2021.3.30
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る

トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


[第334回]



●トランジスタロジック回路組立キットTR14

このところ紹介をしておりますトランジスタロジック組立キットは、遅くとも3月の半ば頃までには発売の案内をするところまで進む予定でした。
ところがいろいろ予期せぬことなどが起きてしまい、もう3月もあと1日を残すだけです。
せめて3月中にはと思っていたのですが、結局4月に入ってからの発売開始ということになってしまいます。
今回紹介のTR14はどうせ発売開始が先に延びてしまうならば、もうひとつ追加で作ってしまいましょう、ということで追加してしまった組立キットです。
74LS14のトランジスタ版になります。
バイポーラトランジスタ2SA1015と2SC1815によるシュミットトリガインバータ回路です。
TR04は普通のインバータ(NOT)回路ですがTR14は入力にヒステリアスを利かせたシュミットトリガインバータです。
[第304回]でTR04を2回路つないで作ったシュミットトリガ回路を紹介しました。
TR14はそこで作った試作回路の製品版です。

TR14の1回路分の回路図です。

組立キットTR14は74LS14と同様1枚の基板に6ゲート分の回路が載っています。

上で書きましたように74LS14は74LS04のシュミットトリガ版です。
インバータの動作ですから入力のHLが反転して出力されます。
実は[第304回]を書いた時点ではそこのところをうっかり失念しておりました。
ですからインバータではなくて出力が反転しないバッファとしてのシュミットトリガ回路として紹介してしまいました。
この考え方の回路はインバータを2段使いますから必然的にノンインバート出力になります。
74LS14がインバータ出力であることを失念したまま基板を作ってしまいましたので、作ってしまったTR14のプリント基板はノンインバート出力です。
まあインバート出力でもノンインバート出力でもシュミットトリガ回路としては本質的にはどちらでも違いはないのですが、74LS14がインバート出力であることに気が付いてしまったからには、やっぱり74LS14のロジックに合わせるべきでありましょう。
回路そのものは今まで通りのものが使えます。
上の回路図はインバート出力を追加してあります。
初段のTR04回路から出力を取り出せば74LS14と同じインバータ出力になります。
せっかく作ってしまったプリント基板ですので必要ならばX_出力は上の回路図を参考にして追加配線をして使っていただきますようお願いいたします。

こちらがTR14のプリント基板(部品面)の写真です。


こちらははハンダ面です。


部品を実装しました。


入力になにもつながないで電源(単三乾電池3本、実測値4.6V)を接続しました。

あれ?
ちょっと電流値が大きいですね。
約40mAも流れています。
どうやら出力ショートがおきているようです。
プルアップ抵抗がシュミットトリガ回路の動作に影響するかもしれないと思って入力部のプルアップ抵抗はつけないで基板を製作したのですが…。
やっぱりプルアップ抵抗は必要だったようです。

丸ピンソケットの入力A(1pin)とVcc(8pin)との間に10KΩを挿してみました。

基板全体の電流は約11mAほどに減少しました。

とりあえず挿してみた10KΩの部分を拡大しました。


今度は入力AをGNDにつなぎました。

基板全体の電流値は1.7mAです。

10KΩのプルアップ抵抗をつけた状態で入力Aの電圧を測定しました。

Vcc(4.6V)からは0.52V低い値です。
入力Aは4.6Vをプルアップ抵抗の10KΩと入力回路の直列抵抗10KΩ+T2のベース抵抗R2(51KΩ)で分圧した値ですから4.6Vからは少し低い値になります。
A点の電圧を計算で求めるとT2のベース電圧(約0.7V)を考慮すると
(4.6−0.7)*10/(10+10+51)=39/71≒0.55
ですから
4.6−0.55=4.05Vになります。
細かく言うとフィードバック抵抗R6(100KΩ)の電流も考慮する必要がありますが概算としては実測値と合っています。

このときの出力Xの電圧を測定しました。

Vcc(4.6V)より少し低いですけれど問題はないでしょう。

プルアップ抵抗が必要なことがわかりましたから基板裏に10KΩを追加しました。


[第304回]のときと同じ方法でテストをしてみました。


オシロスコープの波形です。

上側(CH1)が出力Xの波形です。
下側(CH2)はA点の入力波形です。

TR00組立キットと同様TR14組立キットにも適当な長さのジャンパーケーブル10本ほどが附属します([第295回]参照)。

トランジスタでCPUをつくろう![第334回]
2021.3.30upload

前へ
次へ
ホームページトップへ戻る