2021.3.5
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第312回]



●出力ショート電流対策(3)

前回からの続きです。
A点の電圧を計算で求めようとしましたが、最初は2SC1815のベース電流を無視して青色LEDの回路だけで計算した結果、実測値からかなり離れた結果になってしまいました。
あらためて検討したところ、むしろ2SC1815のベース電流のほうが大きいことがわかりましたので、今度は青色LEDの回路を無視して2SC1815のベース回路のほうだけで計算してみました。
その結果かなり実測値に近くなったのですが、まだ少し差があります。
やっぱり両方とも無視できないということになりました。
前回のその結果を受けて今回は両方の回路を合わせて考えてみることにします。

下の図のA点の電圧を求めるという問題になります。

中学校の電気の問題です。
ちょっとむつかしいのでこれは実力テスト級の問題です。
この問題を解く鍵は3つの抵抗を流れる電流です。
図から次の関係式が導かれます。
i1+i2=(4.69−A)/10
i1=(A−2.52)/100
i2=(A−0.69)/51
上の式から
(A−2.52)/100+(A−0.69)/51=(4.69−A)/10
が得られます。
通分すると
51A−128.52+100A−69=2391.9−510A
これを整理して
661A=2589.42
A=3.917(V)

おお。
実測値の3.911Vにほとんど一致しました。
やっぱりこういうことだったのでした。

ことのついでにLEDの抵抗が22KΩの場合についても計算をしてみることにします。
上の計算式で変わるのはi1の式の分母のみです。
(A−2.52)/22+(A−0.69)/51=(4.69−A)/10
510A−1285.2+220A−151.8=5262.18−1122A
1852A=6699.18
A=3.617(V)

このときの実測値は3.647V([第310回]参照)でした。
こちらも差は1%以下ですから、これも正解と考えてよいでしょう。

もうひとつことのついでにLEDの抵抗が51KΩの場合についても計算をしてみることにします。
上の計算式で変わるのはi1の式の分母のみです。
(A−2.52)/51+(A−0.69)/51=(4.69−A)/10
10A−25.2+10A−6.9=239.19−51A
71A=271.29
A=3.821(V)

このときの実測値は3.811V([第310回]参照)でした。
こちらもほとんど一致しました。

さて。
こういうことになりますと。
結局LEDの抵抗を大きくしただけではだめで、2SC1815のベース抵抗も含めて対策を考えなければならないということになります。
しかし。
それではトランジスタのベース抵抗を大きくするか、といいますと、それはできません。
ずっといままでベース抵抗は51KΩということでやってきました。
それをいまさら変えるわけにはいきません。
ならば、どうするか?

次回に続きます。

トランジスタでCPUをつくろう![第312回]
2021.3.5upload

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