ゲーム雑感録 =女神転生あれこれ= |
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●レベルアップ画面がすげー馬鹿ですてきこの間、友人が「デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団」を見せてくれた。なんかタイトルからして「なんの冗談だ?」というような気配もないではなかったが、パッケージやらタイトル画面やら見ると「これはわざとこの味を出してるな」と思えたのでそこは何も言わないことにする。というかむしろちょっと惹かれた。 で、ざっと見せてもらった感想としては、多少勝手が違うようではあるが「ちゃんと『骨』を持たせてあるな」と思えたかな。なんというんだろう、ストーリーがどうとかそういうんじゃなくて、実際に遊んでみて感じる「手応え」というのかな? これだよこれこれ、これこそ「女神転生」! と感じさせてくれる、ゲームの根底に流れる部分が過去遊んできて超楽しんでいた作品群と共通してる、て言えばいいだろうか。とにかくあれはなんか楽しそうだな、と思えた。
●ヒロインつっても、真女神2みたいに下らない位置づけだったらいないほうがマシだと思うちょいと話を変えるが、ときどき覗いているとあるサイトの掲示板。そこで最近「女神転生とは?」というような感じの軽い話題をやりとりしていた。まあその内容は私には関わりないとしても、一応私も女神転生と付き合い始めて15年の人間であるからして、少し考え始めてみたわけだ。「俺にとって『女神転生』は何を以ってそう呼ぶか」という具合かな。ちょっといろいろ語れそうな気がする、ああいやそんな難しい話じゃなくて、例によって思い出話になるけどさ。 取っ掛かりはちょっと堅苦しい感じもするけど、そんな感じにいろいろまとめてみたい。シリーズ、かなりやってるからなあ、ほんとに。
●女神転生って?今も言ったけど、女神転生はファミコン版初作「デジタルデビルストーリー 女神転生」から遊び始めてかなりシリーズやファミリーを遊んできている。そんな中で、「ああこれ女神」って思えたのは、だいたいこんな感じかな。
他やったことあるのはこんな具合、だけどこれは何か違う感じを受けたもの。面白い面白くないは別にして、「女神転生で遊んでる」という感じは受けなかったものだね。
と、こうして見てみると、なんとなく自分の中での傾向が見えてくる。要するに、ゲーム中で苦労したかしないか、てのが一番大きいわけだ。不意討ち食らってムドだのハンマだのカンデオンだの弱点攻撃だので何もできないままにすり潰される、そういう経験をしてるかしてないか、てなとこなのかな。 あとは「乾いた」世界の構築? なんていうのかな、東京砂漠じゃないけれどすげー乾燥した感じ。イベントやらでゴテゴテに飾り立てて「おら、感動しやがれこの野郎」とぶつけてくるんじゃあない、むしろイベントなんかは少なくてそれよりも迷宮探索と悪戦苦闘の時間が長い。その中に、ときどきイベントを沁みる形で混ぜ込んでくる。そのイベントも、コテコテの友情物語とかじゃない、人の世の冷たさを強調するようなものが多い。そういう語り口みたいな部分で「乾燥してる」と感じられる、それもある。まあペルソナはこの辺微妙だけどね。 私にしてみれば、女神転生は特に苦労するシリーズだったからね。ミノタウロスと繰り広げた大混戦(30分)や新宿を駆け抜ける最中で狂人連中に出てこられないように祈るその感覚、赤い屋根の家でマハンマぶつけたり神霊YHVHや魔神皇と2時間必死で戦い続けたり。だからそういう「楽しい苦労」、思い出になる苦労。思い出して「ああ、苦労したなあ。楽しかったなあ」と思える苦労があれば女神ファミリー、と言えるのかな。 ソウルハッカーズは初回に限ればさほど苦労はしてないけど、二周目は「なんだこりゃ!」というような感じでかなりきついしペルソナは言うにや及ぶ、とりあえず私はもう花子さんやブキミちゃんとは戦いたくありません。「ゲ、また出てきた!」 そしてやりなおし。真女神3も似たようなもんだったか、マーラ様の強いこと強いこと。