差別とはなにを指すのか? A 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月12日(金)14時53分04秒 L048124.ppp.dion.ne.jp

一言に「差別」といっても場合、主に以下の三つの要素を含むと思います。

「経済格差」「わかりやすい差別」「持上げ(珍重)差別」

◎ 経済格差

江戸時代から延々と続いているアイヌへの奴隷化や、
日本政府が行った強制移住や同化政策などの殲滅政策や、
和人それぞれが行っているアイヌへの差別などの、様々な
「あいぬいぢめ現象」の結果として現れている格差ですね。

これは、進学率や生活保護の数に如実に表れます。
http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-soumu/soumuka/ainu/jittai.html
にデータが存在します。

ですが、この手の調査に際し注意を要するのは、アイヌの多くには、
アイヌを取り囲む様々な困難な状況から
「名乗らないアイヌ」「隠れているアイヌ」「知らされないアイヌ」
が無数に存在し「カウントされないアイヌ」「認知されないアイヌ」が潜在的に多数おり、
必ずしも正確に実体を表しているとはかぎらない、という点をご留意下さい。

上記のHPの調査結果では、アイヌの人口は24000人となっていますが、
実際の人口は7万〜20万人くらいではないかと思います。

この実態調査は、まずもって北海道内のアイヌだけなのが問題です。
調査対象にならなかったアイヌも多数居るばかりか、
支庁別アイヌの人口で0人となっている地域にも、
実は多数のアイヌが居住しているという事を考えても、信憑性には疑問が残ります。

ですが、形になっているほぼ唯一のデータでもある事も確かです。

◎ わかりやすい差別

面と向かった面罵、就職差別、結婚差別などの具体的な行為から、
「アイヌ勘定」などに含まれる漠然とした、
「劣ったもの」「滅び行くもの」という意識までを含む「よくある差別」の事です。

写真を無断に使って「滅びゆくアイヌ」とテロップを入れたり(更科源蔵)
警察の内部資料のカルテを勝手に出版してしまう(河野本道)などの具体的な行為に
現れている「アイヌを人間扱いしていない」という意識もこれに入ります。
(多分、当人達はそうは認識していないでしょうが、事実そういう意味の行為ですよね)

この手の差別の歴史や、それと闘ってきた先達の軌跡は、
ちょっと自力で調べればいくらでも出てくると思うので、詳しくは割愛します。
(河野本道については裁判闘争の情報が「緊急ニュース」にあります)

このタイプの差別は、アイヌの先達の努力によって、地域によっては、
表面に現れる事は少なくなったかもしれませんが、なかなか完全には払拭できていませんね。

またその際、この手の問題は「あなたは差別されたことがありますか」というマヌケな質問
をして実態を把握するのが、大変困難な現象である事も忘れてはなりません。

これらの差別は、負のイメージ、あるいは「発展途上」のイメージを形成し、
最初に上げた経済格差と密接に相互補完して「機能」しているという点にも、
ご注意願いたいです。

http://www.alles.or.jp/~tariq/kampisosi/historymain.html


差別とはなにを指すのか? B 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月12日(金)14時52分15秒 L048124.ppp.dion.ne.jp


◎ 持上げ(珍重)差別

これは、アイヌであると名乗ると発生する、
「サラブレット(ルーツがある)ですね」「民族なのですね」「自然と共に生きてください」
などの、一見プラスイメージではありますが、よく考えると大変無責任な幻想のおしつけで
しかない現象を指す言葉です。
簡単に言えば「オリエンタリズム」のことですね。

また「日本の多様性に貢献するアイヌ文化」も、良く考えるとこの手の差別と同じ発想を
内包していると考えられます。
この言説には「アイヌ文化を持たないものは価値がない」という逆説的なアイヌの選別(否定)
が含まれる事を留意するのは当然ですが、それよりも注目すべき点は、
「アイヌ」を消費、あるいは「享受」する側の和人サイドには、なんの負担も無い大変便利な
言説であるという事です。

アイヌであると名乗ると、まず殆どの現場で、
「純血か、それとも何分の一か」「アイヌは縄文人であり日本人の先祖である」
「踊りは出来るか」「アイヌ語は話せるか」「うちの地名はアイヌ語か」
などのよくわからない質問が連呼され、あげくの果てに、
「それでも、今は日本人と同じである」「あなたは私の仲間・友達である」
という結論を聞き出して「納得して帰りたい人々」に遭遇します。

