2020.7.21
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[新連載]復活!TINY BASIC
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すべてはここからはじまりました。
中日電工も。
40年前を振り返りつつ新連載です。
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[第43回]


●DEBUG

このところテキストファイルの改行コード問題や16ビットアプリケーションについて書いてきました。
それに関連してDEBUGについても書いておきたいと思います。

[第40回]で「確認してみたところtinybst7.txtの改行コードが’0A’になっていました」と書きました。
どうやって確認したのだろう?
とお思いの方もいらっしゃるかも。
TXTファイルは普通はWindowsのNotepad(メモ帳)で開きます。
Notepadを使えばテキストファイルの中身をテキストとして表示してくれますが、しかし改行コードがどうなっているのかということまでは表示できません。
これについてはTeraPadでも同じです。
改行コードではなくてもたとえば何らかの原因でテキストファイルの一部が壊れたり「ゴミ」が入ったりしてしまって、テキストが正しく表示されないようなことがあった場合など、NotepadやTeraPadではどこがどうなっているのかなどを確かめることはできません。
そんなときに手軽に使えて役に立つ強い味方がDEBUGです。

DEBUGはMSDOSプロンプト(コマンドプロンプト)で実行します。
下はWindows98SEの実行画面です。



DEBUG ファイル名[Enter]
と入力するとDEBUGが起動され、ターゲットのファイルがアドレス0100から読み込まれます。
対象となるファイルはテキストファイルに限りません。
拡張子がなくても読み込むことができます。
ただしファイルサイズの制約があって64KB以上のファイルを読み込むことはできません。

上の画像ではtinybst7.txtを読み込んでいます。
d[Enter]で先頭から128バイトが1行16バイトの16進数表示とその右にそれをASCIIコードとみなしたときの文字が表示されます。
画面左側の16進数表示の中に「0D 0A」が見えます。
d[Enter]を入力するたびに次の128バイトが表示されます。
d アドレス[Enter]で任意の場所から128バイト分を表示させることができます。

DEBUGにはこのほかにもいろいろな機能があります。
マシン語に関係するファイルを扱うときには役に立つ機能です。
最近は8086アセンブラを使う人などはほとんどいらっしゃらないとは思いますが、それはともかくとしまして「DEBUG」の名が示しているように8086のマシン語プログラムをデバッグするときには必須の機能といえましょう。

ところが。
この便利な機能がWindows7(32ビット)ではなんと日本語対応ではなくなってしまいました。
おそらくMicrosoftの日本法人様は、”日本にはDEBUGを使うような者は絶滅してしまってもはや存在しない”と判断なさったようで(当たっているかも)。
どういうことかといいますと。
下はWindow7(32ビット)の実行画面です。



ぬぁんじゃこりゃあ、といいたくなるような画面です。
ディレクトリの表示が’¥’ではなくて’\’(バックスラッシュ)になっています。
初期状態では日本語キーボードではなくて英字キーボードの入力コードになっています。
このあたりのことについては「TTLでCPUをつくろう」[第615回]に書いています。
およそ10年前の記事です。
もう10年も経ってしまったのですねえ。
ちなみに上記記事は「TTLでCPUをつくろう」の過去記事を再編集した段階で本題とは無関係という判断で目次から外してしまいました。
「2010年」の「日付順目次」にはそのまま残っています。
私はもう書いたことさえ完全に忘れてしまっていました。
たまたまGoogleで「DEBUG」について検索していて偶然再会しました。
「Google」様様であります。

Windows7でのDEBUGの詳細については上記リンクの記事をお読みください。
10年前に書いた同記事の中ではWindows7(64ビット)では英語版DEBUGさえも使えないと書いています。
実にひどいものであります。
当然Windows10は確かめるまでもなくおそらくはほぼ確実にだめでありましょう。

私は常々「いまだにWindows98SEが手放せません」と書いていますが、こういうことがあるから、いまだに手放せないのです。

復活!TINY BASIC[第43回]
2020.7.21upload

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