ディアラハンを使い切らせるのにおよそ30分、よく粘ったもんだよほんとにさ。反撃でディアラハン発動させて、「MPが足りない」と表示されたときなんか大喜びだったもの。 あとはあれだね、そういう苦労に付随するけど、たとえば「パズスに勝てない、行き着けない」となるじゃない? すると現状では到達不能、撃破不能なんだから戦力の底上げをするしかないわけで、んで一番効果ある戦力の底上げって仲魔の強化なんだよね。もっとレベル高くて強いやつを作る。でも、もともと戦闘厳しいゲームだしなかなかレベルも上がらない、そこでまた苦労するわけ。「36レベルでジコクテンが作れる、があと5レベル上げないと届かない。遠いな……」なんて思って。 で、いざレベルを上げて(ここまでに数回といわずカロンに金払ってる)素材そろえてジコクテンを作った。魔法陣が赤く輝いてから雄叫びとともに現れるジコクテンの雄姿、これはやっぱり嬉しかったよ。実際テスト運用したら、かなり強いしね。あれはほんと、思い出のアクマだわ。後のシリーズではあまり世話になることもなかったけど、今女神転生2を遊んでも必ず作るもんな。 だから、レベル上げる過程はすげえ大変で苦労苦労また苦労、死にまくるんだけども、欲しいアクマを作るためとなればやらざるを得ないしそれを乗り越えて目当てのアクマを作ったときってのはやっぱり「やった!!」ってなると思うのよね。いい思い出になるはずだよ、こういうのも。 ちなみに、魔神転生2は大傑作。女神転生ぽくないと思ったのはむしろスーパーロボット大戦のようなイメージになっているからということだけで、ゲームとしては本当に面白い。仲魔を盾、そして道にしながらリセットを繰り返してルートを模索、強引にイルダーヴォーグを入手したのもいい思い出。 ラストバイブルは手当たりは悪くないんだけど、いかんせんバランスが実にゆるい。中盤ですでにどこまででもレベルを上げられるポイントがあったりするから、そこで最高まで上げてしまってルシフェルとの戦いはオートで3ターン、なんていうのもやったもんです。2は残念ながらユーリと仲魔だけでは戦いにならなかったけど、ユーリだけ79レベルまで上げてみたりしてね。 ファンには悪いがペルソナ2はろくでもなかった。これも手当たりは悪くないんだけど、ストーリーテリングという面であまりにも俺様主義が目立つ。遊んだ直後のメモ見ても、シナリオライター(初作と同じ人物)が圧倒的にパワーダウンしてるってあったくらいだし。よっぽど気に入らなかった、というか今でも気に入らん。声優が無闇に豪華で、そういう意味では感動したけどさ。どうでもいい、ちょい役の悪党に速水奨氏だもんな。
●各作苦労談話ファミコン2作とか、真女神シリーズではある程度ほかの項目でもしゃべってるんだけど、それ以外にももちろんいろいろある。たとえば、真女神2。これ、クリア後のおまけで、初作に登場した不思議な世界「金剛神界」が登場している。その条件ていうのがただ一度クリアして、それから入り口のあるポイントまで行けばいいだけなんだけども、ここに罠がある。 ラストダンジョン「エデン」には、邪教の館と回復の泉、セーブポイントがそろっている。しかも経験の入りがそこそこにいいしそれに最終盤ということで、ここでセーブする人も多いと思うんだけど、実はここ一度入ると出られない。そして金剛神界の入り口はエデンの外、確か旧新宿の辺りだったわな、そこらにある。分かるね? エデンの中でセーブしたら終わりってこと。 ということで、私はエデンに侵入してからひたすらセーブできない戦いを続けた。このゲームはよほど意識してレベルを上げないとエデン全制圧でラストバトルに臨むときに82レベルそこら、という具合。侵入するときは65もあればいいほうなんじゃないだろうか。 ところが、このゲームのラスト、神霊YHVHは体力がべらぼうに多い上に半端な仲間では攻撃が当たらない。となれば特殊攻撃に期待するしかないんだけども決戦兵器である「天罰」(使用者と属性が違う敵に、巨大なダメージを与える)は、所有者であり確実に有効と分かっている破壊神シヴァはレベル70そこらでもちろん作れず、確か「神だからロウ属性だろう」と思い込んで作った中立属性の神獣アヌビスの天罰は効果が出なかったんだわ。