〜真・女神転生III NOCTURNE〜 機種:プレイステーション2 |
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●実際どのくらい待ちましたかね 長いこと待ってようやく出た、真・女神転生シリーズの最新作、ですかね。なんか最近これのリメイク版みたいな「同 マニアクス」というものも発売されてますけど、現状筆者は見送りです。こっちで悪魔全書鍛えておかないと苦労するみたいだし。
●ニュートラルは銀座の地下からカテドラルに侵入する、最初迷いましたよ最初に変な断りを入れたのはですね、真・女神転生シリーズとの付き合いの長さゆえ、といった具合なんですけれども、とりあえずその辺ちょっとしゃべります。 別の項でも書いていますが、私そもそも女神転生との付き合いは中学時分にまで遡ります。もう10年以上、ということになりますか。で、高校に入る辺りでファミコン版女神転生の正統進化版「真・女神転生」がスーパーファミコン(以下スーファミ)で発売されるよ、という話がありまして、これは友人に借りて大いに遊びました。ルートは攻略本を眺めてみてまったく記述のなかったニュートラルを選び、属性調整したり赤い屋根の家(※1)でむやみにレベル上げたりして、ほんと楽しかったものです。最終的にはカテドラル、ロウとカオスのどちらも地図を見ないで最終目的地までたどり着けるようになったりしました。ずいぶん情熱のあった頃です。もう無理だね。 思い出話ひとつ。このスーパーファミコン版の真・女神転生には「回復施設である操作をすると買えてはならないものが買える」というバグがありました。ロハみたいな金額で高額、高性能なものが買えたりしますのでけっこう重宝したんですが、やはりというかデータに無理が出るみたいで。あるときこのバグを散々利用した後に再起動したら、セーブデータが壊れてしまいました。 いや、その壊れ方が面白くてですね、ゲーム中で「時間制限が画面に表示される中をオート進行で走り回る」という演出があるんですが、これが別の迷宮において適用されてしまっているんですね。前進する歩数とかもあらかじめ決められているところで他の迷宮に放り込まれたものですから、本来なら「前に5歩前進、然る後右に2歩前進」というところで前に壁があったりすると壁に5回ドカドカぶつかってから右を向くとかそういうけったいな状況が現出してしまいまして。で、時間制限がゼロになったところでハングアップです。データを読み出すと必ずこの状況になってしまうため、事実上再利用は不可能になってしまいました。ずいぶんレベル上げたあとだったからなあ、馬鹿な真似をしたものですね。
●このバグ、ちゃんと解消されたのかなそれからしばらく。真・女神転生を遊び倒してから1、2年経ったところですかね、真・女神転生IIが発売されました。私最初はこのゲーム出るという話知らなかったんですけど、ゲーム屋に行ってうろうろしてたら発見してしまったもので「ファンなら買わねばなるまいな」とて即購入しました。それで早速家に帰って開封したら、なんか妙な白い紙切れが入っていたのです。なんだこりゃ? 「バグのお知らせ 諸事情によりバグが取り切れませんでしたので、ゲーム中においてこれとこれ、この二つの行動は取らないでください(※2)」 なんかいきなり後ろにバックしたくなるようなお知らせでした。まあ「取っちゃだめな行動」というのは普通にやってたらそうそう実行しないだろう、と思えるようなことでしたので、そのときは多寡をくくって「なーに、そんなことになる前にすべてカタをつけて見せるさ」などとうそぶいていたのですけれども。 実際のゲームのほうも、最初のフィールドマップで「どこを通ってマダムのところに行くんだ?」とか恐ろしい疑問(※3)を投げかけたりしたものの非常に面白く遊びまして、これはこのとき同時に購入した友人と連絡を密に取り合い結局攻略本発売よりもずっと早くクリアしてしまいました。「踊る人形」は分からなかったなあ、痛恨の一発でした。でもこれ、普通に進めていくと最終属性について選択肢が出てくるっていう仕様はなんだったのかな。前作ではあんなに苦労したのに……。 ここでもうひとつ思い出話。想像つくと思いますが、最初のバグに関連する話です。この真・女神転生IIはボス戦におけるバランスが前作から大きく変わっており、最終局面におけるボスはどれも「まともに攻撃が当たらない」といういやな特質を持っています。要は回避力が高すぎるんでしょうな。主人公はレベルと能力を鍛えれば十分戦える程度まで育ちますが、成長させられない仲魔はどうしようもありません。能力値の具合によっては最強クラスの仲魔でさえ攻撃をかすらせることもままならない、そういう状況でした。当てられるのがルシファー、サタンとシヴァ他数名だけってどういうことだよ。やはり前作の「マハジオンガ連発だけで勝手に死んでいくボス(実際これもバグだったそうですが)」という間抜けな光景はよろしくないと開発陣も思ったんでしょうね。だからといってあれはやりすぎだったと思いますが。
