〜ヒットマン サイレントアサシン〜 機種:プレイステーション2 |
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●ステルスアクションの面白さ友人に借りて遊んでいたこのゲーム、いややっとこさ全部終わりました。これは……なんというか、すごく面白いゲームですね。 有名でしょうけど一応話しておくと、このゲームもThiefと同様に敵地に侵入して、隠密行動を旨としながら各々ステージごとに定められた目標を達成していくという一種のアクションロールプレイングです。Thiefと明らかに違うのは、あちらは「泥棒」、家屋にこっそり侵入して金品を奪っていくのが目的なのに対しこちらは「暗殺者」、標的の近くに潜り込んでこっそり標的の命を奪っていくのが目的、というところでしょうか。まあ基本的な流れは変わりませんね、どのみち警備に発見されれば大変面倒なことになるという立場は同じです。 ただ、Thiefの場合だと主人公「ガレット」は暗がりに佇んでじっとしていると透明にでもなったかのごとく気づかれないという驚異的な隠身能力を駆使して「誰にも見られないように」目的を達していきますが、こちらの主人公「暗号名47(コードネーム:フォーティセブン)」は標的の近くに自然に紛れ込み、時には隠れ時には変装を駆使して「怪しまれることのないように」目的を達していくという、その目的達成へのアプローチの違いがゲームの方向の違いでもあります。衛兵が横を通り過ぎていくのを物陰でじっとやりすごすときの「見つかってねえだろうな……」というドキドキ感、変装して護衛の横を通り過ぎるときにじろじろ顔を見られる、そのときの「バレねえだろうな……」というドキドキ感。誰にも気づかれず、気づかせずに目的を遂行したときの「よし!」っていう気持ち。これはどちらのゲームでもまったく同質のものが味わえますが、いやあほんと素晴らしい味わいですね。
●総合評価は「鉄砲玉」それで私が「すごいな」と思うのは、このゲームは基本的に「暗殺」、目撃者も気づく者もない状況を作り出して標的だけをきれいに殺してのけ、怪しまれもせずに悠々と脱出するというのが真の醍醐味(これをこのゲームでは『サイレントアサッシン』、静寂の暗殺者と呼び最高の賛辞としています)なわけですが、それを取るための解法は一つだけじゃないのだよ、となっているというところです。 例えば最初のステージ「アナテマ(背教)」におけるサイレントアサッシンの取り方にしたって、
……などなど(人の手段を含めても)ぱっと思いついただけでも3通り、ほかにも小道具や近隣に存在する人間の衣装を利用した変装などにより手段はまだまだ広がります。私の場合は最後に挙げたやり方でサイレントアサッシンを獲りましたが、潜入以外にも武装さえきっちりしていれば最終手段として「強行突破による完全制圧と大量殺人」という方法もあります。こういう「遊ぶ人次第でルートはいろいろ変わるんですよ、ペナルティや大きなリスクもありますがろくでもない方法もありますよ」という作りがほぼ全ステージにおいて見られるというのは本当にすごいことだな、と思うんです。こういうのを自由度っていうんですよね。そしてどの手段でも相応に楽しめるという。もはや言うことなしではないですか? まあ、私の場合なんかは「クロロホルムで眠らせると後で騒がれて面倒になるからいっそ永遠に眠ってもらおう」とてワイヤーやら消音装置付きハンドガンを迷わず選択し、地図や実地の状況を眺めて変装による侵入などは困難と判断するや否やツインボーラーを構えて正面から突入するという凶悪殺人犯顔負けの方法ばかり選択していましたから、クリア時の評価も「大量殺人鬼」やら「虐殺者」、果ては「サイコパス」だの「ポスタル」だのと別のゲームを遊んだほうがいいのではないかというものばかりになってしまったのですが。でも、「キーロフ公園での会合」はプロフェッショナル、「地下施設からの救出」はゴーストと、いくつかのミッションではそれっぽく振る舞えたんですよ。言い訳ですけど。
