標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第323回]

●[2]メモリ(RAM)回路とスイッチ入力回路の実装です

[第301回][第304回]で説明した作業です。
今回はメモリ(RAM)を実装します。
それからメモリにデータを書き込むためのトグルスイッチも取り付けます。
トグルスイッチは背が高いので、ほんとうはICなどの実装が全部済んでしまってから、一番最後に取り付けたいのですけれど、なにしろデータを入力するためにはどうしてもスイッチが必要なのですから仕方がありません。

●組立作業を終わったところの写真です

写真をクリックすると拡大画像を見られます。今回も部分の写真ですが前回よりは大きい(約1.6MB)ので、インターネットの低速接続環境では、ダウンロードに時間がかかります。ご注意ください。
前回と同じようにA3スキャナで取り込んだのですが、トグルスイッチの高さだけスキャナのガラス面から浮いてしまいました。
基板のシルク印刷がぼけてしまっているのはそのためです。



●必要な部品が落ちていました

メモリとスイッチを実装しましたのでさっそくデータの書き込みテストをしてみたのですが…。
書き込めません。

配線やら回路図やらを調べてみましたら、必要な部品が落ちてしまっていることがわかりました。
試作の段階では基板の裏に追加していたのですが、基板図の修正作業でうっかり忘れてしまったようです。
こんなしょっぱなからミスがみつかるなんて、前途多難です。
RAMの裏にダイオードを追加しました。
写真上方に追加したコンデンサ(270pF)は本来は不必要なはずのものですが、これがないとRAMからのデータ出力にノイズが乗ってしまいます。
写真をクリックすると拡大画像が見られます。



●回路図も追加修正しました

このダイオードは回路図(bR0)にも付け忘れていました。
回路図も修正しました。

MYCPU80回路図bR0

回路図の左下部分、トランジスタのコレクタのラインに追加されているダイオードとセラミックコンデンサが今回の作業で追加したパーツです。

●動作テストの写真です

動作テストといっても、まだメモリにトグルスイッチからデータを書き込んだり、それを読み出したりするだけですから、他愛もないテストです。
アドレス0000〜0003に順に12、34、56、78と書き込んで、次にそのアドレスから、書き込んだ通りのデータが読み出されるかどうかを確認します。
写真はアドレス0000に12を、0001に34を、0002に56を、0003に78を書き込んだあと、もう一度アドレスを0000〜0003にして、書き込まれた通りの値が読み出されることを確認しているところです。
このテストについては[第303回]で説明しています。


アドレス設定用のディップスイッチとトグルスイッチを全部下側(0)にして、アドレスを0000にしています。
データ用のトグルスイッチは全部上側(FF)にしておかないと、メモリから出力されるデータが正しく表示されません。
最初にアドレス0000に書き込んだ通り、12(00010010)がメモリから読み出されてデータバスLEDに表示されました。



アドレスを0001にしました。
データ34(00110100)が読み出されています。



アドレスを0002にしました。
データ56(01010110)が読み出されています。



アドレスを0003にしました。
データ78(01111000)が読み出されています。

●電流も計ってみました



アドレス設定用のダイオードに電流が流れるため、消費電流が増加しています。
写真では87mAになっていますが、データの書き込み時には100mA前後まで電流が増加します。

2009.9.1upload

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