〜ファイナルファンタジー1、2、3〜 機種:ファミリーコンピュータ |
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●……この時期の味わいは、もうないのですね いつの間にかこのシリーズも12作を数えるのですか。もはや最初期の「どうせ最後ならいい夢見ようぜ」と言って詰め込めるだけの気合や想い、夢を詰め込んだという面影はありませんね。確かに最近のも相応に面白いんだけど、お話偏重になってて……なんか、違うかなって。
●もう何年経つのだろうか小学校高学年でした。当時じっこんにしていた人物から、初作を「このゲームはドラクエと違って遊び手の姿や武器が戦闘中に見えるんだぜ」と紹介されたのが最初ですね。なんとも妙な紹介のされかたをしたもので、今思えば別にドラクエの戦闘シーンとこのゲームの戦闘シーンのどちらが見た目に優れているかというのは決めようもなかったと思うのですが。でも、好きなゲームは妙に持ち上げたくなるという気持ちはこれ以上ないくらい理解できますよタケシ君。元気? ところで当時は想像もつかなかったこの両作品のメーカーの合併、いやあなんとも言葉が出ませんね。ま、販売元なんかどうでもかまわないから作り手それぞれの持ち味だけは殺さないで欲しいものです。
●まったく、なんだと言って投げたのでしょうかそれで少しして、別口の知り合いから「買ったけど遊んでないから貸してやろう」と借り受ける機会ができました。土曜のお昼、近所の(今はタイヤ屋になってしまった)レストランで食事を取るのもそこそこに、家に帰ってさっそく起動です。名前をつけて、さあスタート。……あーと、なんか、これ、きつくないか? レベルも金も貯まらないぜよ。 そう、今思うとですね、私って当時は何を遊んでも先が見たいばっかりに成長ほかを完全におろそかにして進めていたんですね。バランスきついこのゲームのこと、そんな半端なことをしていては先になど進めるはずもありませんでした。結局このときはレベル9程度でなんとかアストスを倒したところまで進め、アースの洞窟にて力尽きてしまいました。 このときの印象深い話。私がこのゲームを遊んでいたとき、姉がばたばたと帰ってきまして。何をそんなに急いでいたのか、持っていた中学の鞄を放り出して隣の部屋へ駆け込んでいきました。まあそれは良いのです、良いのですが、問題は姉の投げた鞄の下にファイナルファンタジーのパッケージが存在していたということでした。くしゃり。「ああっ!? ……おい、これ人のだぞ!!」 中身こそ今まさにそこで遊んでいる最中ですので無事でしたが、我々の通った中学の鞄はちょっくら大型でして、しかも中学の教材類はなんかむやみにヘヴィ。そんな大質量が加速をつけられて降ってきた、当然紙製のパッケージには耐えられるはずもなく。陰鬱な顔をして姉に惨状を訴えてみれば、「そんなとこに置いとくお前が悪りぃよ」とにべもないお答え。あのー、もしかして、箱じゃなくて私が存在していても同じことをおっしゃりました? 言ったかもしれませんね、当時私ら仲悪かったですから。貸してくれた人物には、断念したことと変わり果てたパッケージのことについてずいぶん謝った(無論、後者の比率が圧倒的に大)覚えがあります。
●もう「こぐま」も無くなって久しいですね。15年ほど経ってますか?それから3年。ファイナルファンタジーもいつしか3まで発売されていました。最初に私に紹介してくれた人物、タケシ君といいますが彼も3をがっちり購入し、ずいぶん楽しそうに遊んでいたものですね。横で見ていた私も「こいつぁ超が付くほど面白そうだぜ?」と思っていまして、ない小遣いをなんとかやりくりして貯め、近所にあったおもちゃ屋で買ったのです。定価でね、消費税込みでピン札一枚渡しておつりが小銭ちょいちょい。……今そこらのゲーム屋で見られる光景からは想像つかないね。