〜フレームグライド〜 機種:ドリームキャスト |
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●ミサイルの代わりは召喚された精霊ドリームキャストが発売された少しあとくらいに、アーマードコアで有名になって今は評判をがた落ちにしているフロムソフトウェアが作ったロボット対戦ものです。このメーカーお得意の「ロボットを好きに構成して戦場へ赴け」という内容ですが、こちらは対戦が主眼に置かれていることもあってアーマードコアとはまた違った趣が醸し出されていますね。 アーマードコアが未来風の世界を舞台にしているのに対し、こちらは剣と魔法の世界を舞台としています。そんな世界において、巨大ロボットは騎士の甲冑代わりというような具合。だからアーマードコアのようにミサイルバリバリ飛ばしてみるとかレーザーを派手に撃ち出してみるとかそういう世界ではないんですけども、その辺の代わりは魔法がこなしてくれていますので見た目でアーマードコアに引けを取ってるってことはないと思います。
●どれだけ遊んでなかったでしょうかなんですか、ケースを見ると1999年の表示が見えますね。6年前、早いものです。なんで今になってそんなものの話を、と言えば、年明けの超暇な時間を久しぶりにコレでも動かして過ごすか、と思って最初から遊んでみたら想像以上に楽しかったから、てな理由です。 このゲーム、全体に見るとパーツの数がかなり少なめです。それというのもアーマードコアと違ってこちらは「甲冑」、人型であることが前提になっていますし、騎士という使い手の立場もあって装備の規格が統一されているからでして、だから全身にミサイルを装備した四脚歩行タイプの戦闘マシンとか、両腕両肩が大口径ビーム砲になってるメーサー殺獣光線車みたいな機体は残念ながら作りようもないんです。つうか、メーサー殺獣光線車を騎士とは言わないか。 それでも特に攻撃系の装備はそれぞれに(役に立つかどうかは別にして)きちっと特色が与えられていますし、甲冑を構成するパーツも性能的にちゃんと色分けされていますので、パーツ数が少ないということは問題になりません。
●砲といっても攻撃用とは限らないのが新鮮それよりも面白いのはやはり戦闘行動に関して、ですかね。まあアクションゲームですから動かしてナンボですし。魔法力を撃ち出す銃に魔法力の伝導体としても活用できる格闘戦用の巨剣、いろいろな形で魔法力を放出する砲。それらに加えて盾を活用した鉄拳や、無人制御のサポートマシン「スクワイア」なども交えて繰り広げられる戦いは見た目もかっこよく、馴染んでくれば駆け引きも入り込んでくる(私にそこまでの腕はありませんが)ので戦っていても楽しいとなかなか見ものです。 そして、新しいパーツは戦いに勝って入手する魔法鉱物(マテリアル)を合成炉で錬成して作ります。ただ、マテリアルの入手に関してはちょっと不確定要素が絡んできてしまうんで微妙なんですけれども、このマテリアルが非常にきれいなもので何か消耗品作るために消費するのがもったいないような、そんな気分に駆られるのは私だけでしょうか。
●勝ちたいのならば腕を磨けというのにそれでこのゲーム、当時ほかにどれだけあったのか分かりませんが、ネットワークを介した通信対戦に対応していたんですよね。というかむしろそれにしか対応していない、アーマードコアみたいに本体とモニター2台持ち寄って通信対戦というのはできなくて。なんでだろ、コレ。 私も少しだけ通信対戦には参加してみたんですけれども、どうも全員マナーがなってねえっつうか、なんでお前らタメ口よというようなところで不満が溜まりまして、さらにこれは単純に腕前の問題ですがまともに戦いにならなかったんですね。……腕前っつうか戦術の構築っつうか。要するに「勝つために何でもする」→「そのために自分がすべきことは」という思考の推移ではなく、「自分の主張を機体に乗せて」→「これで勝てればめっけもの」、私はそういう人間なのです。それに「勝つために」という思考形態を私自身が嫌うということもあり、そんな人間が「勝つために」という連中の中に入って戦っていけるわけがないんですよね。 実際、私はそういう人間と対戦やるのは死ぬほど嫌です。ただ勝ちたがるから自分が勝てないゲームだと光より速く不平をもらし始めますし、自分が勝てるゲームならば相手の腕前お構いなしにどんな卑劣な手段でも使いますから戦っていて面白くないんです。そういう人間に限って日ごろは「対策しないお前が悪い」とか言いつつも自分がかわせない攻撃やられると怒り出すもんですしね。
