〜グラディエーター ロードトゥフリーダム〜
機種:プレイステーション2
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●一撃で700ダメージ。いい加減いやになりました

 いい加減ウィズ外伝3の崩壊したバランスにも飽きが回ってきた頃、昼食を摂りに出た折に近所のゲーム屋で見かけました。週代わり特価、5,000円。このゲーム、以前から気になってはいたんですよね。なんかまったく容赦ない展開が待ってるらしくて。うーむ、週代わりというならどうせ給料日までは待てんな。よし、買おう。

 ということで買ってきたこのゲーム。めちゃくちゃストイックな内容に、心の底から痺れてます。最近朝がめちゃくちゃつらいんですけど、もしかしてこのゲームのやりすぎ? 目の疲れもずっと残ってるみたいだし。もうだね、痛感しています。


●剣闘士体験ゲーム

 私も世界史のことは非常におおまかな流れしか知らないんですが、ヨーロッパのほとんどを席捲したローマ帝国の時代、現在も遺跡として残るコロッセオでは罪人や奴隷による殺人競技「剣闘」が盛んに行われていました。この剣闘、市民の娯楽としてものすごい人気を誇ってたらしいですが、どうも人間というのは本能的に他者の死などが好きみたいですね。罪人の処刑があると出店出してお祭り騒ぎだったみたいですし。

 で、このゲームは何の咎か奴隷に身を落としてしまった男を主人公として操り剣闘の日々を生き抜いていくという格闘アクション、そして一種のロールプレイングです。目的は簡単、「興行」で稼いで自分の命を買い戻すだけの金を貯めること。自分は奴隷、品物として買われた身ですからして、まあ一種「借金のカタに自分の命」みたいなもんなんですが、非常に寛大なことに、自分を買ったおっさんは「俺があの奴隷商人に支払ったのと同じ額をお前が稼ぎ出したなら、お前を解放してやろう」と言ってくれるのですね。

 ですから金を稼ぐことが第一目的、で至上目的としては「生き残ること」。死んでは花実は咲きません。泥をすすってでも生き延びる必要があります。あ、今自殺志願者(※1)がめちゃくちゃ多いみたいですけど、そういう人らは全員剣闘士にしてみるってどうですかね。命の大事さは骨身に沁み込みますよ。いつでも死ねますし。どう?


●映画「グラディエーター」はずいぶんイメージが違います

 それで、目的のためにただひたすら修羅の道を歩む自分のところに、要らない厄介が舞い込んで来たりします。当時の皇帝「コンモドゥス」という人、この人確か実在ですよね? この人はなんか剣闘に傾倒しすぎちゃってて政治なんか完全にそっちのけ、しまいに「私はヘラクレスの化身なのだ!」と言ってライオンの毛皮に棍棒というヘラクレスのコスプレをしつつ闘技場に降りてきちゃうという大変な人です。ローマ時代からコスプレ願望ってあったんですね。ああ、それ言ったら神話の時代から人形フェチがあったことになるか。

 この人100戦100勝だっていいますけど、実際は皇帝に死なれちゃ困るから、お相手させられる対象を事前に適度に痛めつけてたらしいですね。駄目だって、甘やかしちゃ。皇帝といえども戦場では所詮犬一匹、世間の厳しさを地獄で知らせてやれ! でも100戦して全部勝ってる、てのも冷静に見れば相応に凄いことですけども。それなりには強かったんでしょうね、やっぱ。

 話がずれてますが、その皇帝の駄目ぶりにいい加減市民も愛想尽かしはじめてる、そんな現状を憂えた一部の人々が死んでもまったく惜しくない剣闘士を利用した皇帝の弑逆計画を練り始めているのです。その計画の片棒を担がせようとして接近してくる連中が幾人か。……はっきり言って至上目的のためには障害以外の何者でもないですよね。王宮がらみの話ってのは陰謀につぐ陰謀でがんじがらめになってるから、指先1本でも関わるとなし崩しに引っ張り込まれますし、しくじったら証拠隠滅で即死ですから。

 しかしこのゲームのいいところはそんな陰謀もその気になれば完全にスルーできるということ。「できません」「私には無理です」 そう言い続けるだけでよし。日本の変なゲームだと、こういうのが拒否不可能で大変な思いをしたりしますからね。


