Album Review                                              

彼女の時

Original Release
1985.07.07(AD)MIL-2001
Dear Heart / MIDI
1985.08.05(CD)MID-2001
1991.08.21(CD)MDC5-1078

1.眩暈

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

2.柔らかいポーズ

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

3.ロンドンタウン

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

4.DIALOGUE

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

5.彩 夏 夢

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

6.緑の果て

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

7.S・Ex
 (SENSUOUS EXPERIENCE)

作詞・作曲
かしぶち哲郎

編曲
かしぶち哲郎

    「S・Ex」なんてライダーズでのセルフ・カバーをしていたりしてセカンド・ソロ・アルバムは全6曲入りで、
    ミニ・アルバム的な内容となった。本アルバムは、85年の発表であるが、2004年現在、リリースから
    既に19年、もうそんなに経ったのか。ライダーズ的時間換算によれば比較的最近作?と思っていたの
    に。恋の遍歴一挙公開って具合なこのアルバム。    『彼女の時』なんて、もう羨ましいやら、羨ましい
    やら、羨ましいやら。さしずめ自分でこんなアルバム作るとしたらタイトルは『彼女だけの時』に即刻決
    定。実に寂しい限りである。

    さて本作が発表された85年にはムーンライダーズも『アニマル・インデックス』という実に硬質なサウン
    ドの作品をリリースしているが、「
Frou Frou」という楽曲を聴き、これがかしぶち楽曲だったのを知って、
    かしぶち哲郎に一生ついていくことを固く決心したものの、同作品でかしぶちヴォイスは聴かれずじま
    いだったので悲しい思いをした向きも多いのではないだろうか。

     その反動?なのか歌いたおしているのが本作『彼女の時』だ。しかもゲストに矢野顕子、大貫妙子、
    石川セリを迎えデュエットを3曲、また「柔らかいポーズ」ではそのゲスト3人をバックコーラスに従え
    るという贅沢な内容の作品になっていて聞き所満載という感じだ。さらにさらに、坂本龍一、大村憲司、
    細野晴臣、渡辺等、清水信之等のそうそうたるミュージシャンがコミットしている。こんな環境で歌い
    たおせるかしぶち哲郎にやはり一生ついていく決心がついたのは言うまでもない。

    さて、個人的には「彩
夢」に夢中で、確か、この曲、石川セリへ提供したセルフ・カバーだったと思
    うが、
ギターの音色を聴いた瞬間には、おぉ大村憲司参加?(実際に違う楽曲で参加してます)って
    感じがしたのであるが、どうしてどうして盟友白井良明氏だったと知り、やや恐縮。

    ところで、導入部のリズムを聴いて思わず「いよっ!待ってました!」って叫んでしまった諸氏も多い
    のではないかと勝手に推察するのだが、この楽曲って「いきそうで、いかない」って言うか、昇天する
    ポイントをちょっとズラしていて、このあたりの構成美はかしぶちワールドの持つロマンティシズムとフ
    ァンキーさとが上手い具合に融合した時に生まれるまさに神髄を聞く思いがした。是非ともライダーズ
    のアレンジでも聴いてみたい楽曲だ。

     BACK SEAT」や「Frou Frou」を始め、本作発表以降に生まれた作品、90年代だと「プラトーの日々」、
    21世紀に入ると「カーブ」と言った作品なんかも間違いなくかしぶち哲郎しか作れないものだろう。85
   
年と言えばEVE、中原理恵(欽ちゃんファミリーっていって良いよね?)などのプロデュース・ワーク、
    岡田有希子作品のアレンジなど課外活動も盛んだった80年代。かしぶち哲郎の絶頂期に生まれた
    のが『彼女の時』だった。
    
    ※1998.2 の初稿に加筆
    ※文中敬称略 

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