●あのときは、楽しかったなあ……対戦ゲームというものに関しては、それはもちろん勝てたら嬉しいですけども、ただ「勝つこと」が目的ではなくて、腕前の拮抗した特定の人物を一種宿敵のように定め、その人物と持ち駒の総てを駆使して何度も戦って、勝って負けてを繰り返して。で、対戦が終わったところで顔を会わせて、あの対戦のここが面白かった、あそこはすごい切り返しだった。そうやって勝負の内容を振り返り、2人であははと笑う。それが理想だと私は考えています。 ……それに、私がゲーセンで対戦していた時期はそういうふうに笑い合える仲間たちがいましたから。もちろん全体的なレベルは低かったと思いますけど、でもとても楽しかった。負けたからって暴れるやつもいなかったし(いたとしても、仲間たちに処刑されてた)、最高の環境だったと思います。それに当時は戦闘中の反応なども今とは比べ物にならないくらいのものがありましたし、ほんと対戦やってて楽しい時期でした。
●素人相手に全力で、なんてのは弱いものいじめというんだだからもしこのフレームグライドでも同じような考え方を持ってる人に会えてたら、もう少し対戦を続けていたかも知れませんね。当時見かけたのはマナーのマの字も理解していないような人間か、あるいはサークル規模を大きくしようと考えて勧誘のために初心者用闘技場に顔を出す中級者か。1人か2人はまともな対応のできる人もいたんですけどね。 ……これ嫌な思い出なんですけど、勧誘のために初心者用闘技場に来ておいて、スクワイア大量にばら撒いてから自分は逃げ惑って追尾弾を撃ちまくるだけっていう戦術を取るというのはどういう了見だったんでしょうか。まともな戦術に対応する能力がない、だからこちらは同じ程度の腕前の相手を探して初心者用の闘技場にいるんです。いきなりそんな勝ち狙いの戦術取られてどうにかできる初心者があるか? 一応褒めておきましたけど、「でも俺は中級の真ん中くらいよ」って馬鹿野郎、当たり前だよ。そんな戦術で戦い抜けるほど甘くないってのは誰が見ても分かるだろうが。だからサークル参加のお誘いも丁重にお断りしましたよ。願い下げです、枯れ木も山の賑わいなど。 念のため言いますけど、これ向こうから挑んできたんですからね? こちらの名前指名して。なんか知らん、初めて接続したときになぜか相手からのメッセージは受信されるのにどれだけ打ってもこちらからのメッセージが送信できないという状況になっていて相当青かったんですけれども、そのときでしたねこの相手と戦うことになったのは。非常に不愉快な思いをしたものです。もともと人間不信な私ですが、このフレームグライドのネット対戦が「ネット上にはびこる人間の程度など、こんなものか」という印象を未だに抱く理由のひとつなのは間違いないでしょう。
●200円だったら、少しはお勧めしてもいい……かなぁまあ、戦いの駆け引きだののことは、実戦でまるっきり勝てなかった私が語っても説得力ないんでここらでやめておきますけども。コレ、買った当時は確か3,000円くらいしたものなんですが、今買おうとすると200円そこらでしょ。どういうものなんですかね、けっこう面白いと思うんだけどなあ。 しかし、その辺は少し考えれば分かりますか、要するに1人遊びには向かない内容なんですわ。物語としては、こんな具合です。 7人の選帝侯と1人の皇帝によって統治されていた大帝国は、皇帝の崩御と共に混乱の時期を迎えた。選帝侯の1人、ゾルト伯が配下の九つの騎士団を率いて反乱を起こしたのだ。九つの騎士団と、ゾルトが発掘したという巨大な魔導兵器の前に次々と潰されていく選帝侯たち、残る1人となったミランジェ大司教は切り札として育てていた青年を呼び出し、騎士叙勲と古代の巨大な甲冑「フレームグライド」を与えた。青年が選ばれたその裏には、悲しい過去と黒い思惑があることを、誰も知らない。 舞台の構想やら各騎士団長の設定なんかもきっちり練られてるみたいで攻略本にはその辺しっかり書いてあって、読むと「へええ」と納得できるような内容なんですのに、ゲーム中ではその辺りの説明は一切されないという。それに、ゲーム進行のテンポを落とさないためなのか、この「九つの騎士団」との戦いがいきなり団長との戦いになりますため、クリアまでに通過しなければならないステージはラスト含めてなんとたったの10。 今久しぶりに遊びなおしてみてますけど、最初に装備を少し調整しただけで、一時間しないでいきなりステージ9までをクリアできています。私でコレですもの、こりゃあある程度心得があって勝てる人ならば、正味一時間くらいで終わりかねません。いくらなんでも短すぎるだろう、これは。かと思うとラストがめちゃくちゃに強いというか性能がイッてるというのは「簡単にクリアできるようなステージ数の少なさをどうにかごまかすため」とも取れるのが微妙ですし。アレはこのゲームよりもむしろアーマードコア向けのラストボスだと思うよ、剣が効かないんならなおのこと。