さらに、ちょっとした「事情通」ですと、
「(当人の出身地ではなく、親や祖父母が)どこの地域のアイヌであるのか」
なんて事を執拗に聞いてきたりします。
まるで「アイヌにはそういうことを聞くものだ」という口ぶりです。

まともな感性のある人なら、既にお分かりの事だとは思いますが、
このような事を「アイヌであるから」という理由で初対面の相手に聞くことが出来る、
というのは、既にストーカー行為、つまり差別であります。
ですが、この現象は大変広範囲に蔓延しています。

この手の「差別」は、従来の「差別克服」の戦略プランでは全く歯が立たないばかりか、
より上の世代アイヌには「私たちのことが認められている」と誤解をさせる効果があります。
しかも前回の投稿で述べた「世の中は変わってきている、差別だなんだいう時代ではない」
という「次世代の発信」をしたい人々にとっては「めんどうな事をしなくて済む」心地良いもの、
場合によっては「じぶんたちの誇りのルーツ」をくすぐる大変心地よいものであり、
なんだかんだで「うまく機能」していくように出来ています。

そしてなにより、このタイプの「差別」には、
「カウントされない人々」を何もせずに放置したまま「問題は解決されつつある」という
認識を多くの人々に発信し実感させ、さながらなにかが前進したと錯覚させる
「機能」を持っており、大変な問題である、と思います。

http://www.alles.or.jp/~tariq/kampisosi/historymain.html


同じアイヌといっても格差がありますからね。 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月12日(金)12時23分27秒 U183194.ppp.dion.ne.jp

ようこそ、和人の末裔さん。
私は、アイヌの末裔にして「いまもアイヌ」のEsamanです。

色々と、お話しできればと思います。


>そのアイヌの住む社会が、現在も尚、大変野蛮で狂暴で無神経なもの

場所や空間、そのアイヌの境遇、あるいは、意識によっては、
随分な差別がまかり通っていますよ。

極めて一般的な説明だとは思いますが…

アイヌをとりまく状況は、まず、地方によって随分違います。
いわゆる「昔(江戸時代ではないですよ)のような差別」が、
いまでも横行している地域もあります。

また、行為としての差別は見えなくとも、一皮向けば意識は最悪、
というのでしたら、「意識の進んだ地域」でも珍しくはないでしょう。
(例えば、私は差別しないけど、お客が嫌がるので採用しない←それが差別だ!)

それと、絶対に忘れてはならないのは、同じ地域のアイヌといっても、
まるで「階級差」のような境遇の違いが存在する事です。
一般的に、社会的地位が高いアイヌは差別される事が少なく、
低くなればなるほど差別されやすく、また、声を上げる力も弱くなります。

具体的な事例としては、旭川の川村カネトアイヌ記念館の館長の川村さんは、
「俺(三代も続いた博物館の館長、既に地域の名士)は、
 高い車乗ってても何も言われないけど、他のアイヌはそうではない」
「俺は何もされないが、他のアイヌ(普通の人)には、未だに差別がある」
とおっしゃっています。

尚、この旭川という「地域」は、旭川アイヌ評議会や川村家の長年の尽力により、
中学の授業でアイヌの学習(副読本を使ったりや川村さんを呼んだりする)
をとり入れたり、「開基」という言葉は使わなかったり、アイヌが何人も市議
(今は違うかも)になっていたり、市が後援をして「全道アイヌ祭り」を開いたりして、
北海道でも1・2を争う「自治体の意識も高く、アイヌの頑張っている」地区であります。

また、どのような差別であれ、それに対して声を上げることは大変な作業であり、
(まずもってアイヌと名乗る事自体がかなり大変ですからね)
「一般の人の目に触れる」のは、常に氷山の一角であるという事をご理解下さい。


そして、さらに問題なのは、かような境遇の、
社会的な地位のあるアイヌなどの「次の世代」が、自身が差別体験が無い事を
「世の中が変わった事」(実は自分の階級が上がっただけ)だと勘違いして、
「世の中は変わってきている、差別だなんだいう時代ではない」
という情報発信を行ってしまったり、そのような情報発信を促進しようとする社会がある、
という事だと思います。

>現在において何も変っていないのか?と耳を疑いたくなります。(この場合は目か…?)

