〜ダンジョンマスター〜
機種:スーパーファミコン、セガサターン
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●迷宮を制する者

 パソコンでは大受けしたけどスーパーファミコン(以下スーファミ)では全然ふるわなかったという、ユーザー層ではっきり評価の分かれてしまったゲームですね。スーファミ版は今では千円たらずで購入できるという悲惨な状況になっていますが、実際に遊んでみると実にこれが面白い。てなわけで、私はスーファミ版を大喜びでクリアし、今またセガサターン(以下サターン)において大喜びで進行中なのであります。


●他に例はないですね、この腹具合システムは

 このシリーズ、今ではいろいろなハードに出ておりますが、それぞれの共通点としましては20名ほどの候補の中から最大で4人を選びだして疑似立体(当然視点は3D)で構成された迷宮を探索する、というゲームですね。が、「迷宮の中には時間が存在」しておりまして、すべてのものはその時間に支配されています。これがこのゲームの大きなミソ。どういうことかといえば、時間が経てば腹が減り、喉が乾く。松明は燃え尽きて小さくなり、やがて真っ暗になる。こんな具合です。

 具体的には、「腹具合ゲージ」「喉具合ゲージ」があって、これで腹の具合を表してます。ゼロになった時点で死亡。飢え死に、乾き死にですな。これを回復するためにはメシを食い、水を飲まねばなりません。なぜか落ちているパンやリンゴ、チーズ、はたまた歩くキノコの肉や巨大イモ虫の肉を平らげ、キャラクターは命をつなぐわけです。それぞれの食い物には「味」がありますが、「おいしい」だの「まずい」だのはそうそう簡単には表現できません。ではどうしたものかといいますと、腹具合ゲージの回復量にてそれが表現されていました。

 もちろん味だけではない(栄養とか。実際、回復量の単位はカロリーですので概ね栄養を意味している、といえるでしょう)のですが、見るからにまずそうなイモ虫の肉はカロリーがやたらと低く、逆においしそうなドラゴンステーキなんかはほぼフル回復という具合ですのでやはり味の表現も兼ねているんでしょうね。


●えらくまずそうだが、この食糧難では贅沢は言えんか……!

 そういえば、以前カズ島本氏描く「インサイダーケン」で、このゲームのキャラクターと感覚を強力にシンクロさせた主人公が飢えに飢えた挙句巨大イモ虫の肉を食おうとし、そのあまりのまずさと悪臭に耐えられずに倒れるという描写がありました。そんなに不味いのかな、あのイモ虫の肉って。いや、食ってみたいとはまったく思いませんけど。

 ちなみに、初期配置の食料を食い尽くした場合でも、心配はありません。食用になる怪物の巣窟がそこここに設定されていますんで、そこに行って怪物を狩れば食料は山と出てきます。逆に初期配置の食糧はそれほど多くありませんので、迷宮におけるサバイバルライフではこの「養殖場」の存在と位置、そしてそこに行き着くまでの最短の道順を頭に叩き込んでおく必要があります。


●周りに敵はいないな? よし、寝るぞ

 また、俗にいう「ヒットポイント」「マジックポイント」のほかに「スタミナ」があり、このスタミナはやたらと物を持ちすぎたり、さんざん暴れたりすると減っていきます。宿屋なんていうものは迷宮の中にはありませんので、これらの数値を回復させるためにはそこらでごろんと横になって寝入るしかありません。迷宮の中では「どこでも宿屋」なのです。この「寝る」コマンド、寝ているあいだも時間は動いてますので、安全を確保してから寝ないと怪物に寝込みを襲われて大変な目に遭ってしまいますからよく注意して寝ることが大事です。夜襲はやられると慌てること請け合い。

 これに関する話で、吉田戦車氏描く「ゴッドボンボン」にリザードマンが「え、駅で寝ると駅員さんに怒られるけど、ダンジョンの中なら誰も怒らないんだな」とつぶやくというネタがありました。山下清か。これ、本当はウィザードリィ6の話なんですけど、迷宮のどこででも転がって眠るのは同じですんでね、ちょっとした共感を覚えてしまいました。


●アメリカ人、やっぱ目の付け所がいいなあ

 この「時間」の概念、このゲームが製作された当時には非常に斬新な発想だったそうで、これがパソコンゲームを遊んでいた人々に大いに受けたという話を聞きました。なのにスーパーファミコンでは全然といっていいほど振るわなかったのは、スーパーファミコンの客層はこういうぱっと見よくわからないけど遊んでみると面白い、いわゆるスルメゲームよりもドラゴンクエストやファイナルファンタジーのような「大作」のほうが好みだったってことの表れのような気がします。

