〜アーマードコアシリーズ〜
機種:プレイステーション、同2
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●我生きずして死すことなし。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ後悔とともに死すことなし

 初めて遊んだのが19歳のとき。このシリーズとも、そろそろ「長い付き合い」と言える程度になってきたかな。……早いものですね、時間の経つのなんて。この調子だとすぐに60歳です。まあいいかな、長く生きていても仕方ない世界だものね。やりたいことだけきちっと片付けたら、さっと終わりになればいい。私は常にそう願っています。

 このゲームはいつか少しだけキングスフィールドのところで話に上せてますが、古い友人から「これ面白いぜ」と言われて渡されたものですね。ロボットを操縦して戦うアクションロールプレイングです。最初こそ馴染めなくて何度も苦しんだものの(最初の試験に3回しくじった)、その友人から機体構成の方向性などを教わり始めてから一息にハマりました。

 プレイステーションで発売されていた初期シリーズは本当にいっぱい遊びまして、初作などはそれこそ出撃回数が150回を超えるくらい時間を突っ込んでいます。それから半年程度で拡張シナリオの「プロジェクトファンタズマ」、さらに1、2年おいて「マスター・オブ・アリーナ」が発売され、このどちらにもかなり時間を注いで付き合いました。仲間たちとも相当時間をかけてこのゲームを遊んでいます。たぶん、広い日本でもダイノバイザー使って通信対戦をやったというのは我々くらいなものでしょう。明度調整をしないで遊んでたから1回戦うともう眼がぼろぼろになる、という悲惨な状況でしたね。でも通信対戦、またやりたいな。


●できれば過去ミッションのリメイクはもっとやって欲しいな

 それからしばらく、プラットフォームがプレイステーション2に移った時点で私はしばらくご無沙汰になってました。他の項でも書いている通り、新しいのを遊んでみてもどうもぴんとこなかったんですね。それがなんでまた今更、というとこの間、最新作で「ネクサス」というのが発売されたでしょう。アレです、アレ。アレの売り文句に、「過去のミッションを新たに描く、レヴォリューションディスク同梱」というのがありまして、そして店頭宣伝映像でクライアントが「ムラクモ・ミレニアム」、依頼内容が「砲台施設破壊」という映像を見てひっくり返ってしまいました。なんというか、古い友達に久しぶりに会ったような、そんな気分です。3作目のときは一通り遊んだだけで済ませていた私でしたが、このネクサスは発売日に購入し、本当に楽しく遊びました。パーツ構成に関し、動力供給や重量バランスなどを本気で考えたのは実はこれが初めてですし、また操縦技術も往時の最盛期と同等程度まで戻りつつあるようです。

 ……まあもっとも、往時もさして上手ではなかったんですけどね。初作の最終ミッションにおいて移動キューブ地獄をいともあっさりと、まるで当然のように抜けられるようになっていた、という程度なら操縦はそれなりに上手かった、と言って差し支えないのではないでしょうか。戦うのと動かすのは別問題、ということで。逆間接の中量級機体でしたね、あの機体が最初の愛機、燃える月の名前を与えた初めての「相棒」です。

 んで、それからまた3を買いなおし、2を仲間に借り受けて再び戦場で暴れまわっていたりします。うーん、今になってようやく戦い方が定着してきたかな? ロケットとかをうまく使えればもう少し戦術に幅も出るんだろうけどなー……。


●レイヴン、あなたはこれからどこへ? そして、何を目指すの?(声:岩男潤子)

 簡単に概要をお話ししましょうか。舞台は大戦争で地上が荒廃しきって住めなくなり、人は地下都市を作って細々と生きる、そんな世界。各都市の実験を握るのは国家ではなく企業、そして各地で発生する企業同士の利権争いなどに一役買うのはレイヴン、渡り鴉と呼ばれる傭兵たち。彼らはアーマードコア、ACと呼ばれる機動兵器を駆り、闘争の立役者(あるいは、犠牲者)として華を咲かせていた、というような具合で、遊び手はなりたてのレイヴンに扮して企業間抗争を戦い抜くことになります。作が変わり、時間や舞台が大きく変わってもこの設定は常に同じ。で、レイヴンは統括組織に所属(作によって名前が違います)し、そこから斡旋されてくる各企業やその他諸々の存在からの「依頼」をこなしていくという寸法ですね。

