パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!
[第286回]
●パワーボタン
[第279回]でATX電源は20pinコネクタケーブルの14番ピンとGNDとをショートしないと電圧が出力されません、ということを書きました。
それと同じようなことですが、マザーボードに電源ケーブルを接続して、電源側のON/OFFスイッチをONにしてもそれだけではマザーボードに必要な電圧は供給されません。
マザーボードのパワースイッチ端子に電源ON/OFF用のプッシュスイッチを取り付けて、そのプッシュスイッチを押すと初めてマザーボードに電源電圧が供給されます。
普通はケースのフロントパネルの電源スイッチ(プッシュボタンスイッチ)から出ているケーブルをマザーボードのパワースイッチ端子につなぎます。
しかしこのところ書いておりますようなマザーボードの動作テストをする場合に一々マザーボードをケースに組み込んだりしていたのでは作業がはかどりません。
マザーボードだけではなくて電源もCDROMドライブもハードディスクもケースには組み込まないで全部床か机の上に置いてそれぞれをケーブルで接続したバラックの状態で動作テストを行ないます。
そんなときにマザーボードのパワースイッチ端子にケースフロントパネルのパワーボタンのケーブルを接続するのではそのためだけにケースがぶらさがっていることになって厄介です。
実はマザーボードのパワースイッチ端子には常時スイッチを取り付けておく必要はなくて、電源ONのときだけ端子を一瞬ショートさせるたけで電源が入ります。
その昔に私がWindowsパソコンの組立キットの販売を開始したころ(Windows95の時代です)、マザーボードの販売代理店の技術者の作業を見学させてもらったときに、その技術者がマザーボードのパワースイッチ端子をピンセットでチョンとはじいてパワーオンさせていたことを記憶しています。
でもいくらなんでもピンセットでチョンはずぼらな話です。
プッシュスイッチなら使わなくなってずっと在庫として残っているものがたくさんあります。
それを使ってありあわせのパーツを利用してマザーボードテスト用のパワースイッチを作りました。
こんな具合にマザーボードにつなぎます。
すぐ横にぶらさがっているのは「ピー音」用の小型スピーカです。
ピンセットなどではなくて、こうやってまともなプッシュスイッチをつけておくことで、Windowsがハングアップしてしまったようなときでもスイッチを長押しして電源OFFにすることができますから、それなりに便利です。
ここで長々と電源スイッチについて書いたのにはわけがあります。
実は。
●生き返ってしまった!(2)
Windows98SEマシンが生き返ってしまいました。
いえ。
前回のお話ではありません。
そもそもこのお話を書くきっかけになった[第279回]の最初のWindows98SEマシンのことなのです。
ずっと書いてきましたようにこれはもう壊れてしまったものとあきらめておりました。
あきらめていたものですから、その後のあれこれも未練がましくやってきたのです。
このボードについてもいずれせめてCPUやメモリが使えるかどうかぐらいは外して確認しようと思っていました。
それでそのままずっと置いていたのですが、ここへきてまさかの頓死マシンの復活です。
むむ。
頓死したときも一度おきたことが二度続いておきてしまった。
しからば一度おきた蘇生が二度おきてもよいではないか?
論理もなにもありませぬ。
もう思考が破綻しております。
ひいらぎとイワシのホネを供えて悪霊退散のお祈りを…。
いや、いくらなんでもそこまではやりません。
ふと脳裏をかすめたのであります。
ひょっとすると本体ケースフロントパネルのパワーボタンがへたったのではあるまいか?
だめでもともと。
そこで初代頓死マシンのマザーボードからフロントパネルのパワースイッチケーブルを外して、代わりに上の写真のボタンスイッチを取り付けてみました。
電源のスイッチをONにして、取り付けたばかりのパワーボタンを押しました。
すると。
ぬあんと。
CPUファンが小気味よく回って、起動してしまったではありませぬか。
ええ。
完全に生き返ってしまいました。
もう、お口あんぐりです。
ええい。
なんてこったい。
原因はこのボタンだったのか。
長年使っているうちにパワーボタンの接点が磨耗したか何かで接触不良になっていたようです。
まったくストレスの多い人生であります。
いやあ。
ほんと。
こういうのは心臓によくないから。
いいかげんにやめて欲しいなあ。
ここで。
悪霊退散んんーん。
まだ続きます。
パソコンをつくろう![第286回]
2020.2.19upload
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