●顔にジャブを3発、それから跳び膝くれて、ついでにアイアンフィストもどうぞ

 このゲームの面白いところ、それは戦闘。敗北即死なのは当然(稀に助かりますが)として、どういった戦闘スタイルを取るのか、相対した敵のどの部分を狙うのか、興行の勝者となるにはどう立ち回るべきなのか。こういうところの選択は完全に遊び手次第ですし、操作が少々大変な分慣れてきたときに「俺、上手くなってんじゃん」と思うというのもいい具合。超難しいですけどね。

 それで可笑しいのは、このゲームの戦闘は「興行」、見世物なわけじゃないですか。お客さんが楽しんでナンボ、そういう世界なんですね。お客さんが楽しめる戦いをしたなら「素晴らしい戦いぶりだ!」とか言われてお金も追加でいっぱいもらえますし、あっという間に終わらせたりすると「期待はずれだ、金返せ」といわんばかりに報酬の基本額から差っぴかれるという。

 やらされてるほうは命がけなんですからたまったもんじゃありませんが、プロレスで超上手な試合運びを観戦するのとグダグダな試合運びを観戦するのとどっちが楽しいか? て考え方をすると納得は行きます。私の最低の評価は「期待はずれ」「見所なし」、キャラのランクが上級になっても私の腕前がやっとこ前座程度なんですから当然です。最高は「流麗な剣さばき」かな? 追加報酬で7000ばかりもらえたという。

 でもこれけっこう目新しい、というかただ勝つこと一辺倒になりがちな格闘ゲームにおいて、「見物人どもを楽しませる方向で試合を運べ!!」という制約をかけてみるというのはなかなか面白い試みと思います。いやマジで、勝つこと一辺倒だとどんな手段を持ち出してもオッケーとかなるんで、遊んでて超つまらないんですよね。いますからね、格闘もので人間相手に対戦挑んでわざわざ抜け道のない、汚ェやり口を持ち出す馬鹿とか。ネットゲームのプレイヤーキラーなんつうのも、だいたい真正面からは挑もうとしませんものね。そんなに勝ちたいって? じゃあ手ェ離してるから、勝手に勝てば? 何に勝ってるんだか知れないけどな、それで満足なんだろ? まあたいそうお強いことですね。ダセェ


●観客も、対戦相手も楽しませる。そんな戦いが理想だね

 まあ実際問題、ゲーセンでこういうことやって生の鉄拳食らったり食らわせたり、そんな話もいくつもありますけども。そういう対戦光景なんつうのも、観てるほうもただ気分悪くなるんですよね。一撃当てたら死ぬまで続く、なんていうやり方を人間相手に持ち出すなんてのは、要するに相手に攻撃させちゃったらそれをしのぎきる自信も能力もないからでしょ? 自信と、何より力があるなら、相手のちょっとした抵抗なんて真正面から叩き潰せるはずだもの。それ以前に、人間相手にルーチンワークなんか持ち出すなよ。

 そんなときに、こういうような「観客による評価」というものがあったなら、さぞかしゲーセンの対戦光景も観てて可笑しいものになるんじゃないですか? 汚ェ手段持ち出したらすぐさまブーイング。そのブーイングの嵐に耐えても汚ェ手段を持ち出し続けられるようなら、逆にそいつはヒール(悪役)として認知されるとか。まあヒールどうこうは別としても、「観客の目を意識した戦い方」というものを意識しだすようにすれば、ちょっとそっと汚ェ手段を使うようでも好感を持たれるような、そういう方法も考えられるんじゃないですかね。それこそ勝ったあとにバラでも投げてみるとかさ。


●あのときは、ほんとに楽しかったなあ……

 プロレスといえば。かつて深夜ドラマでデビルサマナーやってたでしょ、私あれ全部本放送で観たんですけど、やってるのが深夜だったからそのままチャンネル適当に回してるとほとんどの場合プロレスに行き当たるんですね。全然技とかは分からないんですけど、けっこう楽しんで見てました。友人の家でチンピラ同然の風体をした連中が「おらぁ死ねや!」とか言いながらファイヤープロレスリングでエディットしたキャラを使ってバトルロイヤル4人対戦を楽しんでいる、そんな光景を見てゲラゲラ笑っていた10年前を思い出します。

 バトルロイヤルだから全員敵のはずなのに、うち2人が関節の取り合いを始めると残りの2人も戦いをやめてその横につき、「予約1!」「予約2!」と叫んで関節技が終わった瞬間にダウン相手への打撃(デスセントーンとかアースシェイカークエイクとか)を絶妙のタイミングで叩き込む、興行ってああいうものですよねマジで。超可笑しかったです。


●敵を倒すだけじゃ駄目だ。観客の心をつかめ!!