当然これも飛んで帰って光よりも早く起動、いやーこれは本当に面白いと感じたゲームでした。バランスもほどほどの線を確保、音楽きれいだったし物語も楽しかったですし。クリスタルの洞窟から必死こいて脱出し、初めてフィールドにかかる曲を聴いたときは「……ああ、素敵な曲」と思ったものです。特にこのフィールドとあとは水の巫女ネリアのテーマ、大地をよみがえらせるまでのフィールドの曲が大好き。 ちょっとここらから込み入ってくるかな。この当時、騎士ガンダム物語やファイナルファンタジー4で世話になっているKnight Lancer氏(くだくだしいから以下ひらがなで表記)が父親の会社に勤め始めた頃でして、んで彼もファイナルファンタジーの好きな男だったのです。それでこちらに移住してくると同時にファミコンとファイナルファンタジー3を買い、ほとんど仕事そっちのけで遊んでいたようですね。状況としては私よりも少し遅れてないとらんさ氏も遊び始めた、そんなところですか。だから私が彼のところに遊びに行けば彼は私が数日前に歩いた道をたどっているというような具合で、自分の知っている情報(アイテムとか)を渡したり逆に渡されたり、そんな時期が両人きっちり解き終えるまで続いたものです。
●うちのテレビは上の端っこが切れていましたがここでの印象深い話。当時、ないとらんさ氏は壊れかけたテレビを使っていまして、まあゲームこそ映りはするのですが画面の下のほうがちょっと切れてしまっていたのですね。4人目の体力表示が半分切れていて見づらいよ、そんな感じ。ところでこのファイナルファンタジー3って、撃破必須の敵に「魔導師ハイン」というのがいます。この畜生、魔法に弱いというのを弱点変更で補ってまして、その変更された弱点を見破るのは学者という職業の能力頼りでした。 遊んだ人で察しのよい人はここでもうお分かりかも知れません。簡単な話、学者の能力で弱点見破っても、その結果が表示されるのが画面最下段だから、彼の家のテレビでは見えないんです。まあごねても仕方ないからなんとかしようやと私がテレビの横にくっついて、見破りを実行したときにブラウン管に顔くっつけて上から覗き込んで、辛うじて表示されている濁点の数や文字数などで状況を判断、やっとこさ撃破したという泣けるお話でございました。しかし、よく考えると魔法の名前じゃなくて属性で表示されるんだっけか。……よく、勝てたな。当時は魔法の名前が表示されると思い込んでいたから今「濁点の数で」と言ったんですけども、実はそうではなかったと。でも、結構がっちり当たってましたからねえ。外すと怒られるんですよ、「違ってるぞ!! お前しっかり見んかい!!」って。
●最初の洞窟で、ゴブリンの群れを使うと簡単にできるバグ技ですもう一つ。3はある手段で回復薬を100個ないし101個にすることでバグを誘発させ、アイテムを変化させたりレベルをあっという間に最大にしたりできます。自分も面白がってさんざんやらかしたものですが、……今思うと明らかに邪道ですよね。かつて「全員たまねぎ剣士でレベル最高だから絶対負けねえ」とか騒いでる奴がいて、それで「回復はどうする?」と言ったらすんげえ憮然とした表情で「絶対回復薬を99個持ってるんだよ」とかのたまわったんですが。あーてめえ、確実に自力じゃねえだろ? エリクサー99個なんて、自力でやって確保できるわけねえ。確かこの時点だと、エリクサーってクリスタルタワーでたまぁに敵からもらえるくらいで、あとは宝箱回収で物語通して20個そこら。そう記憶してます。だいたいたまねぎ剣士を4人鍛えるのだって、中学生程度のガキにそんな根性と時間があるわけねえだろ。今だってやりたかないよそんなこと。……ガキでしたね、どいつもこいつも。せこい真似しやがって、ケッ! まあやり方は今でもだいぶ覚えてますが、ちょっと表記はしたくないかな。アイテムリストのどこに変えたいアイテム置くんでしたっけ? 攻略サイトとか見たら載ってるかな。