 この各企業から寄せられてくる「依頼」、基本的には「ライバル企業が作った施設を潰して来い」とか「あそこの工場に立て籠もっている作業員を力づくで排除しろ」とかそんなのばかりであまり心安らぐ世界ではありませんが、当然というかなんというかなかなかにクセがありましてね。たとえばテロリストからの「あの街を壊したいからこことここに爆弾をしかけてきてくれ」という依頼を達成したとします。そして直後に斡旋された、シティガードという一種の警察機構からの「テロに爆弾を仕掛けられたので、迅速に撤去してほしい」という依頼を受けてそれを成功させるとかそういう節操ない事態も発生しますし、ときには一つの基地に対する襲撃計画への参加要請とその基地の防衛戦力への参加要請が同時に来たりもします。私はこういう生々しいというか寒々しいのが好きですので、この「あからさまに企業間抗争、いかにも傭兵」といった雰囲気がよく出ている初作が大好きです。ほんと、乾いた感じはよく出てる世界じゃないでしょうか。


●初作の企業オペレータのイメージイラストは美人でしたが、ネクサスではおっさんがオペレータでした

 それでね、私さっきこのゲームをロールプレイングと言いましたけども、特にこれは「完全なロールプレイングゲーム」と呼べる、近年では稀有なゲームだと思っています。なんと言ったらいいんでしょうか、このゲームを遊んでいて、自分が本当にレイヴンになったような、10メートル前後の機動兵器を駆る傭兵になったような気分になれた。これって要するに「なりきり」ってことですよね。

 なんでかな、と考えてみると、このゲームってキャラクターが一切絵面として露出してこないんですよね。登場人物は全部声だけ。当然自分の姿は遊び手の頭の中で描かれるだけです。そしてゲーム進行のための「依頼」の選択も、状況によってという制限こそついてしまいますが少なくとも自分の意思が決定の要素です。物語を進めるのにも、自分の意思が反映される。いつかどこかで言った、「遊び手にキャラクターが完全に渡されているかどうか」。このゲームは少なくともそこは満たしています。

 さらに、ゲーム中で変な風に日常生活などの描写がなされていない。ゲーム中では、ただ淡々と依頼を受けてこなして、装備品を整えてまた依頼を受けるだけ。こういう無愛想さは、逆に「自分の操っているレイヴンは、どんな日常を送っているのかな」とかそういう想像さえさせてくれます。こうなってくると、むしろ私はウィザードリィなどの「遊び手の想像力が面白さの鍵」というタイプのゲームを思い出してしまうのです。いろいろ愚にもつかない話なんか考えたりしてますが、こりゃあうまくまとまりませんね、文章書くのってすごく難しいです。


●こういうところにも各々の好みが出るのです

 それと、もう一つ。そのなりきり気分をさらに高めてくれるのが、このゲームの実際の戦闘は、遊び手の腕前や考え方が如実に結果に反映されるということなんです。コマンド選択式の「ロールプレイング」なんかだと、キャラクターの能力に基づいているとはいえ結局命中や回避などについての要素は能力値をもとにした計算、確率によって決定されてしまいます。そこに遊び手の腕前はほとんど介入しませんよね。でもこのゲームでは、極論では遊び手の操作のみが命中、回避などを決定します。腕が悪ければミサイルなどは回避できませんし、腕がよければプラズマ光弾の雨をことごとく回避してのけるでしょう。またたとえ一時は回避できない攻撃があっても、何度も遊んで経験を自分自身に蓄積していくことでいつかよけられるようになる。これは腕前が上がった、言い方を変えればレベルアップした。そういうことにならないでしょうか。

 もちろん、遊び手の好みによる機体の構成などもありますから、中にはさながらスーパーロボットのように「敵の攻撃を食らって低ダメージで散らす」というストロングスタイルな遊び方も当然あります。結局回避するばかりが腕前ではない、ということなんですけど、機体構成や武装の選択などといったその辺も含めてすべて遊び手次第。これは実際、仲間と顔を会わせた状態でこのゲームを起動すると、お互いが選択する戦術や構成、そしてそのコンセプトなどのあまりの違いに驚くことしきりといった具合です。「こういう考え方もあるのか」と。私のように頭を使わず背骨だけで生きているような人間ですと、どうしてもモノの考え方などもある一面からしかできなくなったりするんですが、そんなときに仲間の構成の方針や戦術を見ると冷や水ぶっかけられたような、そんな気分になってしまいます。