●ケテル城のマップ、もしかしたらまだ覚えてるかもねで、まず私の場合なんですが、大魔王ルシファーと激戦を繰り広げておりました。1時間くらい。ぼんやりしていると魅了されて同士討ちが始まってしまいますので犠牲者も続出です。一人仲魔が倒れるたびに次々仲魔を呼び出して戦線をなんとか維持、いい加減潰し合いの様相を呈してきたときやってしまったのです。バグに引っかかる行動、「一回の戦闘中に仲魔を8回以上召喚する」。いきなり画面が真っ暗になり、連続して鼓膜に炸裂するキャンセルの「ブブブブブ」という耳障りな音。泣くかと思いました、本当に。当時の心境は「やっちまった……」 この一言です。 次、友人の場合。ゲーム中、アバドンという魔王の心臓と殴りあうというすごい戦闘があるんですが、こいつがこちらの攻撃力を下げてくるうえに自分の防御力を上げるという実にいやらしい戦闘スタイルをとります。で、友人はそんなこと知らずにアバドンに挑みましたのでその辺の対策魔法(こちらの弱化を取り除く魔法と敵の強化を取り除く魔法)は用意してなかったらしいんですね。結果、与えるダメージが完全に1になってしまいまして、またも長期戦。こちらは2時間戦い続けた挙句に筆者と同じ理由でハングアップです。やはり卒倒しそうになっていたそうですね、横で見ていた悪友は大爆笑だったそうですが。 あのね、分かります? 「たとえ今はどれほど不利であろうとも、奴とて回復力を持っているわけではない。このまま削っていけばいつかは倒れる! 諦めるな!!」 そう信じてずっと戦ってきた、それがこういうふうに突然中断される。これって、かなり気力を消耗しますよ。怒りとかそういう感情じゃなくて、もう「脱力」。言えることはこれだけです。はふぅぅぅ……。
●それ以前に、普通は強化魔法で下限にループなんてしないよそれと、初回発売分が今現在どれだけ出回ってるかわからないんですが、もうひとつ致命的なバグがありますので紹介しておきますね。ルシファー、サタン、またラストボス程度の敵との戦いでは、なぜかこちらの能力を強化する魔法がほんのちょっと使用しただけで強化上限を突破します。たとえば攻撃力を上げる魔法を3、4回かけると強化が上限から下限にループし、ダメージ判定などの計算が能力最低で行われるようになってしまうのですね。本来ならば、最低でも5回は重ねがけができる魔法のはずなんですが……。まあ簡単な話、「タルカジャとかの重ねがけは3回くらいでやめときな」ってことです。いきなり与えるダメージが20とか15とかに落ちるから。 実際、攻撃力と命中力が必要になる最終決戦においては強化魔法の重ねがけは当然必須になるはずなんですが、そこにきてこのバグがあるためさらに不利な戦いを強いられるようになってしまいます。つらい話ですよね。で、このバグが起こってしまった場合、敵にデカジャをかけてもらうか自分たちでリカジャをかければなんとか戦線の建て直しはできます。何回重ねがけしたらまずいのか、ってのはちょっと確実な回数が分からないのでね、最終決戦にはリカジャは持っていったほうがいいでしょう。……今更スーファミ版なんて誰もやらないか? 違うハードでリメイクされてるバージョンではどうなのか知りませんけど、とりあえず低レベルでラストに挑む場合にお勧めな仲魔を少しばかりお知らせします。まずは破壊神スサノオ。レベル60そこらだったと思いますが、こちらは特殊攻撃「冥界波」を持っています。使用時の体力消耗こそ大きいですがその分威力もあり、また命中しやすいので連れていると多少楽になるでしょう。次に神獣アヌビス。さほどレベルは高くありませんが、属性中立で特殊攻撃「天罰」を所有している、これだけで最終決戦には必須です。確か通じた、と思うんだけど。駄目だったかな。もしアヌビスで駄目だったら、同程度のレベルの大天使ラグエルが同様に天罰を所持しています。金剛神界に行くのに低レベルクリア(というよりも方舟に入った後のノーセーブクリア)が要求されますから、まあ2時間くらい戦い続けて頑張ってください。 そういやあ、これは自分では試していないんですけど、話によると邪神パズスの麻痺引っかきや邪神クトゥルーのスキャニングがなんかボスに効果絶大らしいですね。ラストとサタン以外の全部に。え、ルシファーも痺れたの? 無抵抗で死んでいくの? ……まずいだろ、それ! マハジオンガ連発で痺れっぱなしよりかっこ悪いよ!
