MG1/100 RX-78-2 ガンダムver.2.0?
完成品ギャラリー
今更ですがMG RX-78-2 ver.2.0を制作してみました。
発売当初に仮組みしてみて、これはどうにもならないなと諦めて仕舞い込んでいました。
8年以上経って積みプラを整理していて「どうせ作らないからジャンクボックス行きかな」と眺めていたのですが、肩幅がそれまでのMGよりも4mm程度小さいことに気づきました。
これなら今まで胸が大きすぎてバランスの崩れていた1.5系のRX-78-2に丁度良いかもと思い、余っていたVer.ONE YEAR WAR 0079(以下Ver.OYW)の頭と足をすげ替えてみた所なんか良い感じかもです。
どうせ不良在庫になるなら失敗しても良いやと、気楽に改造し始めたのですが結果的に自分が一番欲しかったRX-78-2が出来上がることになりました。
マスターアーカイブ版RX-78-2を参考ししつつ、今の自分の中で理想に近いRX-78-2に近づけるべく形状やディテールよりも全体的なボリュームのバランスを重視しスマートでありながらガッシリとした「普通のガンダム」を製作してみました。
色々と異論はあると思いますし、仕上げや塗装が荒くて見苦しいかもですが、私個人からの一提案としてご笑覧頂けると幸いです。
ディテールはあえて控えめとして追加表現をとらずスジ彫り程度にしています。デカールもVer.OYWのロゴを中心にあまり主張しない方向で。
自分の中ではver.1.5系の総まとめみたいな感じで制作しました。
製作過程
素組との比較と生地完成
ver.2.0を組んでみて感じたことは内部機構は色々考えられているのに、外装デザインが安直すぎるという点です。TVアニメに準じているとか言われていますが、おそらくオープニングの着地して直立するガンダムがイメージソースみたいでそのアングル(斜め前方下側から煽った構図)からはまあまあ見られるのですが、それ以外のアングルからだと作画崩壊したような印象を受けます。
というかオリジナルのTVアニメ「機動戦士ガンダム」自体、RX-78-2がちゃんと描かれているカットが殆ど無くて、かろうじて安彦氏作画であろうと思われる躍動的な人体ベースのカットは存在するのですが、ver.2.0はこれとは全く異なります。
一方Ver.OYWは部分部分の形状はどれも問題ないのですが、全体を眺めると…ゴリラ?っぽい印象を受けます。
今回MG RX-78-2 ver.2.0とVer.ONE YEAR WAR 0079(以下Ver.OYW)のミキシングビルドとなります。
大まかにはver.2.0の胴体にVer.OYWの頭と足をくっつけた形になりますが、足首からつま先にかけてはスクラッチしました。
頭部の改造
以前制作したRG RX-78-2の時にはスケール的に加工出来無かったのですが、今回はかなり手を入れてみました。Ver.OYWをベースに少し柔らかな印象に近づくよう加工しました。- ヘルメットのツバは削り込んで短くし、フェイス部は1mm前方に寄せて顔がよく見えるようにして印象を変える。
- 後頭部はヘルメット後部中ほどを一旦切り離し楔を入れて再接着、裾の広がった感から丸まった感じに変更。
- ヘルメットサイドのダクトは開口(この加工用に不要になったドリルビットから専用ノミを作りました。)
- メインモニタは大きすぎますがver.2.0は小さすぎに感じるので中間位を狙い、一旦チョンマゲを切り離し上下左右を0.5mmずつ縮小して再接着。この時にヘルメット球体部との位置関係も調整。
- 顎の赤い部分は一回り小さくなるように削り込み。
- ツインアイは少し寄り目がちなのと、基部の黒い箇所が急角度なため斜め前方から見た時に反対側の瞳の見え方が不自然なので、新規に作成。
- アンテナ部分はver.2.0用を使用。
胸部の改造
肩幅の狭いフレームを活かして胸部の体積を減らして自然な体型に近づけています。- 胸部前面の角度を変えるために、胸ダクトに0.5mmプラバンを追加して胸上面を2mm奥まで削り込み。
- 首基部の黄色部分も角度が合わなくなるので切断して再接着。
- コクピットブロック前面先端の位置が低すぎてダラっと垂れ下がった感じなので、2mm追加して角度変更。
腕部の改造
- 前腕を2mm延長。前後に0.3mmプラ板張り込み、側面もパテ盛りしてRを緩やかに。
- 肘の丸一モールドがぬるい印象だったので、一回り大きくしてVer.OYWと揃った形にスクラッチ、おゆまるレジン複製して使用。
- 可動手が大きすぎる印象なので甲を削り込み。
- 肩軸のPCを削り込んで腕を胴側に1mm寄せる。
腰部の改造
Ver.OYWの足とver.2.0の胴体との調和を取るため、ver.2.0を一回り大きくして使用。- 腰アーマーのフレームを左右1mmずつ拡張。フロントとリアのアーマーは下端の角度を緩やかにして2mm延長。サイドアーマーも2mm延長。
- フロントの褌部は左右1mm上下1mm延長。Vマークは位置が上過ぎるので移動。
脚部の検討1
太腿以下Ver.OYWを使用。但し足首より先は大きすぎると感じたので関節も含めてスクラッチしました。今回新しい試みとしてCGでデザインした足をペーパークラフトで出力して実物に当てはめて検討するという工程を行ってみました。
- Shade3Dでデザイン
- Blenderで展開図出力
脚部の検討2
最初に試作したのは小さ目な足裏でこれが付けばかなり安彦氏作画のガンダムに近づくかも!と思ったのですが、その場合脛部もスクラッチしないと流れが不自然になるので今回は断念。いずれ安彦氏作画版ガンダムも作れると良いなあ…(遠い目)- 一回り大きなバージョンを出力して脛との連続性を再検討(この辺はやはりデジタルは楽です。)
- ペーパークラフトで検討しつつ脛で2mm、太腿で6mm延長してより人体に近いバランスに変更。
- おゆまるとレジンで複製した足先
- 安彦氏作画のスマートな足に少しでも近づけるため、サイズを長さ方向で4mm縮小、底面形状を8角形から6角形に変更して踵に向かって絞込、体積を大幅に削減
- アンクルガードは中央部で1mm幅詰め
- 膝アーマーを上部で1mm延長。Ver.OYWのディテールを削り落としたら面が歪になっていたので滑らかに整形し直し。