●てめぇら、せこい真似しやがって!!それでこのゲーム、最初に「対戦メインだ」と言っていると思いますけど、騎士団長9人と遊んでいる限りほとんど対戦の練習にはなりません。彼らはどうしても単体のルーチンとしてはお粗末なものになっていて(最後の騎士団長ラシーヌと戦っていてよく分かりました。まさかあんな簡単な誘導に引っかかるとは……)、それをカバーするために強力なスクワイアを制限を越えて多数呼び出してくるという強引な手法が採られています。これでは操作には慣れられても、実戦向けの戦術訓練にはなりません。 一応マテリアル収集用ステージとしてランダムキャラクターが登場する戦場がいくつか用意されており、そこに登場する最高ランクの敵「過去の英雄」というのはなかなか面白い動きを見せてくれるんですけども、それって後半にならないと出てきませんし、あくまでもランダムなのでこちらの訓練したいところが確実に訓練できるとは限らないわけですよ。スクワイアなしの状況でじっくり戦いたいのに。それに、練習用プログラムであるはずの「訓練」は操作慣熟の助けにもならないような始末。ほんとこのメーカーってお客さんの方を見るの苦手ですね、ハァ。
●このメーカーの美徳は説明不足にあるんだろうかだからね、せめて訓練用プログラムを充実させるとか、敵のルーチンをまともなものにするとか、そのくらいしなければならなかったと思います。対戦ものっていうのは確かに人間と戦うほうが圧倒的に成長するものですけれども、このゲームはその対戦環境が極めて局地的なものだったんだから対戦なんてそうそうできませんよ。こっちの操作が3テンポ遅れて反映されたときなんて、「ああこりゃ駄目だな」と本気で思いました。家で友達集めるにしたって、画面分割になってしまってまともな対戦にならないんですし。 で、だったら1人遊び、と思えば今度は露出してくるシナリオ部分が極めて希薄、ステージ数も少ないときてますのでやることといったら素材集めだけ。それだって、いつ何が出るか分からないから最終的には作業みたいになってしまいますしね。なんとも寂しいものです。もったいないよ、あんなに渋いシナリオ書いてさ。
●もう少し、ストレスの溜まらない作りにはならなかったものか他にもつつけばいろいろ出てきますね、アーマードコアには実装されていた「戦闘放棄」の選択肢が存在しないとか、初期構成として与えられる甲冑が3つあるフレームのうち真ん中のものに固定されてしまっていて、他2種類はマテリアルを相当数集めないと(ゲーム進行は今言ったとおりにあっという間に最終局面ですので、自分の意志でマテリアル収集を行わないといけません)構成できないとか。 それに全体的なバランス調整もやはり粗いところがあったと聞いています。過去風属性で挑んで死ぬほど苦労したバレンタインだのラシーヌだのが火属性でいともあっさりと滅びるのを見たときは「何だろう、コレ……なんだったんだろう、俺」と思いました。まあこれは単純に当時よりも動かせるようになったから、とも考えられますけども。
●剣が片手で持てないくらい重いなら両手で持てィ!! ……おい、持てるじゃねえか!!あとね、これは「何で?」と思ってやまないのが、銃と巨剣の使い分けについて。銃を撃つ際には当然手に持ちますが、その後もずっと持ちっぱなしになります。それは結構。で、巨剣なんですが、こちらは一度振るたびになぜかいちいちハンガーに戻します。アーマードコアみたいな光線剣じゃあるまいし、持ちっぱなしにすることに何か問題でもあったんでしょうか。その上で、銃を撃ってから巨剣を振るときには一度銃を腰のホルダーに戻すという操作を行い、さらに攻撃ボタンを押さないとならないという奇ッ怪な仕様。なぜなんでしょう、ほんとに。 メーカーも、あまりこのゲームには気を配らなかったみたいです。このメーカーがドリームキャストに出しているゲームはこのフレームグライドだけだと思いますし、通信対戦サービスも終了してだいぶ経ってるはずです。それに、続編や同じ設計思想を持つゲームの話もさっぱり聞きません。私、これをプレイステーションのパッドでアーマードコアと同じ操作方法で遊びたいんですけども。出さないの?