 んであるときの深夜、ちょうど長州力氏だかが引退するっていうとき、ジャイアント馬場氏の団体でも裏番組みたいな感じでイベント組んだみたいなんですね。私はそっちを悪友と見てたんですが、これでベテラン+新人のタッグという編成の試合があったんです。ここで出てきた新人さんの1人、これがものすごく細い。まず身体作る基礎トレーニングからはじめてはいかが? そう言いたくなるくらいに細かったんです。

 ところがこの人、飛び技をものすごく好んで使うんですよ。何かあるたびトップロープに上って体当たり敢行、そんな感じ。訓練の行き届いた動きではなく、愛好会の素人が見よう見真似でやってるような、そんな感じの動きだったんですが、その細すぎる体つきと相まって効いているようにはまるで見えず、悪友と大笑いしながら見ていたものです。

 まあ好きな人に言わせるとあれも「見所なし」になるのかも知れませんが、私はほら、好みが少し傾いてますからあんな感じのでも「大爆笑」てな感じで好印象になるんですね。ちょうどこのグラディエーターで「見所なし」やら「見かけだけ」なんて悲惨な評価をもらうと「ローマ時代にはへっぽこ好きな奴なんていなかったのかな……」と寂しくなってしまいます。いや、寂しいもなにも2000年くらい前の話だし。

 まあそんなゲームですから、評価を上げるためにいろいろ考えないとならないらしいんですが、私の腕前じゃ無理ですね。自分が死なないように、敵を潰すので精一杯。とりあえず、敵を斬り殺してすぐ「イャー!!」と叫ぶという光景は今お話しした新人レスラーの戦いぶりに通じる馬鹿さがあると私は思いますけども。そして叫び声を聞きつけた敵に後ろから殴られる


●訓練を終えたら飯を食え。食ったら寝ろ

 それとアレですね、このゲームにおけるキャラの「成長」というのがなかなか面白いシステムをとっていまして。

 まずキャラはいくつかある項目の中から任意のものを選んで訓練を行います。筋トレに励んでもいいですし、木剣を使った実戦訓練を行っても結構。武器を敵めがけて投げる訓練でもいいのです。これはほんとどれを選んでも自由。もちろん選択したものによって「能力値」とはちょっと違う部分の成長が見込めます。

 そうして訓練を済ませると、訓練の結果に応じてポイントがもらえます。このポイントは、食堂で食事をするときに「どの料理をどれだけ食うか」という選択をする際に使うものです。訓練の結果が悪いとゼロポイントとか言われたりしますので、あまり甘くも見られません。働かざる者喰うべからず

 で、食堂でどの料理を食うかによって増やせる「能力値」が変わってくる、という按配になっているんですね。もちろんポイントを大量に注ぎ込んで大量に料理を食えばそれだけ大幅に能力値を増やせますので、やっぱり訓練は甘く見られませんね。

 いやね、正直なところ仕組みそのものはどうでもよくてね。それよりも、ここで選択できる料理が肉とスープに果物、野菜、そしてパンなんですが、いやあこれがなんだか妙にうまそうな気がしてしまって、このゲーム遊んだ後はパンにシチュー、ついでに肉料理でもごっそり食いたくなるところなんですよ。ああ、野菜系が軒並み足りませんね。ときどき野菜ジュース辺りは飲むようにしてますけど、どうしても不規則というかいい加減な人間ですから、どうしたって栄養が偏るのは間違いないところで。


●映画でも模擬戦争やってましたね。ザマの戦い

 そんな感じで、けっこう楽しんで遊んでいるんですが。このゲーム、自分のランクが上がるとコロッセオでの演し物「模擬戦争」に参加できるようになります。ローマ帝国のこれまでの歴史において起こった大きな戦争を、市民の前でイベントとして再現するというもので、よく概要を見ると少し勉強になります。

 また、前口上もアニメ「北斗の拳」の千葉繁氏のようなノリのテキストですから単純な私は乗せられて大喜びで戦っていたんですけどもね。あるとき「ユグルタ戦争」において、ある違和感を持ったんです。この戦争、反乱を起こした異民族に対する制裁戦争だそうでして、流れとしては異民族「役」の兵士を何人か斬り殺し、しかる後象に乗った異民族の王を殺すというもの。私が感じた違和感は、「役」ってところです。

 そうなんですよ、今戦ってる相手はあくまでも異民族「役」、自分はローマ兵「役」。王様が登場するときに、口上(脳内変換済み、声:千葉繁。実際は英語ね)で「ヌミディア王ユグルタよ、愚かしい選択の報酬を受け取るがよい!!」みたいなのが入るんですけど、その王様だって本人じゃあない、王様「役」。そう考え始めると、「この王様役、登場を待つ間、どんな気分でいたんだろう?」という方向に考えが行くんです。あなたは何を思っていたの? なんとしても生き残る決意? それとも、助かりっこないという絶望?