 それとこれはあまり関係ない話ですが、以前知り合いにこのゲームがいかに斬新だったかを説いたところ「でも、シューティングもリアルタイムですよね」とか言われて「あーもーてめーにはゲームという言葉を口にのぼせる資格すらねえよ」と本気で思いました。リアルタイムじゃないシューティングなんて未だかつてねえよ。

 まあ、細かいことは青いカバーの攻略本かPCエンジン版「セロンズクエスト」の攻略本を読んでいただくのが一番かと。「穴ぐらの生活」の楽しみが事細かに書かれていますし、著者の人の実体験に基づくデータが非常に多く書かれていますので、攻略本としても完成度は最高ランクと言えます。筆者はこれでこのシリーズにハマりました。


●しくじると器用貧乏ですが

 それともう一つ。先ほど「選べるキャラは最大4人」と言いましたが、最大があれば最小もありますから、1人で迷宮探索を初めても結構です。この1人プレイ、ある程度慣れた人には絶対お勧めできます。何せ4人とかですと役割分担が利く分それぞれの成長に割く時間も大変ですし、食費も4人分かかります。まあ、4人は4人でメリットも大きなものがありますけども、1人で冒険に出れば修行に4倍の時間を注ぎ込めるわけですし、食費も一人分でいいのですよ。1人でなんでもできる、これもまた面白いものです。


●真の「成長」とは

 そして、ここで最初からバランスのいいキャラを選ぶようではいけません。どうせやるならスタムやハルク(前者はドワーフ、後者はバーバリアン。2人ともマジックポイントの初期値がゼロ)、またはティギー(ホビットなのか人間の子供なのか分からないけど、とにかく愛らしい少女。マジックポイントと知力は高いがスタミナや生命力が最低クラス)を選びましょう。こういう一見駄目そうな奴を叩き上げ、最高の称号「アークマスター」を目指す。これ以上の楽しみはありません

 「そんなこといって、口先だけなんでねえの」とおっしゃる方、私はスタムで無事にクリアしました。魔法にはまったく縁のなかった髭のおじさんがぎこちなく魔法の言葉を組みあわせていくさまは、なかなかいいものです。「成長」という言葉を噛みしめた瞬間でした。このおっさんの目的達成への大きな鍵は「レベル4の銀の杖」。ここまでは、完全に魔法ナシでの進行になります。また、現在ティギーだけで再チャレンジしていますが、この場合の勝利の鍵は「箱と投擲」だそうです。このように能力的にハンディの大きなキャラでも、多少の苦労が伴うもののきちんとクリアできるようになっている部分はバランス取りのうまくいっている証拠だと思いますが、いかがですかね。


●ヒゲオヤジ、苦闘の記憶

 レベル12を探索中のこと。狭い通路を突き進んでいた私の前に、青い球体から黄色の触手が生えた物体が立ちふさがった。物体は消滅と出現を繰り返しながらこちらに火球を投げつけてくる。なるほど、これが名高き「呪文蔦(スペル・バイン)」か。

 対策は分かっていた。球体が実体化しきったタイミングに合わせて、非実体破壊の攻撃呪文を叩きつければよいだけだ。しかし、呪文を放つタイミングがうまく取れない。幾度か投げつけた「非実体破壊」はすべてすり抜けてしまった。敵はその間も毒霧や火球で間断なく攻め立ててくる。これ以上は危ない、撤退すべきだ。私はそう判断した。

 敵の様子を伺いつつじりじりと後退を始めた私の背に、突然切り裂くような痛みが走った。不意討ち!? 驚いて振り向くと、そこには巨大な殺人甲殻類「オイトゥ」の姿。逃げ道のない細い通路、前面には呪文蔦。この状況で重ねて相手をするには極めて危険な相手だ。呪文蔦に気を取られすぎて接近に気づかなかったとは! 完全に不覚だった。「気づかない奴は、迷宮では死ぬだけだ」 かつて聞いた言葉が、耳によみがえる。

 こうなれば、生き残る道は一つ。耐久力に劣るのは呪文蔦、ならば突破しやすいのは前面。もう回復薬も魔力も残っていない、しくじれば死ぬだけだ。激しい攻撃に耐えながらじっとタイミングをうかがう。……文字通り命を賭けて繰り出した「非実体破壊」は、見事青い球体を砕いた。障害は消えた、後は「活路」へ突き進むだけだ。なんとか安全と判断できるところまで逃げ延びた私は倒れるように眠りについた。それ以後、私が最も嫌いなものは呪文蔦になったのは言うまでもない。


●輝く思い出、あなたは持っていますか?