●稼いだコインは取っておいてティフェレト辺りで使うといいですよ思い出した、さらにバグの話。こちらもスーファミ版のみの話ですが、これは死ぬほど役に立ちますので「今更」に挑む人は絶対覚えてください。 カジノに「バカラ」というゲームがあります。初登場は確か六本木辺りだったと思いますが、これでコインを賭けるときに勝利に100枚、引き分けに10枚と振り分けます。これで引き分けがくると、時によって数万枚単位のコインが入手できます。何が条件なんでしょうね、私は賭け事もプログラムもさっぱりなので分からないんですが、とりあえず続きの「真・女神転生 if...」ではこれはできなかったのでやはりバグなんでしょう。ともかく、これでコインを大量に稼いでしまい、景品をいっぱい入手していけば後々楽になることは請け合いです。特に六本木で引き換えられる「死神コルト」は全体攻撃で男女ともに装備でき、また威力もものすごいものがありますため、この銃に「ランディショット」あたり装填して二人でばら撒けば、銃と状態変化が通用する相手との戦闘では仲魔いらずというすごい状況ができあがります。やってみてください、ほんっと効くから。
●まあ、続きではないと予想はしてましたけどもそろそろ話を戻します。なぜ最初にシリーズの最新作、かな? と微妙な言い方をしたのかというと、この真・女神転生、初作とIIは完全な続編なんです。初作で洪水が起こって荒廃した地上、そこで人は神にすがり、そして神の教えを中心とするメシア教がシェルター都市を作って人々を導いた、これがIIの導入部分なんですね。 ところが、IIでは物語を「199X年、世界は核の炎に包まれた!!」(声:千葉繁)みたいな感じで遠い未来に飛ばしてしまっているんですよ。そして、このII以降発表されている作品群はことごとく外伝のような位置づけで初作からちょっと後の話、のようになっていまして、しかもかなりの数発売されてしまっていました。正直なところあのストーリーの続編はもう出ないのではないか、とか考えたりしていたのですね。「これでIIIなんて出すの、大変じゃないか? さらに未来になるんだろ? 話、どうするのかな」といった具合です。そしてそれからおおよそ10年、ついに「真・女神転生III発売」のニュースが目に入りました。どれ、拝見……なんだ、ぜんぜん違う話じゃないか!! 東京受胎ィ!? ミレニアムはどうした、ミレニアムは! 実際ね、私このとき思ったのです。「これ、別に『III』じゃなくてもいいじゃん」と。話的に繋がりがなく、またシステムも大きく変わっているのなら別にIIIという数字を冠さなくても、「真・女神転生 NOCTURNE」でいいんじゃないか、と。それゆえの「最新作……かな?」だったのですね。まあそんな話をし始めると「ドラクエはどうよ」とか「ファイナルファンタジーはどうよ」とかそういうところまで考えないといけなくなるんで、考えるのはやめてしまいましたけどもね。どうせ遊ぶ機会があったら遊ぶんだしさ。名前なんて、実際遊び出したらどうだっていいことです。というか、ストーリーについてはむしろこれよりもX-BOXの「女神転生NINE」に引き継がれているらしいですね。完全にそのものではないでしょうが、それだったらIIIの名はそっちに冠してもよかったんではなかろか……。
