発芽のアニメ 大地に生きる人の声

私は有機野菜の宅配「三里塚ワンパック野菜」に長年お世話になっている消費者の一人です。
圧倒的に美味しい三里塚の野菜達と、作ってくださる農家の方にいつも感謝しています。
完全無農薬の成田三里塚ワンパック野菜の大切な農地が成田空港問題で存続の危機に陥っています。
土を愛し大地に生きる人の切実なお話をここに紹介しました。


「三里塚ワンパック野菜」の連絡先はここをクリックして下さい

ネット販売も開始していましたので、ご紹介します。
三里塚ワンパック野菜のホームページ 

三里塚微生物農法の会 はこちらです。

お読みくださる方に誤解のないよう、一言添えさせていただきますが、
これは決して政治批判や口論を目的とした文面ではありません。
一生懸命に大地を守っている、千葉県、三里塚の農家の方「ワンパク野菜さん」の心の声です。


このページ「ワンパク野菜さんのお話」のコピー&配付は自由です。
ワンパク野菜さんの大事な願いが込められていますから…内容は変えないで下さいね。
このページが心ある優しい方のもとに届きますように。
ワンパク野菜さんの願いが沢山の暖かい人の心に触れますように…。


[SECRET GARDEN & HARU'S PALETTE ] 作者.テトより



…ワンパク野菜さんの本文の抜粋です…

 『二十数年、農薬も化学肥料も使わず土中の微生物を増やすことを心掛けてきました。様々な有機物、
良い働きをする多くの菌、虫や虫の糞、そういったものが構成する「有機土」によって初めて、いい
有機野菜は作られるのです。…中略…空港が大きな意義のある公共性をもつように、人の命と暮らしに
関わる環境を守っていく有機農業も、同じ重さの公共性を持つのだと思います。…中略…

私達はすでに、静かな暗い夜を奪われ、満天の星きらめく夜空を奪われ、風向きによっては話も出来
ぬ程の騒音に耐えながら暮らしています。この上更なる騒音に耐えろ、耐えられないなら売って移転し
ろというのが今回の運輸省の姿勢です。今まで何十年にも渡って築きあげてきた全てを捨ててどんな未
来があるというのでしょう。…中略…独自のネットワークをお持ちの方やインターネットをおやりの方
この文章を海外を含めた多くの人に伝えて下さい。

  どうか力を貸して下さい、お願いいたします。 …ワンパク野菜より』

以下、ワンパク野菜さんの切実な声です。

・三里塚完全無農薬農業のワンパク野菜さんの手記・
「成田問題は農業問題」

ワンパックの未来はどうなるのでしょう、どうか力を貸して下さい

運輸省は先日、成田空港の2500mの予定の平行滑走路を2200mに短縮し、北側にずらすという
案を発表しました。この方法だと反対派の農家の土地にはさわらず、短くても短距離用の平行滑走路と
しての役割は果たせるそうで、運輸省にとってはこの間の用地収得問題を解決する都合のいい手段なの
でしょう。

 しかし、この滑走路南端には農家二戸を含む三戸十二人が住み、ワンパックの出荷場と鶏舎とらっきょ
うの加工場があります。この案でいくと滑走路の先端から一番近い小泉さんまで400m足らず、出荷
場や鶏舎までは500m位しか離れておらず、着陸機は頭上40mを飛ぶことになります。これはすさ
まじい近さです。実際に飛行機が飛ぶようになったらとても暮らしてはいられず出荷場も使用出来ない
かもしれません。うちの畑も滑走路の延長線上ではありませんが、直線距離にして1キロ足らずのとこ
ろに位置しています。