ことに差別の問題を扱う場合、疑うべきは「感性」と「立場」だと思います。

その情報を受け取り判断している自分の立場と感性はどうか、
発信しているものの立場との違いは何か。

人間は社会的動物であり、差別や誇りや民族などというものは、
極めて社会的な行為ですからね。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


はじめまして 投稿者:和人の末裔  投稿日: 7月11日(木)05時23分31秒 h162.p029.iij4u.or.jp

http://8508.teacup.com/kokubayuuji/bbsの方にいろいろと書き込みをさせていただいていた者です。こちらのページを発見致しましたので、これからお世話になりたいと思います。
アイヌの方々の存在を殆ど知らずに生きて来てしまいましたが、ひょんな事から知ってしまいました。和人の末裔として、正しいアイヌ民族を知ることは、自分を知ることでもあるという観点からいろいろ勉強させてもらいたく思います。

↓の書き込みにあった
>そのアイヌの住む社会が、現在も尚、大変野蛮で狂暴で無神経なもの

に関して驚きました。
現在において何も変っていないのか?と耳を疑いたくなります。(この場合は目か…?)
まだまだ、私には知らない事実が多いようですね。


http://8508.teacup.com/kokubayuuji/bbs


イヨマンテ、最近無いですねェ 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 7日(日)17時03分01秒 U177233.ppp.dion.ne.jp

私も、神々の由来に付いては、そんなに詳しくないのですが…

>本の内容からは、シマフクロウ>ヒグマ・シャチ>テンの順のようなのですが、これはどういう
>意味で順位がつけられるのでしょうか。

シマフクロウよりもヒグマの方が「獲物」という観点からは高いのは、当たり前ですね。
毛皮も大変よいものが手に入りますし、肉も多い、
熊の胆なんかは高値取り引きされる万能薬ですし。

旧土人保護法が出来た前後、強制移住や疫病、生活様式の変化の強制などが連続し、
アイヌの生活が大変困窮していた時期にあっても、熊取の名人は、
わりと有利に現金収入を獲得できて、ほどほどに良い生活が出来たようですしね。
まさに「現実的にご利益のあるカムイ」という感じです。

ですが、カムイの位というのは、必ずしも獲物としての価値だけで決定するわけではなんですよね。

一つにとても強いから、人間ではかなわない力があるから尊敬される、という側面がありますね。

例えば、シャチのカムイなんてのは、獲物としての価値というよりは、
クジラを追っかけて浜に寄せてくれるから、という意味と、海上で人間が戦っても、
(サイズの割に機動力があるし攻撃的なので)勝てる相手ではない、という意味から、
位が高い「海の支配者」みたいな地位にあるんだと思います。

フクロウは「人間より強い」「交易物・薬・食肉としての獲物的価値」という意味からも、
あまり価値が無い存在ですけど、アイヌの神話では、コタンコロカムイ、
つまり、夜も眠らず集落を見張って護ってくれる神であるので、
そういう視点から、大変位の高い神である、とされているんですね。

とはいえ、今となっては、イヨマンテといえばクマのものが主に伝承されていますし、
イメージもそうですね。 シマフクロウは、10年以上前に復活したきりのようですし。

昔は、キツネとかテンも、結構やったみたいですけども。


それでは、また。
今日が加納沖が名古屋に来ているので、今から会ってきます。


動物の位について 投稿者:千葉県人  投稿日: 7月 7日(日)15時45分33秒 p1171-ipad21marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp

詳しいご説明をいただきありがとうございました。今度、白老に行って見ます。
さて、別の質問させていただきたいのですが、アイヌの熊送りなどの儀式はランク(?)の高い
動物が対象になっていると本で読みました。
本の内容からは、シマフクロウ>ヒグマ・シャチ>テンの順のようなのですが、これはどういう
意味で順位がつけられるのでしょうか。
シマフクロウよりもヒグマの方が獲物という意味からは価値が高く感じますが。