●バカかお前は、バッカじゃねえのか!! またはアホか!?(声:井上和彦)この「自由度」という点についてはいい対照例があります。かつて遊んでいた(今でもときどき動かしますが)「アヌビス ゾーンオブエンダース」というゲーム、これ自分ができることは非常に多いのです。ですが各ステージボスとの対決においては倒し方はほぼすべてにおいて「唯一」、そんなゲームだったのですね。物語の見せ方なんかは非常に面白かったのですが、こういう実際のゲーム部分ではなんとも寂しさを感じるゲームでした。 例えば、1面ボス「アージェイト」はウィスプをバリアでガード、コフィンレーザーを回避しきった後に接近して地面に叩きつけを繰り返すだけ、3面ボス「ネフティス」は突進に合わせて拾った鋼板を構えて打ち返し、ひるんだ隙に斬撃を撃ち込むだけ、最終盤ボス「アヌビス」はバーストショットを連続ダッシュで回避した直後にゼロシフトで接近して一撃を繰り返すだけ。ほかのボス戦においても概ねこんな感じで、ボスを倒すための手段はひとつ「だけ」、ほかの手段は絶無と言ってもいいくらいです。インヘルトなんて、ゲイザー使わないで勝てるんですか? アレ、ミッションモードでは最大の強敵かもしれませんよ。 こんな状況下においてラストの「アーマーンアヌビス」などは体力が文字通り桁外れに設定されていますから、やることはたった一つなのに敵が馬鹿みたいに頑丈なもんでただ同じことを延々繰り返すだけ、とにかく退屈かつ冗長な戦闘が待っていまして、あれは本当勘弁してもらいたいところでした。ネイキッドジェフティであれだけ時間がかかるんですから、ミッションモードでジェフティとかVer.2使った場合なんてほんとに一時間くらいかかりそうです(ネイキッドジェフティというのが自機の最終形態ですが、これは初期状態に比べて攻撃力が20倍程度にまで跳ね上がっています。その爆発的な攻撃力を以ってして20分からかかるアーマーンアヌビス戦は、当然ほかの機体では数倍の時間がかかります)。 攻略本だかに載っていた、ステージ構成を手がけた人のコメントでも「一通りしか解法を作れないというのは未熟ということだ」とありましたので、自身で理解はしているようなのですが、なればこそできれば次作では対ボス戦法をいっぱい用意してもらいたいですね。私はアヌビスは好きですから。そういう話ではファイナルファンタジー5、あれも物語そのものは完全一本道、サブクエストもまるっきり存在しない体たらくでしたが「ボス戦における抜け道」として面白い手段がいろいろあったというのは印象深いです。ときどきレベル5デスで即死するボスがいるんですよね。アポカリョープスの自爆即死とか。
●その視線の先にあるものは? そして、裁きを受けるのは?それとこのゲーム、物語の見せ方も非常に好みなんです。主人公であるところの「暗号名47」、以下47としますが彼は元凄腕の暗殺者(実はこのゲーム、シリーズ2作目ですから)。ただ、前作のラストの戦いの後に濡れ仕事から足を洗っていまして、それから彼はシチリアの教会に仕事で稼いだ金をすべて寄付し、そこの神父さんに住み込みの庭師として使ってもらっていたのです。 が、とある悪党が「すでに伝説の域に入っている、47の腕前を自分のために使いたい」とて巨額の身代金請求と引き換えに神父さんを誘拐してしまいました。困った47は神父さんを救出するために封印した実力を再び解き放つことを決意、過去所属していた「組織」に連絡を取って「依頼をこなすことと引き換えに、神父さんに関する情報と依頼達成の報酬を提供する」という契約を取り交わしたのでした。そして47はロシアで車をぶっ飛ばしたり日本で怪しい会話を聞きつつフグを無免許で捌いたりと依頼に基づいてあちこちを飛び回り、それらをことごとく達成してきました。そんな彼の旅路はやがて最初に受けた依頼の遂行地サンクトペテルスブルグ、更には自分の世話になっていた教会のあるゴントラーノの地に収束していくことになります。 本来ならば過去を完全に封印し、償いのために、ただ静かに暮らして行きたかった47。しかし捨て去ったはずの血塗られた世界に強引に引き戻されてしまった彼は、それでも初めて他人のために、ただ神父を救うためにその力を振るいます。私は、そんな彼の姿を「間違いではない」と思うのです。無論人殺しはよくないこと、しかし世の中には死んでいたほうがいい人間、また生きている価値もない、言わば死ぬべき人間がいるのもまた事実。