〜スプラッターハウス〜
機種:アーケード、メガドライブ
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●ああ、懐かしの日々

 ご存じでしょうかこのゲーム。懐かしいですね、初めて見たのは小学4年生の頃でした。私ン家の近くにはダイエーがありまして、そこの最上階が簡単なゲーセンになっていたんですが、なんだかよくわからないアクションものやシューティングが氾濫する中、化け物を鉈でカッティングするようなこのゲームが一際異彩を放っていたものです。しかし、私は当時自由になる金などはまったくなく、さらに「ゲーセンはいけない」という学校の教えを盲信していたものですから、ただ遠くで眺めているしかなかったのが実情でした。


●今こそ、この手で終末を!

 それから10年以上経ったある日、前の勤め先近辺のゲーセンでそのスプラッターハウスが稼動しておりました。今はかなり古いものとなり、ナムコミュージアムにも収録されなかったこのゲーム、今それが目の前で動いているのです。これは運命なり、私はそう思いました。幼き日々の屈折した憧れが蘇ります。もはや遊ぶしかないでしょう。あからさまにわざとらしい仮面の怪人を駆って、さあ連れ去られた恋人ジェニファーを助けに行きますか。

 それからしばらく、一部安定しない箇所などもありましたがどうにか1コインでのクリアは達成できました。さらにいろいろな人のプレイを拝見することで更にデータが蓄積されたため、現状では安定しないのはステージ6くらいなものですね。まあ100%の安定ではないためときどき頓死などありますが、今でも遊べばおおよそラストまでは行けるでしょう。幼いころの夢の一つは、ここに叶いました


●名前に恥じぬ凄絶さ

 しかしアレですね、 PCエンジン版である程度知っていたと言っても、やはりこのゲームは難しいんですね。最近の方はこのゲームのことを知らないかもしれませんので、ここでちょっと解説を。

 完全な横スクロールタイプ、体力+残機制のアクションゲームです。システム的にはいたって平凡で、自分のダメージ判定が大きめだったりダメージ直後の無敵時間が短いとかそういうこと以外は、別に目新しいものではありません。では何がそんなに強烈なインパクトを持つかといいますと、その全編にわたるおどろおどろしい雰囲気。身体を引き裂かれ、臓物を引きずり出された死体がごろごろ転がる中、化け物の頭を鉈で斬り落として回るようなゲームを見て、「あ、スーパーマリオみたい」とか思えますか? そういうゲームなんです。ライフゲージが心臓の形、というのもポイント。

 とにかく、名前の通りすべてが化け物と臓物に彩られておりまして、小さい子供にやらせたら悪影響、とかそういうこと以前に恐怖で泣き出しそうな感じです。当時お店で配っていた小冊子「NG」によると、

「開発中は怪物の血が赤かったのだが、それはあんまりだろうということで緑の血になった。おかげで暗かった画面が明るくなったのでよかったと思っている」
とのことでしたが、どうなんですかね? 赤い血のバージョンも見たかった気がしますが。それとこれ聞いた話なんですが、基盤のバージョンによって血の色が違うらしいじゃないですか。緑と紫と。私が見たのは……緑色、だったかなあ。


●移植の出来は?

 先刻お話ししましたが、このゲームはPCエンジンに移植されております。ファミコンと似たような性能のゲ−ム機でよくぞここまであの雰囲気を再現したものぞ、というくらいいい出来ですが、残念なことに武器の種類や背景の描き込みなどに制約を受けてしまっています。鉈でカッ飛ぶ化け物の頭、続けて吹き出す血で溶けて行く身体という描写がなんだか好きだった私には残念なことでした。ステージ2で、ぶら下がってる怪物と歩いてくる怪物を重ねて、まとめて鉈で二つにするのがビジュアル的にくるんですよ。難易度その他はほぼ完全移植でしたので、手に入れる機会があれば買うのもいいかな、とか思っております。……いらねえかな。

 また、完全移植版がパソコンにあったという話も聞きましたが、当時のガキんちょにはそんなもの買えるわけもなく、「無念なり」としみじみ思ったものです。機種、タウンズだって言いましたっけ?


●男の闘いは終わらない

 それから、続編2つがメガドライブのオリジナルタイトルとして発売されております。

 Part2についてはPart1のシステムを完全に踏襲したもので、Part1のラストで死んでしまった恋人が実は生きていると知り、主人公が再び地獄に足を踏み入れるというもの。「大技林」で難しい、と評されていましたが、私に言わせれば1の方が難しいです。多少Part1に比べて画面は粗いですが、見せ方が格段に進歩していて、ボスのすべてに断末魔の演出があります。腹が裂けたり、目玉が破裂したり、返り血がカメラにべったりついたり。ある知り合いは「あのゲーム見た日の晩に、学校にチェーンソー持った怪人が乱入してくる夢見ちまった」と悶えておりました。

 Part3はこれまでとうって変わり、ファイナルファイト風の格闘アクションとなっております。幸せな家族にいきなり襲いかかったお馴染みの化け物を掃討し、家族を取り戻すために主人公は三たび地獄に足を踏み入れる、そんな感じのお話。化け物に組み付いて頭突きをくれたり、変身して本当に怪人になったりとこれまで以上に獣性たぎるゲームになったのですが、なんとも難しいものがありまして、自力でのクリアは未だできておらぬ状態となっております。一撃でライフが8割減っちゃあねえ。回転蹴りの使い方が鍵になるんですけども。


●練習が要るけど、面白いよ

 まあ、いかんせんちと「古い」ゲームですね、シリーズそのものが。稼動させているゲーセンもそう多くないでしょうし、メガドライブももう骨董品のレベルですからカートリッジ探すのもそう容易なことではないでしょう。大阪の日本橋ではなんかこのメガドラ版にそれぞれ2,000円以上の値段が付けられていたのには驚いてしまいましたけれども。

 でも、古いとは言ってもこれはいいゲームですよ、絶対。ビジュアルの話は抜きにして。遊べばそれだけうまくなる、それってゲームの基本だと思いませんか? それが実感しやすいゲームは、私のような馬鹿者には実に心地いいのです。


●追伸:

 Part2については、別項にて攻略ヒント集を作成しています。文字だけの構成ですが、少しはお役に立つんではないでしょうか。それからファミコンにも同じタイトルで副題に「はちゃめちゃグラフィティ」とついているものがありますが、物語に多少関連があるものの内容は全く別物ですので悪しからず。それなりには面白かったけど、ちっと簡単に過ぎるんですね。どうしても子供だまし、そんな印象を覚えてしまいます。これも攻略やります? ……絶対いらないよ、簡単なんだもの。小学校6年生に完全に極められる、そんな程度の難易度です。隠しネタ程度ならまとめてもいいかな。

 一応ヒント。雑魚敵は皆殺しにすること。下水のラストは水からあがっちゃだめ。テレポッド(Byハエ男の恐怖)は戦闘終了後左側のポッドに入られる。変な司祭みたいなのが待っているところでは、方向キーを左右どちらかに入れて捕まるのを避け、扉に入る。他にも落ちてくるバケツはかぶれるとか富士山が噴火するとかお姫様の前で屁がこけるとか、そういうどうでもいいネタはいくらでもあるんですけどね。攻略に必要なヒントは二つしかない、てところがなんとも。そうだ、もう一つ。ラスト直前、自販機前で上を押すと体力が回復します。