 なぜそうなってまでここに居続けようとするのか、意地を張り続けるのかと思う方もおられるでしょ
うが、それは私達の営んでいる農業のありかたと密接に係わっています。

 当初の滑走路予定地である千葉県東峰部落のほとんどの農家は有機農業を営んでいます。有機農業は
何よりも土が基本です。長年に渡って堆肥を入れ、鶏糞を入れ、油粕や米ぬかや様々な有機肥料を多量
に投入して、だんだんと有機栽培のできる畑に仕上げていくのです。うちの畑で言えば、二十数年、
農薬も化学肥料も使わず土中の微生物を増やすことを心掛けてきました。様々な有機物、良い働きをす
る多くの菌、虫や虫の糞、そういったものが構成する「有機土」によって初めて、いい有機野菜は作ら
れるのです。

 農薬によってそういうものが損なわれぬよう、除草剤も殺虫剤も使わず手で草をとり、作物の葉に付
いた虫をとってきました。省力化の薬剤の恩恵にあずからぬこうした手労働によって、野菜を作る側も
食べる側も双方が信頼出来る土を作ってきたのです。

 平行滑走路用地内の畑はすべてこういう畑です。こうした土は代替えがききません。この土を手放し
てはもう有機農業は出来ないのです。表土を剥がして運ぶ商売もあるそうで、畑の移転が可能だとして
も、それでうまくいけばよし、いかなければ全てを失うことになるのです。うまくいくという保証はど
こにもありません。また一から始めるとしたら長い長い時間がかかります。その間私達の野菜を信じて
食べ続けて下さる大勢の消費者のみなさんをお待たせするわけにもいかないのです。

 有機農業にはまた、大気や水など土を取り巻く自然環境の保全にも不可欠な課題です。空港が大きな
意義のある公共性をもつように、人の命と暮らしに関わる環境を守っていく有機農業も、同じ重さの
公共性を持つのだと思います。それは本来どちらが重要だとかの優先順位でかたられるべきものではな
いでしょう。しかし、空港が農地をつぶすことでしか成立し得ないのであれば、両立は不可能です。

 私達はすでに、静かな暗い夜を奪われ、満天の星きらめく夜空を奪われ、風向きによっては話も出来
ぬ程の騒音に耐えながら暮らしています。この上更なる騒音に耐えろ、耐えられないなら売って移転し
ろというのが今回の運輸省の姿勢です。今まで何十年にも渡って築きあげてきた全てを捨ててどんな未
来があるというのでしょう。この土を売却することは自ら仕事を捨てること、職を失うことです。そし
てまた、この農法を信頼して食べて下さる方々を裏切ることでもあります。

 遺伝し組み換え食品が当たり前のように食生活に入り込んできている現在、安全で健康な有機野菜は
更に需要が増していくことでしょう。一朝一夕にはできぬ完成された有機畑をつぶして滑走路にしてし
まうことが、本当に「国益」をもたらすのでしょうか。どうしてもここでなければいけないのでしょう
か。成田空港の建設に係わる問題とは、本質的に農業問題であるのです。日本の農業の未来を考え、有
機農業の発展を目指している私達はここをこそ話し合いたいのに、運輸省の言う「話し合い」とは土地
取得の為の交渉でしかないから拒否してきたのです。それなのに「いつまでたっても話し合いの席に付
かないから」という理由で、こんな地上げ屋の嫌がらせのような強行案出してくる以上、運輸省の
「話し合い解決」はポーズにしかすぎないと思わざるを得ません。

 ここでいつまで農業をやっていけるのだろうか、神経がまいっていくのではないか、など考え出すと
不安で、夜中に目覚めて眠れなくなることもしばしばです。どうか皆さん、力を貸して下さい。家庭で、
職場で、学校で成田問題は農業問題なのだと言うことを話して下さい。意地の張り合いやイデオロギー
ではなく、農業を大切に思うから平行滑走路を拒否しているのだと話して下さい。

 独自のネットワークをお持ちの方やインターネットをおやりの方、この文章を海外を含めた多くの人
に伝えて下さい。

 どうか力を貸して下さい、お願いいたします。石井より

三里塚微生物農法の会 ワンパックグループ
千葉県成田市東峰64
Tel&Fax 0476-32-0620

美味しい有機野菜の宅配「ワンパック」についての詳しい資料は三里塚までお問い合わせ下さい

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