これは大誤算だったと思う。ロウの神のくせに中立かよ! 天罰ではある程度まで削ることしかどうしてもできないので、止めを刺すために命中率が非常に高い「冥界波」や「デスバウンド」なんかもそろえていったんだけど、まさか効かなくて最初から最後までこれらに頼ることになるとは思ってもみなかったよ。しかも真女神2ってバグがあるから仲魔の入れ替えもろくろくできないし、もうものすごく苦労した戦いだった。横で見てた悪友が「こんなの無理だって、だって何時間戦ってる? もう諦めろ」とか言ってくるくらいだったしね。 しかし、だからこそ「ええいうるさい、敵は回復していないのだ! このまま押していけば必ず俺が勝つ!!」と悪友を黙らせて少ししてから撃破の効果音を聞いたときには、もう嬉しくてたまらなかった。苦節2時間強、バグによるハングアップの恐怖と戦いながらのこの時間はもう長かったよ? 忘れようのない状況だわな、ありゃ。 もちろんそのままデータをロードして(ごていねいに旧新宿でセーブしてた)金剛神界に駆け込み、出てくる特殊な敵を次々と殺して経験値に変換し続け、レベルを85まで上げてラストに仕返しに行ったのは当たり前。シヴァを殺しすぎて友好度が極限まで下がり、仲魔にしようとしてものすごい額の資産を渡した挙句に逃げられたとか、やっとこ仲魔にしたけど金を20000にマグネタイトもこれに近い額を取られていたというのも懐かしい思い出。あと、金剛神界で敵殺してると「天沼矛」とか「天叢雲」、隠し銃の「ランダルカスタム」や「ピースメーカー」なども奪い取れる。簡単に最強の剣「ヒノカグツチ」が作れるのでありがたい場所だった。 あーそうそう、あと雑誌の企画で「真女神転生2、一番大変だったランキング」みたいなのがあってね。迷宮編、悪魔編って感じで分かれてたんだけど、この迷宮編の見出しが「出してくれ! ダンジョンランキング」だったかな? 進むもかなわず出るもかなわず、俺はどうすればいいんだ、みたいなキャプションもついてた。これは可笑しかったな。 ランキングの一番はやった人なら分かる、「オオナムチの祠」。移動床につぐ移動床、適当に動けばマジで出られなくなること請け合い。苦労して二階に上がれば乗る場所間違えて一階に逆戻り。よくもまあメモも取らずにこれを解ききったもんだ、我ながら。あとに続くのは「オオヤマツミの祠」や「スクナヒコナの祠」など、国津神系の迷宮ばっかり。アマテラスたちが閉じ込められている「天の岩戸」も挙がってた。懐かしー! 似たような感じで真女神if...の話。レイコルートで進めていてとりあえずラストまで来たんだけども、今回はありがたいことにバグは一通り直ってる。てことで、当たらないボス相手に遠慮なくスクカジャやタルカジャを重ねがけできるんだけど、魔法継承なんかさっぱりだし、高位のアクマはタルカジャだのなんだのは持ってない。てことで、めんどっちいからこの両方を持ってる低レベルの破壊神アレスを連れ出し、あと仲魔は70レベルそこらでこれは、というのをそろえてラスト、魔神皇ハザマのところに出かけていったんだわ。 ところがこれが前作のYHVHなんか比にならない強さの持ち主で、というか連れて行った仲魔もよくなかったんだろうな。ほどほどに粘ってはくれたんだけど、ガンガンかけてこられる「ランダマイザ」(こちらのかけた強化をすべて取り除き、なおかつ逆に攻撃、防御、命中力を弱化させる)のおかげで次々力尽きて死んでいき、残るのは主人公と相棒のレイコだけ。もうどうしよう、って感じだったがここで大活躍したのが物理反射の防具「髑髏の稽古着」。前衛に主人公、後衛にレイコの配置で、魔法が来なければ攻撃は全部叩き返せる状況になってくれ、しかも先に大振る舞いされたランダマイザのおかげでこちらの食らうべきダメージは極大。それがそのまま跳ね返っていくんだからふつうに戦うよりもはるかにダメージ効率がいいという。 このときのライバルはたまにくるメギドラオンで、これはこちらの頭が悪いこともあり向こうの頭がいいこともありでものすごいダメージになる。