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天皇継承について
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2.秋篠宮家の問題に続く
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本当の事を言えばWikipediaでも見れば、一発で判りやすいのですが、自分の論点整理もかねてまとめます。
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◆ 継承の資格
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1・皇族であること。
2・男系男子であること。
この2点が現状の継承資格です。
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◆ 現在の問題点
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皇族数の減少
・皇室典範の戦後改正により「皇族」の範囲が狭められた。
皇族男系男宮の減少(実数および発生確率共に)
・側室制度の廃止により、「一人の妃殿下」の出産個体数が、そのまま「宮家の次代数」に直結することになった。
・女性「一人あたり」の出生率は1.3人を割っている。
このように、全体に「一人で多人数出産する」というのは、現代社会では「当然」ではなくなっており、その他、男女の産み分け可能性や、現状の他宮家の状況から推論するならば、今後、どの宮家であっても「必ず一人は男宮が生まれる」ということが保証できません。
むしろ全体として「生まれない確率」の方が高いと推論する方が自然の論理だと考えます。
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▼ 対策
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以上の事から『「既存の方式」では継承資格者が減少、最悪消滅することは、ほぼ間違いない』と言っていいでしょう。
多くの議論前提は、この認識に基づいています。
この対策は大きく分けて2通りに分かれます。
1.男系継承を維持するために「男系継承者の数を増やす」
2.天皇継承を維持するために「継承者の数を増やす」
1.を達成するためには、継承資格1.の「皇族」範囲を増やすか、「皇族になれる資格」を増やす事により、継承資格者の範囲を拡大する。
2.を達成するためには、継承資格2.の「男系男宮」を廃止し、「宮家」であれば女性・女系でも構わないとすることにより、範囲を大幅に拡大すればよい。
両論をまとめれば「継承資格者の範囲を拡大する」という点では双方共に一致している。しかし、天皇になる資格の内「男系であること」を維持するか否かという部分での違いがあるに過ぎません。
※ ちなみに私自身は「男系維持」を保つべきだという立場に立ちます。
しかしながら一方で、歴史的事実から「女性による一時的な天皇即位」も可能だと考えています。
なお、これはあくまで「一時的な天皇即位」であって、その後、女系天皇に繋がるという意味ではありません。
※※ また「なら秋篠宮家を支持しないのはおかしい」という批判があるかもしれませんが、「男系維持」と「秋篠宮家・秋篠宮殿下支持」は、そもそも論点が異なる(「だから」に繋がる論理過程が不十分)事を述べておきます。
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◆ 1.男系男宮増加のための対策
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一 「宮家全体の増加」 旧宮家の復活。
これは、単純に「旧宮家」(母集団)を拡大させる事により、「男系男子」の人数および発生確率を拡大しようという視点です。
問題点:「皇族」についての地位・身分・経済的保証について、特に経済的保証について国庫負担が増大する。
「臣籍降下してからすでに60年近く経っており、皇族に復帰、「継承資格者」になるとすれば、対象者は2、30代の男子を軸として考える必要がある。(皇太子・秋篠宮殿下より年齢が高い人を選ぶのであれば、「次世代に繋ぐために増やす」という目的が達成できなくなる)
この時、旧皇族であったというのは「父母や祖父母」であり、本人自身は「皇族」としての生活をおくっていない人が「皇族」となります。
確かに一般人とは違う生活をおくっていたかもしれませんが、すでに2、30年「今の生活」をおくって「皇族としての教育・生活」を受けていない人が「皇族」になり「継承資格者」となって、その生活に耐えられる。という事を「可能」だというのは楽観的すぎると思います。
そもそも「ある程度の教養のある一般人でも皇族としての教育生活は簡単に身につく」というのであれば、雅子妃殿下の問題や美智子皇后陛下がおくられてきた問題などは、起こりえなかったはずです。可能だという人は「歴史」を見ていないと考えざるをえません。
二 「男子一人当たりの出生率の増加」(側室制度の復活)
