2018.1.29
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標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
やっと(!)MYCPU80の改良型基板製作に着手しました!!





[第838回]

●MYCPU80の修理

ずっと追われておりました受注品の納品などの作業がやっと片付いて久しぶりにほっと一息つくことができました。
しかしのんびりはしておれません。
もうじき新MYCPU基板ができてきたら、またがんばって見本としての組立作業をしなければなりません。
またおよそ1年ほども中断したままになっておりますKL5C80A12マイコンボードについてもいい加減に再開しなければなりません。
トランジスタでつくるCPUボードも中断したままなので、そちらのほうも今年こそ再開しなければなりません。
ということになりますと、もう今しかありません。

実は昨年の7月からおよそ半年もの間お預かりしたままになっておりますMYCPU80の修理依頼品があります。
半年もの間忘れていたわけではありません。
落ち着いてじっくり時間をかけないと解決できそうにない、と判断したからです。
それでご依頼いただいたお客様には「しばらく預からせてください」とお伝えしたのですが、私としてもまさか半年もお預かりすることになるとは思ってもみませんでした。
今思い返してみましても、この半年はそれほどにきついものでありました。

しかし、例年のことなのですが正月の休みを返上してがんばったおかげで、やっと1月の終わりになって少し時間が取れましたので、それでこの機会にお預かりしておりましたMYCPU80の修理に取り組むことにいたしました。
このMYCPU80の修理ではどうして時間がかかりそうと判断したのかといいますと。
「ASTEC Cの実行途中でこけてしまいます」という内容だったからです。

ASTEC Cについては「CRT/VGAIF+KEYIF+SDCARDIFボードの製作」[総合第78回]で紹介いたしました。
実は今回MYCPU80をお預かりしたのは、そこに書きました「MYCPU80でASTEC Cが途中でエラーになってしまいます」というメールをお送りいただいたお客様からです。
そのときもお問い合わせをいただいてから1年もお待たせしてしまいました。
毎回書いておりますようにいつも時間がないのは事実なのですが、それでも半日や1日でなんとかなりそうなものでしたら、それほど長くお待たせしたりはいたしません。
ただ内容が自分にとって全く知識のないことですので、そういうものに取り組むためにはよほど心にゆとりがないととてもできません。
結果的に随分長くお待ちいただくことになってしまいました。
2度も長い間お待たせすることになってしまいました東京都のY様にはあらためてお詫び申し上げます。

さてそれで、ずっとお預かりしたままになっておりましたMYCPU80の動作テストにかかったのですが、なるほどASTEC Cの途中で異常ブレークしてしまいます。
下はそのときのログです。

D>CC TEST4.C
C Vers. 1.06D 8080  (C) 1982 1983 1984 by Manx Software Systems

D>AS TEST4.ASM
8080 Assembler Vers. 1.06D

D>LN TEST4.O C.LIB
C Linker Vers. 1.06D
Base: 
A F  B C  D E  H L  PC   SP   SZ H P C
0400 0034 0004 0034 35D9 D304 00000000

リンクの途中で異常ブレークしてしまいます。
念のためMBASICを起動してSTARTREKを実行してみたのですが、こちらのほうはまともに実行されます。
ちょっと信じられないことなのですが、何か普段滅多に使われないような命令の使い方でもしているのでしょうか。
さて困りました。
こうなると命令のひとつひとつを試してみるしかありません。
そういえば。
確か以前にそういうためのテストプログラムを作ったようなかすかな記憶が…。

ありました。
「MYCPU80でCP/Mを」[第32回]に書いておりました。
それで、さっそく実行してみたのですが…。

D>CC TEST4.C
>/ld test1b.bin,8000
loading TEST1B.BIN ...00f2(242)bytes loaded,from 8000 to 80F1
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test2b.bin,8000
loading TEST2B.BIN ...0089(137)bytes loaded,from 8000 to 8088
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test3b.bin,8000
loading TEST3B.BIN ...00ec(236)bytes loaded,from 8000 to 80EB
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test4b.bin,8000
loading TEST4B.BIN ...00d9(217)bytes loaded,from 8000 to 80D8
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test5b.bin,8000
loading TEST5B.BIN ...00dc(220)bytes loaded,from 8000 to 80DB
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test6b.bin,8000
loading TEST6B.BIN ...0128(296)bytes loaded,from 8000 to 8127
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test7b.bin,8000
loading TEST7B.BIN ...012d(301)bytes loaded,from 8000 to 812C
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test8b.bin,8000
loading TEST8B.BIN ...0093(147)bytes loaded,from 8000 to 8092
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test9b.bin,8000
loading TEST9B.BIN ...01fd(509)bytes loaded,from 8000 to 81FC
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test10b.bin,8000
loading TEST10B.BIN ...008e(142)bytes loaded,from 8000 to 808D
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test11b.bin,8000
loading TEST11B.BIN ...006a(106)bytes loaded,from 8000 to 8069
>jp 8000
>p.hex$(a%)
AFFC

>/ld test12b.bin,8000
loading TEST12B.BIN ...0091(145)bytes loaded,from 8000 to 8090
>jp 8000
>p.hex$(a%)
9FFE

>

全くエラーなく全命令をクリアしてしまいました。
これってどういうこと?
おお、しかし。
そういえば、以前にこのテストをしたときも同じようなことがおきたような…。
で。
あらためてそのときの記事をじっくり読んでみましたら。
「MYCPU80でCP/Mを」[第39回]になりまして、まさかの結論になっておりました。
おお、そうでした。
このときの結果から、それ以後はレジスタ回路のGNDラインをジャンパ配線で補強することにしたのでした。
うーん。
そうだったか。
このときもありえない異常動作がもとで最後にたどりついた結論としてGNDラインをジャンパ配線で補強するという対策をしたのだったか。

確認してみましたら、今回のMYCPU80基板もちゃんとその補強はしてありました。
しかし。
ひょっとすると。
たまたまこの方のMYCPU80はそれだけの対策では足りないのかも。
そのように考えたものですから、下のようにそのほかの弱いと思われるGNDラインも同じように補強してみました。


茶色の線がもとからのジャンパ配線で、青色の線が今回追加した配線です。
手持ちの0.3SQの被覆線を使いました。
このように追加配線をおこなってから、あらためてASTEC Cを実行してみました。

D>ln test4.o c.lib
C Linker Vers. 1.06D
Base: 0100   Code: 1b71  Data: 01ef  Udata: 0250  Total: 001fb4

D>test4
char 1
short 2
int 2
int * 2
long 4
float 4
double 8

上記の対策が功を奏したらしく、異常ブレークすることなく正しく実行されるようになりました。
結果としまして東京都のY様には随分長い間ご不便をおかけしてしまいましたことを重ねてお詫びいたします。

なお今回お預かりしましたMYCPU80ではもう一点不具合があって調整したところがありますが、今回はちょっと長くなってしまいましたので、それについては次回に書くことにいたします。

TTLでCPUをつくろう![第838回]

2018.1.29upload

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