2013.3.2
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第333回]


●MIDIで泥沼に(2)

前回からの続きです。
インターネットで購入しました RolandのsoundCamvas SC−88でありますが、期待したようには動作してくれませんでした。



なにしろこういうものをさわるのは初めてでありますから、余計に手間取ります。



幸いかなり使い込んだ様子のものではありましたが、取扱説明書も付属しておりましたので、説明書にしたがってアンプ〜スピーカーに接続いたしました。

接続をいたしましたアンプ〜スピーカーシステムです。
こちらのほうも、もう20年以上も昔に購入いたしました、SONYのミニコンポです。


当時、量販店でみつけて、その余りに安いことに感激して(新品。特価。なんたってSONYなんですから)即購入してしまったものなのでありますが。
大体こういうものには余り興味はありませぬものですから、一等利用しましたのは、レコードプレーヤーでありまして。
ええ、先代(二代目)広沢虎造師匠の清水次郎長伝、なかでも石松三十石船なんぞはもう何回聞きましたことか。

ほら。
本物ですよお。

CDなんかじゃありません。
LP版大全集ですぞ。

今ではちょいとお宝でありましょお。

いえ。
オークションなんぞじゃありませぬ。
当時はまだレコード店で普通に購入できました。
いい時代でありました。

それはそれといたしまして。
SONYのコンポなのですが。
さすがにメカはだんだんと不調になりまして、今ではCDプレーヤーもカセットテープレコーダープレーヤーもすでにご臨終あそばしました。
そういえば、このところずっと多忙でありましたので、久しく石松っつぁんにもご無沙汰でありますが、果たしてレコードプレーヤーはまだ健在なのでありましょうか。
ちょと心配でありまする。

むむ。
我慢ができなくなってしまいました。
心配になりまして、ちょいと試してみるつもりで、かけてみましたら、またしっかり最後まで聞いてしまいました。
ええ。
石松代参。石松三十石船の一席を。

いやあ。
何回聞いてもいいです。

「酒を飲みねえ。酒を。すしを食いねえ。すしを。
江戸っ子だってねえ」
「神田の生まれよ」
「そうだってねぇ。
次郎長てえのは、そんなに偉れえか?」
「おい」
「なんだ」
「酒をごちそうになって、すしをごちそうになって文句を言いたかぁねぇが、言いたくなるじゃあねぇか。
次郎長てえのはそんなに偉れえか、とはなんだ。
かだのだろうという言葉は人を疑るよ。
関東八カ国関外六カ国十四カ国にばくち打ちの親分の数あるなかに、
次郎長ぐらい偉れえ親分が二人とあってたまるけえ!」
「飲みねえ。飲みねえ。飲みねえ!
すしを食いねえ。すしを!」
「神田の生まれよ!」

もしもまだ一度もお聞きになったことがございませんでしたら、ぜひ一度はお聞きになってくださいませ。
上の名調子は余りにも有名ですが、この前段の「石松代参」から「石松の最後」までを通してお聞きになることをおすすめいたします。
ここには今は薄れてしまいました、日本人の心があります。

また横道にそれてしまいました。
元に戻ります。

幸いアンプは健在ですので、SC−88に接続して音を鳴らす役には立っております。
で。
説明書の通りに接続をしまして、SC−88のVOLUMEつまみを押しましたら、説明書にありました通り、音が鳴りました。
そのようにすることで、接続が正しくできているかどうかを確かめることができるのだそうです。
なるほど。
ここまではOKです。

ところが、それからがうまくいきません。
前回ちょいと書きました、インターネットからダウンロードしましたMIDIファイル。
なんでもバッハのピアノ曲だそうでありまして
こちらのサイト(ピアノMidiファイル集 http://piano.s20.xrea.com/midi/main.html)から有り難くダウンロードさせていただきました。
カンタータ第140番(bwv140.mid)です。

それをE−80(仮称)ミニコンにロードしまして、テスト用に作りましたMIDI送信プログラムでSC−88に送ったのですけれど、うんともすんとも言ってくれません。
おかしい。
ということで、あらためてSC−88の取扱説明書を最初からじっくり読んでみましたら、背面にソースをセレクトするスイッチがありまして、それがなんとMACになっておりました(汗)。

おお。
前の所有者様はMACをお使いだったようでありまして。
これじゃあ音が鳴るわけがありませぬ。
ここはMIDIにしなければなりません。
ちゃんと説明書はよく読みましょう。

そのように設定してもう一度やりましたところ。
やっぱり鳴ってはくれません。
なにしろわずか3KBほどのファイルですから、31.25Kbpsで送りますと1秒ほどで送信は完了してしまいます。
よくよくSC−88の液晶表示を見つめていますと、一瞬Buffer Overflowというように表示されたような。

私は、MIDI音源なるものは、そこそこのバッファを内蔵していて、そこに受信データを蓄えつつ、MIDIの約束事にしたがって演奏してくれるものだとばかり思っていたのでありますが。
時代が違っていたようでありますね。
というよりも、根本的にMIDI音源なるものの働きがわかっていなかったようであります。
しかし、それは後になって、少しずつ分かってきたことでありまして。
この時点では、なにも分かってはおりませぬ。

Buffer Overflowということになりますと、これはもうゆっくりとデータを区切って送ってやらなくてはならないということになりますですね。
しかし。
それじゃあ、なんのために31.25Kbpsなんて高速の通信レートの規格があるんじゃあ。
さっぱりわけがわからん。
ま。
ぼやいていても始まりませんから、今度は通信プログラムをBASICで書きまして、1バイト送信するごとにFOR NEXT文でたっぷりとウエイトをかけてみることにいたしました。

そうしましたところ。
おお。
音が。
出た。
出るには出たのでありますが。

なんとも奇妙な音で、これがバッハのピアノ曲?
それとは似ても似つかぬ、まるでこわれたオルガン状態でありました。

あ。
このbwv140.midは、Windows7のMedia Playerでまともに演奏されることは先刻確認済みであります。
むむ。
一体どこがいかんのじゃあ。
FOR NEXTの値をあれこれ変えてみたりしましたが、どうにも納得できません。
とにかく。
送信するたびに出る音が違うのでありますね。
音だけではなく、そのタイミングも全然と言っていいほど、毎回異なっています。

もう、目を血走らせながら、早朝から深夜まで、たっぷりと繰り返しテストをしておりますうちに、ある恐ろしい疑念が脳裏に浮かんできたのでありますね。

ひょっとすると。
こいつは不良品ではないだろうか?

うう。それはないだろーよ。
だって。
オークションなんかで入手したものじゃないんですよお。
全国に店舗がある、かなり大きな(と思いますが、有名なのかどうかは私にはわかりません)某中古楽器店のインターネットSHOPなるところで購入したものなのですから。
まさか不良品をつかまされるなどとは夢にも思ってはおりませんでした。

次回に続きます。

[注記]
ここで書いております方法は少なくともSC−88でMIDIファイルを演奏する方法としては間違っています。
しかし、私にMIDIの知識およびMIDI音源についての知識が欠けておりましたので、この時点では、それが間違っているという認識はありませんでした。
今はそれなりに理解できているつもりでありますので、当記事をお読みになりましても、「この方法ではSC−88で演奏はできませんよ」などというメールは、どうかお送りにならないでくださいませ。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第333回]
2013.3.2upload

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