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情報ソースを一本に絞ることの危険性 |
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平成19年10月15日 企画法規部次長 鈴木 崇
業務情報特別対策委員会
諮問事項に対する個人的見解 から抜粋
三つ目に、情報ソースを一本に絞ることの危険性について考えなければいけない。
情報収集において、情報の精度から情報元は「原情報」により近いこと、情報の安定収集という点から「複数の情報源」を持つこと、さらに情報の取捨選択は「他者に委ねてはならない」ことが基本原則となる。
仮に情報ソースを一箇所に集約した場合、その情報ソースに何らかの問題が発生した場合、自分に入ってくる情報が激減する危険が生じる。
また、情報に編集が介在した場合、自己の業務において必要であるはずの情報が「すべて」入ってくるかどうか保証されなくなる。例えば「関連情報・類似情報」などについて、一箇所に情報源を集約させていた場合、編集元判断により不必要と判断されるとそれらの情報は自分には入ってこなくなる。
さらに「編集済み情報」とは、「原情報」を何らかの意思により変質させたものである以上、正確性という面において信頼度が低くなり、結局は「原情報」を確認しなくてはならなくなり二重の手間となる。
当会が会員に発信する情報は原情報をコピーまたは編集した情報に過ぎない。これら「二次情報しか発信できない」組織が積極的に情報集約し発信することは、いたずらに二次情報を増加することとなり、メリットよりもデメリットを生じやすいので特に注意が必要となる。
なお、ネットにおいて情報発信がしやすくなった現在において、これら類似情報の増加・二次情報の増加は、必要となる原情報を逆にいたずらに埋没させることとなり、“悪貨は良貨を駆逐する”のたとえどおり情報氾濫を発生させる要因となるために、現在、注意が必要とされている事を付け加えておく。
上記3点の視点からまとめると、会が情報を積極的に収集する事について、その目的が会を経由し一般会員に情報を提供するための情報ラインとして考えるのであれば、それは情報収集の手段としては誤った認識であり、むしろ弊害の方が大きいといえる。
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