特別企画6 井戸尻考古館 電脳展示室
「おらが村の遺跡〜旧落合村編〜」1/6 

プロローグ



 
ごあいさつ
 富士見町には、現在知られているだけで204箇所の遺跡がありま す。そのうち縄文時代の遺跡は162箇所で、縄文王国と言われる諏 訪6市町村のうちでも、2番目に多い数になります。  富士見町の遺跡と言えば、井戸尻遺跡や藤内遺跡が良く知られてい ますが、実は町内のあちこちに、多くの遺跡がひっそりと眠っている のです。そんな町内の遺跡を、おおむね昭和30年の富士見町誕生前 の四ヶ村に分けて、4年かけて皆さんに紹介いたします。  3回目となる今回は旧落合村の範囲から、瀬沢新田区は砂原遺跡、 上蔦木区は夏焼遺跡、烏帽子区は九兵衛尾根遺跡、瀬沢区は蛇込遺跡 を展示しました。小さなちいさな企画展示ですが、普段展示されてい ない遺物をご覧いただくとともに、身近な遺跡に目を向けて、そこに 生きた当時の人々の息づかいを感じていただけると幸いです。 令和4年2月4日        富士見町教育委員会                 井 戸 尻 考 古 館



旧落合村の遺跡
 明治7(1874)年に下蔦木村、上蔦木村、神代村、平岡村、烏帽子 新田村、机村、瀬沢村、瀬沢新田村、先能村、木戸口新田村の10ヶ村 が合併し旧落合村となりました。旧落合村の範囲には51箇所の遺跡が あります。富士見町内の遺跡といえば旧境村地域の印象が強いのです が、この地域にも多くの遺跡があります。  瀬沢新田区の砂原遺跡は弥生〜古墳時代の富士見町を語る上で欠か せない遺跡です。下蔦木区の坂平遺跡は井戸尻文化が栄える前の縄文 時代前期の様相を知ることのできる遺跡で、上蔦木区の夏焼遺跡は縄 文時代晩期や平安時代の集落を考えるうえでは欠かせません。烏帽子 区には藤内遺跡を中心とする著名な遺跡が多くありますが、九兵衛尾 根遺跡などの縄文時代中期の集落が数多く残っています。机区の机原 遺跡や机原三本松遺跡は縄文時代前期末の斜面地に作られた集落で、 後の縄文時代中期の農耕を考えるうえで参考になる石器が多く出土し ています。平岡区の坂上遺跡出土の土偶は国重要文化財に指定され、 "始祖女神像"として親しまれています。瀬沢区の蛇込遺跡は、縄文時 代中期の拠点的な集落で、八ヶ岳西南麓の集落の関係を知る上で重要 な遺跡です。  また、甲州街道が通っているのも旧落合村の特徴の一つです。宿場 遺跡である上蔦木遺跡や、中世〜近世の村落である神代遺跡や片瀬遺 跡などの"古村"の存在は、現在まで続く富士見町の歴史を紐解く重要 な手掛かりとなります。








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