レイコの持ってる魔法じゃ治しきれないし、しかも魔力も尽きてるしで最終的には魔石、宝玉を持ち出す始末。これも結局2時間そこらのバトルになった。この時期のラストは攻撃が当たらんから嫌いだ。 そういえば、真女神でもかなりのポカをやってる。私はニュートラルで進めたからセラフミカエルと天魔アスラ王を両方倒す必要があったんだけど、まずミカエルに挑みに行く途中でいろいろ仲魔も増えるわけ。ラストステージの深部に出る敵だから、相応に強いしね。 んで、それを戻ってセーブするでもなし合体するでもなし、そのまま連れてミカエルのところに押し込んだもんだからもう大苦戦。途中の連中が弱かっただけに、あのギャップには驚いたというかまあ私の見積もりが甘かっただけなんだけどね。強引に勝ったは勝ったけど、死人の数が10人程度(仲魔のストック枠は最大で12)、蘇生費用に総計で10万だったかすごい金額取られて。この時期、教会やらで蘇生させるとまれにしくじって仲魔がロストするという恐ろしい要素があったから、そういう意味でもたまったもんじゃなかったな。 真女神だったら、うちの姉の話。一応あの人もやってたんだよね、面倒な迷宮は私がやったんだけども。で、渋谷辺りで金がなくなったてんで、渋谷フィールドに出現するメシア教徒テンプルナイトを銃とマハジオンガで薙ぎ払って金に変えるわけ。こいつら、驚くほど金持ってるのよ。3000くらいは平均でもらえたかな。こんなだからもうこちらとしても出てきて欲しいし、出てくりゃ嬉しいしでそぞろ歩きを続けるもんで。それでいざ出てきた瞬間に「お、金づる」と言ったらなんか横で大笑いしてる。そんなに変なことを言った意識はなかったが。まあどうでもいい話だけど、これもなんか思い出深い。 よーく考えてみたんだけど。もしかしたら、アヌビスの天罰が効かなかったのは、真女神if...の魔神皇ハザマだったかも。神霊YHVHにはアヌビスの天罰がきっちり効いたような気もするし。ちとその辺怪しいね、しかしまあ今更あんなのやるって奇特な人間もそうそういるまいし、10年以上前の記憶なんだから間違いもあるってことで。基本的な流れ、なにより「苦労した」ってことは事実なんだから細かい違いなんかは文字通り瑣末な問題よ。
●ちょっと変わったレベル上げの話全体的に、私自身の辛抱がさほどないということもあってあまりレベル上げはやらないんだけどもそんな中で特に上げたものといえば真女神初作と真女神3、それにラストバイブル2作。前の二つは以前に別のところで話してるからあまり深くは触れないけど、真女神は明治神宮辺りの赤い屋根の家で決死のファイト、真女神3はニヒロ機構の第二エントランス付近かヨヨギ公園内部で「リベラマ」を使うこと。これで駄目だとちょっと辛抱が足りないか、頭を使うことを放棄していると見えるね、特に真女神3は。 で、本題。ラストバイブル初作は、本当に簡単にレベルが上げられる、あまり女神転生っぽくない仕様だ。正確な名前はよく覚えてないけど、確かゲーム中で2箇所ほど「ゾード」という組織のアジトを回る。ここがどういうわけか恐ろしく経験効率がいいのだ。特に2箇所目のポイントは敵がさして強くない割に経験が大きく、1時間も繰り返して戦っていればかなりレベルが上がる。確か「ムド」をぶつけるのがナイスだったと思うが、とりあえず「ボアズ」と「ヤキン」を適切に使ってればそうそう負けはあるまい。 こちらは最高レベルが152だったか、154だったか。各パラメータが80くらいまで入ったような気がする。ここまで来てしまうと、ラストであるルシフェルもほんとに3ターンで沈む。「ランカイン」ももはや脅威にはならない、詠唱している間に敵は死ぬ。これは簡単にできる割に見ものとしては楽しいので、暇ならお試しあれ。 んで、ラストバイブル2。こちらは最終的に人間6人でラストに襲撃をかけるという異色の展開になるが、ここで敢えて主人公であるユーリだけをレベル79まで鍛え、あとは仲魔を引き連れてラストであるガイアに勝てるかどうか? というのを試してみた。 うーん、こりゃ無理かな? 仲魔が骨蘇生組3体にケルベロスとオルトロスという超思い入れな構成だったせいもあるかも知れないけど、いかんとも削りきれなかった。