アムルの村でブーメランしこたま買い込んで円月輪に変化させ、更に手裏剣に変えて全部売却、大金持ちとかあほくさいことをしでかしていました。剣とかは種類が多いからなかなか思うように変化しませんが、投擲武器は3種類しかないからすぐ変化させられるのね。あー、そういやこれも進め途中だったな。サロニアの辺りだっけかな。いや、ラストまでは何度か行ってるんだけどね。繰り返して遊んでる、4回目くらいのデータですかね中断してるのは。 ということで、再開。やりたいと思ったことをやらないで済ますのは愚の骨頂、と思って遊び始めたら、……なんかすさまじく面白いんですね3って。文字通り一日中遊んでいます。以前のときよりも平均レベルを高くして進めていますが、大苦戦した記憶のある魔導師ハインや大ねずみ辺りもあっさりと倒せていますし、うーんやはりかつては先を急ぎすぎていたということなんだろうか。せっかくだから、今回は99レベルたまねぎ剣士を狙ってみるかな。 今回の遊び中で涙出そうになったこと。バハムートの迷宮でレベル上げながらついでにバハムートも倒してしまおうと思ったら、出口寸前でラミアクイーン4体に不意討ちを受け、一瞬にして全員混乱。同士討ちのもと初全滅かな……といやな気分になったら、意外なことに全員おかしくなると同士討ちをしなくなるんですね。ただ立ってるだけ。となると混乱から目覚める可能性はラミアクイーンからの直接攻撃しかないわけですが、なんかこいつら混乱攻撃しか繰り返してきません。たまーに通常攻撃も仕掛けてきますが、命中率も使用率も悪いんだよね。黒魔術師にすら攻撃を当てられないという……。俺はあと何時間この光景を見続けないとならないんだろうか? これならデスフラワーのせいで同士討ちの末壊滅することになった、2のミシディアの塔での思い出のほうがまだマシです。混乱は自動回復しないんだろうか……。
●この歌い手の方、すごくいい声していますそだ、これも。当時、「悠久の風伝説」と銘打たれたゲーム中音楽のアレンジがあったのです。これの3曲目の頭に入っている「Roaming Sheep」、さまよう子羊という歌が本当に好きでして、ただ1トラックに数曲がつながった形で収録されているディスクだったので頭出しが自由にできなかったのですね。やむなく何秒目からこの歌が始まるのか確認し、サーチ機能を使って何度もこの歌を聴くという本当に馬鹿なことをしていました。45秒目くらいだったと思うんだけど。 それでその後、別口のルートである歌唄いの名前を知った私、目当ての曲「水の恋歌」を探す道すがら「おや、同じ歌い手のディスクだ」と何気なくジャケットを手に取りました。そこで目に入った「Roaming Sheep」の名前。あれ、同じ歌だ。じゃあこの人の歌うファイナルファンタジー、聴かせていただきましょうとて購入しました。……アレって、この人の歌だったんだ。意外なところで手に入ったかつての想い歌、なんとも不思議な感じがしたものです。なんですかね、違う人の歌声と思って買ったらあら久しぶり、軽い失望と再会の喜び、そんなない交ぜになった感情を味わいました。この歌ってファイナルファンタジー6のテレビコマーシャルで流れて人気になったんですって? ふんだ、俺の方がずっと古くから知ってたさ。
●そういえば3をホットカーペットの上に置いといたらやっぱデータが消えたそろそろ話を変えます。私とないとらんさ氏、どちらも3を解き終えて適当に遊んでいたのですが、話を聞くとどうも彼は1、2作目を相当遊びこんだようなのですね。それで、遊んでみるとまではいかずとも雰囲気くらいは見ておきたいと彼に2作目のカセットを借りていろいろ動かしていたのですが。おー、フィールドの音楽がすごくきれいだ。とまあそんな具合で眺めてはやめ、眺めてはやめと観光旅行のような具合でいじっていたある日、カセットを持ち上げた際にちょっと落としてしまったんですね。床から5センチくらいの高さから、ことんと。