
Album Review
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大石恵 恋人 |
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1.白い一日 |
作詞・作曲: |
訳詞: |
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2.Be my baby |
作詞・作曲: |
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3.恋人たちのいる時間(Instrumental) |
作曲: |
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4.あなたのそばに |
作詞: |
作曲: |
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| For M1,M3,M4. Sound Produced by かしぶち哲郎 | |||
『20世紀のムーンライダーズ』(月面探査委員会:編 音楽之友社)にはかしぶち哲郎のプロデュースワー
クを「・・・ミュージシャン専業ではない人物を手掛けることが多い・・・」と表現している所があって、まさに
その法則にのっかったかのように我らがかしぶち哲郎が、今度はお天気お姉さん、いやもとい元お天気
お姉さんの大石恵をプロデュース。大石恵自身訳詞を手掛けているカヴァー曲を含め4曲収録されたミニ・
アルバムのタイトルは『恋人』。全4曲のうち、3曲をかしぶち哲郎、残り1曲を橋本由香利がサウンド・プ
ロデュースしているというやや変則的な格好。清楚なお嬢様という浅薄なイメージと、歌手「大石恵」とが
どこで結ばれるのか、はたまた全く結ばれずに大団円を迎えるのか架空サウンドトラック・ソングブックを
興味津々で一聴した。
1.「白い一日-JOUR DE NEICE」P.Grosz/G.Lunghini-V.M.Bouvot
訳詞:大石恵
「白い一日」というと井上陽水しか思い浮かばないので、本楽曲の元ネタについては識者にフォローして
頂くとして、この手のサウンドはもう文句なく好み。おどろおどろしく始まる導入部、薄くかかる白玉ストリ
ングス、うわものの音色等は日本のリチャード・バルビエリこと板倉茂隆の趣味であろうか。清楚なお嬢
様だと思いきや、どこかニュー・ウエーヴ臭さを感じさせる攻撃でくるとは全くの予想外だった。大石ヴォ
ーカルも、ヴォーカルというよりはヒューマン・ヴォイス系の楽器(ストリングス)として聞こえてきて、妙に楽
曲にとけ込んでいる。ギターは古川昌義。かしぶち-板倉-古川ラインで、こういう路線のアルバムを演っ
てくれないだろうか。聴き終わって無性に大貫妙子の「CARNAVAL」を聴きたくなったのは何故だったん
だろう。
2.「Be my baby」作詞/作曲:橋本由香利
橋本プロデュース楽曲。ドラムスにはBL.ワルツの小西昭次郎、ベースにはカジヒデキのバックやBL.ワ
ルツのサポート等をしている阿部光一郎。レベッカにこういうのなかったっけ?なんて最初の5秒間くらい
で思いつつ前曲のアンニュイな表情とは一変したので正直戸惑いを感じてしまった。チープなロック・オ
ルガンに先導される本楽曲のサウンドは、非常に乾いている。大石ヴォーカルの繊細さと、荒削りな演
奏スタイル。このギャップを狙ったのかも知れないが、どんな感じで歌うのか、是非とも一度ライヴを見て
みたい。これは歌手「大石恵」のキャラクターが決定していない段階だからこそ聴ける逸品だとするのは
考え過ぎか。
3.「恋人たちのいる時間」(Instrumental)作曲:かしぶち哲郎
カリフォルニアの青い空から舞台は再びヨーロッパへと言う感じか。この曲とラストを飾る曲は『fin』に入
っていてもよさそうな気もする。ひょっとして『fin』のアウトテイクスだったのかと余計な気も。キーボードに
板倉茂隆、ギターに古川昌義、バッキング・ヴォーカルに新居昭乃、アコーディオンに丸尾めぐみ。そし
てかしぶち哲郎のスキャット入りというおまけつき。もうこの布陣にして何をかいわんや状態。
4.「あなたのそばに」作詞:上田美由紀 作曲:かしぶち哲郎
他の楽曲に比べ歌手「大石恵」を一番具現化しているのがこの楽曲ではないだろうか。作詞はトウキョ
ウローズの上田美由紀。収録されているのはだいたい本楽曲のようなイメージが勝手にあったので、
それが本楽曲しかなかったので、その他の収録曲は意外なものばかりだったことを告白してしまうが、
逆に言えば今後の「大石恵」キャラの方向性を各楽曲とも暗示しているとも言えるのか。でもこの曲なん
だよな、歌手「大石恵」のイメージってのは。
(KRAFT.WARTZ)
(初稿 99.10.12)
(文中敬称略)
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