2018.2.8
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KL5C80A12マイコンボードの製作

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KL5C80A12はZ80互換の高速高性能8ビットマイクロコントローラです。
残念なことに数年前に生産中止になってしまいました。
しかし当社ではKL5C80A12を使った組込みマイコンボードはまだ健在です。
そのKL5C80A12を使ったND80Z3.5上位互換マイコンボードの製作記事です。
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[第16回]


●DS1307のテスト

[第11回]で書きましたように、今回の試作基板にはDS1307をあとからジャノ目基板で追加してあります。
DS1307は新マイコン独立化セットのROM/RAM/RTCボードに搭載しています(「ROM/RAM/RTCボードの製作」[第5回]参照)。
新マイコン独立化セットとしてはすでに基板を製品化して、当然DS1307も動作を確認済みですが、今回の試作基板では新たにジャノ目基板で追加しましたので、まだ動作の確認をしていません。
DS1307回路はプリント基板に追加配線することになりますから、まずはジャノ目基板の状態でちゃんと動作することを確認しておかなければなりません。
DS1307の制御プログラムは最終的にはZB3BASICのDATE$、TIME$に組み込むことになりますが、その前にまずはマシン語のサブルーチンプログラムを作って基本的な動作の確認をしておきます。
DS1307のテストプログラムは「ROM/RAM/RTCボードの製作」[第9回]で作りました。
そのときのプログラムとほとんど同じです。
下の画像の左側に今回使ったマシン語プログラムの終わりのところが見えています。
回路もROM/RAM/RTCボードとほとんど同じですが、I/Oアドレスの90HにDS1307以外の回路もつながっているために、90HにOUTするデータの下位4ビットをマスクしていることと、前回書きましたようにKL5C80A12はND80Z3.5(ND80ZV)のZ80CPU(6MHz)よりも高速なため、ウェイトのための5μSサブルーチンを書き換えています。
画面右側では今回の試作基板をWindows98SEにUSB接続してZB3BASICを起動して、BASICプログラムとマシン語プログラムをロードしています。

BASICプログラムは「ROM/RAM/RTCボードの製作」[第9回]で作ったものを使いました。
ただし日付、時間の部分だけを書き換えています。
A%が17分30秒、B%の下位2桁が16時、C%が2月4日、D%の下位2桁が西暦年の下2桁(18年)です。

実行しました。

DS1307に設定した日時データを送出したあと、すぐに今度はDS1307から日時データを読み出してそれを画面に表示しました。
表示順はプログラムとは逆にD%〜A%の順にしてあります。
上から
西暦年の下位2桁(18年、上位2桁は制御データ)
2月4日(上位桁が0のため3桁で表示されています)
16時(上位桁は曜日を示す数値ですが、このシステムでは使いません)
17分30秒
です。
設定した直後に読み出したため、設定値と同じ時刻データになっています。

DS1307が正しく機能していることを確認するため、GOTO 120であらためてDS1307から日時データを読み出しました。

最後の分秒の値が18分17秒と表示されています。
これでDS1307が正常に時を刻んでいることが確認できました。

●DATE$、TIME$を組み込みました

上で作ったDS1307サブルーチンをKL5C80A12用のZB3BASICシステムプログラムに組み込んで、DATE$、TIME$が使えるようにしました。

ついでにSDカードインターフェースボードも接続してDIRコマンドも使ってみました。
DATE$の日付はさきほどのテストから2日後になっています。
この画面だけを見ますとND80Z3.5(ND80ZV)のZB3BASICと見分けがつきません。
実際に試作基板に組み込んだROMはND80Z3.5(ND80ZV)用のROMとは別物でKL5C80A12のために必要な部分を一部書き換えているのですが、見かけ上の動作はND80Z3.5(ND80ZV)用のZB3BASICと変わりません(ただし高速です)。
Windows側のシステムプログラムとしてはND80Z3.5(ND80ZV)用のZB3.exe、ZB3DOS.exeで起動できます。

●DS1307追加回路図

参考までに今回追加したDS1307を含む部分の回路図を下に示します。
DS1307は右下の部分にあります。



KL5C80A12マイコンボードの製作[第16回]
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