
articles
![]() |
ムーンライダーズの凄さ ムーンライダーズの凄さって、スタジオでの緻密な音作りに感じるのは勿論だが、やはりその神髄はライブに於ける演奏力だと思う。それは「生音」だから良いとか、「打ち込み」だからダメ(その逆もある)という次元ではなくて、「生音」だろうと「打ち込み」だろうと、オリジ ナル楽曲をライブで如何に表現するか、というテーマに於いてムーンライダーズという集団は命を掛けている節が見てとれるのだ。僕はその姿勢にず〜っと痺れちゃってて、未だに彼らの呪縛から逃れられずにいるという次第。 だから、今回のこのライブで聴かれた真っ直ぐな4ビートやボサノバ、それにジャズのインプロビゼーション的なアプローチなどは、既存の雛形に乗っかった手法でもあるので、敢えてひねくれた言い方をすると、出来ることを当たり前に演っただけで、ムーンライダーズとしては珍しく手を抜いたのかななんて思っちゃうわけだ。まさか今後はこういう芸風でいこうとメンバーが思っているとは到底思えないが..。まぁ、たまには良いのかな。 でも考えてみるとこの「手抜き演奏」、実は意図的なモノかも知れない。裏の裏ってやつ。ライダーズ一流の暗号だったのかもなんて、勘ぐりすぎかしら。 50歳を目前にしたミュージシャンたるもの、メンバーにはもっともっと頑固で、職人気質でいてもらいたいと思う。近所から厭がられるくらいのお爺ちゃんみたいな、理想はそんな感じ。まぁこのあたりで、オーソドックスな音楽の価値観と敢えて縁を結んで、一花咲かすのも良いかも知れない。 考えてみればライダーズが売れる要素って、音楽性とか宣伝方法、媒体云々ということじゃなくて、意外と「年齢」なのかも知れない。人間やっぱり歳には勝てないというか。 でも、美しいものを美しいと言うライダーズ、これもあんまり信用出来ないんだけどなぁ。 ※Text by KRAFT.WARTZ (樫の会) ※1998.04.26にniftyserve(現@nifty)内のFBEAT ムーンライダーズ会議室への発言 内容を加筆修正。 ※2004.07にアップ。 ※文中敬称略 |
|