●オープニングのできはすごいですよ、コレなんか悪く言ってることのほうが多いようですが、私はこれはなんだか好きなゲームです。なんだかんだ言っても、今こうして喜んで遊んでいるわけですから。ただ戦ってるってだけでも相応に面白いものです、いやこんなに面白いとは。ある程度慣れてくると人と戦いたくなるけれど、まあそれはもう無理なのよね。それに、もし環境があったとしてもどうせネットじゃ戦いにならない腕前なんだから。誰かお気楽なスタンドアロン対戦に付き合ってくれる奇特な人、いません? それにこのゲーム音楽いいし、全体的な雰囲気も好みだし。寂しいところもいっぱいあるけれど、普通に遊んでる分にはそんなに不満も出ません。おりゃ、剣投げぇ! 装備品のネーミングセンスもかっこいいのよね、魔力ミサイル「エレメンタルソング」とか光槍ランチャー「グングニルチャージ」とかさ。拡散式の魔導銃「デストラクトステア」なんてのも、「破壊の視線」だからねー。素敵素敵。……でもできれば騎士って題材なんだから、もっと巨剣の比重を大きくして欲しかったなあ。オープニングムービーでもジャリン、ガリン、ガシィンって派手に打ち合いしてるんだし。ねえ。ベルセルクみたいな派手極まる打ち合いでもあれば最高だったんだけどね。 ああ、そういえばチャットは面白かったですね、相手のタメ口さえ我慢すれば。ああいうのにハマると、ネットはやめられなくなるんでしょうね。ま、そんな機会はありませんけど。
●過去の甲冑(購入当時のもの) ウェイブ「レストレスソウル」甲冑構成:
スクワイア:
主装騎兵。彩色は薄いグレー(カラーリスト下から2番目)。性能は二の次、完全に見た目を好みのものにすべく甲冑が選択されている。「甲冑」っぽくなってない? もちろん操縦する私の腕前が低いこともあって通信対戦ではまるっきり勝てなかった(13戦1勝)のだが、もともとこのゲームは甲冑の構成よりも属性や戦術のほうが勝敗には大きな影響を与えるので構成そのものには問題ないはず。ちゃんと使える人が使えばしっかり戦えると思う。構成に問題があるとすれば、頭部の稼動限界が低いというところだろうか。 とはいうものの、属性が風ということにも一応個人的な主張はある(生まれ月の属性が風)ので、その辺は譲りたくなかった。しかし世俗の人間はそんな思い入れを解するはずもなく。まあ私は日々移り変わる戦場には対応できないタイプの人間なので、仕方ないといえば仕方ないか。
●新しい甲冑 ノースポール「ウィンターフレア」甲冑構成:
スクワイア:
これも主装騎兵。彩色は白(カラーリスト最下段)。指揮ポイントは200そこら。初期装備から攻略本を眺めつついくらか装備を整えて、なんとか扱いやすいと感じられるところまで来た。ペタルプレートからグランガードに変えたら魔力回復効率が非常によく感じられ、戦いが実に気持ちよく進む。 今回は、年明けに作った甲冑だから冬をイメージベースにしてて、だから属性は水に決定。最初火だったんだけど、それだとどうにもこうにも名前に合わないからね。剣はアンスウェラーがデザイン的に大好きなのでそれを選択し、また水ならば魔法剣もなかなか使い勝手が良くなるので都合がいい。でも、ヴァルムンクの使い勝手のよさには負けてるのよね。 ……ていうか、コレその気になると最初から組める構成なのね。デストラクトステア、作るのに苦労したんだよな……。 |