〜スカイガンナー〜
機種:プレイステーション2
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●人気あるんだねえ

 この間(2001.09.27)に発売された、3Dタイプのシューティングです。なんかけっこう前評判よかったみたいで、近所のゲーム屋では発売日にすでに売り切れていました。いやあ、予約しといてよかった。


●情報は集めたほうがいいんでしょうな

 このゲームについては、私は雑誌なんかはほとんど読まないので発売日の一週間前まで知らなかったんですが、あるとき買い物に出た先でこのゲームのロケやってまして、それで一目惚れです。オープニングの主題歌、ゲーム全般に満ちる雰囲気、もうこれは買わねばなるまいと思いました。

 それで何も知らない私のこと、さっそく購入せんとあっちこっち探したんですが、発売日前ですからどこにもあるはずないんですね。「おっかしーなあ」とか思ってたら、ポスターの横に「9/27発売」とか書いてあって「ああ何だ、まだ出てねえんじゃん」と無意味に走り回った自分をあざ笑ったものです。なんか俺って、そんなのばっか。


●遥か〜なそ〜ら〜に〜誓え〜

 とりあえず、その場で予約を受け付けていましたので早速予約を済ませてしまい、発売日当日に無事購入の運びとなりました。ただ、この一週間あとにキングスフィールド4の発売も控えてまして、おかげでこの10月の財政は非常に苦しいものでした。従兄の結婚式とかもあったし。

 そんなわけで、買って帰って迅速に起動。一目惚れの原因となった主題歌は、見こんだ通りにとてもいい歌で、その後ろに流れるアニメーションと合わせて非常に好感度が高いものでした。ゲーム全体の雰囲気も、宮崎駿の描くような、青空の美しいのんびりと時間の流れるような素敵な世界です。おお、実に素晴らしい。


●ら、ラジャ?

 さて、実際のゲームはといいますと。

 最初のうちはかなり戸惑いますが、トレーニングを一通り済ませ、それから「初心者向け」と銘打たれたキャラクターを選んでとりあえず無理やりにでもクリアすることで最低限の操作は身につきます。まあ、実際のところけっこう難しめのゲームなので「無理やりに」の一言がついてしまうんですけどね。ただ、操作系統が初級者向けのものと上級者向けのものの2種類、またロックオン形式も同様に2種類あり、プレイヤーの好みに応じてある程度のカスタマイズができるあたり、非常に好感が持てます。

 フランス語から名前をつけられたキャラクターたちも非常にかわいらしいデザインとなっており、また声当ての上手さと合わせてとても魅力のある仕上がりになっています。特に、悪者ヴァントルの小間使い部隊であるプーレたちはこれ以上ないくらいかわいらしく、「俺にも一つ分けてくれ」と本気で思いました。声当ての人がいい仕事してるんですよ、こいつらはもう。とりあえず、プーレの声だけでも絶対聞いて欲しいところです、私としては。


●とりあえず、私は260回までは復帰できていますが

 システム的にもなかなか面白いアイデアがあって、まずこのゲーム、体力がありません。代わりに「バランサー」があり、攻撃を受けるたびにそのバランサーが不安定になります。軽い攻撃ならしばらく経てば再び安定するんですが、連続して攻撃を受けたり強烈な一撃を受けたりするとバランスを崩して墜落を開始します。この墜落中に制限時間とボタン連打回数が表示され、時間内に回数をクリアーすることで戦闘に復帰できるのです。ただし、何度も撃墜されると連打回数がハネ上がっていきますので最終的には間に合わなくて御陀仏、ということになってしまうのがミソ。

 結局のところ、体力とそうそう変わるところのないシステムではあります(時間によって少しずつ回復する体力、体力切れで墜落開始と考えてください)が、ゲームオーバーになる要素はこの「復帰失敗による墜落」と「長時間経過による燃料切れ」以外にありません(ただし、ステージによっては特定の条件でゲームオーバーになります)ので、初級者でも簡単には終わりません。いいですねこういう配慮、無責任に難しくするだけじゃなくてちゃんと初級者のことも考えているという。私はそういう気遣いが大好きです。


●オールクリアでマイナス50万……俺、下手糞!?

 驚いたのはこのゲームのスコアシステムで、世界設定上スコアが「賞金」と銘打たれているのですが、これがなんと本当に「お金」として扱われています。どういうことかといいますと、弾薬精算から機体の修理費、また特殊ミサイルの購入、売却費がスコアに加減算されてしまうのです。機銃を使用すれば、使用している間ずっとスコアから特定の額が引かれ続けていきますし、攻撃を受けるとお金が散ります。墜落すると、復帰するまでの間恐ろしい勢いでスコアが減って行きますから、調子に乗って墜落しまくっているとあっという間に大赤字のへぼガンナー扱いです。

 もっとも、赤字になったとしてもゲームオーバーになることはないんですが、このスコアが隠し要素を出すのに非常に重要なトリガーとなりますんで、このゲームを極限まで遊びたいという人は好むと好まざるとに関わらず賞金王にならなくてはなりません。これが一筋縄ではいかないもので、慣れない人にはこの辺、ちょっとつらいです。

