〜GUNDAM THE WAR FOR EARTH〜 機種:プレイステーション |
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●新しいハードが出るたびにガンダムのゲームも出ていたそうですが 「ガンダム」と名前のついたゲームは昔からいろいろなゲーム機に、しかも数多くあったもんですが(考えてみたら、最初のガンダムはファミコンにはなかったですねえ)、このゲームはアメリカ人の作ったCGムービーによるアドベンチャーです。具体的な内容としては、CGムービーの合間にプレイヤーの操作がちょっとだけ入るという程度ですので、実際のところはゲームとは違うかも知れませんね。
●ガンダムのゲームって、変なのも多いんですけどね これはあるとき、友人であるところのワダ氏が「買ってみた」と言って持って来たものです。彼はときどき自分のサイトでも書いているとおりガンダムが大好きな人なので、このゲームはきっと見逃せなかったのでしょう。では、その彼のガンダムの設定に対する深い理解をガイドに、新しいガンダムの世界を覗いてみようとて起動しました。おお、キャラクターの声はアニメと同じ人が当てているようだぞ。
●最近は割とよくできたものも多くて嬉しいところ物語は、アニメと同様にジオン公国のモビルスーツ「ザク」がスペースコロニーを襲撃するところから始まります。暴れまわるザク、あちこちで起こる爆発、空港に向けて殺到する住民たち。そのうち一台の車が渋滞に業を煮やしたかのように連邦の基地に突っ込んで行きます。しかし、そこは既に戦場になっていました。不運なことに爆発に巻きこまれ、車は壊れてしまいます。移動手段をなくした運転手の青年は仕方なく手近な倉庫に駆け込みましたが、そこには連邦のモビルスーツ「ガンダム」がありました。 ……とここまで、ちょっとアニメとは違いますが、カメラワークの妙とCGの美しさに「おおお、すげえなあ」と感心していました。
●特にサターンのガンダム外伝は面白かったです格納庫の中には、通信機の声が虚しく響いています。どうやらガンダムのパイロットを呼んでいるようですが、パイロットと思しき人物は既に息絶えています。通信機の前に駆け寄った青年に、通信の主は言いました。「お前がガンダムに乗り込んでコロニーを守れ!!」 青年は昇降機に近寄り、スイッチを……あれ、画面が静止した。これって?? そうこうしているうちに画面は切り替わり、格納庫にザクが侵入してきました。ザクはおもむろにマシンガンを構え、ガンダムに向けて発射します。ドンドンドンドン、ガン、ゴン、ガン。 ドゴーン。 あ、あれぇ!? 大爆発を起こすガンダム、次いで表示されるゲームオーバー画面。もしかして、さっき画面が止まったのって、何か入力求めてた? とにかくのっけからやられました、大爆笑です。ていうか、ガンダムってザクマシンガンは効かないんじゃなかったの!?
●なぜかバグで最高のエンディングには行きつけなかったんですが(成績は条件を満たしているのに)それからしばらく、何度かゲームオーバーになって学んだこのゲームの詳細。
大変な仕様です。更に、しくじった場所から復活するわけではなく、いちいち話の区切りから再開されるために、ある区切りの終わり直前でゲームオーバーになるとその区切りを最初からやり直すことになります。挙句、一つの区切りが非常に長いため、10回も失敗すれば電源を切ってしまいたくなります。結局このときはどうしてもジオンのエース、シャアの攻撃を回避できず、敢え無く撃沈の運びとなりました。
●でも、一応ガンダムは倒したんですよこのときの戦果。
確か、1時間そこそこも遊んでなかったと思うんですが、この死にようはどうでしょう。死亡実回数はもっと多かったはずです。
●勝った後の評価が3段階くらいありましてな無念の敗北からしばらくして、今度は別口の友人が遊びに来た際に新たなるアイデアを求めてこのゲームを起動してみました。うーむ、どうしてもシャアにやられてしまいますねえ。「もしかして、途中の選択肢が悪くて『このルートではバッドエンド確定』なんじゃないの?」 そこまでやられてしまうとどうやっても解けないよ、性質の悪いサウンドノベルじゃあるまいし。しかしまあ、本当にそうだったら嫌だからいろいろやってみようか。
途中経過以前に、その場でバッドエンドになりますねえ。最後の「バルカンを撃つ」なんてのは、やられる姿こそ先の「マシンガンの雨」と同じなんですが、良く見るとちゃんとバルカンを撃っているという嫌な懲り様でした。結局、このときもシャアを突破できず、2度目の撃沈です。が、このとき来ていた友人が何か発奮してしまったようで、「俺が解いてみよう」とこのゲームを持ちかえって行きました。
●「テム=レイのマシンには……」のくだりで大爆笑さらにしばらく、その友人から「どうにか解けたよ」と連絡がありました。すげえ!! んで、俺がつかえたあのシャアの編隊は、どうやって切り抜けた? 「あそこは方向キーの上を押すんだ」 想像もつきませんでした。いや、正面から敵が来ているってんで「上=前進」と思い込み、「上以外」の方向キーを押していたのが敗因だったようですね。 そして「あの後も死に方がすごいのばっかだったわ、今度見せるよ」と何か微妙に頼もしい発言、是非見せてもらいましょうと早速ご足労願いました。
