしもしも同じ出力信号が20も30もあるいはもっと沢山あったらORゲートとそこに至るまでの配線がプリント基板のかなりの部分を占領することになってしまいます。
ワイヤードオアならば上図のラインを1本の線で済ませてしまうことができます。
ORゲートを線(wire)で実現していますからワイヤードORといいます。
オープンドレインでそれができるのは、出力同士を結線しても、その出力がLのときしかアクティブにならずに、Hのときは出力がオープンなので、ふつうのゲート出力のように、H出力とL出力がショートしたりしないからです。
MYCPU80回路では上の回路図のように同じ信号が沢山出力されるためにどうしてもワイヤードオア回路が必要なのです。
そのようにCPU回路ではなくてはならないワイヤードオアなのですが、実は大きな弱点があるのです。
その弱点とは。
というところで時間がなくなってしまいました。
続きは次回に書くことにいたします。
前回までのところをずっとお読みいただいた方でしたら、その弱点が何か、おわかりのことと思います。
トランジスタでCPUをつくろう![第24回]
2015.3.28upload
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