〜ディアブロ〜
機種:プレイステーション
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●迷路の中にさあ出発

 パソコンで大人気のロールプレイング。このゲームのミソはネットゲームだ、ってんで「ネットワーク環境にないプレステで遊んでどうすんだよ」とか思って無視してたんだけど、近所のゲーム屋で3本千円というワゴンセールをやっていて、その中にこれもあったので買ってみました。う〜ん、見かけとかだけで判断しちゃあいけないね。売れるわけだよ、面白いわこれ。

 何が面白いっていうと、やっぱ迷宮の探索でしょ。怪物を殺して回ってお宝を探して回って。これだけなんだけど、何か面白いんだな。で、アイテムとか怪物のデータとかあったら楽かな、と思って攻略本を探してるんだけど、ぜぇんぜん見つからない。ではインターネットで、と思って検索をかけたらこっちは出る出る。ただしパソコン版だけど。まあほとんど同じらしいので問題はないです。


●プレイヤーキラー?

 ただ、気になったのが「プレイヤーキラー」。ネットワークを介して世界の人間と一緒に冒険ができる、っていうのがパソコン版最大の特徴なんですがね、その際には他の冒険者にも攻撃できて、殺してやるとそいつの耳が落ちるっていう仕様らしいんですわ。でもまあ、それはいいんです。他のプレイヤー殺すのも構いません。このゲームの物語みたいな状況なら、普通は起こるでしょ、迷宮の中での追い剥ぎは。リアルでいいです。でもさ、そのためだけにわざわざプログラムいじって異常なキャラ作って、それで追い剥ぎかけるのは反則じゃないか? 「できるようになってるから」とか言うかも知らんけど、それは「できる」じゃなくて無理やりやってるからじゃないの? 変なツール使って。


●インチキ野郎と真面目野郎

 個人的に思うんだけどさ、そういうことやるのってたぶん他のゲームやるときでもいきなりデーテルプラグ(うろ覚え。確かそんな名前。日本では『プロアクションなんたら』とかがそうらしい)とか使う奴だよね。そんでパラメータとか異常に上げて喜ぶの。「ラスボスも一撃です」なんつって。

 いやね、私としては、異常なレベル上げとかアイテム稼ぎとか、そういうのはいいと思うんです。自分で時間割いてきちっとやるんなら。でもさ、その手のツールとかでデータ書き換えて、人に見せびらかすってのは変だぞ、絶対。だって、てめーの力何一つ使ってねーじゃん。まあ私もそういう話はしてましたよ、話としちゃあ面白いからね。子供リディアがレベル45で、オクトマンモスがサンダー3で一発だったとか、バロン下水道でセシルがレベル85で、エッジ以外の仲間が全員そのレベルで入ってくるもんだからバルバリシア戦でいきなりホーリーとか。

 「嘘くせー」と思われるでしょうが、この例は全部ほんとです、ただし私じゃなくて私の友人がやったこと。自力で。ポイントは一人稼ぎでワニを狙うこと、だってさ。例えが分からない? ファイナルファンタジー4の話。やったことある人にこの話をしてみ、絶対「嘘だね」とか言うから。要はそれだけ凄いってことです。 ※ 詳細


●苦労を味わえ!

 でもね、この話をある友人にしたら、「それっておまえの力じゃないよな」って言われて、ああそうだなって思ったわけ。そうだよ、俺なんも苦労してねえもんさ。それをいかにも「自分がやりました」って顔しちゃいけねえな、とその時ほんとに思ったわけです。このディアブロの話も同じ。プログラムいじるのにも苦労はあるかも知れませんがね、それはちょっとレベル上げの苦労とは違うでしょ。

 だから、てめーは何も苦労しねえでレベルとか最高まで上げて装備もインチキやってそろえて、そんでそんなキャラ使って、苦労して思い入れもってきちんとレベルとか持ち物とか積み上げた奴の努力をいきなり叩きつぶすんじゃねえよと、そう言いたいわけです。たかが遊びっつったって、神経とか擦り減るような状況を乗り越えたりしてるんだから。

 想像できないなら、ちょっと考えてみ? 自分が苦労して、さんざん苦労してつくったデータな、それを人に見せたよ。そしたらその相手は「大したことねえじゃん、俺のデータもそうだよ」って笑ったと。よくよく話を聞いたらツール使ってサササとデータ書き換えただけだったと。自分の所要時間、一週間徹夜。相手の所要時間、わずか2分。どう思うね?