●しかし、後に発売されたGジェネレーションではシャアの攻撃を逃れたガンダムと青年(最初の運転手ね。このゲームでは終始主人公が誰とは特定されませんので、以下プレイヤーと呼びます。劇中では『ガンダム』と呼ばれます)は、そのまま母艦のホワイトベースに逃げ込みます。中で出会ったほかのパイロットたちに案内されてホワイトベース艦長のもとに向かったプレイヤーはそこで臨時に連邦軍の士官として登録され、地球に降下して連邦軍本部ジャブローまで同道することとなりました。 ここでの戦果。
ひとつめは分からないでもないが、ふたつめは何なんだ? 筆者宅では放っておいても問題なかったんですが、どうも友人宅ではこういう事態が発生したみたいですね。それと、ホワイトベースに着艦してから出会ったほかのパイロットたちというのが一応原作にもいるキャラクターなんですが、これがどちらも原作とはさっぱり似ておらず、しかし声だけはアニメと一緒なのでどうにも変な感じを抱かせます。ちょっとこの俳優の具合というのも特筆すべきことなので、後で取り上げますね。
●ブルーディスティニーがだいぶ弱いのが残念な話でその後、大気圏突入中に地上からの強烈な砲撃を受けて飛行できなくなったホワイトベースは一度着陸して修理にかかり、砲撃をかけてきた巨大砲台の破壊をプレイヤーに任じます。突入直前の戦闘で脚を壊したガンダムは下半身をガンタンクのものにつけかえ、ギャタギャタと巨大砲台に向かいました。市街地を突破した後、脚を修理の済んだ本来のものに取り替え、巨大砲台の中に侵入したプレイヤーは、新型モビルスーツ「グフ」の攻撃をからくもかわし、見事砲台を破壊して脱出します。 ここでの戦果。
最後のやつは特に傑作ですね。 ところで、このシーンで披露されるガンダムの上半身にガンタンクの下半身という構成ですが、UFOキャッチャーの景品でそれのできそうなものを見つけましてな、さっそく実験のためにガンダムとガンタンクを獲得しようと試みたのです。が、ガンダムは取れたもののガンタンクが全然ダメで、獲得までに三日かかりしかも5,000円ほど突っ込んだものです。しまいにはゲーセンの店員が取りやすいように箱を加工しておいてくれたという悲惨な思い出があります。
●なんで陸戦型ガンダムよりも弱いのかが分からないガンダムが見事砲台を破壊したころ、地上に降下していたシャアはホワイトベースの正確な所在を掴みますが、それを利用して同じジオン軍のある士官の暗殺を目論みました。この目論みは非常にうまくいき、その士官は指揮していた空母「ガウ」に多大なダメージを被ります。もはや致命傷と悟った士官はシャアの嘲笑を耳にしつつホワイトベースへの特攻を試みますが、ホワイトベースとガンダムの必死の抵抗の前に敢え無く散りました。 一安心したホワイトベース、しかしそこに最大の脅威であるシャアが立ちふさがります。大きな被害を受けるホワイトベースでしたが、ガンダムの活躍によりシャアの撃退に成功し、一路ジャブローに向けて出発します。 =ゲーム、ここでおしまい= 早いよ! もう終わり!?
●陸戦型にいろいろ強化を施しているはずなのにここでの戦果。
さすがに最終ステージだけあってよく死にますが、最初にシャアの長い台詞を聞いてからのゲームになるためおちおち死んでいられず、ためにゆっくり死に様の確認ができません。いい死に方(特に後のほう)が揃っているだけに、もったいないものがあります。しかし「顔にパンチ」、ゴチィンと鼻を捉えた素晴らしいパンチでした。
●まったく納得の行かない話でありました俳優の話。アニメのシャアは非常にかっこいいキャラクターなのですが、このゲームではどういうわけか顎の割れたいかつい中年の小父さんです。しかもマスクの下に覗く目はつぶらだったりして、「どんな顔したおっさんなんだ!?」と非常に不思議に思います。どんな顔をしてようと確実に言えるのは、「1ミリたりとも似ていない」ということですが。これで声がアニメと同じ池田秀一氏のものだから始末に困るんだわ。 また、先の話題で出た同僚のパイロット二人、片方は額の秀でた東洋人でもう片方は笑顔のよく似合う、陽気そうな黒人の小父さんです。ちなみにアニメでは前者はそばかすだらけのひねくれた小僧、後者は太っちょでやはり気のいい小父さん(でも実年齢は二十歳そこそこ)でした。……化けすぎ。でも、どちらも声優さんの声の感じからまったく違和感なかったのはなんか感心。特に後者のハマりぶりは秀逸でして、名台詞は「ラッキーボォイだぜィ!!」と「ホワイトベース! カイ! ガンダム! やられちま」の二つで決まるでしょう。
●ところで、本当にガンダムの上半身にガンタンクの下半身は付くんだろうかなんというか、ディスク2枚組のくせに手順を知っていると30分程度で終わったり、コンティニューはパスワード制だったり(でも、どうせ30分だからいちいちメモリーカードなんか使いたかねえよ、というのも事実)となんかびっくりするような仕様ですが、死に様だけは凄まじく印象に残るゲーム、というか映像でした。物凄く笑わせてもらいましたしね。笑いたい人、あるいは笑える人にはいいゲームかも知れません。 ただし、まともに解こうとするとかなり苦労するようなので、ちょっと気軽にお勧めは出来かねます。だいたい中古で500円くらいだと思うんですが、それでもお金使って買うわけですし(ポエドをドリル見たさにだけ買って3,000円損した俺。せめてキーコンフィグがもう少し丁寧にできたら……)。なので、よほど死に際に興味を持ったか、自分の行動に責任を持てると自覚している人は買ってみてもよいと思います。 とりあえず、アメリカ人てのがガンダムというものをどう考えているのかはよく分かったゲームでした。 |