 ……ちょっと話がずれましたね。この辺の、腕前がゲームの進行に反映されるっていう話はキングスフィールドやダンジョンマスターなんかにも共通する部分がありまして、だから私はそういったゲームも大好きです。まあ、キングス4は繰り返して遊ぶにはちょっと広がりが少なかったかな、と思いましたが、でもあれも十分に、十二分に面白いゲームでした。開始直後に溶岩にはまって死ぬんですよね、油断すると。


●何も残せない、そこに答えがあるかも知れません

 あーとですね、このシリーズって最大の売りとして「自機の構成を自由に変更できる」というものがあるんですね。頭、胴体、腕、脚と手持ち武装、背中武装に最近のやつだとエクステンションという特殊武装とあとは内蔵武装ですか。それから動力炉に火器管制装置にブースター、あとこれも最近のやつで冷却機構と。

 当たり前なんですが、それぞれのパーツには概ね一長一短がありまして、自分の選択したパーツを組み上げた後でそういった要素が干渉しあって自分の機体の長所と短所が浮き彫りになってきます。で、それをどう解消していくのか、どの辺りで妥協するのか、といったことを考えるのも非常に楽しいんですが。実際ネクサスでこれを気にしてみたところ、なんだかものすごく考え込んでしまって「このブースターの出力の高さは非常に買えるが、しかし発熱が高い……。かといって、このブースターでは出力が足らないし、あの冷却機構は重すぎる……」など、延々リストを繰り続ける時間を過ごしてしまいました。

 ただ私の場合は古臭い考え方を持っているところがありまして、すなわち「甲冑こそが騎士の正装である」ということ。まあ自分もゲーム中のキャラクターも騎士でもなんでもないんですけど、機体を自分の好みに組めるのならばまさに正装、思いいれを多分に注いで「見た目だけでも自慢できるように」とて性能よりも見た目優先、という選択なども多くしています。特に自機の構成を自由に変えられるというのは「装備や構成を換えることで、各ステージの性質に即した非常に柔軟な対応を可能とする」ということの表れなんですが、私の場合は武装はともかくほとんどのステージにおいて機体構成は変えていませんので、はっきり言うと本来ならば容易に手に入るはずの多目的性や多様性を、見た目に拘泥して完全に放棄しているということになります。この辺の感覚が仲間には意外に映るそうで、要するに存在している機能をまったく有効に活用していない、と見えるのでしょう。逆に、私には戦いにおいて相手の構成にとって苦手なように装備を整えて出撃するというのがあまり潔いと思えませんので、ほぼ固定の兵装でどこまで行けるのか、それを試すということも兼ねてただ一つの構成で戦い続けているというのもあるんですが。

 ま、私のような人間は元寇のときに名乗りを上げて斬りかかって爆弾投げつけられて死ぬとかそういう末路をたどるのでしょうね。考え方そのものが完全に時代の遺物です。でも、それでも構わない、いやむしろそうありたいと願っている、そんな人間であります。古いもので価値のあるものは骨董品と呼ばれるが、価値のないものはただ単にがらくたと呼ばれる。さて、私はどちらなのでしょうか


●俺たちの仕事は、殺すことだ! ガンホーガンホーガンホー!!

 戦術の話といえば。これを紹介してくれた友人ですが、かつて彼は特殊な系列の公務員に所属していました。なんかそこでもこのゲームがめちゃくちゃに流行ったらしいんですが、ミサイルを完全に目くらましとして扱い、その間に後ろに回りこんで斬りつけたりとか大出力ブースターを稼動させて相手の周りを旋回し、ミサイルを時間差で複数発射することで全方位からの攻撃を行うとかちょっと俗人では考え付きそうにない戦い方をしていたという話で、なんというか「さすがにそういうお仕事の方々!!」と妙な感心の仕方をしてしまったものです。やはりこのゲームは操縦技術というよりは戦闘に関する発想など、そちらでこそ強くなれるゲームなのでしょうね。一度槍をつけてみたいものですが、恐らくは私では歯が立たないでしょう。

 なお件の友人は夜間戦闘演習でだまし討ちをさんざん駆使することで、かなりの長期所属する部隊における敵兵殺害数のエースに輝いていたそうです。タバコの火をデコイに使って敵をおびき寄せるとか、仲間を装って油断させ後ろから射殺するとか、そういう手段というか考え方はこのアーマードコアでも十分使えそうな話なんですけどね、でもよく考えたらこのゲームは索敵戦闘とかほとんどないですね。しかも完全に敵味方が分かるゲームだし。「Good evening, My sweet honey!!」