これは、「女性一人当たり(夫婦一人あたり)」1.3人という事実を元に、ならば「出産女性を増やす」事によって、男系男子の発生確率・人数を増やそうという視点です。側室制度の復活であり、三笠宮殿下が一時述懐したものです。
元々、明治天皇の時代までは側室を設けるのが慣例であり、実際、光格天皇から大正天皇までは庶子継承です。一夫一妻制は大正天皇の代から「天皇本人の意思」により導入されたに過ぎません。
問題点:現状の社会感覚上、「一夫多妻制は認められていない」と考える国民が多く、国民の理解を得られにくい。
また、正妃・側室という制度下になれば「皇族に嫁ぐ」という人が、今よりも減少しかねない。
三 「養子制度の設立」
旧宮家ほか、遡って「天皇の血」を引く「男系男子」を天皇の養子として認め皇太子として擁立する方法です。
問題点:「どこから」養子を取るのか選別方法を決める必要がある。また「男系男子」である証明。
養子となる人間は「一般人」からいきなり「継承資格者」に変わるため、生活・教育上の問題が生じる恐れがあります。
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◆ 2.男系男宮に限らない天皇制(女系天皇)
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「男系女性天皇」については、男系天皇に代わる「一時的な即位」であり「女系に繋がる」という訳ではないので、ここでは省きます。
「女系女性天皇」派
単純に「母集団」(継承資格者)を「男系男子」にしているから総数が少なくなるのであり、母集団資格自体を変更すれば問題は解決するという考え方。
ある意味、「旧皇族復帰論」と同じ思考法ですが、「男系に限る」か「男女系問わず」とするかで異なります。
理論の根拠としては、
一・他国の例を見ても「女性が王になる」という方法は定着しており、「男系男子でなければならない」とするのは旧来からの伝統に過ぎない。
二・「天照大神」自身が「女神」であったことから考えれば、「男系維持」という大前提自身に論理矛盾があるとする。
三・「男系男子のみが天皇となれ、女系男子・女子が天皇になれない」というのは平等の原則に反する。
大まかに言えば以上のようになるでしょう。
反対派根拠
一・伝統とは「歴史そのもの」の価値であり、安易に失っても問題ないとするのは、「国家の歴史・国民の歴史」そのものの価値を減少させる行為につながる。
おおよそまとめると、多数の意見は上記になるでしょう。
(というか、あまり他の意見が見られませんでした。瑣末な部分での反対論はあるのだけど、技術的議論で終わってたり、すでに取り上げる価値もあまりなさそうな「言葉遊び」なので。)
なお、自分自身の意見としては
「天皇」とは「単なる国家象徴」だけでなく「(天皇)天津神神道」の祭祀としての「巫女的」役割を持つ存在だと考えています。
これは皇室公務の多くが「祭祀的役割」を持つものであり、内容も明らかに民間信仰とは異なる「独自の宗教観」に基づくものであることから考えれば、ある程度同意してもらえるものと考えます。
この祭祀としての「巫女的」存在と考えた時、神武天皇から脈々と流れる「巫女的本質」は、「男系である」という事により保たれている、と私は考えます。したがって「男系である必要」が生じます。
なお、この私の意見は「女性天皇」自体を否定する理論となりえますが、歴史的事実から、中世当時、今以上に「神性」について重視されていた状況でも女性天皇の存在は容認されていた。この理由として考えられるものとしては、おそらく「前陛下の庇護下にある、または前陛下の子である」という事により、「女東宮」の「神性」が庇護された(保持された)としていたのではないだろうかと考えます。
これは「シャーマニズム」の考え方として、今も「血の守護」として成立している考え方の一つでもあり、自分としては納得できる考え方だと思います。
また、そもそも多くの人が主張する伝統主義・男系主義自体、突き詰めれば、「血の系譜」と考えるこの思考を簡略化・一般化させたものに過ぎません。
補足:ちなみに、この「神性の維持」が、私の「秋篠宮殿下の行為」が「神性を汚すもの」とみなし「ゆえに天皇になる神性に傷がついた」と考えている部分の一つです。
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◆ 対策:私見
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私自身は男系継承を保持したいと考えています。
だだ、一.の「旧宮家の復活」という思想は、論理から言えば、「皇族」という存在は(法で簡単に)「広げたり縮めたり自由にできる」という思想に他なりません。これは、宮家・皇族と言う存在を結果的に「軽んじている」ものと考えます。したがって、安易に「皇族範囲」を変更することは認めるべきではないと考え、で反対します。
そこで私は、二.三.について視野に入れるべきだと考えています。
二.側室制の復活
社会的認知が得られないというが、そもそも一夫一妻制とは「明治以降の欧米文化」において確立されたものです。
また、天皇家においては大正天皇からわずか3代取られているだけの制度に過ぎません。
ならば、側室を置く事が不可能とする根拠はどこにあるのでしょうか?
