トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第99回]
●[HC139]アートワーク図
[HC139]製品版の製作を思い立ってさっそくアートワーク図の作成に取り掛かったのですが、部品配置を終って配線の途中まで進んだところで、このままではとても最後まで線を通せそうに無いことがわかってきました。
下は配線が通せそうにないことに気が付いたときのアートワーク作業中の画面です。
画面上部にずらりと並んだダイオードにはまだほとんど配線が通っていません。
ジャノ目基板で試作を行なうのでしたらどんなにぐちゃぐちゃの「空中配線」でも構いませんが、プリント基板の配線はそうはいきません。
ランドの間を基本的には縦と横に縫うようにラインを通していきます。
上の画面の状態では通せそうなところはもう余り残っていません。
このままでは全ての配線はとても通せそうにありません。
しかしせっかくここまで作業してきたのですから、ここで投げてしまうわけにはいきません。
どうするか?
通らないところを通すようにするしかありません。
余りやりたくはなかったのですけれど。
ここは最後の切り札を使うしかありません。
ピン間2本の配線です。
通常の配線は2.54mmピッチで配置した部品ランドの間に1本の線を通します。
そのランドの間に2本の線を通せば配線数はほぼ倍にすることができます。
下は一部の区間をピン間1本からピン間2本に変更作業中の画面です。
画面の中ほどのランドがほかのところよりも少し小さくなっています。
その小さくなったランドの間を横方向に2本のラインが通っています。
その部分を拡大しました。
横の線がランドに接しているように見えますが、実はランドの外円はレジストの縁です。
その内側がランドパターンで中心の円がスルー穴です。
シルクとレジストを表示しないようにしてみました。
通常のランドはスルー穴の径が0.8φ(直径0.8mm)でランドは1.6φです。
ICやトランジスタの端子用のランドのピッチは2.54mm間隔です。
そこに幅0.25mmのラインを通しています。
上の画像の画面上部の横線は0.4mmです。
2.54mmピッチに置かれた直径1.6mmのランドの間の(空いている)距離は0.94mmです。
そこに0.4mmの線を通すと、線とランドとの距離は0.27mmです。
これは普通に製作可能なクリアランスです。
0.25mmの線ならば距離は0.345mmです。
仮にそこに0.2mmの線を2本通すと計算上は、ランドと線間の距離は0.18mmになります。
この距離でもなんとか製作可能なスペックですが、実はそのように配線するのはちょいとむつかしいのです。
普通はランドを配置する関係上、2.54mmピッチのグリッドを使います。
その間に配線をしていくときには2.54mmを等分に分割したグリッドを使います。
このグリッドに従って2つのランドの間に0.2mmのラインを2本置くと下の図のようになります。
ランドと線との間に0.0525mmしか空きがありません。
これじゃできません、と基板屋さんに製作を拒否されてしまいます。
もちろん上の図のように0.3175mmピッチのグリッド線に乗せないで、ランド間と線間が等分になるような位置にラインを引くこともできないことはないのですが、結構手間がかかるので、今回のように何本もそのような線を引かなければならない場合には、そんなことはとてもやってはいられません。
そこで今回はスルー穴径を0.1mm小さくして0.7φにして、ランド径も0.4mm小さい1.2φにしました。
電源用ダイオードや容量の大きい電解コンデンサなどは太いリード線ですから0.7φの穴には入りませんが、普通の抵抗、コンデンサ、トランジスタなどは0.6φでもなんとか入ります。
ランド径も今まで普通に使っている1.6mmより少し小さい1.2mmですから、ハンダ付けをより丁寧にする必要があると思いますが、背に腹は代えられません。
そのようにすることで下の図のようにランドとの間も十分な距離を置いて線を配置することができます。
下はコネクタ以外のスルー穴径を0.7φ(ランド径は1.2φ)に置き換えて、その間に2本のラインを通して配線作業を完了したアートワーク図です。
私が作業に使わしていただいておりますのはフリーのプリント基板エディタPCBEです。
PCBEについては「TTLでCPUをつくろう」[第271回]で謝辞とともに紹介させていただきました。
PCBEは私にはとても使いやすいエディタで重宝しております。
その昔はマイラーフィルムの上にランドやラインを貼り付けて原図を作成したものです。
とても手間のかかる作業でした。
修正するとなると、さらに手間がかかります。
その面倒だった作業をPCBEは完全に過去のものにしてくれました。
もう感謝感激あめあられであります。
非常にシンプルなつくりで、手作業でやっておったアートワーク作業をそのままパソコンの画面上で行なえるようにした、という感じのツールです。
なので、ランド径を置き換えるという作業も、ボタンひとつでやってくれる、というような機能はありません。
ひとつひとつ削除しつつ、新しいランドに置き換えていきます。
これも手間がかかる作業ですが、なに、昔のことに比べれば天国であります。
上の画像はそのようにして0.8φ穴のランド1.6mm径)をひとつずつ0.7φ穴のランド(1.2mm径)に置き換えて作成したものです。
シルクとレジストを非表示にしてみました。
こちらはシルクと穴のみの表示です。
シルク図はまだ作業の途中です。
これも部品番号、部品名をひとつひとつ配置していく、手間と時間のかかる作業です。
トランジスタでCPUをつくろう![第99回]
2015.7.20upload
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