Album Review                                              

釣りバカ日誌
10周年メモリアルアルバム


Original Release
1994.12.21VPCD-81081 VAP

『釣りバカ日誌10』('98) オーケストレーション四家卯大(Track01,08)

01.メインタイトル(M-1)

02.スーさんと前原運転手、伊    東で釣り(M-7)

03.「鈴木建設!?」スーさんどっ   きり(M-10)

04.社長室、作業着のスーさん
(M-13)

05.みどりからの手紙(M-21)
06.九州へ・小倉行き新幹線(M-22)
07.松五郎とみどり(M-24)
08.ハマちゃん、スズキを釣る〜エンディング(M-25)

    今や国民的娯楽映画となった『釣りバカ日誌』も今年で数えて10作目。西田敏行扮するハマちゃんに、
    植木等扮するあの無責任男を重ね合わせる人も多いのではないだろうか。正に「平成の喜劇映画」に
    相応しい歩みを遂げてきたシリーズである。今作(第10作)では、何とスーさんこと鈴木建設社長鈴木
    一之助(三國連太郎)が、突如会社を辞め、ボイラーマンとしてビル管理会社に再就職をするという。し
    かもその派遣先が鈴木建設という設定。果たして一之助の第2の人生は如何に・・・・。スーさんの再就
    職先での相棒役に若手俳優の金子賢、その恋人役に宝生舞が出演。

    シリーズ10周年を記念し、メモリアルアルバムがリリースされている。シリーズの音楽担当は1作目か
    ら4作目までは佐藤勝氏、中西俊博氏、三木敏悟氏など特に決まっていなかった。しかし第5作目から
    は「画面に批判的なポジションで音楽を書ける人」を担当させる事により、『釣りバカ日誌』の定型化を計
    ることになる。

    そして、栗山監督のリクエストにより、かしぶち哲郎氏が音楽を担当する事になるのである。1992年の
    事である。栗山監督は、かしぶち氏の『さよならの女たち』を耳にし、これをきっかけにかしぶち氏の起
    用を決めたようであり、ムーンライダーズのかしぶち哲郎というよりは、映画音楽家としてのかしぶち哲
    郎に音楽担当を依頼した格好だ。92年と言えば、ムーンライダーズが『A.O.R.』を発表した年である。

    なるほど、同作品にかしぶち氏が殆ど参加しなかった理由も頷けるか(笑)。また、3作目のソロ・アル
    バム『fin』が翌93年だから、その制作準備の年でもある。何れにしたって、某バンドのことよりもかしぶ
    ち哲郎としての活動が非常に活発だった年、ということは出来ないか。

    今回のメモリアルアルバムは、過去アルバム化されていない第7作から第9作までを含めた、いわば
    『釣りバカ日誌』の音遍歴集大成盤でもある。『釣りバカ日誌10』の音楽であるが、栗山監督からは
    「リズムで行こう」との指示が出ているようで、いつになく抑揚のあるサウンドが随所で聴かれる。四家
    卯大のオーケストレーションによるメインタイトルで雄大かつ流麗なストリングスを耳にしたかと思えば、
    エスニック風パーカッションあり、ナット・キング・コールが唄ってそうなスタンダード風ありと、呆れるくら
    いにリスナーを飽きさせない。

    釣りバカでのかしぶち作品を聴いてみようと思うのならお薦めの作品だ。

 
    <参考>以下収録楽曲

『釣りバカ日誌9』(’97) 『釣りバカ日誌6』(’93)
音楽:かしぶち哲郎 音楽:かしぶち哲郎
オーケストレーション:武川雅寛(Trcak10,11,14) 29.「釣りバカ日誌6」メインテーマ(M2)
09.松竹マーク〜メインテーマ(M-1REMIX)
10.メインタイトル(M-2REMIX) 『釣りバカ日誌5』(’92)
11.熱海洋上のエリザベス号(M-9) 音楽:かしぶち哲郎
12.馬場部長の追跡(M-10) 30.「釣りバカ日誌5」メインテーマ(M2)
13.馬場と茜のテーマ・追想(M-19REMIX)
14.甑島の砂浜〜エンディング(M-23REMIX) 31.鈴木建設社歌 作詞・不肖 作・編曲:久石譲
『釣りバカ日誌8』(’96) 『釣りバカ日誌S(スペシャル)』(’94)
音楽:かしぶち哲郎 音楽:佐藤勝
オーケストレーション:棚谷祐一(Trcak15,21,22) 32.「釣りバカ日誌S(スペシャル)」メインテーマ(M3T5)
15.松竹マーク用音楽(M-1)
16.「釣りバカ日誌8」メインテーマ(M-2) 『釣りバカ日誌4』(’90)
17.ハマちゃんのヒット!〜メインタイトル(M-3) 音楽:佐藤勝
18.社長室、スーさんと和美(M-15) 33.「釣りバカ日誌4」メインテーマ(M2)
19.和美と博士の結婚式(M-19EX+M-19)
20.ハマちゃんとスーさん、渓流釣りへ(M-21) 『釣りバカ日誌3』(’90)
21.スーさんの負傷〜嵐の一夜(M-22) 音楽:中西敏博
22.ハマちゃん、たなご釣り〜エンディング
(M-30)
34.「釣りバカ日誌3」メインテーマ(M2)
『釣りバカ日誌7』(’94) 『釣りバカ日誌2』(’89)
音楽:かしぶち哲郎 音楽:久石譲
オーケストレーション:丸尾めぐみ(Trcak23,25,28) 35.「釣りバカ日誌2」メインテーマ(M2A)
23.プロローグ・福井駅(M-2)
24.メインタイトル(M-3) 『釣りバカ日誌』(’88)
25.彩子のテーマ・出会い(M-5) 音楽:三木敏悟
26.ハマちゃんとスーさん・友情の復活(M-16) 36.「釣りバカ日誌」メインテーマ(M2)
27.スーさんと彩子の別れ(M-20) 37.エンディング
Something Will Be Together(M19)
28.エンディング(M-21)
−ボーナス・トラック−
38『釣りバカ日誌10』劇場用特報音声
※Track01〜30はステレオです。

    (樫の会 KRAFT.WARTZ)
    (文中敬称略)

    to Album Review 
  

    | | | | | | | |