 ……どうですか? 上の話、実話だったりします。呪文蔦を倒すタイミングが取れなくて被害が蓄積しはじめ、「ヤバイかな」と思い始めたところに不意の挟み撃ちを受けてしまったもので、ほんと「最悪の事態だ! ここでまさか終わりか!?」と思ったものです。レベル12は敵強いからね、ネクサスのオイトゥなんか弱いですよこのときに比べたら。

 なんで急にこんなことを言い出したのかといいますとね。ずいぶん前になるんですが、友人が拙宅に遊びに来た際に、ダンジョンマスターの話題が出たのです。で、そのときに友人が「ダンジョンマスターって面白い? イベントとかないんでしょ?」と言ったんですね。

 んで私、それは違うよ、と。こういうゲームの場合、イベントはメーカーが用意するんじゃなくてプレイヤーが自分で作るものなんだよ、ということでいくつか例を挙げました。いわく、ドラクエなら必死で金ためて棍棒から銅の剣に買い換えたときの嬉しさ。ウィザードリィなら、愛着を持って育て上げた仲間が不測の事態で死んでしまい、そのまま蘇生にしくじって本当に帰らぬ人となったときの衝撃と悲しさ。ダンジョンマスターならまさに上記の例です。どのプレイヤーが遊んでもあの地点で挟み撃ちを受けるわけではありません。こういう、プレイヤーの心に大きな波を起こしたゲーム中の出来事。これらが「イベント」となるんだよ、ということを言いました。

 まあ彼がそれをどこまで実体験として感じてくれたかはわかりませんけども、今言った「自分の心に残った大きな波」、メーカーが用意したわけじゃない「自分だけのイベント」が確かに記憶にある、そういうのっていいことなんじゃないかな、と思うんです。

 最近の「ロールプレイング」は感動させちゃいますよと言わんばかりに押し付けイベントばかりてんこ盛りにして、実に寂しい限りです。こういう気持ちの味わえる楽しいロールプレイング、またやりたいな。何かない?


●ファイアボール18連発は気持ちいいですな(システム改善のおかげ)

 さて、スーファミ版が発売されてからだいぶ経ったとき、サターンにおいて「ダンジョンマスター ネクサス」というタイトルが発売されました。要するに続編なんですが、どうもこれが迷宮の描画・構成をポリゴンにて行ったというようなものらしく、もとよりキングスフィールドなどが大好きな筆者には期待の持てる一品だったのです。が、当時筆者はサターンを所持しておらず、ようやく本体を入手したときにはサターンの市場は死亡寸前とこのゲームの入手には長い時間が必要となる状況でした。それでもずっと探し続けて結構な年月が経ったあるとき、ついに近所のゲーム屋で発見したのです。これぞ天の配剤とばかりに購入してしまいました。

 このサターン版「ネクサス」も基本的な仕組みは変わらないんですが、随所に工夫をよくも悪くも凝らした跡が見受けられ、好感が持てます。まあそれをここで取り上げても仕方ないんでやりませんけど、過去のシリーズにおいて「ここはこうだったほうが良かったなあ」というところは大方改善されていますね。まあ不満もちょっとありますけど。ただ、ポリゴンによる迷宮構成のせいでしょうか、過去のシリーズで特徴的だった「レベルをまたがる仕掛け」の数々は軒並み排除されてしまっています。これはちょっと残念。それと、キャラクターの名前が一部変わっていたのはなんでなんでしょうか(能力その他はおんなじなのに)。


●また最後の敵がロードカオスかい!!