もっとも47が殺してきた、また殺すことになる人間のすべてがそうとは限りませんが、それでも人を救う手段となるのなら、悪と知りつつもそれを過ちと決め付けることはできない。そう思います。まあ殺されるほうにとってはたまったものではないでしょうけど、悪事を働かずに生きていれば少なくともヒットマンに狙われるようなことはないはずですからね。 序章、チュートリアルミッションの名前が「聖域、ゴントラーノ」、最終章の名前が「救済、ゴントラーノ」。最終章の読み込み画面では、暗闇に包まれた聖堂の扉を開けて、差し込む光とともに中に入ってくる47の姿が描かれています。おなじみのスーツに身を包む彼の両手には、白銀に輝くツインボーラー。……長く、血で紅く染まった旅路の果て、47にとっての聖域で救済を受けるのは、果たして誰の魂だったのでしょうか。実に、美しい絵でした。
●おらぁ、待ちやがれぇ!!ヒットマンというと、このゲームとはまるで関係のないところなんですが、学校の体育祭でのこと。私はこういう「クラスのみんなと団結して」なんていう話には胡散臭さしか感じず、また興味もまるでない人間でしたので(こんなのは、やりたい奴が勝手に張り切って参加します。やりたくない人間を巻き込む必要はない、私はそう思います)出場競技は簡単なのを一競技だけ登録し、あとは他のクラスの気の合う友人とよそのクラスのスペースまで行って遊んでいました。当時は……そうですね、キングオブファイターズの95とかの話でしたか。 するうち、向こうの方から見慣れた顔、その友人がよくつるんで遊んでいた面々が横一列に並んですごい勢いでこちらに向けて走ってきました。するとその友人は「ヤベえ、ヒットマンが来た!!」と言ってやにわに走り出し、彼方まですっ飛んでいってしまったのです。そんな彼を追うヒットマンの面々。実におかしな光景で、しばらく一人で笑っていたのを覚えています。その後、聞いた話だと追われた彼はヒットマンの面々に捕獲され、そのまま暇つぶしの缶蹴りに参加させられて競技そのものよりも熱く遊んでいたということです。缶を蹴ろうとすると横合いから妨害の飛び蹴りが炸裂するとかで、いやずいぶん危険な缶蹴りもあったものですが。元気だろうか、彼らは。
●でも女装はできないんですよね、いや女装されたくもないですが可笑しいところ一つ。主人公であるところの47は筋骨たくましい碧眼の白人男性、スキンヘッドで後頭部にはバーコードという極めて印象に残る容貌をしています。そんな彼でもまあ普通にしていれば誰にも怪しまれない、それはごく当たり前のことなのですが、敵地への侵入に際して変装をする、そんなときでもスキンヘッドは隠せません。 変装といってもいろいろありまして、黒ずくめのスーツにサングラスというマフィアの用心棒の仮装にはじまり、ロシアの警官の仮装からハイテクビルの警備員の仮装からランニング姿のヤクザ、加えて消防員や郵便局の配達人、ピザの配達人、しまいには板前やら忍者などにも化けます。マフィアとか警備員はその強面を生かしてまあ仮装成功、どこに出しても恥ずかしくない「おっかない人」で行けると思うのですが、さすがに郵便局員やピザの配達、板前ともなると怪しさ炸裂、とても仮装成功とは言えないなと。少なくとも、私はあんな見た目にすごい白人がピザを届けに来たり、日本の料亭の調理場で包丁を握っているのを目撃したら震えが来ると思います。でも、ゲームでは意外とごまかせるもんなんですよね……。
●もはや、この腐敗は止められぬそういえばこのゲーム、「18歳以上」の指定がついていますね。まあ人の命を奪うというゲームの内容から考えれば至極当然、正しい判断と言えるのでしょうが、私の持論として「年齢は人間の人格、価値に何ら寄与しない」というものがあります。それは身の回りを見れば一目瞭然、いい歳したおっさんが幼稚園児もはだしで逃げ出すようなお子ちゃま思想しか持っていなかったり、かと思うと普通ならなにも考えてなさそうな年齢の子供がものすごくしっかりした価値観を持っていたりすることもあります。たぶんどなたの身の回りにもある話ですよ。だからね、私はこの手のゲームに関してはどっちかというと年齢よりも「人間がしっかり出来ている人限定」とでもしたほうがいいんじゃないかな、と強く思っています。