 ただこの記録は後輩に格闘戦が得意な人物が入ってから競り始め、最終的には負けてしまったそうです。その人物は敵を発見すると撃たれる前に組み敷いて殺してしまうため殺戮効率という意味で友人を圧倒していたとのことで、それゆえに同じ作戦時間内においてはどうしても勝てなかったのだ、と悔しがっていました。なんでしたっけ、あるときの上官からの指示が「捕虜は受け入れなければ捕虜ではなく、勝手に投降してきただけの敵です。処理して構いません」だっけ? ある意味名台詞だと思いますが、すごいねぇ。……えらく物騒な話題になったな。しかしこんなに殺しに関して頭が切れるのに、なんだといって悪友にさんざんはめられ続けたのか、よく考えるとさっぱり分かりませんね。悪友の方が悪レベルが高かったということでしょうかね。


●鉄の女ハマーンがクレストの社長ですか。……この人こんなのばっかだな

 そうそう、今2作目を遊んでいると最初に言ったと思いますけど、これのデータ名ね。レイヴン名がエインセル、機体名がグラゲーズ・アンヌーンとタムレイン・ザ・ヤング。初期のエレメントフォイゾンというのはどうも用法が違うっぽいんで変えました。全部元ネタの分かった人、ちょっと表彰したい気分です。言っときますけど、最近よく見かけるファンタジーもののデータベース本とか見てないですからね? 私は全部関連する物語の概要とかちゃんと知ってますよ。知りたい人には、井村君江氏の著作をお勧めします。読みやすくまとまってて実にいいですよ。でも2、なんかレオス・クラインが結局何をしたかったのかよく見えなかったな。ディソーダーと秩序とどう繋がるんだか。ボイルとレミルはほとんどしゃべらなかったし。もったいないもったいない。

 あ、そうだ。このシリーズって、けっこう使ってる声優さんがすごいんですよね。あとでよく見てみると「え、この人がナインボール?」とか「なんだ、スティンガーって蛙丈重工の社長かよ!」とか、そういう驚き方をすることが多いです。中には「え、こんな人がコンピュータやってるの?」なんてのもあったりして。ネクサスも確認してみましたが、いったいどこにこんな人々の声が使われていたのか、というような名前がずらり。うーむ、ボス・サヴェージの声は以前と同じ人が担当したのだろうか。また、スティンガーは完全新作の台詞(過去あった台詞の録り直しではなくて台詞そのものが新作ということ)もあったりして、なんだか感動してしまいました。

 まあ極めつけというか、配役を見て驚いたのが2のオペレータ。「き、キィさん!!」(声:家中宏) キィ・ザ・メタルアイドル、すごく面白かったな。自分の意志で見た初めてのアニメだったりしますよ。まあここには関係ない話ですが。


●バズーカというのも要するにロケットランチャーなんだが……

 一つ思い出話。かつてプロジェクトファンタズマを遊んでいたとき、先ほどの友人が言いました。「演習場襲撃のミッション、ロケットだけでクリアできれば大したものだよな」 このミッション、動きこそ遅いものの航空戦力が多く、またあちこちに非常に頑丈な移動式のミサイル射出台が散っているのでボケボケしていると航空戦力からの機銃と垂直発射式のミサイルの嵐に巻き込まれて終わりという、割と嫌なミッションです。ついでにロケットは名前の通りに目標を捕捉する機能がなく、目視照準で当てなくてはならないので半端な腕前では扱うことがかないません。ふぅむ、それは面白そうだね。では、俺はそれに挑戦してみよう。「よし、じゃあ成功させられたら一食くらいおごってやろう」

 それからどのくらい経ちましたかね。まあ時間としては短くて一週間程度、長くても一月たらずだったと思いましたが、意外と楽に成功させられました。航空戦力がもう少し動きの速い存在だったら危険でしたが、動き遅いうえにこちらに群がってくるんですもの。またロケットは当てづらい分威力が大きく、中型ロケット辺りだと下手な手持ち銃などでは追いつかない破壊力を持っています。だから、動きの遅い敵にはかなり有効なんですね。条件は揃っていたということです。

 まあ目の前で成功させてみたら「また妙なことに血道を上げて……」とでも言いたげな微妙な表情をしていた記憶があるんですが、結局このときの一食分はどうなったんでしょう。食わせてもらったのかな。よく覚えてないんだけど……。あ、「ロケットだけで演習場襲撃をクリア」というのは照準範囲を操作するいい練習になりますから、対空戦闘が苦手という人にはちょっとだけお勧めします。最近の作だったら、3でテスト1にロケットで挑むとかでもいいかもしれません。