それで何気なく起動したら、なんかデータが全部なくなってるんですよ。ばばばば馬鹿な!! 5センチだぜ!? というか、このときは本当ないとらんさ氏にこのことを告げるのが恐ろしかったですね。なんかものすごく時間かけてアイテム集めたとか言ってたんですよ。確か全員分源氏の甲冑が揃ってて、ルーンアクスも2本ばかり回収してあったりエクスカリバーも2つ持ってたり。あー、もしかして、俺殺される? そんな感じ。えーと10センチ角、20センチ程度の長さの垂木を頭突きでへし折る、これって半端な腕力じゃないですよ? ……まあこんときは完全に杞憂だったんですけどね。「あー、消えた? んじゃあお前せっかくだからやれ」くらいの感じで。
●「チェンジ」、「アンチ」は能力上げにはうってつけの魔法ですなそういう具合で、私と2作目の付き合いが始まりました。画面こそ少々粗いものの(3を見た後ではね)、使い込んだだけ強くなる成長システムや無残極まる物語など内容的には3にまるで引けを取ることなく。めちゃくちゃハマりました、これも。リチャードはかっこいい男だったな……。しかし後にハイウインドの名を受け継いだ連中の微妙っぷりを思うと、彼も落ち着いていられないんじゃないかとは思いますが。 このゲームに関してはないとらんさ氏が実体験による攻略情報を保有していたため特に進行面では行き詰ることはなく、むしろ苦しんだのは即死もののゲームバランスですか。スペクター4体に不意打ちを受けて高レベルの即死魔法を連発されてあえなく轟沈とか、クアールにブラスターを撃ち込まれてあえなく轟沈とか。あと、ミシディアの塔という全部でフロアが10もあるかというような高層建築物をほぼ最後まで上り詰めた辺りでデスフラワーだかに全員混乱させられて同士討ちの果て轟沈、ラミアクイーンに回避率上昇魔法を極限まで使われた挙句やはり混乱魔法を連発されておだぶつ、ジェネラルに一人ずつ畳まれて壊滅、そういう死にっぷりに関しては女神転生とまったく同列ですね。私の場合は、このゲームについてはこういう死にっぷり伝説くらいしか笑える話は持っていないんですが、むしろこのゲームは私などよりもはるかに長く遊んでいるないとらんさ氏の方がアホーなエピソードを作っているようです。体力上げのために「チェンジ」の魔法を使って瀕死の状態まで体力を減らしたら、直後に確実に命中する攻撃が飛んできて体力最大値13,000でゴブリンガードに殺されたとかね。 そんな中で一つ、未だ覚えている面白い話。今やシリーズで最強クラスの魔法として名を轟かせる「アルテマ」、べったべたな名前ですがこれはこの2からの登場です。この魔法、入手に非常に劇的かつ悲しい手順が取られますので何としても覚えて使いこなしたくなるのですが、なんでもダメージ計算の基本値がある大きな幅でランダムに決定されているそうで、要するに時によって攻撃力が大きく変わるってことですから成長させてもまともに使い物になりません。肝心なときにダメージ最小で計算されちゃったら冗談にもなりませんでしょ? 下手するとミンウ完全に無駄骨。まあそれは関係ない話ですが。 それで、この魔法をまず道具として入手したないとらんさ氏、覚える前に売却値段はいくらなのかとお店に持って行きました。査定価格、たったの1。多少感じることもないでもないが、なんとか納得できないこともない金額ではありますね。まあもともと売却するつもりもなかったし、値段分かったんだからいいやとボタンを押した氏。「ありがとうございました」 ……あれぇ? 押したボタンが承諾/決定のボタンだったとか。商談成立。操作ミスって、ほんとにあるもんですね。 次の瞬間、カセット手で引き抜いて壁に叩きつけたそうです。バキャっと。 データは当然全部消滅、むしろ私としては彼の腕力で叩きつけられたカセットが外的損傷一切なしということのほうが奇跡のように思えますが。人はこれを「やりすぎ」と言います。