●縁は異なもの味なもの(近所のラーメン屋より)んで、結局このときは見送りです。なんといいますかね、最近は「どれそれ発売!!」とかいうニュースを聞いても「お!? なら予約してでも買わなきゃ!!」と思えるゲームというものがなかなかないんですな。まあお試しとかの機会があるなら予約ー! と思うようにもなるんでしょうけどね、実際スカイガンナーだってアヌビスだってお試しがなければまず買わなかったでしょうし、エスプガルーダだってゲーセンになくてどういうものだか知る機会がなければまず見送りだったでしょう。そもそもどんなだか分からないんですからね。いやあ、お試しの機会、そのゲームがどんなものかを深く知ってもらうための機会を設けるというのは実に大事なことだと思います。お見合いみたいなもんか? まあそんなことは置いておいて、なんでそんな私がこれを買ったか。例によって、という感が強まってまいりましたね、友人であるところのワダ氏に遊んでいるところを見せてもらったからです。それで少ししたらば近所で「特別価格3,000円」とかなってたんで、どうせ借りたとしてドラクエ7みたくまた買っちゃうんだろうから、それなら安い今ここで買ってしまおう、とて購入と相成ったわけです。あーあのね、なんか俺ってけっこう軽薄っぽく見えると思うんですけど、見せてもらったとしても興味なければそこまでですんで、彼に勧められたもの全部手をつけてるわけじゃないということだけ承知しといてください。なんか言い訳。
●やっぱ、好きなキャラは強くしたいよねそれから持って帰り、早速起動。なんだ、けっこう感じいいな……。そしてそのまま大ハマり。96時間と33分戦い続け、レベルも110まで上がってしまいましたよ。最初の予感も大当たり、ほーらやっぱり買うことになってた。 なにがそんなに面白かったか。今回は、魔神転生II以来久しぶりに「悪魔の成長」が採用されています。また、合体で悪魔を作成する際に、素材となった悪魔の持つ技術を継承させることが非常に容易になっているのですね。こうなると、自分の気に入った悪魔に有効な技術をバリバリ持たせたくなってきます。そしてそのためにはどいつを育てて目当ての技術を覚えさせ、そこからその技術をどのように抽出してお気に入りの悪魔に持たせるのか、そういうことから考えないといけなくなるのです。過去、目当ての悪魔を作るために攻略本の合体法則とにらめっこしながら素材を計算、そしてそれを収集しようとして銀座のあたりで妖精メロウと追いかけっこを繰り返した私としては、実に遊び甲斐のある仕様となってくれました。それで今は、というか現段階では二周目に入るために悪魔たちの技術の調整を行っているところでして、その過程でできたおもしろ悪魔たちについては後でお話しする予定です。
●くそぉ、何が悪かったというんだ!?まあ、面白かったところはそればかりではないんですけどもね、物語もなんか乾燥気味だけどそれなりに面白かったし。そうそう、物語に関してはちょっと泣ける話がありましてね。このゲーム、主人公は最初人間なんですが、ある出来事に巻き込まれたときになんか変なガキに改造されて悪魔みたいな存在になってしまうんですね。で、その出来事を経て変わり果てた東京をなんだか分からない存在に成り果てた主人公は当てもなくさまようというのが今回の基本的な導入部分なんですが、筆者はこれに「たとえこの身は変われども、俺は人間だ。この魂だけはまごうかたなき人間だ」というスタンスで当たりまして、ゲーム中で行われるエンディングを決めるための質問もすべてそのスタンスに基づいて返答していきました。 それからしばらく、我が友「カヅキ」少年はレベルも上がり、合体もいろいろ楽しめるようになったうえマガタマという強化パーツも隠しを含めて全部獲得するに至っていました。さあ、ここまでやればラストボスも一ひねりであろう。人間様の力を思い知るがよい、と最後のフロアに行き着いたのですが、なんとラストボスめ尻まくってトンズラこきやがったのです。結局100時間近くもがんばって育て上げたカヅキ少年は、力の振るい所がないまま荒廃しきった東京に一人取り残される破目になってしまいました。どうやら、私の採った道はメーカーにとっては間違っていたようです。てめえラスボス、人のこと四の五の文句たれるんだったらかかってこいやこのトンチキめ!!
