トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第48回]
●状況を整理してみました
さていよいよ謎解きなのですが…。
果たして真犯人は本当に2N7000なのでしょうか?
そしてあのおかしなパルスは一体どのようにして出力されたのでしょうか?
それを明らかにするために、問題のパルスが出力されたタイミングに注目してみました。
これは[第45回]でお見せした、パルスのタイミングチャート(略図)です。
2つの異なる出力が存在することについてはすでに説明をしました。
このうち状況がわかりやすいタイプBについて考えてみることにします。
下は何回もお見せしています、このテストの回路図です。
[第45回]で説明しましたように、上側の入力に250KHzを入力して、下側の入力に125KHzを入力するとタイプBの出力になります。
それでは、問題のパルスが出力されたときに、上の回路図にある3個のトランジスタはそれぞれどのような状態なのかを、さきほどのタイミングチャートと回路図から考えてみることにします。
まずはBS250についてです。
問題のパルスが出力されたタイミングは、上側の入力に250KHzのパルスの立ち上がりが入力されたときです。
逆に考えるとそのときまでは上側の入力はLレベルだったといえます。
入力パルスがHからLになったときは入力コンデンサの働きでBS250が瞬間的にアクティブになって、Hパルスが出力されますが、そのあと入力がLレベルを継続していてもBS250はOFF状態になります。
BS250の入力はもう1本あってそちらもコンデンサを介して下側の入力につながっています。
回路としては全く同じなので、こちらも上側の入力と同じことが言えます。
下側の入力はこのタイミングではずっとLレベルを継続している状態です。
当然下側の入力状態ではBS250はOFFです。
さて実は上側の入力が立ち上がったときにはコンデンサの放電によってBS250のゲート電位は+5Vよりも高くなります。
このときBS250の出力はどうなるのか、その瞬間にはBS250がONになるのではないか?
しかし今それを言いますと話が複雑になってしまいます。
ですのでそれについては後ほど考えてみることにいたします。
ここでは話を簡単にするために、このタイミングではBS250はOFF状態のままにある、と仮定しておきましょう。
とりあえずBS250については嫌疑不十分でひとまず釈放、というところでしょうか。
それでは、2個の2N7000はどうでしょうか。
まず下側の2N7000から先にみてみることにします。
上でBS250のときに説明しましたように、このタイミングのときには下側の入力はLレベル状態です。
ということはこのとき下側の2N7000はOFF状態であるといえます。
これはもう事件には無関係ということで即日釈放ということでありましょう。
さてそうしますと、残るは上側の2N7000だけということになります。
ここで問題のパルスが出力されたタイミングでは、BS250もそして下側の2N7000もOFFの状態であった、という上の考察結果を回路図にあてはめてみますと、そのときの上側の2N7000は結局下の回路図の状態にある、ということになってしまいます。
おいおい。
これではこの2N7000は死んでいるも同然ではないか。
つうことは、犯人不在???
いや、それはおかしいではないか。
ということは、どこかで考えが間違っている???
トランジスタでCPUをつくろう![第48回]
2015.4.25upload
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