●レヴナントやデスライダーが特に危険ですこの2、知らないとかなり厳しいこととかあります。敵の一部に、こちらの体力の最大値で攻撃力を変化させる敵がいることとか、体力よりも回避力のほうがはるかに重要だとか。当然ゲーム中にはそんなガイダンスは入りません。「そんなこたぁ自分で見つけるんだよ」といわんばかりのこの姿勢、私は大好きです。もしかしたら、まだ攻略本の類に載せられていない話かも知れませんね。攻略サイトの管理者方はよくぞ発見したものと思いますが、まあ見つけられなかったというかそんな要素があると想像もしなかった私はそういった「知っていると楽だけど知らないと大変よ」という部分を強引に突破するしかなく、大変苦労したもんです。 別のところでも話に上せたはずですが、私の地元では川を挟んで二つの町が同時に花火大会を行います。で、これがハネてからないとらんさ氏の家まで行き、徹夜で体力上げたり武器熟練度上げたりラストダンジョンを突破してみたり。この花火大会の込みっぷり、雨の降られっぷりなどと合わせて思い出になっている事柄です。 ……こうして見ると、結局のところ2は自分の手では最後まで行っていないんですね。ファイアの本装備してデータ消したりしてますし。この「ファイアの本装備」、ファミコン後期に再販売されたカップリング版付属の攻略本に「できるけどやっちゃ駄目!」と書いてあるのが泣けます。その後リメイク版も遊んでみましたが、こちらは苦労レベルもさして大きくなく、やはりラストダンジョンを突破できるようになった辺りで中断しっぱなしのような気がします。一応他の友人に動かさせてクリアできるのは確認したんですがね。良くないなあ、目移り目移り。 そういえば、5、6年ほど前にネット上に「ファイナルファンタジー2 ミシディア」という攻略サイトがありまして。もうだいぶ前に閉鎖されてしまったようなんですが、一通り拝見して「知らないことがこんなにあったとは!!」と感動した私、「7のご時世に2の話題、素晴らしい心意気と存じます」とかメール打ったのを皮切りにずいぶん掲示板などにもお邪魔したものです。そこの管理者さん、当時試作とも呼べなかったこのサイトの原型にわざわざリンク出してくれたんですよね。ネット始めた直後にそんなお人に会えたというのはよいことだったと思っています。本当にお世話様でした。
●王様から資金をもらえない勇者たちさて、2も一通り熱が冷めてからしばらく。ファミコンの獣王記なんかをないとらんさ氏にもらって、フリープレイ未使用でクリアとかしていたころ(フリープレイのやり方、マニュアルに載ってたんですよね。知りませんでした)、氏が「実家の辺りで買ってきた」といって1作目を持ってきました。かつて敗北し、姉にケースを潰されたあの思い出の品が今ここに! 「一通り終わったから貸してやろう。お前もやれ」 そんなわけで、氏のナビゲーション付きで戦闘再開。確かガーランドを絞めに行くのが最初だっけか。 「あー、挑む前にレベルは全員3くらいまでは上げておけ。行く途中で殺されることもあるからな。それと狼は儲からんから戦うな、ゴブリンだけ狙うんだ。で、ゴブリンの群れを最低6回は倒すまで町に帰るな、そうしないと宿代だけで足が出る。何も買えん」 なんか、えらく具体的かつ悲惨な指示ですね。「足が出る」ってそんな、借金に追われてるわけじゃないんだから……。しかし、事実このゲームは序盤の資金繰りがまさしく自転車操業のようになります。プラボカの町では真っ先にサンダーを購入して即海に乗り出し、 「サンダーはサハギンが大量に出てきたときかサメだけに限定。他は格闘戦で倒せ。そのほうが稼働時間が増やせる」 とまたしても勇者というより弾薬費や修理費を気にして戦うレイヴンのようになりながら資金と経験を稼いだものです。案外勇者なんていってもそんなもんかも知れませんね。後半になってしまうと使い切れないほど魔法の武具が入手できて、最終的にデフレ同然になってしまうんですけどね。