●正直このガキが一番てこずったそれとこのゲーム、これまであった「属性」の代わりというか、新しい世界を導くための「理」(ことわり)としてシジマ、ヨスガ、ムスビというものがあります。簡単に言うとシジマは指導者に無為に従属することを至上とする世界、ヨスガは力至上主義、弱いものすなわち悪の世界、ムスビは超個人主義、人間独りでやってけるんだから余計なものに関わるなの世界となっていまして、んでそれらは主人公の知り合いたちが提唱しはじめるものなんですね。まあどれもこれも問題あるとは思うんですが、筆者としてはムスビに一番近い考え方を持っています。人間関係は生活や精神面において必要最低限で十分、それ以上は無用。こんな感じですかね。 でね、このムスビを唱え始めるのが特に野心もなにもなかったお調子者の男の子(16歳を指して『子』、俺も老いたものよ)なんですけども。唱え始めるきっかけが、身の程をわきまえずに危険な世界をうすらうすら歩き続けてトラブルに巻き込まれた、それで「誰も頼れない」と思ったからだというんですよ。正直笑ってしまいました。お前、今更何言うか、と。誰かに頼らなければやっていけないくらい弱いんなら、どこか安全なところに引っ込んでおれ。それを押して危険な世界に出て行くのなら、覚悟を決めて臨め。危険なところに自分の意志で出て行っておきながら人に頼れないと嘆くな、極端な話私はそう思いますけどね。人間生まれたときと死ぬときはどうあっても一人ぼっちなんですよ? まったく。私は弱い人間ですので、「安全なところ」に引っ込んでます。 まあこのトンチキ、「ウソブキ」とまめな属性変更に困らされたものの最終的にはこちらの力に屈したのですが、どうも最初から最後まで甘ったれてるようなそんな雰囲気のある子供でした。もしかしたら「お坊ちゃん」という設定でもあったのかも知れません。
●ああ、人修羅が成仏させられていく……もう一つ、面白かったところの話をしましょう。さっきもお話ししましたが、このゲームの主人公は行きがかり上シリーズ初の「非」人間キャラクターとなっています。それゆえ、過去シリーズの主人公では特殊な装備をしない限り引っかからなかった攻撃の対象になってしまっているのですね。 このシリーズには、即死属性の魔法が「成仏」と「呪殺」の二種類存在します。成仏(正式名称は『破魔』)はその名の通り悪霊や屍鬼などといった不浄のもの、あるいは存在根源が闇に強く属する者に対して大きく効果を発揮し、また呪殺は存在根源がよほど強力でない限り、命あるものはたいがい引っかかる攻撃となっています。で、人間である身には当然成仏は効果がなく逆に呪殺はかなりの勢いで効果を発揮したものなのですが、今回は自分も闇に属する身ですから成仏にも引っかかるのですね。それに、弱点を突かれると戦況が著しく不利になるという今回のシステム変更もありまして、今作はこれまでに比べて非常に死にやすくなっているのです。 私も今回のこの仕様にはだいぶ悩まされたものですが、ここでふと思ったのです。「むしろこの死にっぷり、ファミコン版に近い!」 そう、サキュバスの大群に不意討ちを受けて強烈な雷撃で消し炭にされたり、怪しい坊主に不意討ちを受けていきなり呪殺で冥府に送られたり、と無残極まる死にっぷりが炸裂(※4)したのがファミコン版ですが、そのとき感じた無常感。その無常感を、このゲームは久しぶりに見せてくれた。そうか、そういうことだったのか。私はなにか大事なことを忘れていたようです。この無常感、苦労こそが後で思い出に変わる。真・女神転生IIIのこの壮絶極まる戦闘バランス、いかにも「死ね」といわんばかりのこの仕様はそれを思い出させようというものなのかも知れません。 ……話がトレジャー社の「斑鳩」(※5)みたいになってきました。まああそこまで大仰な話ではないでしょうが、このゲームを遊ぼうとするならちょっとプレイヤーも歯を食いしばらないといけない、そういう局面は何度か出るでしょうね、絶対に。二周目になると敵があからさまに弱点を狙ってくるようになってさらに戦闘が激化するようなので、覚悟を決める必要がありそうです。