強いやつ連れてけば変わるかもしれないけどね、レベル平均40弱でなにができるかってもんだ。やっぱフォースの魔法も大きいんだな、きっと。ところでフォースって、厳密な使用の法則はどうなってるんだろう。誰か知らない? そしてこの場合のレベル上げ。セイレム台地に作られた闘技場、この中には鬼属ばかりわらわらと現れる。特にアシャギとラオウはパワーだけ強い分経験も大きいので、ユーリ一人ならかなりの経験をもらえるのだ。面倒というよりも飽きたので私はここで中断したのだが、まだまだ先に到達できるだろう。 これは友人の話になる。真女神if...を貸してみたところ、攻略本眺めてて魔王マーラのデザインに惚れ込み「作れるまでレベルを上げる!」と奮発したバカタレがいる。まあ作る気になれば作れるだろう、レイコルートやアキラルートならね。そいつあまり考えないでパートナー選んだとか言って、手っ取り早く最初につかまるユミを選んだんだわ。やった人間なら分かるね、クリアレベルはおよそ50程度だ。マーラはレベル70程度。レベル差20、あまりにも遠い。ガンダーラよりは近いだろうが、それでも遠い。 何をやってるんだこの男は。そりゃもう見た瞬間に大笑い、ふつーここまでやらんて。あとこの男暇人で、オートマップは埋めないと気がすまない性質。もちろん、ユミルートのラストダンジョンである、4階以上のエリアも全部トレースされてる。あの量のワープや落とし穴を潜り抜けて、よくもまあやったもんだとほんとに思うよ。頭が下がるわ。 面白いのはこれだけのメンバーをそろえておきながら、ラストのハザマにはまるで歯が立たないこと。主人公以外全員命中力が低すぎて、かすらせることもできないのだ。かといって体力はめっぽう充実してるからそうそう死ぬでもなし、まさに徒労という戦いが繰り広げられる。 いやー、いつぞの強化系全部持ってるスライムもそうだけど、いつか見せたいなと思ってたんだよね。こんな馬鹿なサンプル、なかなかないしさ。かなり長い時間が経ってこうして紹介できたんだから長く生きてみるもんだわ。あとついでに主人公とユミのステータスも載せとく。
●ドラマ「デビルサマナー」のことふと話を変えるけど、これだって紛うかたなき女神転生ファミリーだ。特にデビルサマナーって、主人公というかキーキャラがノリノリでデザインされてるのが一目で分かるじゃん? そんなタイトルをわざわざドラマに仕立てるってことと、あと悪魔の描写をどういうふうにするのかなってとこに興味もあったから、初回から最終回まで通して全部リアルタイムで観た。 流れとしては原作のサターン版「悪魔召喚師 デビルサマナー」に多少のアレンジを加えて再構成した前半と、年明けをはさんでオリジナル路線で進み始めた後半とあるけど、どっちもこれはこれで面白かったんじゃないか? 私はあれ好きよ。直接召喚してともに戦う本来のシリーズとは違って、召喚して自分に降臨させるというアプローチもなんか本物っぽくてよかったしさ。降臨させても制御できないから体を半分乗っ取られたようになって暴走する、とかいう流れもあの描写だからこそ生きたんだと思うし。 んで、覚えてる部分からてきとーに話をしてみると、主人公である(ゲームでは違う)葛葉キョウジはドラマでは真性の三流探偵というのがよかった。猫捜しだもんな、主な仕事が。相棒のレイ・レイホウも、ちょっとナイスな感じのおねーさんでなかなかイメージに近い。ゲームではうさんくさい似非占い師だった如月マリーもドラマではいたってまともなおばさんだし。ここらの人物描写のギャップは素直に面白いなーと思って観てた。あ、金玉もとい金王屋(『きんおうや』じゃなくて『こんのうや』と読むのだと葛葉ライドウで初めて知った)とか不動産屋は登場しなかった。ヴィクトルも。まあどうでもいい。 前半部分では、そんな駄目探偵であるキョウジに夫の浮気の調査を依頼してきたおばさんとその調査対象のおっさん、その辺からきな臭い状況になりはじめるという導入。街には人知れず悪魔が跋扈するようになり、心の弱い者に寄生しては人を餌食にしていく、そんな感じかな。