あの時点でシャープソードなんてもらっても、誰が使うってんだよ。誰か使った? まあ私はこんな具合でしたので、やはりマインドフレイアに即死させられるとかドラゴン4体に毒ガス噴かれ続けて悶絶死とか、サスケの刀が呆れるほど弱かったとかそういうところ以外ではさして苦労もなかったんですが。最近知りました、このゲームと2って怪物や武具の設定がダンジョンズ&ドラゴンズに則っているんですね。だから初期作にはサンブレードとかあったし、ビホルダーとかオチューとかいたんですよね。でもこれは漫画「バスタード!!」でも有名なようにメーカーからクレームが入って使えなくなり、リメイク版などでは「ビッグアイ」だかっていう怪物に差し替えられていたという。……あれ、ビッグアイって海の上で出てくる敵にもいなかったっけ? 「イビルアイ」だっけか? しかし、マインドフレイアとかもD&Dオリジナルだと思うんだけどな。いいのかな、そっちは。 蛇足ながら、ビホルダーの使われ方。初作オリジナルでは名前、容貌ともに完全にビホルダー。ファミコンで発売されたカップリング版では名前がビホルダー、容貌はちょっと違うものに差し替え。ワンダースワン版及びプレステ版では名前はイビルアイ、容貌もまた別のものに(カップリング版とも違う)。スワン版は直接見てないんだけど、確かないとらんさ氏が「あー、そういえば変なのになってたな」と言っていたのでたぶんイビルアイ。
●実は生きてて暴れて伯母にめちゃくちゃ怒られたとか思い出話。というか、またないとらんさ氏の話ですが。地元でようやく見つけたファイナルファンタジー1作目、むき出しの状態でも早速購入し、ジーンズの尻ポケットに入れて意気揚々と帰ってきた彼でしたが、どうもそのまま存在を忘れて洗濯してしまったらしいんですね。まあ、昔からそういうズレたところのあった人物だったそうですが(普通スズメは凍らせません。なんだと言ってそんなものを冷凍庫になぞ突っ込んだのか、恐らく本人も分かっていないのではないでしょうか)、伯母も洗濯場に放られている衣類には注意を向けませんでしょうから、当然洗濯機の中に直行です。がーらんがーらん。 「いやー、振るとぴっぴって水が出るんだよな。しょうがねえからしばらくコタツに突っ込んで、ある程度してから天日干しだよ」 それで動いたのは分かるが、いや動いたこと自体すごいが、データはどうだったのよ? 「残ってたわ。洗濯しても消えないんだから、2のあの消えっぷりが信じられねえな」 まったくです。本当、よく動いたもんですね考えてみると。私も結局そのカセットで一通りクリアまでこぎつけたわけですが、一度も不具合ありませんでしたものね。カップリング版ではこの鉄壁ぶりが跡形もなく消し飛んでいるそうで、何度も消えたとかそういう話を聞きました。どうしようかなあ、カップリング版で遊ぼうかなあ……でも消えるのやだしなあ……。
●子供もできたってんですから、ほんと気をつけて そんな彼も、先日奥方をもらったという話を聞きました。たぶんゲームどころではないのでしょうね、自分の仕事と奥方の実家の手伝いと、あわせると月に一度しか休みがないなどと言っておりましたから。……ただごとじゃねえな、恐ろしい恐ろしい。一応電報も送ってありますが、おめでとうございます。体ぶち壊さないようにしていってくださいね。怪我と弁当は自分持ち、身体壊したときに面倒に巻き込まれるのは最終的に自分ですからね。ま、大丈夫だろう、と思いたいですが。
