トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
[第40回]
●BS250でも試してみました
2SA1015のベース入力回路に22pFのコンデンサを使ったオープンドレインNAND回路で、出力側に現れるHパルスの期間が長すぎるということから、それはバイポーラトランジスタの少数キャリアの蓄積効果のせいなのだ、という思ってもみなかった結論に到達してしまったのですが、それでもまだその出力波形には理由が説明できないものが残ってしまいました。
そこはしかしどうやら私の知識経験の限界らしく、もうそれ以上は解明することができないように思いましたので、そこから先への追求はしないことにしまして、ぼちぼち本題に戻るつもりだったのでありますが。
また余計なことを考えてしまいました。
実は少数キャリアの蓄積効果について調べておりますときに、「少数キャリアの蓄積効果はバイポーラトランジスタなどに特有の現象で、MOSFETではそういうものはない」という文章に目がとまりました。
「ほお、MOSFETではそういうことはない?それじゃあ2SA1015の代わりにBS250を使ったらどうなるのだろうか?」
なんて、また余計なことに興味をいだいてしまいました。
2SA1015の場合には、コンデンサがエミッタベース電流によって充電され、その間エミッタコレクタ間がONになります。
しかしMOSFETの場合にはゲートに電流は流れませんから、そこのところがかなり変わってくると思います。
さてどうなるのでしょうか?
そんなところでこだわっていないで、いい加減にトランジスタ式CPU回路に戻らなくてはいけないのですけれど、これもまあ、基礎研究のうちでありましょう。
なんでも頭で考えて納得したつもりになっていないで、実際に試してみることが肝要です。
いままでテストしてきましたオープンドレインNAND回路の2SA1015をBS250で置き換えただけの回路です。
そして2SA1015のときと同じように2つの入力に異なる周波数のパルスを入力して、出力波形を観測しました。
下の画像は2つの入力に1MHzと2MHzのパルスを入力したときの出力波形です。
上側(CH1)は1MHzの入力信号で、下側(CH2)は出力波形です。
負荷はなにもつないでいませんから、Hの期間はハイインピーダンスです。
出力を1KΩで+5Vにプルアップしてみました。
立ち上がりもまあまあという感じです。
ここまではよかったのですが。
出力に負荷抵抗RL=1KΩをつないでみましたところ。
納得できない波形が出現してしまいました。
この画像には見えていませんが、1MHzのパルスが立ち下がるときには同時にもうひとつの入力信号の2MHzのパルスも立ち下ります。
ですから画面右端および中央のところで出力にHパルスが出ているのは納得できます。
しかしその直後に同じように出ているパルスは一体何者でしょう?
ここは2MHzのパルスが立ち上がるところです。
出力にHパルスが出るわけはないのですが…。
パルスの周波数が高すぎて原因の追求には不適当かもしれないと思い、もう少し低い周波数のパルス、125KHzと250KHzのパルスを入力しました。
出力の負荷抵抗は上と同じRL=1KΩです。
出力波形ははっきりしましたが、やっぱりでるはずのないところに小さいですけれど原因不明のパルスが出ています。
このときのBS250のゲート部分の信号波形です。
下側(CH2)がゲート端子部分の波形です。
この波形そのものには特におかしいところはないようなのですが。
上の納得できないHパルスが出力されているのは、このゲート波形の左から2μS、中央、右から2μSの3箇所です。
この画像には見えていませんが250KHzのパルスが立ち上がるタイミングでゲート電位が+側に大きく振れています。
ここでBS250がONになるはずはありませんから、出力にHパルスが現れるのは理解できません。
それに250KHzのパルスが立ち上がるのはそれだけではなくて、左から6μS、右から6μSのところにもあります。
そのところでも同じようにゲート電位が+側に大きく振れています。
しかしそのときには出力にはおかしなパルスは見えません。
あ。
そのときは125KHzパルスもHなので、2N7000がONになって出力がLになるので、パルスが出ていたとしてもつぶれてしまうわけか。
すると。
ここはBS250だけでテストしてみたほうがよいのかも。
本日は時間がなくなってしまいました。
次回に続きます。
トランジスタでCPUをつくろう![第40回]
2015.4.17upload
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る