お久しぶりです 投稿者:Kei  投稿日: 7月 6日(土)10時29分48秒 211.15.39.219


どーも、ちょい久です。元気してましたか?
『Nicholls』から改名しました。日本人なのに、このハンドル名はおかしいかなと違和感が(笑)…。

そうですね、PC持ってないのは痛いッ!
携帯じゃパケ代が馬鹿みたいに取られるし、頑張ってお金を溜めて、早くマイPCで訪れたいものです(笑)。

御丁寧にチョイスなんかしてくれて、とてもとても嬉しいです。
正直、どんなものからが入りやすいのか、手が出せずにいたんですよ。

ホント感謝。

ありがとうごさいます。
 


「アイヌと名乗る」と出現する、大変困った状況 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 6日(土)02時25分39秒 U177076.ppp.dion.ne.jp

mintaraからこちらに話題を移しておいて、肝心のレスを投稿するのを忘れていました。

アイヌの子さんの友人に、そういう事をいいだす「ヘンなヒト」がいなくて、
よかったですね。
でも、むしろ当然と言えます。
「普通のヒト」「ただの友人」は、そんなにヒドイ事はしないものです。
(いや、でもするんですよ、友人だろうがなんだろうが、確立の問題です)

むしろ、
「アイヌに興味のあるヒト」とか「アイヌに理解のあるヒト」とか、
「活動をしているヒト」とか「縄文のロマンに思いをはせるヒト」とか、
「社会に居場所のないヒト」とか「イヤしの欲しいヒト」とか、
「ルーツ系・スピリチュアル系・エコロジカル系にチャンネルがイっちゃってるヒト」
のほうが、ヘンな事をする確立は高いと思います。

アイヌが何かもわからないヒトは、

「親の出身地は?」「血は何分の一?」「差別されてるんですか」

などの、まず初対面の相手には聞かない、大変失礼な内容
(いい大人なんですから、それくらい気付きましょうや)は聞かないですよね。
アイヌ相手にはそういう事を聞くものだ(間違った知識なんですが)
ということすら知らないのですから。

また、アイヌに殆ど興味を持たないヒトは、

「自然の中で生きてください」「サラプレットですね」
「○○教えてください」

などのセリフも、まず言わないでしょうね。

これらの質問は「アイヌってカッコいいですね」というかんじの
何かを勘違いしたヒトが言うものですね。
(とはいえ、「アイヌ周辺の」和人としては、むしろ大変一般的な姿勢ですが)

それに比べ、

「普段何してるんですか?」「民族なんですか?」
「縄文人なんですよね?」「アイヌ語しゃべって」

などの質問は、大変「一般化」していて、やっかいですね。
事に「アイヌは縄文人」に関しては、その根底にかなり姑息な
国家の意思が入っているのですが、みんな言ってくる。

これ、朝鮮人相手に「あなたは弥生人なんですね、私の先祖だから日本人なんですね」
というのと、ほぼ同じ程度の、無茶な内容なんですよね。

ちなみに、この説の唱えられ始めたのは「蝦夷地」が北海道となって、
色々あった頃から、日本が朝鮮や中国に進出したまでの間です。
この頃、北大の児玉作左衛門教授(児玉マリの父親)のような人々が、
各地のアイヌの墓を強襲し、多数の人骨と副葬品を略奪しました。
アイヌだけでなく「周辺民族」にも、同様の事をしたんですね。
そして、
「日本は周辺民族の中心(つまり「混血」の中心)に位置する多民族国家」や、
「周辺民族は日本民族にくらべ、劣っている」
(つまり、私達が「卒業」した、私達の先祖の古い生活・野蛮な風習を持っている)
などの論拠の形成に「貢献」したわけですね。

この「劣等だから滅亡」という論調は、じきに
「日本人の中に発展解消(つまり、日本の多様性に貢献)」へと変化していくのですが、
表立った言葉は違えど、根底に脈々と流れる、アイヌの主体性を無視した「
そえもの」としての研究姿勢、つまり「刺身のツマの如き扱い」や、
ホネ学者の変態行為は全然変わりませんでした。 実はこれ「今も」なんですけど。

この「児玉教授のような人々」が何をしたのかについては、
下記のアドレスに詳細がありますので、よかったら見ておいてください。
http://www.alles.or.jp/~tariq/honehone/kodama.html

http://www.alles.or.jp/~tariq/


そのアイヌは、一体どのような境遇(階級)の「アイヌ」なのか? 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 6日(土)02時18分27秒 U177076.ppp.dion.ne.jp


内容的に、上の続きです。

また、差別の実体の地方による温度差も、大変な問題ですね。
ウタリ協会がアイヌ協会にしようとがんばって、もう何年にもなりますが、
今年の総会でも否決だったそうではないですか。