で、その裏にはゲーム同様にダークサマナーであるシド・デイビスの姿があるわけ。この人も大層アレンジかかってて、ゲームだと話し方が「アなタに、聞きタイことがアリまス」みたいにごく怪しい黒人神父なのがこっちではフードを深く被ってローブまとった容貌不詳なおっさんになってる。これはこれで怪しいけどね。話し方も声怖いけど一応まとも、というかこれはこれでやはり怪しい。名乗りを上げたときの「我が名はシドデイビス!」は大概インパクト強い。 どういういきさつだったか忘れたけど、どうかしてキョウジは死んだ父親の葛葉キョウスケが遺した物だという銃のような形をした機械「GUMP」を手に入れる。最初はなんだか分からないで持ち歩いていたのが、とある場所で人間に取り付いた悪魔と直接対峙したときにガンプを展開、封じ込められていた悪魔ヴィシュヌを呼び出して悪魔を撃退するのであった……と、軽くあらすじ紹介みたいになった。初降魔のシーンで、悪魔に「お前なにやってんだ!」と詰め寄ったキョウジが逆にハイキックで蹴り倒されるシーンがなんか好き。 このガンプ、所詮形を模しただけの模型なので展開するシーンはアングルの移動とシーンの切り貼り、効果音でうまくごまかされていたが、あのシーンは心底かっこよかったと思う。当時抽選でこのガンプ撮影モデルのレプリカを数人に配ったようだが、正直アレ欲しかったぞ。あと、ここでのヴィシュヌはペルソナデザイン。この時期すでにペルソナが発売されて久しかったということから、ゲームのような『召喚』ではなくペルソナのような『降魔』という描写になったものと思しい。 終盤になるとマリーおばさんは悪魔に殺されてしまうし、シドも実はキョウスケと戦った時点で死んでいて執念で生きるアンデッドのような存在になっていたりとけっこう驚かされた。おばさんが殺されるシーンでの狂った医者の「ユーのミートをイートすれば、ミーのパワーがあップ(声ここで裏返る)するのダ」みたいな台詞はものすげーインパクトだったな。あの医者は演技うまかったよ、うん。 そういえば中盤辺りから出てきた秦野久美子、これは役者さんのことになるんだろうけど横で観ていた悪友に言わせると「広末良子を一回りランクダウンさせたような感じ」とのことで、私から見ても悪くはないが美少女と謳ってしまうほどのものでもなかった、という印象かな。よくわからんけどね、なんともはや。異性の話なんかするもんじゃないわ、ははは。 前半最終回はいまいちよく分からない終わり方をしたけれど、とりあえずキョウジが久美子の因縁を消した、というのは間違いないのか? なんか相棒のレイに刺されちゃったけど。 年明けはさんで後半スタート、けっこう楽しみにしていた自分がいた。刺されたキョウジはシドとの決戦の場だった廃ビルの屋上から少し離れた場所になぜか転移されていて、そこを通りがかった元ダークサマナーの垂水大悟(字面不正確)に拾われて助けられた、という話。ここから、これまで不明瞭だった悪魔のイメージがCGではっきりと描かれるようになり、ファンとしても嬉しい限りだった。行方不明(とレイには見えてた)キョウジに代わって探偵を続けるレイ。そんな彼女の前に現れる悪魔、そこに駆けつけて悪魔を葬るキョウジ! 「面白くなってきたじゃん!」と思ったね、この回で。正直前半は不明瞭な描写が多くて、それはそれで味だけどさびしい部分もあったしさ。 後々語られていったけど、垂水のおっさんからキョウジが改めて受け取った悪魔はおなじみ魔獣ケルベロス。「今のお前では力不足だが、こいつくらいなら制御できるだろう」とて渡されたものだった(最初見たときは顔のアップだったのでなんだか分からなかった)。後半第一回で家を異界に変えた悪魔は外道オルゴンゴースト。この後、アトラス社製品のプリクラとマスコット悪魔である妖精ジャックフロストを絡めた話など息抜きのような回も含めつつ、ダークサマナーを統括する組織との戦いに物語が展開されていく。 この時期、まだ明確に「ファントムソサエティ」という名前は出されてなかったと思う。ただ、シドのようなダークサマナーは複数存在するということで、幾人かのダークサマナーが登場して話に色を添えていたのが印象深い。