Album Review                                              

今日は雨の日です
〜Tetsuroh Kashibuchi 
archives vol.1 1967〜


Original Release
2002.09.28CD:moldau-001
MOLDAU DISC

1.今日は雨の日です

作詞:
かしぶち哲郎

作曲:
かしぶち哲郎

2.言葉、失くして

作詞:
かしぶち哲郎

作曲:
かしぶち哲郎

3.Beep Beep Be...allright

作詞:
かしぶち哲郎

作曲:
かしぶち哲郎

4.悲しみ

作詞:
かしぶち哲郎

作曲:
かしぶち哲郎

    かしぶち哲郎の原風景とでも言える音源が自身のレーベル、モルダウ・ディスク第1号の作品として
    発表された。タイトルは『今日は雨の日です
〜Tetsuroh Kashibuchi archives vol.1 1967〜』。はちみつぱい
    以前の音源ということで、貴重なものばかり全4曲が収録されている。全編を通して感じるのはその
    早熟さだ。ムーンライダーズのヴァージョン違い、厳密に言えばこちらが本家本元になるのだろうが、
    も収録されているので是非とも聴き比べをして欲しい。このCDだが、200枚の限定物で各CDに通
    し番号が添えられている。世界に1枚しかないアイテムということでファンには嬉しい配慮だ。因みに
    私は10番だった。

    1.今日は雨の日です【作詞・作曲:かしぶち哲郎】

    作曲したのが16才の高校時代の楽曲。なんとかしぶち哲郎はこの時すでに30曲くらい作曲していて、
    小学生の頃、宿題で32小節作って音楽の先生(もちろん女性)に褒められた記憶があるという。32
    小節作っていくところなど非凡な子供時代だったようだ。この楽曲は、サンケイ新聞の作詞作曲コン
    クールで2位になったもので、何でも地元宇都宮の有力者のコネでラジオ栃木のスタジオを無償
    で借りて録音された。賞金1万円はみんなで焼き鳥を食べて終わったらしい。音源はオープンからカ
    セットテープに落としたそうである。因みにそのときのコンクールの1位はシリア・ポールや高橋基子
    が在籍していたモコ・ビーバー・オリーブだった。ソロライブでも披露することがある。


    2.言葉、失くして【作詞・作曲:かしぶち哲郎】
  この曲も前曲と同じく高校時代の作品。実はリラのホテルも高校の時の作品だったというのは意外と
    知られていないようだが、その時代の作品ということになる。タイトルの「なくす」は、「失」という字が
    宛がわれている。ひょっとしてこの楽曲がドラマーかしぶち哲郎の最初期の音源ということになるだろ
    うか。貴重な音源だ。またバックで絶えず鳴り続けるギターは同級生で赤点仲間だった野澤享司氏。
    リヴァーブの中で高音に突きあがるかしぶちヴォーカルは、どこかはっぴいえんどでヴォーカルを取る
    鈴木茂のような雰囲気を感じる。サウンドはプロコルハルムを意識したそう。


    3.Beep Beep Be...all right【作詞・作曲:かしぶち哲郎】
    『モダーン・ミュージック』に収録されている「Beep Beep Be オーライ」の原型となった楽曲。録音は69年。
    ホームレコーディング。歌詞の内容がとてもウブ
テンションの高いライダーズヴァージョンを先に聴いて
    いるので、静かに朗々と歌っている本ヴァージョンが妙に印象に残る。以前ソロライヴで披露されたこと
    があったが初めて聴いた時は全く「別物」だったことを覚えている。自宅録音のせいなのか前半子供の
    声が入っている気もする。また良く聴くと偶然通りかかったかのようなバスのクラクションがSEとしてさり
    げなく入っているのも凝っている。ボップノイズみたいに終わるエンディングが、かしぶち哲郎にも素人っ
    ぽい所があったのかと、考えれば当時は素人か、好感を持てた。


    4.悲しみ【作詞・作曲:かしぶち哲郎】
    本作品中では最も古い録音(67年)になる楽曲。音質はやはり隔世の感があるが、1分にも満たない作
    品とは言え、その後のかしぶち作風とも言える陰りのある独特なコード進行の片鱗を垣間聴ける。早熟
    さにある意味一番衝撃を受けた楽曲かも知れない。



    また、機会があれば現在の録音環境で今一度再録音してくれたらなと思うのだが...。
  
   
    2002.10初稿

    (text by樫の会 KRAFT.WARTZ)

    to Album Review 
  

    | | | | | | | |