まあどだい無理な話でしょうね、一般に親となってもおかしくない世代の人間の大半がすでに善悪の区別や、一つの行動とそれに伴うリスクについて考えをめぐらせることができないという現状では。御覧なさいな、警察官が小さい女の子を連れまわして処分を受けたなんて、お話にならないと思いません? 何やってんだか。 それにどこかにあったそうですね、女に振られたガキが後で会った別の女と「人殺してみたい」って盛り上がって、それで自分を振った女を呼び出して殺したなんていうのが。これなんか、根本的な良識から抜け落ちてるいい例じゃないですか。皆さん、人を絞め殺すところを想像してみたことってあります? 苦しくて暴れる相手の首をじっと絞め続ける、やがて相手は断末魔の痙攣を始める。それでも手を緩めずにいる自分。その、相手を死に追いやるときの手ごたえ、感覚が実体験でないにしろ想像でき、そしてその感覚を厭わしく思える。これが人として在るための最低限の「良識」、その一つだと私は思います。ついでに言えば、そんなことしたら死体の処理も大変だしあれこれ痕跡が残るでしょう、苦しむ声を聞いた人間だっているかもしれません。そういうところからいずれ足がつくでしょう。そうしたら大層面倒なことになるのは目に見えてます。 もっとも、「面倒なことになる」と実感させられるほど現在の日本の刑は重くない、というのも事実としてあると思うんですが、その「一つの行動に対する結果とそのリスク」について考えをめぐらせる、こんなのはまともな思考能力を持っていれば誰だってできることでしょう? それすらできなかった、人間ならできて当然のこともできなかった。もう人間と呼ぶこともできない、そういうレベルだったのでしょうねこの犯人どもは。自分の頭で物事を考えることもできませんでしたか。……それともリスクを計算したうえで犯行に及んだか。どうにしろ、こういう人間がこの先消費していくことになる、酸素をはじめとするあらゆる資源が惜しいので、この手の人間は一刻も早く滅びるべきだと、私はそう思いますね。
●刃物とて存在自体は悪ではない。愚か者が刃物を悪に染めるのだ私は、こういう強烈なゲームの存在を全面的に肯定します。要するに、映画のターミネーターとかデスペラードとかリベリオンとか、そういう「殺人」という要素の伴うアクション映画と同じですよ。こちらはゲームである分自分の操作で「殺人の真似事」が実行されていくというところで少々感覚が違いますが、それでも所詮は娯楽、おもちゃです。コレに限らず映画でもゲームでも漫画でも、どんなものでもね。そんな、おもちゃに影響されたとか抜かして人を殺すような連中は生まれた時点で人生に失敗していると言い切って差し支えありませんし、おもちゃの悪影響のせいで人殺しが増えるとか寝言を抜かす人間も、良識家とか言いつつもその実良識なんてかけらも持ち合わせていない、そんな人間です。悪いことは何かのせいにしないと気が済みませんか? すべては次世代の教育にしくじった自分たちのせいなのに。 かつても言いましたが、もう一度言います。必要なのは強烈なメディアの排斥ではなく、そういうメディアに触れて、それを楽しみながらもきちんと善悪の折り合いはつけられる、そういう人間を作ることです。……現状を鑑みるに、およそ不可能な話なんでしょうけどね。
●翻訳のお話 〜らっしゃーでみ、らっしゃーでみー!(誰か! 誰か!!)〜それからしばらく、機会があってパソコン版にも触れることができました。どうも武器の名前やらなにやらが違うようなので、「台詞の訳も、違うところは当然あるんだろうなー」とムービーなどもじっと眺めてみていたのですが、違うも違う、序盤で神父さんがさらわれるときの台詞がすごいことになっていまして。 プレステ版:「よう神父さん、ちょっといいかい? ……こっちに来な!」 えーと、もともとは同じ文章のはずなんですが、いったい何があったんですか? 状況としては客の応対に出た神父さんをいきなりその客が殴り、拉致していくというものなんですが、それにしたってこの台詞の違いはすごすぎます。私としては前者のほうがありそうかな、と思うんですが、後者は後者で味わい深いものを感じますね。そういえば見出しの言葉はさらわれていく神父さんの悲鳴ですが、私はイタリア語はさっぱり分かりませんので本当にこう言っているのか、とか本当にこういう意味なのか、とかも分かりません。