2018.5.16
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KL5C80A12マイコンボードの製作

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KL5C80A12はZ80互換の高速高性能8ビットマイクロコントローラです。
残念なことに数年前に生産中止になってしまいました。
しかし当社ではKL5C80A12を使った組込みマイコンボードはまだ健在です。
そのKL5C80A12を使ったND80Z3.5上位互換マイコンボードの製作記事です。
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[第22回]


●プリント基板を発注しました

アートワークの修正作業が完了して、図面チェックも終りましたので、プリント基板を発注しました。
下は修正作業を完了したアートワーク画面です。

もともとは以前にKL5C80A12マイコンボードとして販売していたND80Kの改良版という位置付け+AM188マイコンボードというコンセプトのボードですので、ND80KL/86というボード名にしました。
当初はND80KL/AMというボード名にするつもりでした。
KL5C80A12+AM188を意味するネーミングだったのですが、「AM」では意味するところが薄いように思え、それよりはAM188は8086上位互換CPUなので、いっそのこと「86」にしてしまったほうがよい、ということでND80KL/86にしました。

このボードもここまでくるのに随分手間取ってしまいました。
なにしろ第1回目の試作基板を製作したのが2016年9月でした。
第1回目の試作基板を修正して2回目の試作基板を製作したのがその年の12月ですから、それから1年半近くが経ってしまいました。
その間にマイコン独立化システム、続いて新マイコン独立化システム、そしてMYCPU80の改良版MYCPU80Bの製作にかかりきりになってしまったため、ずっと棚上げ状態で来てしまいました。
いくらなんでも棚上げ期間が長過ぎました。
頑張って一気に仕上げてしまいたいと思っています。

●メモリマップについて

前回の終わりに、
「ZBKV3BASICを今回のボードに組み込むためには、どうしても越えなければならない(どうしても越えてしまいたい)壁があります。」
と書きました。
今回はその「越えたい壁」について書くつもりだったのですが、基板アートワークの最終確認の過程で、「メモリマップは大丈夫か」とふと気になって、あらためて整理してみましたので、予定を変更して、そのこと(メモリマップ)について備忘録代わりに書くことにしました。

ND80KL/86ボードは、基板上にROMのみ実装します。
RAMは512KBの面実装のRAM、IS61C5128を使うため、RAMを実装した別基板をコネクタで取り付けるように考えています。
RAMボード部分は完成品での供給ということになります。
そしてCPUもKL5C80A12を実装した完成品基板と、AM188を実装した完成品基板を用意します。
そのどちらもND80KL/86基板に搭載できる設計になっています。

しかし、Z80上位互換の8ビットCPUに対し、もう一方は8086上位互換の16ビットCPUです。
メモリマップも全く異なります。
間が随分空いてしまったこともあって、本当に同じ基板で問題はないのか、基板発注を前にしてちょっと気になってしまったのでした。
それで回路図をもとにして、メモリマップを整理してみました。
こちらはKL5C80A12のメモリマップです。

ND80Z3.5と同様ZB3DOS(CP/M互換DOS)も実行できる構成のため、00000〜1FFFFのアドレス範囲を、ROMとRAMを切り換えられるようにしてあります。
ROMとRAMの切換え回路は[第19回]にありますが、下に再掲します。

説明のために一部の回路を省略して簡略化しています。

そしてこちらがAM188用のメモリマップです。

[2018.5.17注記]図の一部にミスがありましたので差し換えました。

ROMとRAMはKL5C80A12と同じ構成ですが、メモリの配置は全く逆になっています。
下はAM188を搭載した場合のメモリセレクト回路です。

KL5C80A12の場合と同様に一部回路を省略してあります。
ROMCE回路にROM/RAM切換え信号が入っていますが、AM188ではZB3DOSは当然使いません(使えません)から、この信号はAM188用では常時アクティブにしておきます。
実際にはKL5C80A12とAM188の両方のメモリセレクト回路をスイッチで切り換えて選択できるようにしてあります。
この2つのメモリマップを見ていただくだけでも、今回のボードがND80Z3.5やND8080と比べて1ランク上のボードであるということを納得していただけると思います。

KL5C80A12マイコンボードの製作[第22回]
2018.5.16upload

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