そうだそうだ、これも。今回、シリーズ初(だと思うんですが)で悪魔たちがポリゴンにより立体化されています。細かくアニメーションしていたペルソナはともかく、それまでのシリーズでは悪魔たちがどういうふうに攻撃などを仕掛けてきていたのかがすべて想像の領域だったのが、今回は具体的に観られるようになった、そういうことです。で、実際にゲームを進めていていくつか「こ、こいつは!?」というナイスアクションなどもあったのですが、先日エスプガルーダの基本方向などをデザインなされたお方のサイトを眺めていたら、業績のところになんか「悪魔モーション絵コンテ製作」とありまして。……とすると、アレもアレもこのお方の手によるもの? こうなると居ても立ってもいられません。「サイコロは、投げなければ何も始まらぬ!」と掲示板にて質問させていただいたところ、どうも事情により全部は手がけられなかった、とのお答え。気になっていたアレとかアレのモーション(後でこれもお話しします)については「悪魔の名前を覚えていないのでなんとも言えない」とのことでした。ちょっと残念ですが、仕方ない。むしろわざわざお答えいただけたことに感謝せねば。それで、これ私の性格悪いところでしょうね、そのままゲームを起動してラストボスの悪態を聞き、スタッフロールの「モーション製作」のところを確認してみました。おお、確かにお名前が……え、コレ二人だけで作ったの!? 共用を除いても全部で300くらいあるんじゃないのか!? 確かに全体の半分ほど、というお話でしたが、二人で半分こ、というのもまた……。恐るべきお話でした。
●マジ、カグツチ塔とか洒落になってないって!!最後にね、ちょっとだけ苦言。筆者は基本的に攻略本や攻略記事を読まずにこのゲームに当たったんですが、思い切り引っかかったノルニルの謎かけは私の不注意に過ぎずまたアサクサのパズルはもとより私の足らない頭でどうこうできる事柄ではない(10面でダウン。二度とやりたくねえ)のでともかくとして、ラストダンジョン。あのふざけた込み入りっぷりはなんとかならなかったのでしょうか。 まあ、なんとか攻略本なしで最後まで行き着けたんだから文句言う筋合いではないんでしょうけど、先ほどの「スタッフロール再確認」のためにもう一度上を目指したらばこれが時間がかかるかかる。フロア数そのものはわずか4フロアくらいなんですが、ワープゾーンの嵐とか一方通行でしかも抜ける床とか、以前進めていたときにオートマッパーを完成させていたにも関わらず一時間以上かかってしまっています。というか、そこに行き着くまででも大層苦労させられた記憶がありますね。ワダ氏とも「ラストダンジョンの複雑さが最大の敵だ」とか盛り上がってるくらいですから。攻略本あっても苦労するんじゃないですか、アレ? 「ああ、また落ちた!!」 それと、合体のときの技術抽出。自分で選択させろや。先ほど「合体で悪魔を作る場合、技術を継承させることができる」と言ったと思いますけど、この技術の継承がなぜかランダムになっていまして。もちろん技術ごとに優先順位などはあるんですが、欲しい技術が3つとかあってそれらがすべて素材にそろっている場合、この3つすべてを引き継ぐまで何度も合体をキャンセルしては再選択、キャンセルしては再選択という手順を踏むことになります(キャンセルすると技術引き継ぎが再計算される)。正直この模索だけで優に10時間は無駄にしているのではないでしょうか。「それも楽しい思い出でしょ?」と言われたら「ええ、そうです」とは答えますが、しかしさすがに10時間となるとちょっと見過ごせないものがありますよね。
●もっと全書を鍛えたら、マニアクスもやってみたいなしかし、このゲームは初期印象に比してもずいぶんいいゲームでした。今はマニアクスのせいで値段も上がっているみたいですけど、とりあえず定価分の価値はあるでしょうね。少しでも安く買えたら御の字、そんな具合です。死にっぷりに耐えられる人ならば遊んでみるべし、と言いましょう。 そうだ、今から遊ぼうという人にちょっといい話。レベル上げにいい場所は何箇所かあると思いますし人それぞれで違ってくるでしょうが、私はニヒロ機構第二エントランス近辺、イケブクロ坑道地下4階ターミナル前、ヨヨギ公園内部で多くレベルを上げました。お勧めは特にヨヨギ公園内部。リベラマをかけると恐ろしい勢いで連続出現するようになり(最高記録が連続17回戦闘)、敵もさして強力ではないため稼ぎにはうってつけです。もちろん自分もそこそこ強くないと駄目ですが、それでも後半の迷宮で強敵相手に戦い続けるよりはこちらのほうがはるかに楽なはず。 最後に、モーション製作の話題について、内容もお知らせせずにお出しした「使ってよいか」という無茶な問い合わせに快諾くださいました、かどつかさ様に深くお詫びと御礼申し上げます。