これは、アイヌ協会がウタリ協会に改名した理由である、
「アイヌだということが知れるとマズイ、アイヌという言葉を使うのはマズイ」
という「隠さざるおえない」状況が、かなりの地域で、
いまも存続している事を示唆しています。
これは、そのように隠れているアイヌが「誇りの無い根性為し」なのではなく、
そのアイヌの住む社会が、現在も尚、大変野蛮で狂暴で無神経なものである事を意味しています。
アイヌの多くは、和人の多くがそうであるように「活動家」でも「伝承者」でもないのですから、
私や強面の活動家のように「闘えない」としても、それは普通であります。
また「伝承者」となりたい強い意思があったとしても、親がそういうヒトでなかった場合、
そのチャンスに「到達できる」アイヌは極めて少数だという事も、知っておいて頂きたいですね。
特に「アイヌの文化」に携わる、あるいは楽しんでいる和人の人々には。

現在、ウタリ協会は「アイヌ協会」に変更すべくキャンペーンを行っておりますが、
北海道の取っている統計に見られるように(リンク集にあります)未だに生活の格差は
残っており、ウタリ福祉対策は、たいした効果があがっておらず、生活レベルと差別実体は、
昔とそんなに変わっていないのに、名前の変更を先行させよう、
というのにはムリがあるのではないでしょうか?
(基本プランに問題がある…というか、効果を上げない事が目的の国家の政策ですからね)

また、いわゆる、いじめや結婚・就職などの時に出くわす「旧来の差別」とは別に、
私が何度も主張している「アイヌだと名乗ると、途端にヘンなヒトが寄ってくる」
という現実もありますから、やはり、
「アイヌだって事を隠してないなんて、えらい」と、つくづく思います。

まぁ、中にはそういう「ヘンなヒト」にちやほやされる事(かまってもらう事)
が快感や存在意義になっているヒトや「人前で名乗って踊る事」が仕事になっている
ヒトもおり、同じアイヌといえどもいろんな格差があるんですね。
ですから「名乗っているだけ」で、果たして本当にエライかどうかは、大変疑わしいですね。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


このサイト、ケイタイでマトモに表示されるんだろうか? 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 5日(金)09時51分21秒 L047144.ppp.dion.ne.jp

なんだか、最近ケイタイでアクセスしてくる人、多いですね。

>せんべい屋の寄宿人さん

まぁ、nupでもporonupでも、なんとか通じるような気もしますが、
せっかくですから「空間」を強調した言葉を捜してきました。
アイヌ語には概念を表す言葉がない、なんていわれたくないですからねぇ。

>千葉県人さん

オークションで見かけるものは、基本的にレプリカですね。
「実際に使用されていた本物」が、この時代に、一般の人が手を出せる値段で
出まわっているとも考えられませんし、そういう「逸品」でしたら、
ほしがる博物館は、多いでしょうし、そもそもそんないい品が、
何故博物館に収蔵されていなかったのか、という点も気にかかってきますね。
(博物館は「出元」の確かな品物しか収蔵しない…とは限らないですけど)

それに、デザインなどから見ても「雰囲気出ている」ものはタマにありますが、
やっぱり最近作ったものだなァ、というものばかりですね。

あと、白老のアイヌ民族博物館の売店コーナーに行かれてみては如何です?
着物(「本物」も「最近作った本物」まであります)や刀などの民具も少し
置いてありますし、タマサイもレプリカですが、比較的良心的な価格で売っ
ていたりしますよ。

本物はまず無理にしても「質の高い現代の製品」は、私らアイヌも欲しいですね。


>NICHOLLSさん

携帯でまともに読めるんですか? ここ。
アイヌ語の本としては、文化振興財団が出している
「アイヌ語ラジオ講座」のテキストがいいですよ。
電話すれば、タダで貰えるというのが大きいですね。

あと「判りやすい」かどうかは全く区別として、知里真志保の出した

「アイヌ語入門(北海道出版企画センター・1214円)」とか、
「アイヌ語地名小辞典(北海道出版企画センター・971円)」なんかもいいですね。

比較的安いですし、手に入りやすいです。
ただし内容の「親しみやすさ」「理解のしやすさ」については、保障致しません。
あと、こぼれ話しですが、この出版元の人が、現在「緊急ニュース」で
とりあげられている「河野本道差別図書裁判」で訴えられている、河野本道です。
http://www.alles.or.jp/~tariq/trial/kouno020627.html
北海道出版企画センターは、基本的にいい仕事をしてますが、
警察の医者が「アイヌは劣等」という事を証明する為に調査した時の、
アイヌのカルテなどを実名と病名入りで出版して600部も売って儲けるなど、
あくどい事もしています。
よい仕事やよい「お話し」をするかどうかと、その人間の質は全く別、といういい例ですね。

