トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第346回]
●クロック信号を入力して波形を確認してみました
前回からの続きです。
TR126回路はなかなか定まらずに何回も試作をやり直してきました。
最初の回路はE入力をLにしたときに出力がハイインピーダンスにならずにトランジスタが逆接続状態になって逆電流が流れてしまうことがわかりました。
次の試作では逆電流を防ぐために出力段にダイオードを入れました。
逆電流は阻止できましたが出力電圧がHのときにVcc−0.7V、LのときにGND+0.7Vとなってしまいます。
これもどうもすっきりしません。
あれこれ考えているうちに[第341回]の回路を思いつきました。
われながらうまい回路を思いついたものだと自画自賛して最終的にその回路でいくつもりで基板を作ってしまいました。
ところが。
前回書きましたような経緯でせっかく思いついた回路でしたのに、なんと応答速度が遅いことがわかってしまいました。
どういう状態なのかをはっきりさせるためにE入力にクロック信号を入れて出力波形を確認してみました。
テスト中の写真です。
左側はクロック発生回路です。
右側はTR126試作基板です。
[第341回]の回路のE入力に125KHzのクロックを入力して出力Xの波形を確認しました。
上側(CH1)がE入力に入れた125KHzクロックです。
A入力はオープンです。
プルアップ抵抗があるためH入力になります。
下側(CH2)が出力Xの波形です。
EがHのときは出力もHになりますが出力の立ち上がりが遅れています。
EがLのときは出力がハイインピーダンスになりますが出力回路にLEDがあるためにゆるやかに電圧が低下しています。
出力波形をはっきりさせるため出力Xに1KΩのプルダウン抵抗をつけました。
EがHからLになるときは出力の遅れはみられません。
EがLになると出力は速やかにOFFになるようです。
それはよいのですがEがLからHになるときは1μs弱も遅れて出力がONになります。
Eに入力するクロックの周波数を上げてみました。
250KHzです。
この状態ではE=Hの区間の半分ほども遅れてしまいます。
ということはE入力を500KHzにするとまともに出力されないことになります。
これではMYCPU4には使えません。
MYCPU4のシステムクロックは500KHzです。
比較のために出力回路にダイオードを入れた回路でも同じことをしてみました。
この回路では出力に遅れはないようですが、出力電圧が低いように見えます。
出力を1KΩ抵抗でプルダウンしてみました。
やっぱり出力がHのときはCH1の波形に比べて電圧が低いのがはっきりわかります。
A入力をLにしてみました。
今度は出力が浮き上がっていることがわかります。
速度的には問題はないのですが、やっぱり出力電圧の幅が狭くなるのは面白くありません。
それでは最初の回路はどうだろうか、ということで最初の逆電流が流れてしまう回路についても確認をしてみました。
こちらも出力に遅れはないようです。
出力を1KΩ抵抗でプルダウンしてみました。
出力に遅れはないようですし、出力電圧の幅も問題はありません。
VccからGNDまでフルスイングしています。
うーん。
こうしてみると最初の回路が一番よいように思えます。
しかし最初の回路は逆電流が流れるため残念ながらそのままでは使えません。
ダイオードを使えば逆電流は防げますが出力電圧幅が狭くなってしまいます。
なんとかダイオードを使わないで逆電流を防ぐことはできないものか。
うなりながら考えておりましたら。
おお。
ひらめきました。
ひょっとしたら。
いけるかもしれません。
次回に続きます。
トランジスタでCPUをつくろう![第346回]
2021.4.29upload
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