●8のシドは学校の校長だっけか?他にもファイナルファンタジーシリーズは4、5、7と遊んでいますが、その辺の話はまたいずれ。6は大嫌い、今手元にあるカセット覗いたら名前がとにかくやる気のないことになっていて「おっさん」とか「どろぼうさん」とか付いていますし、必殺技の名前も「暗黒剣爽快」とか「妖獣剣真心」とかおぞましさをメインに据えて付けたとしか思えない名前ですし。よっぽど嫌だったんですね、私。 4に関してのないとらんさ氏の話はディアブロのところにまとめてあります。アレを信じるか否か、それは各自ご随意に。笑える話だとは思いますけどね。 そういえばこのシリーズって、物語そのものにつながりはないんですけど、登場人物の名前は引き継がれていることがあるんですよね。シドという名前の人物は大抵飛空挺技師だったりしますし、ハイウインドの名を受け継ぐ者は竜騎士としての能力を持っています。また3において魔剣士の里ファルガバードを開いたのは2でとある事情から立ち去っていかざるを得なかった剣士レオンハルト、4において魔術師の里ミシディアを開いたのは2でミシディア出身だったミンウ。しかし、10の竜騎士がキマリってのは、ちょっと、なあ……。ますますリチャードの顔が苦々しいものになっていきそうです。
●浮遊城の悲しみ思い出したぁ! ファイナルファンタジーの1と2はいろいろなハードでリメイクされていますが、このリメイク版における、初作の浮遊城! あんなの浮遊城じゃありません!! これまで石で作られた塔の中にいたのに、妙な金属の舞台のうえで「わーぷきゅーぶ」とかいう金属の箱を使ったとたん、突然不思議な空間に放り出される。壁も床も天井も、すべて金属で作られていて時折何かの光が走る。そこここには金属と、つるつるした得体の知れない素材でできた妙な音を立てる箱。窓からの光景は、どこを見ても星空。うろついているのは、見慣れた怪物のほかにまた金属でできた人間のような、怪物のような何か。ひときわ大きな窓を覗いてみる。……あれは、もしかして俺たちのいた大地か? なんであんなに小さく見えるんだ? 此処は、何処だ? 確かに、旅の涯に辿り着いた場所のはずだ。中天に浮かぶ城に棲む者は、誰だ? 闇に棲む者どもなのか? なんで、これが石でできた壁、石の廊下、「妙な箱」も全部石に魔法をかけたもの、周りに見えるのは一面の雲というアレンジになりますか? ルフェイン人の力は、あんな程度にされてしまいましたか? ……なんでだよぅ……。あの不思議な空間がもっときれいになってると思ったら、ごく普通のファンタジー世界にされてしまいました。思い出の中の世界は、遠く……。そうですねぇ、リメイク版はただの2年前に遊んだゲームだったんですが、非常にがっかりした記憶がよみがえってきました。こうなるとリメイク版でのデスマシーンなんかはどんなグラフィックになっているのか、かなり不安になります。どうせそのままなんでしょうけどね、ケッ!! 今名前が出ましたね、デスマシーン。私と同年代で少し遅れてゲームを遊び始めた人や私よりも少し年代が下る人なんかは、魔界塔士サ・ガでのボス敵の方で名前を知っていると思います。私も正直サ・ガの方で知っていたのですが、ないとらんさ氏に借り受けて楽しく遊んでいた日々、浮遊城でレベルを上げていたあるときのこと。無限廊下辺りだったと思うのですが、なんか色付きでそのデスマシーンが現れたのです。「えーと、これってサ・ガに出てた奴だよな。これがオリジナルとは思わなんだ。どれ、一つ勝負してみるか」 騎士、忍者は攻撃、白魔導師はトールハンマー、黒魔導師はブリザガ、と入力。さ、どの程度のものかなー。 攻撃ヒット、白魔導師に300のダメージ 即死でした。……回復がいなくなってしまった……。こちらの攻撃は確かろくに効果を発揮しなくてですね、ブリザガなどは平均ダメージからさらに半分くらいになった50点程度しかダメージを与えられず、先の白魔導師即死とあいまって「こりゃマジでヤバイな」と思ったものでしたが。以降のターンは特殊攻撃「核攻撃」で下から順次死亡、無事全滅の運びとなってしまいました。えーと今から浮遊城に挑む人、出現率低いっつってもどこかに奴はいますから、「この城にはアレがいる」というのは覚えておいてくださいね。30レベル程度では、よほどうまく立ち回らないとあの世逝き確定です。ああ、哀しい思い出、俺の数時間……。 |