●お気に入り悪魔の話。ちょこちょことね。ここからはやってない人にはわからないと思いますが、勘弁してください。
※1 赤い屋根の家真・女神転生において、東京の四方を守るように存在する変な建物。初めて見るのは、誰でも明治神宮辺りのもののはず。 この中は非常に小さな迷宮になっているのだが、特筆すべきは出現する敵のレベルの高さで、初めて到達した時点ではまず捻り潰されるだろう。しかし、時々大きな隙のある悪魔が出現するためそういう輩を目当てに狩りを行うことによって飛躍的な戦力強化が見込めるようになる。命がけの戦いになるが、試す価値は十二分にあるだろう。まず狙うべきは、サンニ=ヤカー。邪霊属であるためハンマを当てることで即成仏である。レベルが35程度まで上がったら妖鬼プルシキを作り、バインドボイスの連発で敵の脚を止め続ける。テングには相当レベルが上がるまで手を出してはいけない。また、ラクシャーサはムドをそこそこの確率で受け付けたはずなので、その辺も狙うとよい。ただし、くれぐれもラクシャーサとヤクシャを間違えないように。
まず一つは文中にも書いたとおり、「一回の戦闘中に8回以上仲魔を呼び出してはいけない」というもの。もう一つは、「戦闘中にオールキャンセルを押してはならない」というもの。前者は長丁場が待っている終盤の戦いでは致命的な一発、後者はさほどでもないものの操作ミスでYボタンに手を触れたら終わりである。
ヴァルハラ商店街から表に出たあと、どこを通って目的地に行けばいいのか本気で分からなかった。地図はこんな感じ。 ■■■■■■ ■◇◇◇◇◇ ■◇■■■■ ■◇■□□□ ■◇■□■□ ←これ街 □□□□□□ ←視点ここから左上方向を眺める 要するに、◇の部分が陰に入っていて見えなかったのだ。「あ、あれ? 道がないぜ?」 横に悪友がいなかったら、ここで行き詰っていたかも知れない。
この話題は以前にファミコン版女神転生の話でもしているし、この項でも繰り返しているのだが、特にファミコン版のオリジナルサウンドトラックに付属していたブックレットに詳しい。「好きな悪魔、嫌いな悪魔」と銘打ったコーナーがあるのだが、この嫌いな悪魔コーナーがおよそ全国共通なのではないかと思えるくらいにまとまっている。要するに、「各々殺されまくった敵」なのだ。通常攻撃を文字通り叩き返してくるギリメカテやら、歌いっぱなしでこちらの順番がまるっきり回ってこないビーメやビワホウシ、なんか無闇に強いジャクフロストなど。特に筆者の場合はここにインテリペリの地獄マシンガン連射を加えたい。「通常攻撃を弾かれてアゼンとし、ムドハンマで全滅したときの気持ちは『情緒がない』なのである」 まあそういう世界であった。とにかく簡単に死ぬ。そして笑える死に方の伝説が増えていく。
かの傑作「レイディアントシルバーガン」の姉妹作。制作に関し指揮を執られた井内ひろし氏に強烈な信念、というか伝えたいメッセージがあり、それをふんだんに込めて作られた縦スクロールのパズルシューティングである。どんなメッセージが込められているか、というのはよそのファンサイトに詳らかなのでそちらを見ていただくとしても、ゲームの基本構成から物語や演出、音楽まで井内ひろし氏の手になるというのはものすごいことだと思う。特に音楽などは名曲揃いのレイディアントシルバーガンにも負けないくらいの荘厳さを持っており、まさしく必聴と言えよう。また、込められているメッセージはゲームを遊ぶ人や作る人にはまず見ておいていただきたい事柄。どちらかといえばこのゲームよりもレイディアントシルバーガンにこそメッセージの込め方は強い。 「やがて一つの因果は、その意志を元の場所へと回帰させ、記憶の深淵に刻まれた起源の意識を思い起こさせるだろう。故に、斑鳩は行く……」
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