まず、はじめに市民の主体的な地域づくりの推進につきまして、数点質問を致します。

ご案内のように、松山市では平成16年、松山市地域コミュニティ市民検討会議からの答申を受け、平成18年度には「地域におけるまちづくり基本構想」及び「地域におけるまちづくり基本計画」を策定し、市民自らが主体的にまちづくりに取り組み、自己決定・自己責任によるまちづくりを進めようとしております。

また、平成17年には、堀江地区をコミュニティ推進モデル地区に指定し、実地検証したのち、19年度からはコミュニティ推進地区の立ち上げを進め、本年度までに、雄郡、桑原、中島、余土、三津浜、北条の7地区で、まちづくり協議会及びまちづくり協議会の準備会なども設立されるなど、順調な取り組みがなされてきております。

こうした中、国におきましても、総務省が昨年11月に「地域力創造に関する有識者会議」を立ち上げ、地方自治体、住民、企業等の協働によって「地域力」を高めるための施策について検討を始めておりますし、国土交通省でも、「新たな公(こう)」による地域づくりとして、地域の伝統・文化などの埋もれゆく地域資源を活用しながらコミュニティを創生しようとする動きがございます。さらには、文部科学省でも、地域の人材を活用した学校支援地域本部事業を立ち上げるなど、地域力に注目した事業の検討に入っております。

このような国の動きは、本市の考え方に通じる点もあり、住民をはじめ地域のコミュニティ組織やNPOといった公共的な団体や時には企業といった様々な主体が、連携・協働してまちづくりに関わることで地域の課題を発見し、対応する能力すなわち「地域力」を強め、また行政との協働を進めていくことが、今後ますます求められていく様を示しているものと考えられます。

そこで以下の点についてお聞き致します。

先ず第1点目は、松山市第5次総合計画の主要な施策の一つに、「市民との協働によるまちづくりの推進」を掲げ、地域コミュニティ活動の促進、ボランティアやNPO活動の支援を行うこととしていますが、この「市民との協働によるまちづくりの推進」に関し、これまで実施してきた具体的な取り組みとその成果についてお伺い致します。

第2点目は、昨年末に、内閣官房の地域活性化統合本部会合が、地方再生戦略を改定した中に、地方を再生していくための5つの原則があります。そのなかに、「補完性」の原則と、「自立」の原則というものが規定されています。本市でも「地域力」を改めて評価し、またコミュニティの再生及び活性化に取り組み、その1つの区切りとなる「松山市地域におけるまちづくり条例」を今議会に提案されていますが、先ほど申し上げました「補完性」の原則と、「自立」の原則は、本条例に謳われている「自助・共助・公助の原則」や「自己決定・自己責任によるまちづくり」と意図を同じくするものではないかと理解致しております。 まちづくりとは、まず自分が出来ることは自分で行い、自分だけでは出来ないことは近隣が助け合って行う、助け合っても出来ないことは行政の協力を求めて行うという考え方が重要であります。
また住民によって自立した地域経営をしていくことが望ましい住民自治の姿ではないかと思いますが、本条例によってどのようなまちづくりを目指していくのか、
また、条例提案の時期についてでありますが、私の地元、雄郡地区を含め7地区のコミュニティ推進地区において住民による自発的な活動が既に始まっているという、今の段階で条例を制定する意義についてお尋ねを致します。

3点目は本条例の普及策についてでありますが、まちづくりは、より多くの住民がかかわっていくことが大切ですから、この条例の理念を広く市民に周知していくことが重要であると思います。雄郡地区でもまちづくり協議会の立ち上げに向けて昨年度から活発な議論が続けられており、その活動の模様は住民手づくりの広報紙で地区内の各家庭に配られています。そうした熱心な広報活動により少しずつですが、雄郡地区内にお住まいの皆様に本市の進める住民主体のまちづくりが認識されてきております。また、各種団体が集まって話し合いをするようになったことで、徐々にではありますが、組織間の垣根が低くなってきているということを耳に致します。しかしながら、一般住民の認識は充分とは言いがたく、今後も引き続き周知活動を積極的に行っていく必要があると思いますし、条例が制定されればなおさらのこと、一層の周知活動などが必要となってくると思いますが、条例制定後の制度普及はどのように考えているのか、また、この制度を普及させていく上で、どんな課題があるのかについてお尋ねを致します。

最後に、条例の内容について、いささかの懸念がありますので、お伺いを致します。認定まちづくり協議会以外の活動への支援策についてですが、市内に41ある公民館区域の中には、まちづくり協議会を立ち上げる意欲はあり、立ち上げに向けて努力はしているものの、どんなに努力しても、また、時間をかけても何らかの理由で協議会を立ち上げられない地区が出てくるのではないかと心配致しております。そのような地区にも住民主体のまちづくりを浸透させていくことが大切であり、市の支援は必要であると思いますが、その支援策を考えておられるのかどうかお尋ねを致します。

 

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