2015.3.9
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第6回]


●とりあえずはBSS84で動作テストに着手

前回書きましたようにPチャネルMOSFETがネックになりそうです。
TO−92(3本足のタイプ)はどうしても譲れない一線であるとしますと、当面は流通在庫からBS250を調達するということになりそうです。
それがいつまで可能かはわかりませんが、できることをできる範囲でやるしかありません。
BS250は国内では入手不能のようなので、海外から調達することになります。

むむ。
円安が実に痛い。
しかし為替の影響を別にしても、BS250の調達価格は高くつきそうです。
とても2000個も3000個も使える価格ではありません(そもそもそんなに沢山入手できるのか?)。
ここは何か別の手を工夫しなければなりません。

実は、ある案を検討中です。
その案につきましては、いずれ皆様にご披露申し上げるつもりでおります。

ま、しかし、まずはMOSFETを使ってみなければ、話が先に進みません。
基本的な回路を2N7000とBS250で作ってみて、それを評価するところから進んでいきたいと思います。

BS250は試しに使ってみるつもりで海外から取り寄せることにしましたが、実際に届くまでに時間がかかります。
なにしろもう走り出してしまったものですから、基本的な回路テストぐらいはすぐにでも着手したくてたまりません。
もう、我慢ができないものですから、BS250が届くまでのあいだ、とりあえずは2N7000とチップタイプのBSS84を使って基本的な回路のテストを開始しました。

●まずは74HCU04回路です

ロジック回路の基本中の基本はインバータ回路です。
74HC04がその代表ですが、IC内部の構成はやや複雑でインバータを多段に接続したバッファになっています。
PチャネルとNチャネルのMOSFET各1個で構成したインバータに近いのは74HCU04です。
これはアンバッファタイプのインバータです。

下はBSS84と2N7000で組んだインバータ回路です。


もうこれ以上簡単にしようがない、じつにシンプルな回路です。
動作も単純明快です。
ベース入力に約+2Vを越える電圧がかかると下側(Nチャネル、2N7000)のドレイン、ソース間が導通して出力がアース電位になります。
逆にベース入力に約+3V以下の電圧(Vdd−2V)がかかると上側(Pチャネル、BSS84)のドレイン、ソース間が導通して出力がVddになります。

ここで注意が必要なのは、入力に+2V〜+3Vの電圧(つまり1/2Vdd近辺の電圧)を与えてはならないということです。
入力がその範囲のときは上のトランジスタ(Pチャネル)と下のトランジスタ(Nチャネル)が同時にON状態になるので、2つのトランジスタを通してVddからGNDに過電流が流れて、最悪の場合にはトランジスタが熱破壊されてしまいます。
入力信号がない場合にはベース端子を適当な値の抵抗でVddかGNDに接続して、どちらか一方のトランジスタのみONになるようにしておかないと危険です。

ところでMOSFETの回路図記号は一般に上図右のように表されます。
これはMOSFETの構造を示している記号なのですが、それを使う側からしてみると、構造などどうでもいいことで、そんなことよりも図右の記号の矢印の向きのほうが気になってしまいます。
前にも書きましたようにPチャネルMOSFETはバイポーラのPNPトランジスタ(2SA1015など)と使い方が似ていて、NチャネルのMOSFETはNPNトランジスタ(2SC1815など)とよく似ています。

ところが上図右の記号は矢印の向きがバイポーラトランジスタとは逆です。
またバイポーラでは矢印はエミッタについているのに、上図右の記号ではドレイン側についています(厳密にはドレインではなくて真ん中の端子、バックゲートについているのですが)。
とにかく上図右の記号は回路を描いたり読んだりする上で実にまぎらわしくて間違いやすいので、上図左の記号を使うことにいたします。

次回は上でお見せした回路を実際にジャノ目基板に組んで、その動作波形をオシロで観測してみます。

トランジスタでCPUをつくろう![第6回]
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