八ヶ岳西南麓に広がり、縄文中期(5000年前〜4000年前)に華開いた井戸尻遺跡群のうち、藤内遺跡は諏訪郡富士見町烏帽子の台地上にあります。昭和28年(1953)の最初の発見以来、数回の調査が行われ、住居跡や墓穴からは数多くの土器・石器が発見されました。
なかでも特殊遺構(中央墓群)、9号住居址、32号住居址からはたいへん優れた造形の土器が出土し、縄文の神の姿を土器に表した「神像筒型土器」をはじめとして、石器・土器あわせて199点が「中部高地における縄文土器造形の、一つの到達点を示す一括資料」と評価され、2002年に国の重要文化財に指定されました。 これらは現在、井戸尻考古館内の展示室で公開されていますが、その秀逸な土器の造形からは、自然や宇宙に対して新石器時代の人々が抱いていた世界像を見出すことができます。 甦る高原の縄文王国の出土品を是非ご覧ください。大勢の方々のご来館をお待ちしております。 |