 それで、こちらでも早速1人プレイに挑戦です。キャラクターはティカ、過去のシリーズではチャニと呼ばれていた女の子。魔術師系では最強クラスの資質を秘める上、後衛向けの勇者としては異常なほどのスタミナ回復力を持つ、と評判の美人です。最初ウー・ツェというやはり女の子で始めたのですが、こちらはスタミナ回復の遅さに辟易した上引越しのばたばたでデータが完全にブレイクしたため消去。女の子を選んだのは、ごっついヒゲのおっさんとかは以前やったので今度は華が欲しいなということで、です(一応男でも魔術師系最強クラスの素質を持つキャラはいます)。なんか言い訳

 冒険を始めた直後は迷宮の造りが過去のシリーズと同じで、「もしかして、これって過去シリーズをポリゴンにしただけ?」とか心配になってきたりしたのですが、ちょっと進めるとそうではないということに気がつき一安心。レベル4にスクリーマー養殖場がある、ということも確認できたし、では修行に入りますか。……


●忍者レベルって本当に上がりにくい……

 それからしばらく、ひたすらにスクリーマーを殴り、斬りつけ、魔法を唱えて壁を焼き焦がす日々が続きました。印象として、今作は他のシリーズより成長しやすいんじゃないですかね。意外にすいすいレベルが上がっていくのです。そしてゲームを開始してから50と数時間、レベル8まで攻めたところでついにたどり着きました、アークマスターの称号。獲得したのはウィザードレベルにおいてですが、あとプリーストレベルも結構近いところにありますのでもうちょっと粘ってみるかな、とか考えています。シナリオ進行? 放置、放置

 そういやあこの「ネクサス」、装備品の一部に2作目にあたる「カオスの逆襲」のアイテムが混じってますね。ドラゴンの牙とか首切りの斧とか。で、1作目の暗黒の剣とか細い斧とかもあるからそれぞれ別物として存在しているという。古いシリーズを遊びこんだ人はニヤリとするような、そんな趣向でございました。しかしこれ、攻略本使いづらいな。なんでスーファミ版の著者に執筆頼まなかったのかな。


●けっこう区分けが難しいところですけど

 「リアルタイムで進行する一人称視点の迷宮ゲーム」という点においては、いつぞにここでも取り上げたキングスフィールドシリーズ、あれがこのダンジョンマスターの末裔と言えるかもしれませんね。ただ、あちらはあくまでも戦闘や仕掛けがリアルタイムで動くのであって、「リアルタイムな世界の中にいる」というわけではありません。やはり真にリアルタイム、というのであれば食事と休息、これは欠かせない要素なのかなー、と思います。そういえば、パソコンのバルダーズゲートとかにも徹夜が続くとキャラの性能が落ちるとかありました。まああれもちょっと違うけど。

 とにかくこれはいまどき流行っている「ゆりかごから棺おけまで」ストーリー尽くしのゲームとはちょっと違う、なかなか稀有な真のロールプレイングの一つです。「俺ゲーマー」と言う人ならば、たまにはこんな気骨を要求されるようなゲームに手を出してみてもいいんではないですかね。安いし。「ネクサス」はちょっと見つかりにくいので、スーパーファミコン版がお勧めです。


●サターンって、こんな糞ハードだったんですか?

 あーと、またやりたくなったんでサターン引っ張り出して修行を再開したんですがね。プリーストレベルもモンマスターになって、さーてあと少し頑張ればアークマスターだと喜んでいたら。

 またカートリッジがクラッシュしました

 もう何かを言う気も起こらないような状態ですけど、これは思いましたね。ゲームのデータもまともに保存しておけないようなハードを作るんじゃない。本体の保存容量は極めて少ないうえに本体の内蔵電池が切れたらおしまい、しかもこれ内蔵電池そのものの寿命も長くない。半年保たなかったような気がしますよ? で、外付けのカートリッジはカートリッジでなかなか認識しないし、認識したと思ったら何もしないでいてもデータクラッシュを起こす。こう頻繁にデータが飛ぶようだと、ロールプレイングなんか遊べたものではないと思うのですが。たとえ買い足しの必要性がないほどの容量を持たせて売り出しても、まともに保存しておけないのでは意味がありません。これだったら、ほんの少ししか保存できなくてもクラッシュの危険が極めて少ないプレステのメモリーカードのほうがよほどマシです

 もう、サターンでデータの保存を要求されるようなゲームはやる気がしなくなりました、ほんと。たとえ成長しやすくなっていて、オリジナルに比べれば三分の一程度の時間しかかかっていないといってもやはりアークマスターを作るのにはかなりの時間をかけているんです。それが、ただの一晩で完全に破損してしまった。はっきり言って、このハードのデータ保存性はもう信用できません。最低です、こんなの。今後サターンはシューティング専用ですね、間違ってもロールプレイングなんか遊ぶものじゃない。ああ、俺のアークマスター二つ……。……ディアドラって名前にしたのがまずかったのかな。グラーニャだったらよかったとか? まさかね……。


