トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第85回]
●CPUのレジスタ(5)
このところ、ずっとトランジスタ版CPUのレジスタについて、考察を重ねております。
その過程で一旦はこれで決まり、と思った回路が下の回路でした。
この回路図は前回もお見せしました。
ところが実際に回路図通りに組んで試してみましたところ、どうにも面白くない結果になってしまいました。
とにかくもうひとつ速度が出ないのです。
なんとか2MHzまでならいけるのですが、4MHzになるとまともに動作してくれません。
最初は2SC1815の回路を疑ったのですが、しかし今落ち着いて考えてみますと、本当に2SC1815の回路がだめだったのか、それともほかに原因があったのか、いささか疑問に思います。
なぜかといいますと、[第82回]で実際に試してみて、そこでは2MHzだったのですが、オシロの波形を見る限りでは4MHzでもいけそう、という感じだったからです。
ただ結果として、前回説明しましたように、結局2SC1815の回路は使わないでもいけるはず、という回路を思いついてしまいましたから、2SC1815回路についての、つっこんだ検証はしないで終ってしまいました。
ま。ともかく、ずっと以前に書きましたように、コレクタ出力を抵抗でプルアップしただけの回路ではどうしても立ち上がりが遅くなりますから、速度が要求される回路では使わないほうがいいです。
そこでやっと前回からの続きのお話になります。
2SC1815の回路はやめて、代わりにWR_信号のゲート遅延を利用した回路を思いつきましたので、その回路で試してみましたところ、やっぱり4MHzでは駄目、という不本意な結果になってしまいました。
なぜだ?
当然のことながら疑いは2SA1015に向かいます。
ひょっとしてBS250を2SA1015で置き換えた回路に原因があるのではあるまいか?
しかし前回の終わりのところで書きましたように、それもちょっとおかしいのです。
なぜならば。
[第21回]ではBS250の代わりに2SA1015を使って立ち上がり波形を観測していますが、十分に速い立ち上がり波形になっているからです。
実はここからいきなり結論に飛んでしまうつもりだったのですが。
それはちょっと乱暴ではないかということで。
上の回路を[HC00−A1015]と[HC10−A1015]を使って組んでテストをしたところ、4MHzではだめだったのですけれど、それではそもそも[HC00]と[HCU04]で組んだらどうだったのか、と考えてみましたら、はて、それは試したのか、試してなかったのか、さっぱり記憶がありません。
典型的な痴呆の症状であります。
うむむむ。
ここはやっぱりそのあたりからもう一度検証してみなければならぬのか。
まるで晩飯を食ったかどうか記憶がないので、念のためにもう一度食うか、みたいな。
もう、末期的でありますな。
で、もう一回食って、
じゃなかった、[HC00]と[HCU04]で組んで試してそれを写真に撮りました。
[HC00]と[HCU04]で組んだ回路に入力したパルスです。
上側(CH1)はD信号として入力した1MHzパルスです。
下側(CH2)はWR_信号として入力した4MHzパルスです。
上側(CH1)は1MHzのままです。
下側(CH2)はRSフリップフロップの上側のNANDゲートの出力です。
上側(CH1)は1MHzのままです。
下側(CH2)はRSフリップフロップの下側のNANDゲートの出力です。
こちらの出力はWR_信号によって一旦リセットされている様子が見えています(リセット側のゲート出力なので、リセットされている期間はHになります)。
ちょっとノイズがありますが、しっかりした波形で正しく動作しています。
さてそれではいよいよ[HC00−A1015]と[HC10−A1−15]を使ってのテストの結果です。
[HC00]のときと同様に、上側(CH1)は1MHzにしています。
下側(CH2)はRSフリップフロップの上側のNANDゲートの出力です。
あれ?
全然おかしくない?
それではRSフリップフロップのリセット側の出力は…?
下側(CH2)はRSフリップフロップの下側のNANDゲートの出力です。
あれえ?
全然おかしくありませんねえ?
それじゃあ、あのおかしかった、あれは一体なんだったのでしょう?
さてはまた妖怪変化の仕業であったか?
どうしてこういういたずらをしてくれるのさ。
悪霊退散祈願をしてやるからね。
もおあかん。
緻密なはずの論理が、音を立てて崩れていきまする。
お見苦しいところをお見せして申し訳ございません。
再度、検証いたまして、結果をご報告いたします。
トランジスタでCPUをつくろう![第85回]
2015.6.21upload
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