他は、値段が高い上にわかりにくいので、初めての方にはお奨めできませんね。

また、アイヌの現実・今についての本は、

「銀のしずく(北海道新聞社・1700円)」
「アイヌ群像(御茶ノ水書房・1957円])」

という本を、それぞれ交互に読むのがお奨めです。

文化や精神性などについては、白老のアイヌ民族博物館のHPに行けば、
タダで色んなモノが見れてトクですよ。 本も沢山出ていますけどね。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


なるほど 投稿者:せんべい屋の寄宿人  投稿日: 7月 5日(金)02時36分39秒 Cksgy2DS74.stm.mesh.ad.jp

平野の件、ひとつ勉強になりました。イヤイラィケレ


mintaraからの話題の移転1A 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 4日(木)12時13分39秒 U177241.ppp.dion.ne.jp

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1578 アイヌに「アイヌ」である事を強要するものがある。 2002/07/04(Thu) {185} Time11:24
oripakEsaman そろそろお迎えが・・・ 毒アイヌ 川村カ子トアイヌ記念館 ***

なんだか、話題が深刻な方向に向かいつつあるので、
ここらで話題をSampeに移しますか。
和人Xさん、せっかくこっちにもおいで頂いたのに、
すいませんね(笑)

>今のアイヌの境遇って、アメリカで「空手や忍術の披露を強要される日本人」みたいな状態が日常的になってゐる、と考へれば近いんでせうか?(鬱)

随分前に、同じような事を、Sampeでストネコさんとお
話しした事もありましたね。
手っ取り早い理解の糸口としては、その方向でも間違いではありませんが…

その「空手や忍術の披露を強要される日本人」は、
一時的に滞在している旅行者でも留学生でもなく、
アメリカで生まれた、英語しか話せず、経済力も教育機会も
無い階層で、アメリカ以外では暮しようのない人達であり、
在日○○人や沖縄の人達のように「心の祖国・先祖の祖国」
とよべる国や地域・空間が無く、その「披露を強要される」
日本文化自体も、既に多くが途絶えてしまっていて、
学びようも無い状況で、そんな事を合うヒトごとに言われる。

また、最近成立した法律では、そのような「日系人の文化」を、
広く「アメリカ社会の福祉に貢献する為」に予算が組まれて、
かつて禁止していた経緯への反省も日本人への謝罪も何も無く、
「空手や忍術がダイスキな人達」の為にお金がドンドン使われ
ていく状況にある。
そして、その「文化ブーム」とは別に、差別や格差は依然残った
ままである。

また、そのような状況にもかかわらず、一部の
「エンターティナーになれる日本人達」は、
空手や忍術がダイスキな人達と謡い踊って「共生(強制)への道」
をまっしぐらに突き進んでいる。
どうも、その僅かな政府の補助金を巡って、日本人同志の争いも
絶えないようだ。

そして、失望したあなたは、日本人であることから逃げるか、
飲んだくれるか、自殺するか、ヤクザになるか、学者とか日本人
好きのオモチャになるか、こうやって掲示板でなんかするか、
はたまた、汚職まみれの政治家の後援会長になってでも出世するか、くらいの選択肢しかない。

…これくらいリアルに想像してくれないと、わかんないですよ、多分。

また、実際のアメリカにおける「日系人」への差別や迫害、
不寛容は、調べればいくらでも出てきますが、日本社会における
アイヌの状況は、アメリカにおける日系人の数より遥かに少なく、
政府の同化意思も徹底しているので、もっと厳しく世知辛いものである、とお考え下さい。

なんとかならんもんなんでしょうか。
(下に続く)
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http://bbs2.otd.co.jp/mintara/bbs_plain


mintaraからの話題の移転1B 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 4日(木)12時12分53秒 U177241.ppp.dion.ne.jp


これは、上の投稿(mintara1578)の続きです
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>>アイヌノコさん