●あーこの大仏、二度と相手したくないな

 ロケットといえば、3の「機動兵器侵攻阻止」というミッション。これ、遊んだことのあるみなさんはどうやって成功させましたか? 私は両肩に大型ロケット、右手に中型ロケット砲を積んでひたすら遠間から狙撃をかけ続けたんですが。製作者のインタビューだと「近づいて剣で斬れば楽」とかなってましたけど、うかつに近づくと光学式の炸裂弾を連続でブチ込まれて即死するんですよね。デコイ積んでも弾数ぜんぜん足らないし。確か仲間は電子撹乱散布などで敵の照準を撹乱しながら後ろに回りこみ、一気に決めたというようなことを言ってましたが、なるほどそういう方法もあるのかと感心しつつもそれを実行できるだけの実力はないなあ、とか思ったり。ああ、あと分離した子機を親機のミサイルに巻き込むとかそういうことも言っていましたね。……無理だって、少なくとも俺じゃ無理。

 このミッション、敵の攻撃力が異常に高くてすぐ死ぬくせ失敗すると死亡扱いにされてゲームオーバー、タイトル画面に戻されるという嫌がらせ仕様でして、しかもご丁寧にカーソルの初期位置が「NEW GAME」に合わせられていて非常に腹が立ちます。また最初から遊べってことか? 挙句そんなミッションなのに隠し要素が4つもあって、獲得した隠し要素の確保条件がミッション成功、失敗したらまた獲得し直しという冗談にならない世界でほんともうこのミッションだけで30回も作戦失敗回数を増やしましたよ。ああ腹立たしい。

 それとか「巨大兵器破壊」でも閉鎖空間での戦いのはずなのに作戦領域が設定されていて、領域離脱でまた死亡扱い、タイトル画面へ直行など、3ってそういう細かいところでのストレスが溜まるような作りになってるんですよね。領域離脱しただけなのに死ななきゃならない理由なんてないぞ。戦闘後のリプレイの表示を最初に聞いてくるようになった、ショップの位置がガレージに入って組み替えが非常にしやすくなった、重量制限超過に大きなペナルティがつくようになったなど、過去のシリーズに比べてずいぶん遊びやすくはなっているんですが、それでもこういう細かいところへの気遣いはあまりされていなかったという。まあ、ネクサスでは死亡扱いになってもそのままガレージに戻してくれたり獲得した隠し要素を確保したままにしてくれているので更によくなった、と言えるのですが。逆に言うと、ネクサスから入った人は作が過去に遡るほどに細かいところでストレスを溜めていくことと思います。もっとも、3でストレスが確実に溜まるのはミサイル全弾回避を要求されるミッションでしょうが。あー、またやり直しかい!!


●なんか、最後のところでバランス調整を危うくしてますね

 一つだけ難点を。このゲーム、シリーズの全てに製作者の名を冠した光学式の手持ち砲が登場しています。これがまた威力が信じがたいほどに高く、また光学式ということとあいまって回避が非常に困難です。欠点は多少重い、ということくらいでほかに欠点はありません。まったくの初心者でも、しっかり狙いを定めて撃つことさえできれば技量差関係なしに相手をすり潰してしまえます。……こういうパーツを組み替えて遊べ、という仕様において「これこそ最強」というものを打ち出してしまうと、他のパーツの存在意義なんてほとんどなくなってしまうと思うのですが。フレームグライドでもやってましたね、火属性のロイヤルスピアが異常に威力高いとか。あー、俺風属性だったから相性補正の割食ってダメージがさらに増えちゃって話にならなかったんだよね。ほんと酷い話でした。

 それでひでえなあ、と思うのは、この手持ち砲の性能がかなり後になるまでろくに調整されなかったということ。3になって弾速や連射能力が落とされたようで、ようやく敵が持っていてもどうにか対処できるというレベルになりました。それでも不十分とされたのか、ネクサスではさらに厳しい調整を受けています。2なんかだとアリーナの最高位がこの手持ち砲を持ってまして、しかも強化人間という機体の性能を異常に引き上げる要素を最高レベルで持っているうえ重量制限までカットされているため完全に反則、最悪なのはそれを自分の腕前がいいのだと勘違いしている節が見られるということ。当時の製作者たちはこういうところでルーチンのレベルの低さをカバーしようとしていたのだな、というのが伺えます。未だに勝てないのは、そういう技量とは関係ないところに敵の性能が依っているからですね。……どうにも2は過渡期的な様子が伺えますね、デコイとかも引っかからないミサイルのほうが多いように思いますし、まだ空中剣のダメージも極端に大きかったりしますし。