まあ間違ってても気にしないでくださいね、別に使わないでしょ? パソコン版を少し遊んでみた感じ、もしかするとプレステ2版よりも敵の感覚が少し鋭いかも知れません。プレステ2版でうまくいった方法を試したらなんかいらないところで敵についてこられてしまって、結局銃撃戦になってしまいましたし。ブレーザー使ったのがまずかったのかな、おかしいなあ……。ああ、あとあからさまに違う点としては当然ですが画面のきれいさがありますよね。47のスーツのしわもきちっと描き込んであるのが確認できますし、なにより銃弾ボックスにちゃんと「.45ACP」と書いてあったとは思いませんでした。しかしリアルタイムレンダリングであれだけきれいっていうのは本当にすごいなあ。このサイトのトップ画像なんかお話にならないじゃないですか、あーあ。 もうすぐプレステ2で続編「ヒットマン コントラクト」も発売されるそうですし、今からとても楽しみです。あとはThief3もやってみたいなあ。
●雇い主に必ず提供しているサービスがあるんですがね、陛下コントラクトといいますと、先日ヒットマンの攻略サイトで「タイムアタックムービー」を拝見したのですね。なんか肉屋がどうこう、というようなタイトルのステージの映像でして、どうも標的2人を妙な仮装をして斬り殺した後に血溜まりの中から何かを拾って脱出するというのがその内容。「どういう依頼なんだろう、コレ?」と思っていたのですが、また別のところでこの肉屋ステージのミッション概要を取り上げていたのですよ。 簡単にお話ししますと、クライアントは娘が行方知れずになってしまったごく普通の人。で、クライアント個人で娘の行方について調査してみたら、どうも娘はとある悪党に誘拐されてしまったようで、しかもすでに殺されてしまっている公算が非常に大であると。証拠を揃えて裁判沙汰にするも、悪党は賄賂を使って自分を無実に仕立ててしまったと。そこで依頼、悪党と弁護士を「処刑」し、もし可能ならば娘も連れ出して欲しい、と。実際にコントラクトを購入して確認しました、内容はこれで間違いありません。翻訳した人、すごーい。 私は思いました。なるほど、これこそ47の出番だ。法による正当な裁きが金という力で不当に捻じ曲げられた今、悪漢に真に正当な裁きを下せるのはサイレントアサッシン、47をおいてほかにいません。 と、ここで思い出すのはとある読み物の登場人物「ヒュー・ザ・ハンド」。翻訳版では「ハンドのヒュー」となっていましたが、彼の仕事も主にヒットマン、そして主に請け負う仕事は復讐、特に法の裁きを小賢しく逃れた者を標的とした復讐です。舞台が極端に偏ったファンタジー世界ですのでもちろん銃器やワイヤーなどは使用しませんが、それでも彼の登場する舞台、空の世界アリアヌス・中領域では請け負う仕事の性質やその成果の出し方などとあいまって最高の殺し屋の賞賛を得ています。そんな彼がクライアントに「お前はなぜ、何を求めて人を殺す。金か、名誉か?」と問われたときの返答を引用しましょう。 「名誉ですか? 名誉などでは、安宿で最低の食事をすることもできませんよ。金ですか。誰かの背中にナイフを突き立てる殺し屋は、シチューひと皿ぶんの金で雇うことができます。ただ相手に死んでもらいたいだけならそれでいいでしょう。だが不当な扱いを受けた者、他人の手で苦しめられた者は、相手に嘆きと苦しみを与えたいと思うものです。殺す前に、誰がこの破滅をもたらしたのか分からせてやりたい、自分と同じ恐怖と苦しみを味わわせてやりたいとね。その満足を得るためなら、喜んで高価い金を払うのです」 先にお話しした、コントラクトの肉屋のミッションに通じるものがあると思いませんか? 確かに、法律やそれによる裁きが実に無力と感じるときは、ニュースなどを見ていても実に多くあります。だからといってそうやすやすとヒットマンを雇うことはできませんし、直接始末に行くのは論外ですが……やはり世の中には死ぬべき人間、生かしておいてはまずい人間が数多くいます。そういった連中に理不尽に傷つけられた、例えば子供を殺されたり家族を殺されたりしてしかも犯人はまともに罰されることもないなどとなれば、ヒットマンを雇いたくもなるのではないでしょうか。