>こんな質問とか勘違いされるくらいなら、全くアイヌに関心持たれないほうがマシ、って考えはダメでしょうかね。

…色々と考えたけど、ダメとはいえんなぁ。

状況は最悪だとしても、何もしないと、そのままなんだけど…
しかし、説明してきた状況のとおり「普通の人」には、
荷が重すぎるし「和人はなんもしなくていから、寄らないで」
といいたくなるような状態は、確かに存在する。

これは、何も考えず人前で踊って解決する問題でも、
「私は名乗る事ができます」
「私はアイデンティティを確立しました」というだけで、
何かが解決する問題でもないしね。

確かに、こんな状況の中「人前で名乗る」事は、疲れる事だし、
意味のある事だが、それを自分で「たいした事」だと思っている
間は、そう周囲に評価してもらいたがっている間は、
「ただそこにアイヌがいる」というだけなんだから、何も出来はしない。

そういう勘違いしているアイヌ、少なくないが。

そもそも「アイデンティティを確立」しないと生きていけない・存在できないという、
アイヌを囲む状況のほうにこそ、問題の根本がある。
和人のかなりの部分は「アイデンティティ」なんて悩むことなく、
幸せに暮しているのにね。

「アイヌ問題」とは、やはり「和人問題」なんですよね。
「知らないことは差別」でありますから。


で、俺は、国連行って話すとかのお金のかかる方法や、
人間関係に絡みとられて動けなくなる「なにかの団体」を通した
現実世界の活動や、アイヌの実態とは、どうしても何かがズレ
ざるおえない、人前で踊る、という方法以外に、
地位も身分も名声も金も伝承文化も何もない自分に、
ダイレクトに問題点にアクセス出来る方法
(客さん状態で話しを聞いている和人と、同じ境遇のアイヌ達)
はないかと考えて、このHPを作ったんですよね。

ま、いまじゃ、並行してやっていた現実世界での活動
(辻説法に近い←笑)
が実を結んで、学校行って話す機会とかも出来てはいるんですが、
それだって、まだ何も出来ていないに等しいですし、
そういう事を仕事にするセコイ人間にはなりたくないので、
やっぱりHPで話しをする、というのもは効果があるので続けています。

ま、効果ったって、ただが知れてますが。

続きはSampeに投稿します。
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http://bbs2.otd.co.jp/mintara/bbs_plain


mintaraからの話題の移転2 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 4日(木)12時09分22秒 U177241.ppp.dion.ne.jp

上の記事は、mintarにおける、以下の話題の続きで投稿したものです。
話題の方向がちょっと深刻になってきたので、こちらに移転したいと思います。
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1577 和人Xさんの言うとおりかもしれない(鬱) 2002/07/02(Tue) {183} Time16:22
アイヌノコ 留年中 留学生

>今のアイヌの境遇って、アメリカで「空手や忍術の披露を強要される日本人」みたいな状態が日常的になってゐる、と考へれば近いんでせうか?(鬱)

確かにそうかもしれない・・・。
でも、そういうことを言う和人って、やっぱり内地の人、さらに言えば、アメリカインディアンなどのスピリチュアル系の本とか
読んでる人に多い。
地元(札幌)の友達は、さすがにそんなEsamanさんのあげた例のようなアホな質問してきませんねえ。アイヌだって言っても「へー、そうなんだ」って感じで。別にアイヌに興味ないからかもしれませんが。
田舎(道内の某地方)の人には、「アイヌだって事を隠してないなんて、えらい」と言われたこともありますけど、それだけそこの地域のアイヌ差別が酷いという事なんだと思います。

>「普段何してるんですか?」「民族なんですか?」
>「アイヌ語しゃべって」「血は何分の一?」
>「○○教えてください」「差別されてるんですか」
>「親の出身地は?」「縄文人なんですよね?」
>「自然の中で生きてください」「サラプレットですね」

こんな質問とか勘違いされるくらいなら、全くアイヌに関心持たれないほうがマシ、って考えはダメでしょうかね。

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1576 生産終了機種なのに新製品より元気があるとは(笑) 2002/06/30(Sun) {181} Time18:04
Reply 和人X 電波受信中 腐れヤマト ギルガメッシュの酒場