特に轟信太(字面不正確)、思わせぶりな引きを見せておきながら「実はほんとに死んじゃってましたー」というのはショッキングな出来事だった。そりゃないぜブラザー!! あと、ダークサマナーっていえばあのシスターの格好した悪党とペルソナ主人公以外の何者でもない小僧(ということにしておく。明らかに役者さんは女の子)くらいか? 轟は魔王シユウ、このシスターはたぶん威霊ブラックマリア。ペルソナ主人公は、もちろんヴィシュヌ。ところでシユウ、なんでゲームではシュウって表記されるんだろうな。漢字ではシとユウに分かれているのでシユウと読むんだと思うが。あともうひとつ、あのモーゼル拳銃に取りついてた悪魔ってなんだ? キャラクターとしてはダークサマナーどもや垂水のおっさんを見ても分かるとおりにオリジナルの人々が増えてきている。探偵事務所の大家の娘さんとか、いや正直前半の久美子役よりもこっちのほうがかわいいと思ったんだけどね。それにダークサマナーに立ち向かう側の召喚師として名前忘れたけど婦警さん、彼女の悪魔は鬼神マリシテン。キョウジがガンプを使うのに対しこの婦警さんは結晶質の首飾りを握り、その手を開くことでマリシテンを召喚する。いろいろなやり方があるんだな、と思わせてくれるキャラクターではあった。ソウルハッカーズのナオミみたいな例もあるんだしさ。 結局この婦警さん、罠にかけられてペルソナ主人公に殺されてしまう。ただ彼女の召喚具である首飾りはレイによってキョウジに渡され、キョウジはこれまで捕らえた悪魔たちにマリシテンの力も借り、新しい悪魔、鬼神スサノオを呼び出すのだった、という具合。最後の最後に悪魔合体が入った。このスサノオもペルソナデザインで、だから最後のシーンはヴィシュヌとスサノオがにらみ合うという一種すごい光景だった。 ああそうそう、大家の娘さんが着ていた制服はペルソナの舞台であるエルミン学園のもの。転校生ということでかっこよくバイクを乗り回すペルソナ主人公が現れ、そして大家の娘さんを利用してキョウジたちを始末しようとするって感じかな。 一つ気になったっつうか、「説明なしでこんなことまで語っていいもんなの?」と思ったところ。後半、婦警さんが現れたことで「戦えない自分にパートナーとしての資格はない」とレイが神社で思い悩むシーンがあって、ここではその後お稲荷さんのカットが幻覚のように幾度か入り、何か妙な、強力な力を得るという展開になる。原作の裏設定やらを知らない人で、なんでここでレイが力を手に入れたのか、またなぜ手に入ったのか、というのが理解できた人っているのか? 葛葉キョウジ、というその名の由来は安陪晴明の母親である「葛の葉」という狐からだ。その葛の葉の息子である晴明は召喚師にして悪魔退治者、ゆえにキョウジ、いや葛葉の名を受ける者たちもデビルサマナーでありデビルバスター。レイはその葛葉の者に仕える宿命を背負う血筋なのでお稲荷さんで力を与えられた、というような流れらしいんだ、これが。 つうかさ、今の説明でおおよそ合ってるはずなんだけど、その辺の設定知らないでドラマであのシーンみて、今のような流れに頭の中で情報がつながるか普通? ここだけちょっと独りよがりがすぎるんじゃないか、とは思ったな。知らなければなんだか怪しい頭痛のあとに怪しい力に目覚めた、とか思われてもおかしくない。 葛の葉つながりで面白いなと思ったのは、今をときめく新作の「葛葉ライドウ」、この中でライドウに縁の深い神社の名前がシノダ神社。信田(しのだ)の森は葛の葉の棲んでいた森、ということでどうでもいいウンチク。ゲームオーバーになると代々のライドウたちに「この面汚しが」と口々に罵られるというスパルタンな終わり方。 一時ビデオにもなってたらしいね、これ。DVDかなんかで安く見つかるようなら、買ってもいいかもね。けっこう好きだったし。「ゲームと違う! 何あの召喚!!」と怒る向きもあったが、それはお前ペルソナ知らんからぴんとこないだけだろ。ま、受け入れられるかどうかは人それぞれだけどさ。