なにより私自身常に他人の手で苦しめられ続けたと言って言いすぎではない過去を持っていますから、この「ヒットマンを雇うのに、金に糸目はつけない」というような心理は非常に理解できますし、共感します。 ゴントラーノの地から新たに旅立つとき、47は「俺は俺の正義を探す」と言い残しました。神父さんからもらった品物は置いてきましたが、一緒に受け取った「人が善きことの証」は、きっと何かの形で彼の心の中にしまわれたのでしょう。その証立ての方法は悪の極み、といえるのでしょうが、それでも……罪なき者を不当に苦しめる輩はまごうかたなき悪、それを消し去っていくのには悪を以って当たるしかない。ならば。47がゴントラーノでの戦いのあとに何を掴み、そして何を見せてくれるのか。とても楽しみです。
●「狂乱と暗殺と」 よくこうもイカした言葉に置き換えたものですおまけだらけになってしまった。コントラクトにおいて、「うげ、このステージ銃撃戦にしかならないよ」という、私と同じような人へ。私も最初このステージめちゃくちゃてこずったんですが、何度か遊んでいくうちになんとかサイレントアサッシンを達成できましたので、達成に際していくつか気をつけたことを書いておきます。達人というものがおり、また先にも書いたとおりその達人のタイムアタックムービーを拝見している以上ノーヒントと言えないのが情けないのですが、頑張って頭ひねったんで、大目に見てくれると嬉しいです。不確定要素も絡んでしまいますから、どうにも確実な手段ではないのもネック。難易度はノーマルでして、あの手順で果たして上級レベルに通用するのかどうかは分かりませんが、これもまた一つのアプローチとして見ものにはなると思います。ヒントとしてどうぞ。 まず、事前準備としてツインボーラーかシルバーボーラーSを持って出撃します。武器本体はともかくとして、.45ACP弾が必要です。次に、先に悪弁護士に刃物で裁きを下します。さらに悪漢を.45ACP弾で裁き、然る後に救出対象を確保して逃げ出します。衣装の替え順は、肉屋→パイプウエイター→肉屋。武器は余分なものは身につけておかず、肉屋の格好をするときはチキンの中に入れておくのが上策です。サイレントアサッシンを取るのであれば人殺しはご法度になりますから、衣装を奪う際は当然注射になりますね。逃げるときは、二階から屋上へ出てそのままトラックにダイブでいいでしょう。弁護士を裁いた後に死体がベッド中央に寄りすぎているような場合は、ベッドの左にある鏡台からベッドに上がれます。 ……私の口から言えるのはこのくらいでしょうか。あとはこまめにセーブすること。護衛を殺して奪ったMP9を相棒に道順を覚えたといっても、やっぱり人様のサンプルを一度でも見てしまっている以上完全自力とは言えないと思いますので、具体的な手順はちょっとおこがましくて人様には言えません。ごめんなさいね。
●このゲーム、名言が多いです。いくつかここに書きましょう。
●おまけ 見つけにくいかな、っていう武器の取り方をちょいちょいと。もっとも難易度ノーマルで散々死にまくっている私ですから、人様にこんなこと言える義理ではないんですが。あとこれは「私が遊んだ場合」ですので、必ずしもこれが唯一の取り方ではありません。ほかの場所でも獲得できるものもありますし、もっと楽な取り方もあるはずです。あと、誰でも見つけられるものは書き出してませんので(例えばハンドガンM9を見つけられない人間はまずいないでしょう)、その辺も一つよろしく。
●もひとつおまけ遊び始めてからおおよそ一月くらい経ちましたが、繰り返して遊ぶうちいろいろな称号が目に入るようになりました。面白いものもいくつかあったので、私が取得できた分をここに並べてみます。もっとも、確実な取得条件というのはちょっと分からないし自分が獲得したときも何が条件なのかというのを特定する要素がない、有体に言ってさっぱり分からないので、だいたいの傾向くらいは書けるかも知れませんがちょっと具体的には無理です。でもコレ完全に調べ上げられたら、それって「やり込み」とかいう単語なんかじゃききませんよね。 念のため、称号の優劣については順不同です。正確な取り方とか取得の事情とか、その辺り資料があったら拝見したいものですね。
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