●人殺しの味

 結論ていうか、この「プレイヤーキラー」の話題の締めとしては、自力でこつこつ叩き上げたデータでそういう「狩り」をやるのは納得できるけど、そんなインチキやったデータで「狩り」やって「う〜ん、俺様強いねえ」って浸るのは筋違いだぞと、そういうこと。てめえでなんの苦労もしねえで、それで何を誇る? 自力じゃなくて、たまたま使ってる道具がいいから良い目にあえた、それだけのことじゃねえのかい。だいたい、ルールに沿って作られたキャラなら狙われた側にも逃げ切るチャンスがある(逆に倒せる可能性がある)けど、インチキやられたら絶対勝てねえよルールオーバーって奴だ。フレームグライドでもバグをさんざん利用して戦う奴がざらにいたけどさ、それもルールオーバーだぜよ。ルールオーバーってのは日本語に直しゃ反則だってこと、よく理解しろな。それとも、反則しなけりゃ勝てない程度の腕前にしか積み上げられねえかい?

 ……まあ、どのみち殺されたほうはどっちだって関係ないだろうけどさ。殺されてブツ奪われたのは同じなんだし。

 ああ、あと検索かけたら「人狩り」の記録がでてきたんだけど、う〜ん、ちっと悪趣味でない? ちゃんと叩いて作ってるキャラみたいだったから納得はできるし悪かないと思いますが、本能的に一抹の不快感が残るっていうか。あんまり生々しすぎてもどうかな、とも思いましたよ。こういうのってほんとに人のモラルの持ち方次第なんだね。俺は殺るのも殺られるのも嫌だから、パソコン版やる機会があってもネットプレイはしません。


●お宝を求めて

 なんだか話が逸れてますが、まあ面白いんです。一人で遊んでも、変なロールプレイングよりはよほどよくできてると思うんで、安ければ薦めてもいいかな、という感じ。エアガイツのロールプレイングモードよりは楽しく遊べてます。あれ、なんかいらつくんだよね。怪物を殺しきれないといくらでも湧いてくるから、ジリ貧で結局死んじまうんですわ。シャッター、許すまじ!!
(00,04,21)


●狩る者と狩られる者

 今日、ちょっとまた考えたんですが。上に紹介した「狩り」の記録をちょっと細かく読んでみたんです。したらば、

「自分のレベルを相手に2〜3低く伝えたら、凄くよく面倒みてくれて、で、自分(その記録の筆者ね)を守るために死んだりもしてくれてたんだけど、その相手の人が何回かめに死にかけたときに、ばっさりと斬ったんです。そしたら『それはないでしょ』って言われた」
みたいなことが書いてあったのね。

 これってさ、なんていうのかな、どっちもどっちだと思うのね。どっちも悪いし、どっちも悪くない。ややこしいんだけど、そんな感じがしました。実際、こういう「冒険の場」っていうところで起こる追い剥ぎってのは相手に警戒心を持たせないっていうところから始まるみたいなんで(その辺のことは、ウィザードリィ小説アンソロジーの『女神ソルジーナ』を読むと伝わるかと思います。このディアブロってゲームで実際に行われてることとよく似た内容です)、まあ人道上追い剥ぎと殺人はよくないよ、ってところから離れればまあ正しいでしょう。

 逆に、その「狩られて」しまった方は、人道上非常に正しいことをしたと思います。実際、その時プレイヤーさんは自分の良識に照らして「そうすることが正しい」と信じ、そのような献身的な行動に出たんでしょうが、この迷宮世界のように「法」と「良識」からかけ離れた世界では、「人の言うことを鵜呑みにする」というのは自分の命を守る上でもしてはいけないことなんですね。まあ、出会う人全てを疑ってかかっていては落ち着かないし、なにより心が干上がってしまう、ってのはよく分かりますが、自分の意見を言わせてもらえば「疑ってかかったほうが痛い目は見ない」で済みますから、疑うまではいかなくとも警戒だけでもしたほうがいいと思いますよ。


●結局はこういう話題に

 このゲームに限った話じゃあないですが、こんな風な「できること」と「やっていいこと」の境目の問題というのは、完全に個人のモラル次第ですよね。だからゲーセンでも未だにハメたハメないで騒ぎが起こるわけだし、こんなネットゲームなんかだと殺した殺されたでもめごとが起こるわけですが。その辺のことはいい加減ディアブロとは関係なくなるんで、この話題はやめます。これに関しては、また別の機会に別の項を割いてやらせてもらいますね。