●まあパン1つで10年つうのはフランスの話ですが。ビクトル・ユーゴーだっけ?

 ローマ人は、この「剣闘」というものを高い文化の証として誇っていたそうですね。ここで私が言いたいのは、「そんなこと言ったって結局人の命をおもちゃにする行為は野蛮人と大差ないじゃないか」なんていう寝言ではなく、またあやふやな倫理を持ち出したりもしません。まして「こんなのをゲームにして、また子供に悪影響が」なんていう腐った台詞なんかじゃないんです。

 ただ、なんと言えばいいんでしょうか。たぶん、模擬戦争で死に役やらされるのって、罪人なんですよね。生き残れたら放免してやるよ、くらいのノリで。ちょっとパンをギって10年牢屋の世界ですからもしかしたら超軽い罪の人々もいたのかも知れませんが、それはちょっとおいておきます。まあ罪人てところ、ぱっと想像つくのは子供殺して回ったとか、あの……コンクリ詰めの話とか、そういう人間として同列に置きたくもない、そんな連中です。

 そういう連中を、次々叩き殺していく。もし模擬戦争に登場している敵兵役どもがそういう犯罪者ならば、私は喜んで叩き殺していくでしょう。模擬戦争ではなく、サバイバルなどであったなら。……そうだね、人間に「死なねばならない」役を与えて「見世物として」死なせる、そこに砂利噛んだみたいな違和感と不快感があるんだ。ユグルタ役の剣闘士に兜投げつけて象から叩き落し、地獄連続攻撃「フューリー」で一息に挽き肉に変える。そんなことをしながら感じた何か、それはそういうことだったんだね。人とすら呼べぬクズどもが何匹死のうが殺されようが、そういうのは全然構わないんです。しかしああいうのは、見世物として殺すのには少々嫌悪を感じます。

 そうだよ、「さあ裏切り者よ、我々の眼前で死んで見せよ!」なんていう口上が入るんだもの。自分が生き残るためには、至上目的のためには絶対に欠かせない殺戮。ほかの人間のことなんか気にしてられない、そんな状況で、でもアクティウム海戦で死ぬ運命を与えられているアントニウス「役」を叩き殺したときに感じたもの。「殺戮」「ゲームとして」楽しみながら、それでも感じたこの違和感、これは人間として捨てちゃならない部分なのかな、と思います。


●コンモドゥスとの戦い(の前)はマジで苦痛だった……

 ところでこのゲーム。とても面白いんですが、ちと荒削りに過ぎるところがいくつもあります。

 これって超死にまくるゲームでして、敗北即死、それはさっきも言ったと思うんですけど、死ぬとデータを読み出しなおさないとならないんですね。で、データの保存ポイントは宿舎の中。例えば興行場所がコロッセオなら外に出て興行への参加を申し出、5箇所の画面切り替えと短いロードを挟み、そうしてやっとどの興行へ参加するかの申請ができる。

 それでここでデュエル、サシの決闘に参加すると、また画面の切り替えが3回入ります。ところが有名な剣闘士との戦いは2秒くらいで殺されることが非常に多い。まあ殺されるのはいいんです、下手なだけだから。しかし、それで「も、もう一度!」と思ってデータを読み直すと、また宿舎の中からリスタート。ここが非常にまずい。俺はあと何回ここを通らないとならないんだ?

 これだったら、コンティニューポイントを参加申請するところにでも設けておけばいいのではないかと思います。セーブはできなくていいです、緊張感が殺げる。でも死んでもリトライさせるなら、移動と読み出しなどといういらないストレスは削減する方向でフローを組むべきですし、リトライさせる気は実はないというならそれこそデータ消滅でもしたほうがまだマシでしょう。


●おい、見えねぇぞ! 壁どけろ、壁!