 風属性といえば、滞空時間が増えるだかで割と微妙な性能になるんですが、敢えてそんなのを選んでいたというのは自分の誕生月による属性が風だったからです。この話を当時チャットでしてみたところ(『風って微妙だから変えたら?』と言われた)さっぱり通じず、割とレアな話題なのだろうかと思ってみたり。返ってきた言葉は「俺は魚座だから、焼き魚で火だな」 むむ、なかなか面白い言い様をしますな。当たり前だけど本当は違うぞ。あと、なぜにソウルストライク? と聞かれたときに「目指せホルホース」と言ったら対戦そっちのけでその話題で盛り上がってしまったということもありましたね。チャリオッツレクイエムが技として存在するなんて知りませんでした。……対戦回数はすげえ少なかったけど(8回だけ)、チャットは面白かったな、割と。

 ああ、こちらは一人遊びしかしてないくせ実はレーヴァテインやロイヤルスピア、エクスカリバーにエルダールインなどレアパーツを数多く入手できています。オリハルコンが一人遊びだけで8つ入手できている、これってけっこうハッピーなことかななんて。人生の運の無駄遣いかも知れないけど。


●こちらも簡単には消去はされないよ、腐ってもレイヴンだからね

 ま、これもいいゲームだと思います。そうでなければこんな長いこと付き合いませんし、ああまでのめり込まなかったと思いますからね。まあ2作目に関しては初期シリーズの難点を一切消化しないまま打ち出してしまった、というのが問題かなとは思いますけども(メニューとか、却って悪くなってるところさえあります。5作品も重ねてようやく欠点の洗い出しができたとは……)。逆に、シリーズ全体の話が似通っているというのは別にどうとも思いませんでしたね。2は初作のトレースみたいな位置づけでいいんでしょうし、3はアレ実は似てるようで別の話にちゃんとなってますから。印象深いのはやはり「分からんのか? ……イレギュラーなんだよ。やりすぎたんだ、貴様はな!!」などのメッセージでしょうか。

「この力、確かに……! だが、企業も俺たちも、所詮ただの駒でしかない。この、作られた世界のな!!」

 えーと、今からこのシリーズを遊ぶというのであれば個人的には3ないしネクサスをお勧めします。初作もいいんですが、パーツごとの各性能値に関する説明がかなり寂しいことになっているので、そういう意味ではゲーム中でそういう説明をしてくれる3のほうがいいのかな、と。また3は重量過多などのインチキやインターフェースなどの不備も概ね解消されていますし、特定のミッションを除いて難易度も抑え気味ですからね。ネクサスも3をベースにしている分感触は良好、特に不備の消化という意味ではほぼ完全ですし何よりシャドウタワー・アビス同様レバー二つを使用した操作方法が採用されているというのが大きなポイント。またパーツなどの種類は当然ながらシリーズ最大(色変えただけの微妙なパーツなども含めればサイレントラインの方が多いのですが。ただ投擲銃、本当の意味でのグレネードランチャーやインサイドのジャマーロケット各種なんかは面白い武器だったと思うんだけどなあ)ですので、いろいろな構成を試すということならネクサスがよいでしょう。まあ、こちらは難易度の緩急が大変なことになっていると思いますが……。

 他、アナザーエイジやサイレントライン、また初期シリーズにも2つばかり追加シナリオが発売されていますが、プロジェクトファンタズマはともかくとしても他の3つは「遊び手がすでに最低限以上の技術と機体を所持している」という前提のもとに作られているのでシナリオ難易度が大変なことになっています。操縦に慣れている人でも私のように「機体構成はほぼ単一」など妙な制限を自分に課しているとまともに進めませんし、初めて遊ぶ人などは苦労とかそういうレベルの問題ですらなくなってしまいます。ですので、今から遊ばれる人はまずケチらずに各基本シナリオを遊んでゲームにしっかり慣れて、それから追加シナリオに手を出しましょう。ほんと、安いからって2持ってないのにアナザーエイジ買っちゃってものすごく後悔しましたから。


●妖精辞典と、あとゲド戦記も全部欲しいのよね

 最後に、さっきの答え合わせ。どこかに隠しますから、興味ある人は探してみてください。ほんとに触りだけだから、詳細は各自調べてみましょう。