 しかし、弾薬精算とかの要素は別にあっても不思議じゃないんですが、このゲームに関しては完全に見た目の愛らしい雰囲気に飲まれていて「ない」ものと思い込んでましたから、あると知ったときは驚きました。


●何だ蚊だ言いつつも(坊ちゃん風)シエルを使っています

 ステージは、ストーリーモードの場合全部で5面。4機ある戦闘艇のなかから自機として1機を選択し、物語に臨みます。基本的に主人公であるところのシエル、コパン、ファムの3人は同じ戦場を駆けるのですが、彼等は敵の大編隊に対して「僕はあの戦艦をなんとかする、君は敵の突撃艇を阻止してくれ」というように役割を分担して挑みます。これが、同じ物語の同じ状況のなかでのキャラクターごとのステージ差となっていて、ちょっとしたクロスオーバー感覚が楽しめます。

 残る1人、リヴァルはといいますと、シエルのステージ中で敵として出現するのですが、これを逆転させた形での展開となります。すなわち、そのキャラクターを選んだ場合、敵はそのシエルの駆る戦闘艇となるのです。もちろんシエル編では正体不明の存在だったリヴァルがどういった理由で挑んでくるのか、といったことも分かりますから、遊び尽くした、というにはとりあえず全キャラクターで一通り遊ぶ必要がありますね。

 まあ余談になりますが、シエルの戦闘艇「アヴニール」は旧式機という設定で、他のキャラクターに比べると機体の性能でわずかながら全体的に劣っています。それが、リヴァル編で敵として登場すると、リヴァルの駆る超高性能カスタム機「ファントゥーム」に勝るとも劣らない超高機動を見せつけます。恐らくは劣る性能を腕前でカバーしている、ということなんでしょうが、それにしてもあの変貌ぶりはただごとではありません。さすがにリーヴ最強のガンナー、伊達ではないなと思うことしきり。


●3分でアレを倒せ? 出来る訳ねえ!!

 んでまあ、とても遊び応えのあるいいゲームであることは確実なんですが、ちょっと苦言も書いておきます。

 先ほどもちょっと言いましたが、このゲームは隠し要素を出すのにハイスコアを取る必要がある場合が多いです。そのうえ、他のキャラクターにもスコア計算がされており、しかも彼等は作戦を放棄してもスコアを稼ごうとするきらいがあります(時として、どんな魔法を使ったんだ、と言いたくなるスコアを叩き出したりします)のでそう簡単にはハイスコアは取らせてもらえません。ですので、ハイスコアを狙い出すとこのゲームは難易度が急騰します。

 まあ、コツが分かると意外にあっさりとハイスコアを取れたりするものですが、私の場合は下手糞なものでとにかくあちらこちらの攻略記事や掲示板を読み漁り、それでようやく人並み程度のスコアが取れる程度ですから、コツを知るには誰かしら、何かしらのアドバイスが不可欠かと思います。すると、そのコツになかなか行きつけない人には果てしなく遠い道となってしまうわけですね。ハイスコアが出せなければずーっと隠し要素も出ませんから、これはかなりイライラします。

 で、デッドオアアライブ2でしたか、確か隠し衣装を出すのに2通りのやり方がありましたよね? 真っ当に条件を満たすのと、抜け道みたいなやり方と。このゲームにもそういう要素、例えば100回遊んでもリヴァル登場とか1000回遊んだ場合でもアルディ警部登場とか、そういう抜け道があってもよかったなあ、と思うのです。難しくて身悶えしてる人、絶対いると思いますよ。やりこむ時間も取れなくてなかなかうまくなれなくて、それで困ってる人がね。SSなんか出せねーよー。

 ……ちなみに、実際のこのゲームでは隠し要素を出すのに抜け道なんかないですから、それだけは間違えないで下さい。そんな奴はいないと思いますけど、ここのこの文を真に受けて「1000回遊んだのにアルディが出ない」とか言われても困りますんで。


●ジョニーの苦闘を思い出します

 それと、これは私が下手なだけかも知れませんが、ときどきカメラワークのことでイライラすることがあります。現在ロックしている敵をずっと画面の中に捉えつづけてくれるのは非常にありがたいことなんですが、ときどきそれで自機の前が見えなくていきなり変な方向に向き直ってしまったり、また一番ロックしたいところが映らなくなったりすることが多々あるんですねー。

 ま、それをどうにかする方策の一つとしてビハインドビューと手動ロックオンがあるんですけど、これも場合によってはイライラ感を増すばかりだったりしますのでどうにもこうにもナマナマ、といった感じ。


●これは一生モノですな

 と、こんな感じにちょっと目に付いたところもありましたが、これは本当にいいゲームだと思います。スコアが走らなくとも遊んだだけ戦闘力の向上していくゲームですし、ステージの短さに関わらずこれほど長く遊べるゲームだとは思いませんでした。

 そんなわけなんで、シューティングが致命的に駄目、とかシューティングをやるくらいならプレステ版ゴウカイザーででも遊んでいたほうがマシ、とかそんな人でなければこれはお薦めの品です。