●悪魔の口調今でこそ恐ろしいほどのパターンやルーチンを以って構成され、ひねくれプレイヤーを心の底から楽しませてくれる悪魔との会話。昔はパターンも少なく会話の口調も最初は1パターン、次に3パターンと少ないものだった。が、それでも敵と話せる、仲魔に引き込めるといった部分は楽しかったし何より反応がときによって楽しめたという部分は魅力だっただろう……とカタログっぽい言い方をしてみる。メロウにはそれはもう何度も逃げられたもんだ。 実際楽しかったは楽しかったが、個人的にはやはり本当に面白くなったのはデビルサマナーやソウルハッカーズからだと思う。口調と会話の内容があいまった恐るべきトークはこちらを数々笑いの渦に巻き込んでくれるのだ。そんな中でも好きな口調は、「シニカル」と「ガインくん」。私はデビルサマナーはちょっとしか遊んでいないので非常に残念なことにシニカルはろくろくお相手できなかったのだが、ガインくんはもう心の底から好きである。 どんなもんかといえば、簡単にサンプルを挙げる。シニカル口調は製作者も気に入ってるようで、ペルソナにもちょっとだけ出ているのだ。これは私自身大好きなので、全部載せる。 見ず知らずのカエルに話しかけるとはよっぽどヒマらしいな (試供品をやらないこともない、から) いや〜ん ぷりちぃ〜★ 綾瀬優香のまね いやいや まじで (試供品をやらないこともない、から) ハートマークはなさそうなので、★で代用。うん、シニカルってだいたいこんな感じだという。少し遊んだときに見かけたものは、「何かクレ」といわれたので100円渡したら「馬鹿にしたな。死んでいいよ、いやいや まじで」と言われて攻撃された、ということだろうか。扱いは難しそうだ。 で、ガインくん。これはもう、ものすごいラブリー。いやいや、まじで。 じゃーん。モコイくん登場。心待ちにしてたでしょ、チミ。 やあ、こんにちわス。 今日はボクは機嫌がいいから、いろいろ質問に答えチャオかな。 だいたいこんな感じだ。こちらは残念ながら手元にディスクがないので確認も取れん。しかし、あまりにも気に入ったのでゲーム開始直後に出現するこの口調の夜魔モコイとは死ぬほど仲良くなってしまい、友好度最大のときの隠しゲームすらプレイさせてもらえるほどになってしまった。ともすれば、顔を会わせただけで仲魔になってくれたりもする。たまらんね、ドゥフフ。 こやつらの魅力と言えば、その淡々たる語り口にある。仮に声当てするとして、果たしてどんな読み方になるのか考え付かないのだ。そこが実にいい。実際に声を当てるのならばギャグ系の声で派手に読み上げる、というのもあるだろうが、それだとこの句点が生きない。私としては、やはりここは淡々と、低く渋い声で読み上げるのが一番ぴんと来る、と思っている。 まあ要するに、こいつらの語り口が一番好きってこと。こいつらに比べれば、ヒーホーなんて……ああ、こいつらもすごいのがいたな。「葛葉ライドウ」でも矢来の異界で終わりに差し掛かる辺りにこの口調で話しかけてくるオバリヨンの3体連れがいて、「ガインくんキター!!」と一人喜んでいた。 今ちょっと話に出たヒーホー。これは今やシリーズのマスコットとなっているジャックフロストの会話時の口調で、主にジャックフロストやジャックランタンなど、子供っぽいイメージの悪魔に使われている。で、真女神if...において軽子坂高校が魔界に落とされたときにジャックフロストの学ランバージョンである「ヒーホーくん」がどこからともなく現れて空き部屋にたたずんでいる。「おいら友達欲しいんだホー。友達になってホー」と来るので承諾するとジャックフロストとして仲魔になる。この時点では強力なので、かなり活躍することと思う。断ると相撲部に入部するらしい。 が、こいつの真価はここではない。軽子坂高校に続いてエルミン学園が異界に落ちたとき、なんと「ヒホ子ちゃん」なるお下げセーラー服姿の相棒を伴って再び現れるのだ。この会話がまた可笑しくていい。 ヒーホーくん:学校は楽しいねヒホ子ちゃん やたらシニカルなヒホ子ちゃん、というかどうもヒーホーくんに連れ出されたほかのジャックフロストが女の子役をやっているだけのような気もするが。彼らは残念ながら、後の作品には出演していない。いつかまた「そいつはどうかな」を聞かせてもらいたいものだ。 |