あ、ドリームキャスト所有者と云ふ訳では無いです(汗)。
メガドライブとサターンなら持ってゐるんですが。
ドリ、某×Boxよりは元気と云ふ噂が……(苦笑)。
何と無く、PC-FXとか末期のPC-Engineを思ひ出すさまではありますが(笑)。
今のアイヌの境遇って、アメリカで「空手や忍術の披露を強要される日本人」
みたいな状態が日常的になってゐる、と考へれば近いんでせうか?(鬱)
 
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1575 日本社会にいるアイヌは、やはり存在を否定されている。 2002/06/30(Sun) {181} Time13:52
Reply oripakEsaman 俺を見てくれ マイノリティ・エリート 弾劾! ***

政府の見解や裁判の進退がどうこう言う以前の、
社会一般の意識の問題として。

>>石見博昭さん

「階級の定義等難論攻撃にあうので、言論統制されているのと同じ」

この言葉、ありがたく頂きました。
まさにその通りですね。
私も、使わせていただきたいと思います。

日本社会にいるアイヌは、
アイヌであると名乗った途端に、自動的に、

「普段何してるんですか?」「民族なんですか?」
「アイヌ語しゃべって」「血は何分の一?」
「○○教えてください」「差別されてるんですか」
「親の出身地は?」「縄文人なんですよね?」
「自然の中で生きてください」「サラプレットですね」

などと、不謹慎な視線に晒され
「アイヌの」エンターティナーである事を半ば強要され、
(一般的な差別とは、また別口で)色々とやっかいな目に合う。

これは、存在を否定されているのと、ほぼ同じ状態である言える。

かような抑圧下では、一部の「エリート」「強面」を除き、
多くの「普通のヒト」であるアイヌが、
名乗る事すら出来ないのも無理は無い。

そして、一部の「恵まれた」アイヌ達との「交流」を、
そんなアイヌの開放だと勘違いして共に踊る人は、何処でも絶えない。

「踊るアイヌに見るアイヌ、同じアイヌなのにこの差はなんだ?」

…本当に、なんとかならんもんなんでしょうか?
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http://bbs2.otd.co.jp/mintara/bbs_plain


おしらさま? 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 7月 4日(木)12時00分12秒 U177241.ppp.dion.ne.jp

風影さん、ようこそ。
ここの管理人をしている「アイヌのひと」Esamanです(笑)。
現在のアイヌは、長年の同化政策の影響で、必ずしも
「アイヌのひとが信仰」に詳しいとは限りませんが、
私は珍しくも勉強中&実践中なので、多少は詳しいです。

>おしらさま、あてるいみつえしろ、アイヌのひとが信仰していたもの について詳しい方がいらっしゃったら教えていただきたいのですが。

との事ですが…
おしらさま、というのは東北地方などに伝わる信仰で、家屋の守り神の事ですよね?
確か、木の棒に毎年布を被せていく奴ではなかったでしょうか?
よく、養蚕の神様とかになったりしていますよね。
これは、多分屋根の方に安置されることが多いから、ではないでしょうか?
「おしらさま」という言い方はしませんが「家を建てたときに魂をいれる」行為は、
田舎に行けば全国的に見られますよね。

あてるいみつえしろ? しらないなぁ…
それは何処で聞いたどんなものか、簡単でいいので、是非教えてください。

おしらさまに似たものとしては、アイヌにも「チセコロカムイ」というのがありますよ。
イナウ(木を削ってリボン状にして房にしたもの、cf御幣、削り花)で、家を新築した時に、
家の魂として安置する奴ですね。
形とか、据えつける方角とかの細かい部分は地方によって違いますが。
あと、家を新築したときは、古い家の囲炉裏から、火を移す作業もしますね。
かつて、山村のご家庭でもそうであったように、アイヌにとって囲炉裏は大切な家の中心です。

「アイヌのひとが信仰」といいましても、その範囲は膨大ですし、
風影さんが、どのようなことについて知りたいのか、正確にわからないので、
今回は、とりあえずここまでにしておきます。

この投稿の後に、幾つか長文が投稿されて、話題も変化するとは思いますが、
かまわず質問したい事につていてレス下さい。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


言葉 投稿者:風影  投稿日: 7月 4日(木)05時29分54秒 wgpproxytn0401.skyweb.jp-t.ne.jp

始めましてアイヌについて全く知りませんが聞きたいのです
おしらさま、あてるいみつえしろ、アイヌのひとが信仰していたもの について詳しい方がいらっしゃったら教えていただきたいのですが。


sampelog1622-1621.html