「倫理的に間違っている」とする説明もありますが、その「倫理」とは何に根付くものなのでしょうか?
実は、その「倫理」とは「キリスト教社会」に基づく「倫理」でしかありません。
一夫一妻を推奨しているのは、単なる「キリスト教社会」でしかなく、古くからの慣習でも古来からの日本的史観でもなく絶対のものでもありません。
実際、他の社会、宗教、世界観、自然観においては、容認されている思想です。
また、明治時代において多妻制から一妻制への「意識の変革」が為されたならば、なぜ、今、一妻制から多妻制への「意識改革」ができない。とするのでしょうか?
私は「できる」と考えます。
三笠宮殿下も言われてますし、私も「可能」と考えている以上、同様に考える人は一定数はいると考えています。
「消極的賛成者」も含めればある程度の賛同者は得られるのではないでしょうか。
三.養子制度の確立
「皇太子に男宮がいない」事に問題があり、「皇族」を増やす事が難しい。
これが、問題の一つと考えています。
ならば、対策としては「皇太子に男系子孫から養子を取る」という方策が考えられます。
これにより「皇統」系譜も保たれるし「男系」という事も保持されます。
さらには「皇族の増加」という事も抑制されます。
以上のことから、私としては、二の方がより有効的な手段だと考えます。
三−1 なお、この時、現状においては「愛子親王殿下」をどのようにされるか?という問題があります。
私としては「養子とした傍系(男系)男子と愛子親王殿下を婚姻させる」ことが、皇統の一体化を図るのには得策だと考えます。さらにその宮が男宮であれば特に望ましいでしょう。
更に言えば、今の段階で、最も「養子の候補・婚約者候補」として相応しいのは誰かといえば、年齢などを考慮しても「悠仁親王殿下」を私は推します。
実際、「いとこ同士」であることから考えれば、民法上でも問題の無い(社会的に問題の無い)近親関係であり、様々な事例を見ても問題は無いでしょう。
また、愛子親王殿下と婚姻するしないに関わらず、養子となった「次の皇太子」が男宮を授からなかったとしても その都度「男系遺伝子を持つ者」を養子にとれば、「皇統」自体は保たれるものと考えられます。
三−2 天皇養子論については、私は「天皇公募制」という手段もありえると考えています。
「天皇家男系継承者」であるという事を条件とし、公募によって皇太子候補を選定し「天皇の養子」として立太子を行う。という手法です。
「男系である事」を条件とするのであれば、「遺伝子チェック・系図」により「男系である事」を立証できればよく、また「皇族でない」という事を否定的に取るのであれば、「天皇の養子であり皇太子である」という事実をもって「皇族」とみなす事が可能でしょう。
しかも公募においては「自己の立候補」を前提とすれば、本人に「やる気がある」という事でもあり意思の面においても問題はありません。
そもそも「皇族でない」というが、先祖が「皇族」(天皇)であったことは間違いなく、先祖がえりすれば「皇族となる」事も可能なはずです。
もし、それが不可能だというのであれば「皇籍離脱された方々を皇族に戻す事ができる」という論理自体が成り立ち得ないと考えます。
「3〜4代前なら復帰可能で、5代以上遡るのは無理」などというのは、どういう「男系に基づく根拠」があるというのでしょうか?
以上の事をまとめると、
私としては、三.二という順で男系維持を推奨したいと思います。
女系天皇については、先に書いたとおり「天津神神道」(天皇祭祀)に基づく「巫女的神性」の維持という観点から反対です。
なお、養子説を取る私としては、神性条件をクリアするためには以下の3点が天皇制継承の基盤として必要だと考えています。
・「男系である」という事で「血の継承」をクリアし「巫女的本質」を保つ。
・「養子になった後」、皇室祭祀による様々な「祓い」「祭祀の継承」を行い「巫女的実体」を持つ。
・「穢れ」が生じた場合、「天皇となる資格」を失う。
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