 あとアレですね、カメラ。ある程度はしょうがないのは分かりますが、壁や鉄格子がキャラとカメラの間に割って入ってしまい、何も見えなくなるというのは非常にまずいです。いい加減死ぬのは自分が下手だとしても、何も見えないような環境でテレビの向こうで起こっている状況を肌で察知するのは不可能です。マインドシーカーの世界か、これは

 もう少しでセクストゥスに勝てそうだったのにカメラの前に壁が割って入ってきてしまった、その一瞬で逆に殺された。起こりうる事態ですし、事実それで開始2秒死をもらったことも何度もあります。だったら、手前に来た障害物は透過処理をデフォルトにするのがいいんじゃないんですか? どうでもいい石柱は透過処理してるんですから。


●観客にメンチくれて石投げられた

 ほかにも、細かいこと言えばスキル確認がままならない(装備のみならず、確認できるのも特定一箇所だけ)とかマニュアルに武具パラメーターの見方が書いてないだとか、これは左から攻撃力、防御力、重さ、価値でいいんですか? そもそもマニュアルが超説明不足。それとか移動に関してやたら無駄にロードが発生するとか、そもそもここを通らないとならないのはなんでだ? という場所があるとか。パッシブスキルのソートもしたかったよ。

 まあこんなふうにいろいろ出てきてしまうんですけどね。基本のところはすさまじく面白いゲームです。操作は激烈に難しい、それでも俺は面白いというなら挑み、遊びこなしてやるぜ! そんな気概のある人には強烈にお勧めします。なければ、そうですね別口のゲームでも遊ばれた方がいいですよ。面白くてカッコイイ、そうねガングレイヴなんかどう? O.D.が超面白いですよ。


●体力あるし身体頑丈だし攻撃めちゃくちゃ重いし

 ふと思ったこと。データ引き継ぎで借金が文字通り一桁増えてるってのはなんで? ああ、倍になってるってのかアレは。返せるかな……。あ、それと有名剣闘士がべらぼうに強いね。装備の重いセクストゥスをフューリーで徹底的に攻めて、評価「期待はずれ」でやっとこ勝利、ほかの人間は挑めるだけ挑んで全員3秒死。だだだ駄目だ、勝ち目ねえ!! 最上級なんて夢の向こうだぜ!!



※1 自殺志願者

 井上陽水氏の歌じゃないけど、最近ほんとに増えてるみたいですね。まあ私としては自殺するのは一向に構わないんですけども、人に迷惑かけるのだけはやめなよと。ただ、最近流行りのネット自殺ですか? アレは愚の骨頂ね。

 自殺したい、などと口に出して言うようなやつは所詮甘えてるだけ、本当に自殺する人は何も言わず、ただほんのかすかな兆候を見せただけでささっと死んでしまいます。止めようもないんです、本当に「決めた」人はね。それに、死んだ先に何が待っているのか? 本当のことは誰にも、丹波哲郎氏にだって分からないんです。生きることから逃げた先でもっと苦しいものが待っていたら、またそこから逃げるの?


 私はね、「人生というものは、一種巨大な牢獄の中での懲罰期間のようなもの」と考えているんですよ。だからこんなにしたくもない苦労をさせられる。楽しいこともあるにはあるけれど、それよりも苦しいこと、嫌なことのほうがずっとずっと多い。

 でもね、私は自殺する気はないんです。要するに、私の考え方で行けば「懲罰期間を満了させることなく、途中で逃げ出した」ということになってしまいますから。恐らく自殺する人々というのは、自我を持ち続ける苦しみに耐えられなくなったという人々なのでしょう。でも、その自我を持ち続けることそのものが罰なのだとしたなら、途中で逃げ出したところでまた捕縛され、この世に生まれさせられてしまう。人格などは別人にせよ、同じような考え方をして結局苦しむ。そう思うのです。

 だったら、せめて牢屋の中ででも、好きなことをできるだけやって、最後に「生きてみてよかったよ」と言って笑って、そして罰の期間を終わらせて死にたい。私はそう思っています。


 もう一度言いますね。自殺したい、というならどうぞ。人に迷惑かけなければ一向に構いません。でもね、後に残された連中は、そんなくだらないあなたのためにも心を痛め、泣くのです。惜しむのです。自分は絶対誰にも惜しまれない、絶対に惜しむ人間なんか現れない。それだけの絶対的な確認が取れてから自殺なさってくださいな。

 ……なあ叔父さん、俺はせめてもう一回くらいあなたと会って、お礼を言いたかったよ。絶対嘘だって思ったもの。あの葬式は嘘っぱちで、裏手から「おう、何辛気臭い顔してるんだよ」ってひょこっと出てくるとずっと思ってたよ。そんな道を選ばせてしまった連中のことを俺は許せないけど、でもあなたを惜しむ人もいっぱいいたんだって、少しは思って欲しかった。