 でもまあ、こんな風に人それぞれの主張、エゴがぶつかり合って争いが起こったりする世界がネットワーク上に現出しているっていうのは奇妙な話です。日本人だけを狙うプレイヤーキラーもいるって話(これって人種差別じゃねえのか?)ですし、もうこれ現実世界の縮小版ですよね。あとは宗教がらみのいざこざと団体ごとの対立が加わればいよいよもって本物だと思いますが、そこまでいったらすげえ嫌だなあ。楽しむためのおもちゃなのにさ、そのおもちゃ使って喧嘩すんなよ。そう言いたくなってしまいます。
(00,04,24)



※ レベル上げの思い出話(2003.08.05)

 筆者には「ごく親しい友人」と呼べる従兄弟が一人おるんですが、その人、筆者の中学生当時には近所に住んでいたんですね。んで、週ごとにファミコンとか持ってそいつのところまで遊びに行っていたわけです。

 ちょうど発売されてすぐですか、ファイナルファンタジー4のイージータイプをそいつが買ったてんで、入り浸って遊ばせてもらってたんですが、あるとき「レベル、上げといてやろうか?」と来ましてね、せっかくだからとお願いしてみました。それから一週間して行ってみたらばあらすごい、ダムシアンに行き着く前だというのにリディアのレベルが45ほどになっているではないですか。当時、ファイナルファンタジー4にはコントローラを二つ使った簡単レベル上げというのがあったんですが、事情を聞いてみるとどうもそうではなく、きちっと自分で面倒を見たらしい。経験値の割合を増やすためにセシルとテラを殺し、その状態でもっとも経験値が高くかつ危険度の少ない「アリゲーター」を徹底的に狩った、とのことでした。

 能力値は覚えてませんが、魔法はファイア、ブリザド、サンダーにファイガ、ブリザガ、サンダガ(イージータイプでは魔法の名前が威力ごとに1,2,3と分けられているので、正確にはそれぞれの1と3ということになります)となぜか中間をすっ飛ばした形で習得しており、また召喚魔法はイベント前なのでチョコボだけという具合。オクトマンモス戦では足を一本落としたあとに本体を狙ってサンダガをかけたところ即死(普通は足を8本全部斬り落としてから本体を潰すという形になります)という、なんとも壮絶なビジュアルを拝めました。


 もう一つ、ミシディアでのイベントを済ませてバロンに戻った直後に再度彼からレベル上げの話がきましてね、面白いからまた一週間任せてみました。やり方は同じ、セシル以外を全員殺し、バロン下水道に出現するワニ型の敵を集中して狩ったという。今度はなんとレベルが85という感動すら覚える次元に達していまして、以降のゲームは実に楽でしたね。エッジ以外のメンバーが全員セシルのレベルに合わせられた状態でメンバーに参加するため異様にハイレベルなチームになってしまい、普通なら苦戦するであろう戦闘でもいきなり最高位の攻撃魔法がドカドカ炸裂してあっさり終わってしまうという。

 ちなみにエッジってイベント参入だからレベル固定なんですね、他がみんな85以上なのに一人だけ30ちょうどで入ってきよりまして、ために丸っきり使えなかったという。巨人の体内でサーチャー使って13レベルくらい上げてみましたっけ。


 関係ないんですけど、イージータイプってオリジナルとは一部バランスが違うところがありまして。オリジナルでは超レアアイテムだった「奥義の書」、これがなんかあっさり手に入るんですよ。筆者はミストの洞窟で一つ入手しまして、宿屋でのバトルで使ってみたんですがなんと出てきたのはバハムート宿泊施設の中でメガフレアが炸裂し、敵兵を消し炭に変えるという愉快な事態が発生してしまいました。あともう一つ、ミシディアでも手に入れたものでスカルミリョーネに食らわせたらまたバハムート、一発でエンドとかね。

 結局、四天王はカイナッツォまではメガフレアで一発ですね。バルバリシアはもうちょっと耐えます。いやあ、面白かったなあアレは……。


 ……とまあ、そういう話だったわけです。信じる信じないは各自の自由ですが、蛇足承知で一つ言っておきましょう、こんな駄法螺をぶちあげて私になにかメリットがありますか? 証拠を見せられない以上嘘つき呼ばわりも仕方ないことですし、現に件の友人もそう私を見たわけですが、嘘を言いふらしてみたところで他人はだませても自分自身は「ほんとは嘘なんだ」という事実を知っているわけですよ。そんな行為に何か意味があるのかと。

 なお、騎士ガンダム物語における協力者「Mr. Knight Lancer」というのがこの従兄弟です。1章から3章のレベル上げは彼に教わったため、作成にあたり彼に連絡を取ってニックネームを考案してもらい、掲載しています。こん時もなあ、一週間でよくもまあこんなに……。