●過去の煌き =知っている限りのこと=

 こんな事情があったもので、もうこのゲームは起動しないと思います。そもそもゲームを進行させることができないのですから。そんなわけなので、レベル8までに私が掴んだことをいくつかここに書いておきます。

  • 「ペトリファイ」の実際

     中程度の確率ながらも敵を石化させ、行動不能にする新魔法ペトリファイ。攻略本には「石化した敵に、武器攻撃でダメージを与えることはできない」とありますが実際はそんなことはなく、実効果は「対象の行動を完全に封鎖する代わりに、対象の対物防御力を飛躍的に引き上げる」というものです。

     この防御力の上昇というのがどうもストーンゴーレム並みの数値になるようで、武器攻撃でも一応ダメージは与えられるんですが与えられるダメージは異常に小さく、下手をすると素手のほうがよほどダメージ効率がいいくらいだったりします。無抵抗で殴り放題なため戦士・忍者レベルの修行にはいいかも知れませんが、戦闘時間の長さという点においては普通に戦闘したほうがいいでしょうね。物理攻撃による被ダメージでも戦士レベルの経験点は上昇するんですし、またこの魔法自体モンレベルで使っても効かないことが多いですから。

  • スタミナの話

     今作では、ヘルスとマナの回復にスタミナを、そしてスタミナの回復に食糧・水ゲージを消耗するというシステムになっています。就寝するとすぐ分かりますが、まずヘルス、マナがすごい勢いで回復していく一方でスタミナが死亡寸前まで消費され、そしてそのスタミナの回復とともに食料・水ゲージが恐ろしい勢いで減っていくという仕組みになっているのですね。ですので、修行のときはもちろん、通常の探索時でも食料は大量に持ち歩く必要が出てきます。眠っている間も目を離してはいけません、下手すると寝ながらにして飢え死にという壮絶な末路を辿ります。

     また、今言った仕組みは就寝時のみならず常に適用されていますので、戦闘などでダメージを大きく受けたりするとそれを治癒しようとしてスタミナを消耗しはじめ、最終的には完全にスタミナの尽きた、言わば息切れ状態になってしまいます。スタミナが切れるとロードが極端に減るというのは過去のシリーズと変わらず、もし戦闘中にそうなってしまうと退避もままならないという大ピンチが待っていますから、スタミナポーションはモンレベルのものを複数常備しておくのがよいでしょう。

  • 修行のために

     まず、レベル4の終盤に、オリジナル同様スクリーマーの巣があります。過去と違って最大でも2体しか出現せず、増殖の効率も非常に悪いのですが、それでもないよりははるかにマシです。増殖の細かい条件は不明ですが、巣の扉から左右にある見えないプレッシャープレートの上(巣の扉を自動的に閉じるプレート)をぼこぼこ往復していれば、そのうち出現します。また、今作ではなぜかオイトゥがもも肉を落とします。こちらは巣は相当下に潜らないと存在しないようですが、レベル7辺りでときどきうろついているのを見かけますので、その辺から巻き上げてもいいでしょう。

     水はあちこちにありますが、私はレベル8の「ゴーストの晩餐会」の部屋で補給していました。データ消滅時の、修行の場でもあったところです。でも、皮袋3つくらい分は常に持ち歩いたほうがいいでしょう。

     今作でも適用されているのかどうかは不明ですが、オリジナルには「修行の場所が深ければ深いほど、効率も上がる」という要素があったそうです。これが事実ならば、レベル1よりもレベル2、レベル2よりもより下層のフロアで修行したほうが効率がよくなります。そういうわけで私はレベル8だったのですが(レベル9まで進むと、上には戻られなくなる)、オイトゥの巣まで駆け抜けてしまうというのもアリかも知れません。その場合は、巣はレベル12(オリジナルでおなじみ、プレートで再出現する部屋)、水は最近の場所でどうやらレベル10のスタート地点近くになるようです。

     最後に。修行には根気が必要、これは当たり前のことですが、苦労を少しでも減らすためにレベル8で「竜の杖」を回収し、それを役立てることをお勧めします。「マナの消費量が半分になる」 過去シリーズのファンならば垂涎ものの要素のはずです。